馬刺しは鶏肉よりビタミンの栄養素が10倍豊富って本当?
今、注目すべき食材と言われている「馬肉」。高たんぱくかつ低カロリーの食材で、鉄分やカルシウムなどの栄養を多く含んでいるからです。高齢者の骨粗しょう症や女性の冷え性、成人病といった症状にも効果があると言われています。
この記事では馬肉の解説や豊富な栄養素、馬肉のおすすめの食べ方などをご紹介します。
そもそも馬肉ってなに?
馬肉は食肉用のウマの肉のことです。基本的には赤身が多い馬肉ですが、部位によっては脂質が多いものもあり、食感や味わいもそれぞれ異なります。
また、部位については牛肉や豚肉などと同じように、スネ・モモ・ロース・バラなどがあります。ただ、「フタエゴ」や「タテガミ」のように馬肉だけにしかない部位があるので、簡単にご紹介します。
フタエゴ
フタエゴは、バラの一部でわずかしか取れない希少部位。コリコリとした歯ごたえのある食感で、刺身として食べられる部分です。
タテガミ
馬のたてがみの生えている首筋部分のお肉をタテガミと呼びます。「脂のようなお肉」と言われ、食感は少しコリコリしています。味は脂の甘みと旨味が最大の特徴です。意外とあっさりしていて、馬刺しのタテガミがおいしいと好評。
馬肉の栄養素について
馬肉は低カロリーでありながら、栄養価が非常に高いことでも知られています。ほかのお肉とも比べながら、どのような違いがあるのかを詳しくみてみましょう。
低カロリー
100gあたりのカロリー比較 | |
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馬肉 | 110kcal |
鶏肉 | 108kcal |
馬肉は100gあたりのカロリーは110kcalで、低カロリーの代表的な鶏のササミ(108kcal)とほぼ同じ。また、牛肉や豚肉と比べると半分ほどで、とてもヘルシーな食材と言えるでしょう。
高タンパク質
100gあたりのタンパク質の比較 | |
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馬肉 | 20.1g |
牛肉 | 19.0g |
豚肉 | 17.0g |
馬肉100gあたりに含まれるたんぱく質は20.1gです。牛肉が19.0g、豚肉が17.0gであることと比較すると、馬肉と同じ赤身肉の牛肉よりも馬肉のほうが上回っていることがわかります。たんぱく質は筋肉をはじめとする体のもととなる栄養素です。
鉄分が豊富
100gあたりの鉄分の比較 | |
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馬肉 | 5mg |
鶏肉 | 0.5mg |
馬肉の鉄分(100g当たりの含有量は5mg)は、鉄分が多い野菜と言われるほうれん草よりも多く、鶏むね肉の約10倍になります。鉄分は人の体内では合成することができない栄養素ですので、豊富に摂取できる馬肉は優秀食材です。
カルシウム
100gあたりのカルシウムの比較 | |
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馬肉 | 11mg |
牛肉 | 4mg |
豚肉 | 5mg |
馬肉には他のお肉の2倍以上のカルシウムが含まれています。牛肉が4mg、豚肉が5mgに対して、馬肉100gあたりに含まれるカルシウムは11mgです。
カルシウムは日本人が不足している栄養素の1つ。歯や骨を維持するために欠かせないカルシウムは、精神のバランスを整えるのにも役立ちます。また、身体が大きくなる成長期の中高生や骨粗しょう症が心配な女性にも必須の栄養素です。
ビタミンB12
100gあたりのビタミンの比較 | |
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馬肉 | 3.2μg |
鶏肉 | 0.32μg |
馬肉は他のお肉と比べてもビタミンB12の含有量が豊富(100g当たり3.2μg)で、鶏肉と比べると10倍になります。ビタミンB12を十二分に摂取することで、貧血、頭痛、めまいなどの予防に繋がります。
