糖質制限に玄米は適しているの? 白米との比較やメリット・デメリットを解説
糖質制限ダイエットの定番食材である玄米。歯ごたえがある分よく噛むため満腹中枢が刺激され、食事量を抑制できるステキなお米です。栄養も豊富で、ダイエットしながら体調を整えるほか、美容効果も期待できます。
この記事では、糖質制限に適している玄米の特徴や白米との違い、美味しく炊き上げる方法などを紹介します。
玄米ってどんなお米?
玄米とは、稲の実である「籾(もみ)」から「籾殻(もみがら)」のみを取り除いた状態のお米のことです。白米に該当する「胚乳(はいにゅう)」を包んでいる糠層や果皮などはそのまま残っており、茶色っぽい見た目なのが特徴。火を通した後も歯ごたえのある食感が残っており、食べ応えがあります。
現在は香ばしい風味を活かして、炒った玄米を使った玄米茶や玄米コーヒーといった玄米飲料の人気も上昇中。栄養素も豊富で、昔と比べると美味しく炊けるようになったこともあり、玄米は日本人にとってなじみ深いお米になっています。
白米と玄米の違い
白米と玄米の違いは、なんといっても色の違いです。白米はその名の通り白っぽく、玄米はベージュ系の色味です。玄米は白い胚乳を包んでいる層を残しながら精米しているため茶色く発色しています。
また、玄米は胚乳以外の層も残している分、糠層や果皮などに含まれている栄養素もそのまま残っており、白米よりも食物繊維やビタミンなどの豊富さなどの違いもあります。
糖質制限に玄米を食べるメリット
食べたいものを我慢したり運動量を増やしたり、何かと負担が多い糖質制限。玄米にはそんな糖質制限の悩みを軽減する効果がたくさんあります。主食を白米から玄米に変えるだけで糖質の摂取量が減り、糖質制限を楽に進められるようになります。
この項目では、糖質制限に玄米を食べるメリットを紹介します。
玄米の豊富な栄養素
玄米が糖質制限用の食品としておすすめされる理由は、栄養の豊富さです。同じ量を摂取しても、玄米の方が白米よりはるかに多くの栄養を摂取することができます。
100gあたりに含まれる栄養素の比較
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
糖質 | 34.2g | 35.6g |
不溶性食物繊維 | 1.2g | 0.3g |
水溶性食物繊維 | 0.2g | 0g |
ビタミンE | 0.5μg | 0μg |
葉酸 | 10μg | 3μg |
ミネラル | 7mg | 3mg |
マグネシウム | 49mg | 7mg |
亜鉛 | 0.8mg | 0.6mg |
玄米と白米の糖質はほぼ変わらないのですが、玄米のほうが豊富な栄養が含まれているのがわかるはず。美容や健康のためにも白米を選ぶより、玄米のほうがおすすめです。
普段の食卓に並べる白米を玄米に変えるだけで済むため、糖質制限をされる方は気軽に取り入れてみてください。
血糖値の上昇を抑えられる
玄米に含まれている食物繊維は、血糖値の上昇の抑制に効果があります。歯ごたえがあって消化や吸収に時間を要する玄米は、炭水化物を消化して糖に変換する動きも遅くなるため、血糖値が上がりづらくなると言われています。
早食いの防止になる
もっちりとした白米と比べると、ぼそぼそとした食感で噛み応えがあるのが玄米の特徴。胚乳を包んでいる層を歯ですりつぶしている間に咀嚼(そしゃく)の回数が増え、一口を飲み込むまでの時間が無意識のうちに長くなり、早食いの防止に繋がります。
満腹中枢が作用し始めるまでの約20分の間に食べる量を自然に減らせるため、「今日食べる量はこれくらいにしないと」などと我慢を強いる気持ちも軽減できるのが嬉しいポイント。ゆっくり食べることで食事量が減り、最小限の負担で糖質制限ができます。
糖質制限に玄米を食べるデメリット
栄養素が豊富で、血糖値の抑制と早食い防止に効果があり魅力的に映る玄米ですが、糖質制限を阻害してしまうようなデメリットもあります。適切な食べ方や調理法を知っておかないと、玄米の良さを十分引き出せないと言われています。
この項目では、糖質制限のために玄米を取り入れるデメリットを解説します。
消化しにくい
玄米を上手に炊けなかったり、咀嚼の回数が少なかったりすると、消化しにくくなるのがデメリット。白米と同じ要領で調理するほか、一口ごとの咀嚼の回数が不足していると、便秘や下痢の原因にもなります。
玄米を調理する際はしっかりと米粒に水分を含ませ、柔らかく炊き上げるのがコツです。一口ごとの噛む回数は最低でも30回、理想は100回を目安にしてみてください。
よく噛むことで満腹中枢も刺激できるので、食べ過ぎの防止にも効果が期待できます。特に胃腸が弱い方と体調を崩している方は、調理法と咀嚼数を意識することが大切です。
栄養分の吸収を阻害する可能性がある!?
