【ヌン活♪】札幌で優雅なアフタヌーンティーが楽しめるホテル&カフェ-意外と知らないマナーも-

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「ヌン活」という言葉をご存じでしょうか? ちょっと変わった響きの言葉ですが、これは「アフタヌーンティーを楽しむ活動」のことです。ここ数年、女性を中心に「ヌン活」を楽しむ方が増えています。

アフタヌーンティーといえば、おしゃれなケーキスタンドにスイーツや軽食がのせられていて……というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、もともとは英国貴族の習慣です。こちらの記事では、アフタヌーンティーの歴史やちょっとしたマナーと、札幌で「ヌン活」ができるスポットをあわせてご紹介します。

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今、「ヌン活」が人気の理由

スタンダードなアフタヌーンティー

もともと、美しくおいしそうなケーキスタンドや、優雅なティータイムの様子がSNS映えすると女性に人気でした。女性にとっては、きれいなティーセットや小さくて可愛らしいお菓子の数々が並ぶ様は、「お姫様願望」をくすぐられるのもポイントです。

そして、実はコロナ禍でその人気がさらに高まりました。ホテルで贅沢な時間を過ごしたいけれど今は旅行は控えたい、ノンアルコールで集まるのに良い、「アフタヌーン」なので昼間の時間帯で集まれる、ホテルならソーシャルディスタンスがある程度保証されているからという様々な理由が複合的にはたらいていると思われます。

人気の主流は女性ですが、最近では昼間の商談を兼ねて、男性ビジネスマンが接待で利用する場面も見られるとか。ホテルなら高級感もあるし、もともと社交の場であったことを考えると商談にも向いているのかもしれませんね。

札幌市内各ホテルのアフタヌーンティー比較

札幌市内でアフタヌーンティーを楽しむ際に、まず悩むのが「どこに行けばいい?」という点かと思います。各ホテルやティーラウンジでは、それぞれに魅力が異なると同時に、料金にも違いがあります。

アフタヌーンティーが初めてという方は、下記の比較表を参考にしてみてください。

1名料金 開始時間 予約 内容
ANAクラウンプラザホテル札幌 3,500円 11:30~ 要予約 ほぼスイーツ
札幌プリンスホテル 3,700円 12:00~ 要予約 オールスイーツ
ニューオータニイン札幌 2,700円 12:00~ 不要 スイーツ多め
下段は軽食
札幌パークホテル 3,000円 14:00~ 不要 スイーツ多め
下段は軽食
JRタワーホテル日航札幌 2,800円 13:00~ 不要 軽食多め
札幌 東急REIホテル 2,800円 15:00~ 要予約 軽食少なめ
フェアフィールド・バイ・マリオット札幌 3,000円 12:00~ 要予約 スイーツ多め
下段は軽食
札幌グランドホテル 3,500円 11:30~ 不要 スイーツとサンドイッチ

札幌で「ヌン活」におすすめのホテル

アフタヌーンティーを提供している札幌のホテルです。普段よりもちょっとスマートなファッションでお出かけしましょう。まずは雰囲気作りから!

ANAクラウンプラザホテル札幌

ANAクラウンプラザホテル札幌

札幌駅近く、レストランやカフェ、バーなども多彩に揃うホテルです。アフタヌーンティーは、朝食ブッフェやディナーなども提供しているオールデイダイニングにて。季節のセットを提供しているので、その時どんなメニューが出ているかは、ホテルの公式サイトなどでチェックしてみてください。席利用は最大3時間までOKです。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

ANAクラウンプラザホテル札幌
レストラン オールデイダイニング メム
住所 北海道札幌市中央区北3条西1丁目2-9
アクセス 地下鉄さっぽろ駅21番出口から徒歩約1分
電話番号 011-242-2822(直通)
提供時間 11:30~15:30(Lo.15:00)
料金目安 季節のアフタヌーンティー 3,500円前後
※料金は季節や内容による
備考 アフタヌーンティーは要予約(水曜~金曜日の提供)
※1日限定30組
公式サイト https://www.anacpsapporo.com/

