銀杏は栄養豊富なパワーフード! 知られざる栄養と効果、食べすぎによる中毒について解説

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殻を剥いて素揚げにしても、茶碗蒸しの具材にしてもおいしい銀杏(ぎんなん)。独特の香りとほくほくとした食感がクセになる木の実ですが、意外と知られていないのがその豊富な栄養量。食べられる種実類のなかで、ビタミンCの含有量はトップクラスの高さを誇ります。その栄養素の高さから「生命力のある食べ物」とも呼ばれるほどです。

この記事では、栄養や効果について紹介するとともに、銀杏の食べ過ぎによる中毒について解説します。

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銀杏ってどんな食べもの?

銀杏について

ビールのおつまみや炊き込みご飯、茶碗蒸しの具材として時々食することがある銀杏ですが、イチョウの実かな?くらいで、実際はどんな食材か詳しく知らないという人も多いはず。ここでは、銀杏の基本的な情報を紹介します。

銀杏はイチョウの木の種子

イチョウの木は、イチョウ科イチョウ属に分類される裸子植物です。裸子植物なので、種が剥き出しの状態で成長していきます。また、落葉性の性質を持ち、秋になると葉が黄色くなり落葉するのが特徴的です。

また、イチョウの木にはオスとメスの木があり、銀杏ができるのは雌木のみです。直径が約2㎝ほどで柔らかい外皮種の中に固い殻で覆われた内皮種があり、私たちが食用としているのは、固い内皮種の「仁」と呼ばれる部分です。

独特な匂いの成分

銀杏の独特な匂いの成分は「酪酸(らくさん)」と「エナント酸」の2つです。酪酸は、不快な腐敗臭を放ち、わずかではありますが毒性を持っています。

エナント酸は、油が腐敗したような臭いの元となる成分で、タバコに添加されている成分でもあります。

このように銀杏は、腐敗臭のする酪酸と油臭いエナント酸2つの成分を持ち合わせています。その理由は、動物から種を守るためにわざと悪臭を放ち、動物や鳥を追い払うためです。

旬と産地

銀杏の収穫時期は、9月中旬から11月中旬までです。最盛期となる10月頃が旬と言えるでしょう。

主な産地は愛知県で、生産量は平成29年で138t。全国の3割の出荷量を占めています。次いで多いのが、大分県で120tの出荷量です。愛知県と大分県で全国の出荷量の半分をカバーしていることになります。ちなみに北海道では、ほぼ生産されていません。

参考:農林水産省「特用林産物生産統計調査」

銀杏の栄養素と効果・効能

銀杏の栄養素と効果・効能

「生命力のある食べ物」と呼ばれるほど、栄養に優れた木の実ですが、銀杏にはどのような栄養素や効果・効能があるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

ビタミンがとにかく豊富

銀杏には、ビタミンA・B群、ビタミンCなどのビタミン類が豊富に含まれています。

特にビタミンAの元となるβ-カロテンが多く、アンチエイジングの効果が期待できる栄養素です。​​β-カロテンはビタミンCの1000倍もの抗酸化作用があり、紫外線による老化防止やシミ予備軍を減少することが分かっています。また、肌のバリア機能や水分量を正常に保つ働きもあります。

このように、銀杏に多く含まれる​​β-カロテンには美容と健康に嬉しい成分が詰まっていると言えます。

豊富なカリウム

カリウムは人体に必要不可欠なミネラルの一種で、高血圧やむくみを改善してくれます。過剰に摂取した塩分を、汗や尿などの老廃物を体外に排出する役割があるからです。

銀杏は、カリウムを多く含むキノコ類やサツマイモよりも高い含有量を誇ります。なお、カリウムには体内の浸透圧を調節する働きがあります。体内の浸透圧のバランスが崩れてしまうと、脱水症状を引き起こしやすくなります。その浸透圧のバランスをうまく調節しながら、体内を正常な働きにする役割があります。

このように銀杏を摂取することで、高血圧やむくみ、脱水症状を緩和・予防が期待できます。

フラボノイドが抗酸化作用を発揮

銀杏には、30種類以上のフラボノイドが含まれています。と言われています。

フラボノイドは、ポリフェノールの一種で銀杏の色を構成する色素です。抗炎症作用や免疫異常で起こるアレルギー反応を改善する効果が期待できるとされており、最近では人体の生理調節機能に働きかける成分として注目されています。

銀杏と食べ合わせのいい食材とは?