脂質
100gあたりの脂質の比較 | |
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馬肉 | 2.5g |
牛肉 | 13.3g |
豚肉 | 20.5g |
馬肉は他のお肉と比べると、低脂質。馬肉100gあたりに含まれる脂質は2.5gに対して、牛肉が13.3g、豚肉が20.5gです。馬肉に含まれる脂質量は、牛肉や豚肉の5分の1以下であることがわかります。また、馬肉に含まれる脂質を摂取しても体脂肪になりにくいといわれています。
グリコーゲンが豊富
100gあたりの脂グリコーゲンの比較 | |
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馬肉 | 2,290mg |
牛肉 | 670mg |
豚肉 | 433mg |
馬肉には、他のお肉と比べてグリコーゲンが豊富に含まれています。馬肉100gあたり2,290mg、牛肉が670mg、豚肉が433mgです。5倍以上のグリコーゲンが含まれていることがわかります。グリコーゲンには疲労を回復する効果だけでなく、集中力を高める効果や血糖値を調節する効果があります。
馬肉のおいしい食べ方
一般的には生で食べる馬刺しが有名ですが、火を通す料理などもご紹介します。馬肉を手に入れたときはさまざまな方法で美味しくいただきましょう。
馬刺し
馬肉をおいしく食べたいなら、まずは馬刺しを作ってみましょう。
馬刺しであれば、馬肉本来の食感や甘みなどを楽しむことができます。馬刺しを作るときは、必ず生食用の馬肉を使うようにしてくださいね。
おいしい馬刺しの食べ方ですが、基本的には甘口醤油などで召し上がるのがおすすめ。また、スライスオニオンや大葉、生姜や青ネギなどと一緒に食べてもおいしい。
カルパッチョ
サッパリとした味付けなので、ご飯のお供やお酒のおつまみに最適です。
作り方の簡単な説明
- 薄切りにした馬肉をお皿に盛り付け、オニオンスライスやかいわれ大根をトッピングします。
- その上にオリーブオイル・バルサミコ酢・醤油・コショウ・おろしニンニクを合わせた調味料をかければ完成です。
ユッケ
トロトロの卵の黄身と合わさった馬肉は、マイルドな味わいになります。ユッケ好きの方には堪らない一品。
作り方の簡単な説明
- 細切りにした馬肉に刻んだ小ネギを和え、お皿に盛り付けます
- 中央を凹ませて卵黄を落とし、最後にゴマ油・砂糖・酒・醤油などで作った特製タレをサッとかけます
たたき
馬肉の焼けた表面の香ばしさとオリーブオイルのほんのりとした甘みが合います。
作り方の簡単な説明
- ブロック状の馬肉の表面を、フライパンでバターやオリーブオイルで焼く
- 馬刺しと同じようにスライスして、お皿に盛りつけます
- 甘口醤油で食べるほか、柚子胡椒やからし醤油などで食べても美味しいのでぜひ試してみてください
桜鍋
味噌と馬肉の相性はとてもよく、体の芯から温まる一杯を楽しむことができます。
作り方の簡単な説明
- まず鍋に馬肉の脂を溶かしてから馬肉とごぼうを炒めます
- そこに水・味噌・日本酒・みりん・砂糖を加え、その後、ニンジン・キャベツ・長ネギ・キノコ・しらたきなどの野菜類を入れて煮込めば完成です
ステーキ
牛肉や豚肉とは違った味わいで、とくに脂がのった大トロ(白身の多い部位)は、噛めば噛むほどジューシーなうま味が溢れ出て別格。ジューシーな馬肉ステーキを楽しみましょう。
作り方の簡単な説明
- 馬肉を適当な厚みにスライスしたら、しっかりと水分を拭き取ります
- 塩コショウをして、フライパンで両面を焼きます
- その後、両面に焼き色が付いたらアルミホイルで包んで中まで火を通します
まとめ
馬肉は低カロリーで栄養素豊富ということが一番のポイント。ヘルシーな食材として人気を集めています。
もし馬肉を手に入れた際は、定番料理「馬刺し」以外にもユッケ・カルパッチョ・ステーキなどの料理をご紹介しましたので、ぜひご家庭でも楽しんでみてください。