札幌プリンスホテル

札幌プリンスホテル

丸いタワーが印象的な外観の、大通公園近くのホテルです。こちらでは見晴らしの良いスカイラウンジでティータイムを過ごせます。その名も「天空のアフタヌーンプレート」。プレートは単品注文もOKです(3,200円)。ソフトドリンクセットはフリーフローセット(3,900円)もあり、ちょっとお酒を楽しみたい方向けにグラス スパークリングセット(3,900円)もあります。席利用時間は2時間まで。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

札幌プリンスホテル
レストラン スカイラウンジ トップ オブ プリンス
住所 北海道札幌市中央区南2条西11丁目
アクセス 地下鉄西11丁目駅から徒歩約3分
電話番号 011-241-1251
提供時間 12:00~17:00(Lo.16:30)
料金 天空のアフタヌーンプレート《ソフトドリンクセット》3,700円(税込)
備考 アフタヌーンティーは前日までに要予約(土曜・休日のみの提供)
公式サイト https://www.princehotels.co.jp/sapporo/

ニューオータニイン札幌

ニューオータニイン札幌

開業40周年を迎える老舗のホテル。こちらで提供される紅茶は、歴史あるティーハウス、ロンネフェルト社のもの。主に4つ星・5つ星のホテルを中心に使用されており、世界で唯一の7つ星ホテル「バージアルアラブホテル」(ドバイ)でも提供されている特別な紅茶ブランドです。普段はコーヒー党という方も、この特別な紅茶をぜひ味わってみてはいかがでしょう。

※内容は季節ごとに変更(画像はクリスマスの一例)

ニューオータニイン札幌
レストラン ランデブーラウンジ
住所 北海道札幌市中央区北2条西1丁目1-1
アクセス 地下鉄さっぽろ駅22番出口から徒歩約1分
電話番号 011-222-1522(直通)
提供時間 12:00~15:00入店
料金目安 アフタヌーンティーセット2,700円前後
※料金は季節や内容による
備考 17:00~19:00はB1F「フォーシーズンズ」にて提供可(前日まで要予約)
※日曜・月曜日定休
公式サイト https://newotanisapporo.com/

札幌パークホテル

札幌パークホテル

中島公園の入り口に位置するホテルです。ホテルの中庭を望むテラスレストランでの提供なので、天気の良い日はテラス席で楽しむこともできます。そしてこちらではテイクアウトでもアフタヌーンティーが楽しめます。「おうちdeアフタヌーンティーセット」は2~3名用でスイーツヴァージョンが7,000円、オードヴルヴァージョン、ミックスが各8,000円(各税込、2日前まで要予約)。紙製で組み立てタイプのケーキスタンドがついてくるので、自宅でのちょっとした集まりにぴったりですね。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

札幌パークホテル
レストラン テラスレストランピアレ
住所 北海道札幌市中央区南10条西3丁目1-1
アクセス 地下鉄中島公園駅1番出口から徒歩約1分
電話番号 011-511-3136(予約直通)
提供時間 14:00~17:00
料金 アフタヌーンティーセット3,000円(税込)
備考 オンライン予約可
公式サイト https://park1964.com/

JRタワーホテル日航札幌

JRタワーホテル日航札幌

札幌駅直結という好立地のホテルです。フリードリンク(2時間)のメニューには紅茶やコーヒー、ソフトドリンクの他に、ノンアルコールカクテルもあるのが嬉しいポイント。スイーツやスコーンの他、キッシュやトルティーヤなど軽食メニューも充実しているので、少し遅めのランチ目的で利用するのもいいかもしれません。

※内容は季節により変更の場合あり

JRタワーホテル日航札幌
レストラン The Lobby Lounge
住所 北海道札幌市中央区北5条西2丁目5
アクセス JR札幌駅直結
電話番号 011-251-2222(代表)
提供時間 13:00~17:00
料金 アフタヌーンティーセット2,800円(税込)
備考 予約不可
公式サイト https://www.jrhotels.co.jp/tower/