銀杏と食べ合わせのいい食材とは?

栄養量に優れた銀杏ですが、これだけですべての栄養素を補うことはもちろんできません。他の食材と一緒に摂取することで、おいしく効果的に栄養を摂取できます。

ワカメ・昆布

ワカメや昆布などの海藻類と銀杏を一緒に食べると、高血圧の予防効果が期待できます。

海藻類には、アルギン酸と呼ばれる水溶性食物繊維が豊富に含まれているからです。銀杏に含まれているカリウムと協力し体内に溜まった余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。

ゴマ・大豆

ゴマや大豆には、悪玉といわれるLDLのコレステロールを減らし、善玉のHDLのコレステロールを増やすオレイン酸が豊富に含まれています。オレイン酸は、銀杏に含まれるカリウムと相性が良く、血圧を下げてくれる効果があります。

また、オレイン酸は腸の働きを正常化し、便秘や腸炎を予防・改善してくれる成分です。

素揚げした銀杏に、ごまをふりかけて食べるだけでも、手軽に栄養素が摂れるでしょう。

ゴボウ

ゴボウには、食物繊維が豊富に含まれています。そのため、便秘の予防や改善に期待ができます。

また、銀杏と一緒に食べることで腸内環境が整い、免疫力を高めてくれるとも言われています。

きゅうり

きゅうりには、水分とカリウムが豊富に含まれています。カリウムには、利尿作用があり夜尿症や膀胱炎を予防・改善してくれる効果があります。

銀杏を食べすぎると中毒になるって本当?

銀杏を食べすぎると中毒になるって本当?

ネットやSNSで銀杏を検索すると、「銀杏中毒」という言葉がヒットします。銀杏には様々な栄養や効果がありますが、食べすぎると中毒を引き起こす可能性があります。

ここでは、具体的な中毒症状を解説します。

鼻血が出る

​​銀杏には、ギンコトキシンという興奮作用のある成分が含まれています。そのため、銀杏を食べ過ぎると体内で興奮状態を引き起こし、血管に負担がかかるため鼻血が出やすくなります。

痙攣を誘発する可能性

銀杏に含まれるメチルピリドキシンは、ビタミンB6の働きを阻害する性質があります。ビタミンB6が阻害されると、抑制性神経伝達物質の一つであるGABAの生成が減少し痙攣を誘発してしまいます。

銀杏に含まれるメチルピリドキシンはごく微量ですが、“食べ過ぎ”は症状が出ることがあるので注意です。

呼吸困難に陥ることも!?

銀杏中毒の症状が進行すると、呼吸をつかさどる中枢神経にまで影響を与え、呼吸困難に陥る場合があります。ここまで、ひどい症状になるのは稀ですが小さい子どもは少量でも、重篤な中毒になる可能性があるので十分に注意が必要です。

1日に食べても良い銀杏の摂取量

1日に食べていい銀杏の摂取量

稀ではありますが、食べ過ぎによる中毒症状の可能性があるのであれば、食べても大丈夫な量も把握しておきたいところ。この項目では、1日に食べても良い銀杏の量をお伝えします。

※記載の量はあくまで目安です

大人は20粒くらいまで

銀杏中毒の症状が現れるのには、個人差があります。ただ、海外の文献の報告によると中毒が出た銀杏の量は、40~300粒という報告があります。そのため、大人であれば体重や身長などを考慮しても、20粒程度が中毒症状の出ないラインと言われています

子どもは5粒程度に留めておこう

子どもの場合は、体型や内臓が未発達であるということもあり、少量でも銀杏中毒を引き起こす可能性があります。そのため、5歳未満の子どもには極力与えない方がいいでしょう。

また、銀杏中毒の症例はほとんどが子どもで、摂取量は7〜150粒程度との報告があります。5歳〜10歳未満の子どもの場合は最大でも5粒程度を目安に留めましょう。

まとめ

ここまで、銀杏の栄養素や食べ過ぎによる中毒症状、1日に食べてもいい量を紹介しました。銀杏はアンチエイジング効果や利尿作用など、さまざまな効果のある食材です。積極的に摂取したいところではありますが、中毒症状も踏まえて大人は20粒くらいを目安に楽しみましょう。

PREZO編集部
PREZO編集部
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