玄米が含んでいる栄養素の1つの「フィチン酸」は、有害な物質を体外に排出する一方で、カルシウムやミネラルといった他の栄養成分の吸収を阻害する働きがあります。吸収しきれなかった玄米の栄養分は、ほかの食材から補給しなければなりません。
玄米ご飯を含んだ献立の中に、海藻を入れたお味噌汁や野菜をたっぷり使ったサラダも入れて、足りない分は積極的に補っていきましょう。身体の機能が低下しやすい高齢者や、育ち盛りの子ども達が食事をするときは、より意識しながら栄養バランスが取れた料理を用意してみてくださいね。
玄米をおいしく炊くコツ
玄米の基本の炊き方は米粒を洗って炊飯器や土鍋で炊いて、10分程度蒸らすだけなので、白米と同じと言えます。しかし白米と全く同じ要領で調理すると、米に芯が残って不自然な食感になったり、胚乳を包んでいる層が硬くてパサパサとした舌触りになったりすることも。
おいしく炊くコツを取り入れて、白米と遜色ないくらい玄米をふっくらと炊き上げましょう。上手に炊くことができると、ぬか層がプチプチと弾けて中から柔らかいお米が出てくる食感がクセになるかもしれませんよ。
①洗い方に気をつける
玄米を洗うときは、チリの除去ともみ洗いの2段階に分けて洗うのがコツです。
ボウルに玄米を入れたら水を入れ、中身をクルクル混ぜて細かいチリを浮かび上がらせます。チリが浮いた水を捨てて新しい水でもう一度洗うことを、2〜3回繰り返して表面の汚れを落としていきましょう。
チリをしっかりと落とせたら、次はもみ洗いをして表面に傷を付けていきます。表面に傷を付けることで、真ん中にある胚乳まで水を届けやすくするのです。両手のひらで玄米をすくい上げて、ジャリジャリとすり合わせるように洗ってみてくださいね。
②水をしっかり浸透させる
お米を柔らかく炊くには、食物繊維に水分をしっかりと含ませることが重要です。玄米は白米と比べると硬いため、時間をかけて隅々まで水を浸透させていきましょう。最低でも2〜3時間、できれば6〜7時間浸けておくよう心がけてください。
夜寝る前に浸け始めたり、出勤前に炊飯器にセットして帰宅後に炊けるようにしたりするなど、自分のライフスタイルに合わせるのがポイント。夏場は熱でお米が傷みやすいため、冷蔵庫で冷やしながら水を浸透させるのがおすすめです。
もし、水を十分浸透させる時間が取れない場合は、40度くらいのお湯を使うと時間の短縮ができます。冷たい水を使った方が美味しく炊けるので、炊飯器にセットする前にお湯は捨てて新しい水をつかってください。
③炊きあがったら蒸らそう
炊きあがったらすぐには蓋を開けず、10分ほど蒸らしましょう。釜の中で循環している水蒸気が米粒の表面に馴染み、より粘り気のあるご飯になります。
蒸らしが終わったら蓋を開いて、お米をしゃもじで混ぜていきます。炊き上がった米粒同士が水分で張り付き、固まって舌触りが悪くなるのを防ぐためです。釜の中身を十字に四等分して、底から大きくひっくり返して玄米をほぐしていきましょう。
まとめ
玄米は噛み応えがあり、少量でも満腹感を得やすい食材です。食事の量を無理なく減らせるので、糖質制限にも適しています。また、炊き方のコツを抑えるだけで固い食感を軽減でき、白米と同じくらいおいしく食べられます。
玄米を毎日の食卓に取り入れて、栄養をたっぷり摂取しながら糖質制限ダイエットに取り組んでみてくださいね。