札幌 東急REIホテル

札幌 東急REIホテル

季節のアフタヌーンティーを提供しているホテルです。提供される紅茶は「SASUKE DROP」(1人1杯)とルピシアの紅茶5種。コーヒーやカフェオレの他、「飲むわらびもちドリンク」なども提供されています

※内容は季節ごとに変更(画像は2022年秋の一例)

札幌 東急REIホテル
レストラン wine & dine サウスウエスト
住所 北海道札幌市中央区南4条西5丁目1
アクセス 地下鉄すすきの駅4番出口から徒歩約1分
電話番号 011-531-0109(代表)
提供時間 15:00~18:00(最終入店16:00)
料金目安 アフタヌーンティー2,800円前後
※料金は季節や内容による
備考 2日前までに要予約
※1日20食限定
公式サイト https://www.tokyuhotels.co.jp/sapporo-r/index.html

フェアフィールド・バイ・マリオット札幌

フェアフィールド・バイ・マリオット札幌

すすきのや二条市場に近く、札幌観光の拠点におすすめのホテル。北欧風のおしゃれなカフェでいただけるアフタヌーンティーは約20種類のドリンクフリーフロー付きで、季節の味覚や北欧のスイーツなどがいただける贅沢なセットです。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

フェアフィールド・バイ・マリオット札幌
レストラン FIKA CAFÉ Lagom(フィーカ カフェ ラゴム)
住所 北海道札幌市中央区南4条東1丁目
アクセス 地下鉄豊水すすきの駅3番出口から徒歩約3分
電話番号 011-242-8703
提供時間 12:00~18:00(最終受付15:00)
料金 フィーカアフタヌーンティーセット3,000円(税込)
備考 2日前まで要予約
※1日10食限定
公式サイト https://www.ffsapporo-fb.com/cafe/

札幌グランドホテル

札幌グランドホテル

1934年12月、北海道初の本格的洋式ホテルとして開業した歴史あるホテル。さっぽろ駅、大通駅どちらからも近く、地下歩行空間とも直結している好立地です。こちらでは従来より人気のアフタヌーンティーセット(2,500円)に、スープやオードヴルなどのアミューズプレートがついた「アフタヌーンティーセット プラス+」が登場しました。ランチとしても利用できるボリュームが嬉しいですね。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

札幌グランドホテル
レストラン ロビーラウンジ ミザール
住所 北海道札幌市中央区北1条西4丁目
アクセス 地下鉄さっぽろ駅から徒歩約5分
地下鉄大通駅から徒歩約5分
電話番号 011-261-3376(レストラン)
提供時間 12:00~Lo.14:00
料金 アフタヌーンティーセット プラス+ 3,500円(税込)
※11:30~15:00の提供
備考 1日10食限定
公式サイト https://grand1934.com/

札幌で「ヌン活」におすすめのカフェ

ホテルより気軽に、カジュアルに楽しめるアフタヌーンティーです。ちょっと変わり種もあるので、ぜひ出かけてみてください!

Patisserie cafe L’Or

北海道産の生クリームやフランス産の高純度チョコレートを使用する人気のパティスリーです。アフタヌーンティーでは、ショーケースから好みのケーキを選べるのも嬉しいですね。

施設名 Patisserie cafe L’Or
住所 北海道札幌市中央区南一条西27丁目1-45 円山ブロードハイツ1F
アクセス 地下鉄円山公園駅3番出口から徒歩約1分
電話番号 011-839-2785
営業時間 11:30~Lo.20:00
定休日 月曜日
料金 アフタヌーンティーセット2,480円(税込)
※11:30~15:00の提供
備考 アフタヌーンティーは3日前まで要予約

台湾料理 REAL台北

アフタヌーンティーといえば英国式ですが、こちらはなんと台湾料理です。4種類の小籠包と8種類の中から1つ選べるデザートにドリンク付きのセット。もちろんデザートは人気の台湾スイーツ! 豆花(トウファ)や台湾かき氷、自家製胡麻あんまんなどから好みのものを選んでください。

施設名 台湾料理 REAL台北
住所 北海道札幌市中央区大通西20丁目1-3 コンチネンタルZoneビルB1F
アクセス 地下鉄円山公園駅から徒歩約10分
電話番号 011-624-6811
営業時間 11:30~15:00、17:00~21:30※曜日により変動あり
定休日 月曜日(第1・第2)、火曜日
料金 4種類の小籠包とデザートのアフタヌーンティー1,650円(税込)
※土曜・日曜・祝日の15時~17時提供
備考 予約不要

抹茶×日本酒 茶酒屋つみ木

抹茶×日本酒 茶酒屋つみ木

茶ビールや、茶葉を漬け込んだジンやウォッカなど、日本茶をテーマにしたお酒が味わえるお店ですが、15~18時は日本茶でアフタヌーンティーを楽しめます。スイーツは和洋折衷で、日本茶やお抹茶にぴったりの甘味が揃います。セットはドリンク付きですが、この時間帯は日本茶半額&ラテ100円引きなので、お代わりもぜひ!

施設名 抹茶×日本酒 茶酒屋つみ木
住所 北海道札幌市中央区南4条西6丁目 晴ればれビル北側路面店
アクセス 地下鉄すすきの駅から徒歩約3分
電話番号 011-205-4002
営業時間 15:00~24:00
定休日 不定
料金 三時のおやつセット1,000円(税込)
※15時~18時の提供

カフェドロマン藻岩店

カフェドロマン藻岩店

藻岩山からの展望が素晴らしい、景色の良いカフェです。パティシエが作るこだわりのスイーツとバリスタが淹れる挽きたてコーヒーが楽しめます。こちらのアフタヌーンティーでは季節ごとのメニューを提供しています。季節限定なので、実施しているかどうかは公式サイトやSNSなどで確認しましょう。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

施設名 カフェドロマン藻岩店
住所 北海道札幌市南区藻岩下2丁目2-47
アクセス 地下鉄自衛隊前駅から車約10分
電話番号 011-588-2121
営業時間 11:00~17:00(Lo.16:00)
定休日 水曜日
料金 秋のアフタヌーンティー(フリードリンク)3,500円(税込)
※14:30~16:30・15:00~17:00の提供
備考 アフタヌーンティーは前日までに要予約

白い恋人パーク

白い恋人パーク

チョコレートの歴史を学べるテーマパークです。「白い恋人」の生産ラインを見学したり、自分だけの「白い恋人」を作ったりできる他、施設内には、夏にはバラが咲き、冬にはイルミネーションがきらめく英国風庭園も! こちらのラウンジでは、アフタヌーンティーと銘打ってるわけではありませんが、ケーキスタンドに盛り付けられたスイーツセットが楽しめます。

※内容は季節ごとに変更(画像はクリスマス一例)

白い恋人パーク
スポット チョコレートラウンジ・オックスフォード
住所 北海道札幌市西区宮の沢2条2丁目11-36
アクセス 地下鉄宮の沢駅から徒歩約7分
電話番号 011-666-1481
営業時間 10:00~17:00
料金 イシヤ満喫セット2,600円(税込)
備考 入館料/大人800円、4歳~中学生400円
(札幌市民は大人500円、4歳~中学生300円)

Teatime cafe やまのいえ

Teatime cafe やまのいえ

手作りのお菓子や料理を提供する、くつろぎのカフェです。自然豊かな丘の上からの景色を楽しめる穴場で、高台に建つ、可愛らしい赤い屋根のおうちです。アフタヌーンティーでは、季節のお菓子やケークサレ、焼きたてのスコーンやスープ、サンドイッチ、サラダなどが提供されます。

※内容は季節ごとに変更(画像は過去のメニュー内容)

施設名 Teatime cafe やまのいえ
住所 北海道札幌市西区平和3条7丁目3-21
アクセス 地下鉄発寒南駅から車約12分
電話番号 080-3290-3721
営業時間 11:30~17:00(Lo.16:00)
定休日 水曜・日曜・祝日
料金 贅沢アフタヌーンティーセット2,500円(税込)
※11:30~15:00の提供
備考 アフタヌーンティーは2日前までに要予約

ラ・ブリック

ラ・ブリック

ワインカーヴも併設する、北海道フレンチの名店です。地下歩行空間に直結する赤れんがテラス内にあり、厳選した北海道食材を主に使ったフランス料理は絶品!お客さんの要望から始まったというティースタンドは、プティフールやカヌレなどの焼き菓子が並びます

※内容は季節ごとに変更(画像は一例)

施設名 ラ・ブリック
住所 北海道札幌市中央区北2条西4丁目1 赤れんがテラス3F
アクセス 地下鉄さっぽろ駅から徒歩約4分
電話番号 011-596-0868
営業時間 11:30~15:00(Lo.13:30)、17:30~22:30(Lo.20:30)
料金 Tea-stand(1ドリンク付)3,850円 *夏季限定
Tea-stand(スパークリングフリーフロー付)5,500円 ※各税込
備考 アフタヌーンティーは要予約

アフタヌーンティーの歴史

19世紀、ヴィクトリア時代。英国の貴族階級の生活は、朝はゆっくりと起きて遅めの朝食兼昼食を食べた後は、20時過ぎからのディナーやパーティーまで食事をとらない、1日2食のスタイルでした。そうすると、夕方にはお腹が空いてしまいます。そして、当時の貴族女性といえば、コルセットでウエストを締め付けるのが一般的でした。息苦しさと空腹で、16時頃になると失神してしまう貴婦人も多かったといわれます。

名門貴族であるベッドフォード公爵夫人アンナ・マリア・ラッセルは、この時間帯にメイドに紅茶とクランペット(軽食パン)を寝室に運ばせて、秘密のティータイムを過ごすことを日課にしていました。いつしかそこに、親しい同性の友人を招くようになり、ゲストが増えるにつれて、ティーテーブルやクロス、銀器なども揃えるように。

英国のアフタヌーンティー

そして、男性貴族たちがハンティングなど男性の社交に興じている間、アンナは夫人たちを招いてディナーまでの時間をお茶会でもてなすようになります。もちろん紅茶の種類やティーフーズも増え、さらに招かれた貴婦人が同じように招き返し……だんだんと、女性たちのお茶会が社交の場として定着していきました。

それが午後のお茶会「アフタヌーンティー」と呼ばれるようになったのです。

フォーマルなアフタヌーンティーのマナー

歴史からわかるように、アフタヌーンティーは本来、貴族の社交として始まったお茶会です。なので、正式なアフタヌーンティーにはかなり細かなマナーがあります。

ティーセット

自宅へと招く招待状から始まります。ティーセットを揃え、茶葉やティーフーズも多めに用意します。ティーセットも薄手で、金彩の施された華やかな磁器のものを用意するのが、よりフォーマルです。招いた側(マダム)は、主賓のゲストから順に紅茶をカップに注ぎ入れます。ここでマダム以外が紅茶を注ぐのはマナー違反です。また、2杯目の紅茶を入れるときに、注ぎ足すのも同じくマナー違反。飲みきってからか、湯こぼしのようなスロップボウルに流して新たに注ぎます。紅茶の準備ができてから、主賓のゲストのお皿から順にティーフーズをサーブしていきます。

アフタヌーンティーは「ロー・ティー」とも呼ばれます。これは夜の「ハイ・ティー」がハイテーブルで供されるのに対し、客間やリビングなどローテーブルのある空間で供されたことから。低いテーブルを有効活用するために、20世紀になってからケーキスタンド(ティースタンド)が使われるようになりました。

意外と知らないアフタヌーンティーのマナー

ちなみに、サンドイッチも定番のティーフーズですが、なかでも上流階級で定番だったのがキュウリのサンドイッチ。これは、栄養価が低いキュウリを新鮮な状態で食べることができたのは、農夫を従えていて、自身が働かずともよい境遇の証だったようです。労働者階級は食事にカロリーを求めるので、肉などを挟む、ボリュームのあるサンドイッチが多かったからと言われています。

ホテルでのアフタヌーンティーのマナー(服装・食べ方)

ホテルでのアフタヌーンティーのマナー

カップルや友人同士でちょっとおしゃれをしてホテルのラウンジで……という場合には、少しカジュアル気味になっても大丈夫です。

どんな服装で行けばいい?

カジュアルなカフェなどのアフタヌーンティーであれば、服装などはあまり気にしなくても大丈夫です。ホテルのラウンジや、高級なティーラウンジであれば、雰囲気を壊さないスマートなファッションが求められます。ホテルでドレスコードがある場合などは事前に確認しておきましょう。明確にドレスコードが設けられていなくても、いわゆるスマートカジュアルのような、きれいめファッションが良いとされています。

たとえば、女性の場合は素足にサンダルなどは避け、ストッキングとパンプスを。男性の場合もスニーカーではなく革靴を選びましょう。ネクタイはなくてもいいですが、落ち着いた色合いのジャケットが良いようです。

ケーキスタンドでの食べ方

スイーツや軽食がのせられたお皿は外さず、取り皿に取り分けていただきます。スタンドは2段のものもありますが、主流は3段のもの。基本的には下段がサンドイッチ、中段がスコーン、上段がペストリー(ケーキ類)になっています。塩気のあるものから食べ始め、最後に甘いものを食べられるよう、下の段から順番に食べていくのがマナーです。

温かいスコーンを中段に置くと上段のケーキが温まってしまうという理由から、スコーンを上段にしているお店もあります。その場合は上下関係なく、ケーキより先にスコーンを味わいます。お店によっては、紅茶とケーキスタンド以外にアミューズと呼ばれる食事が出されることもあります。その場合は、ケーキスタンドより先に食事を楽しむとよいでしょう。

【知っ得】優雅にアフタヌーンティーを楽しむ方法

マナーは最低限抑えておきたいポイントですが、こなれ感を出すには、ナイフとフォークの使い時や紅茶の嗜み方を覚えておくと良いでしょう。

ナイフとフォークでスマートにいただく

ティーフーズはナイフとフォークで食べるのが基本ですが、パンは手で食べてもよいので、ひと口サイズのサンドイッチは手で持っていただきます。ティーカップを右手で持つため、ティーフーズは左手で。カップと同じ右手で持つと、持ち手を汚したり、手が滑ったりすることがあるからです。ひと口で食べられない場合は、ナイフとフォークを使います。

スコーン

スコーンも、手で直接つまんでOKです。一緒に盛られている、他の人のスコーンに手が触れないように注意を。手が触れそうな場合は、取り分け用のトングや、フォークとナイフを使います。クリームやジャムも、自分の取り皿に取りましょう。スコーンは手で横半分に割り、一口分ずつクリームとジャムを塗って食べますが、そのままではポロポロとこぼれやすいので、クリームやジャムを多めに塗るときれいに食べられますよ。

ティーカップの持ち方と紅茶の嗜み方

ティーカップの持ち手には指を通さず、つまむように持つのが正しい持ち方です。カップのみを持ち上げて飲むのがマナーですが、ローテーブルのように器と距離がある場合は、左手でソーサーを持って飲むと上品です。ティースプーンはカップの奥に置いておきます。また、紅茶にミルクを入れるのは、2杯目からに。1杯目は茶葉の風味を味わうためにストレートで飲んでみてください。

まとめ

ひと昔前までハードルが高かったアフタヌーンティーですが、近年の「ヌン活」ブームで、比較的親しみやすいものになってきました。各ホテル・カフェでは“SNS映え”も意識しているようなので、カップルや親しい友人と気軽に楽しむことができそうです。

writerprof_minagawa
皆川 今日子
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。