チーズの食べ過ぎはOK? みんなが大好きな食べ物だからこそ、知っておきたい6つのこと
小さな子供から大人まで、男女を問わず人気のチーズとチーズをとろ~りたっぷり使った料理。ピザ、フォンデュ、ラクレット、近年はチーズタッカルビも人気ですよね? 日々何気なく口にしているチーズですが、栄養価が高く、様々な効果・効能が期待できる推し食材でもあります。ただし、食べすぎには少し注意が必要。
本記事ではチーズの種類や栄養価、1日の摂取量の目安を紹介。みんなが大好きな食べものだからこそ、おいしく、そして上手に食べるようにしましょう。
チーズには2種類ある
チーズは大きく分けて、プロセスチーズとナチュラルチーズの2つに分かれます。日本では特にプロセスチーズの消費量が多く、様々なタイプで楽しまれています。
プロセスチーズ
1種類または数種類のナチュラルチーズを加熱し、再度冷やして固めたものです。衛生的で保存性もよく、独自の風味を持つ商品が多々あります。
形状や大きさも、スライス、キャンディー、ブロックタイプと様々で気軽に手に入ります。代表的なものでいえば、「6Pチーズ」や「ベビーチーズ」がこれにあたります。
ナチュラルチーズ
原料に乳を使い、固めて発酵させたチーズのことを言います。単に固めると言っても人工的にではなく、ナチュラル(乳酸菌・天然酵母・酵素など)を使用して造られるのが特徴的。
ナチュラルチーズはワインのように時間が経つごとに成熟していきます。乳酸菌や酵母、カビなどがチーズ内で熟成変化して、味わいや風味が日ごとに変わるのです。
ナチュラルチーズは全8タイプで分類されます。分かりやすく代表的なナチュラルチーズを表にしてまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
ナチュラルチーズ
フレッシュタイプ |
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ウォッシュタイプ |
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セミハードタイプ |
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ハードタイプ |
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青カビチーズ |
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白カビチーズ |
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シェーブルタイプ |
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プロセスチーズ
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チーズに含まれる栄養素3つ
乳製品で発酵食品でもあるチーズには、たくさんの栄養素が含まれています。どのような栄養素が含まれているのでしょうか?
タンパク質
チーズには牛乳由来のタンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は、体のエネルギー源になるだけではなく、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などを構成する役割を持っており、たんぱく質が不足すると体力や免疫力の低下を引き起こす可能性があります。
カルシウム
カルシウムは体内で最も量の多いミネラル。99%は骨や歯に存在していて、体内で重要な役割を担っています。チーズからこの大切なカルシウムを手軽においしく摂取することができます。
ビタミンB2
ビタミンB2は「成長のビタミン」とも呼ばれ、発育や細胞の再生にかかわっています。
ビタミンB2が不足すると口内炎などの皮膚炎を引き起こす可能性があるので、肌を健康に保つためには必要な栄養素。チーズなら手軽にビタミンB2を摂ることができます。
大量摂取はダメ! 気にしておきたい6つのこと
チーズは乳製品で発酵食品のため体に良い食べ物ですが、どんな食べものも摂りすぎ・食べすぎはダメ。押さえておきたいポイントをまとめました。
高血圧につながる
チーズには塩分が多く含まれているので、摂りすぎると塩分の過剰摂取状態となります。
過剰な塩分は血圧を上げやすく、高血圧症を引き起こす原因に。高血圧症になると、心疾患や脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞などの病気になるリスクが高まると言われてます。
心筋梗塞の恐れ
チーズの脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、血清コレステロール濃度を高めることが指摘されています。チーズに多く含まれる動物性たんぱく質は、高脂血症や動脈硬化を招き、心筋梗塞などにかかりやすくなります。
腎臓や肝臓の病気につながる可能性
チーズに多く含まれるタンパク質や塩分は、摂りすぎると肝臓や腎臓へ大きな負担をかけます。
タンパク質を摂りすぎた場合、タンパク質は体内で窒素に分解され、それを体外に排出しようと肝臓が酷使され、塩分を摂りすぎると、ナトリウムを尿として体外に出すために腎臓が酷使されます。
腸内環境の悪化
チーズの摂りすぎによる腸内の悪玉菌の増加は、免疫力の低下をまねき、食中毒やウィルスに感染しやすくなったりします。
また、牛乳にはカゼインというお腹を壊しやすい物質が含まれているため、腸内環境が悪化し、便秘や下痢、お腹の張りなどを引き起こします。
頭痛を引き起こす
チーズには、「チラミン」という物質が含まれています。
チラミンには血管収縮作用があり、さらに血圧上昇、片頭痛の原因物質です。チーズには「チラミン」が比較的高い濃度で含まれているので、チーズを摂りすぎると偏頭痛や吐き気を誘発する可能性があります。
体臭が強まる可能性
チーズには多くの脂質が含まれていて、脂質は腸に運ばれると、腸内の絨毛の突起の間に詰まり、腸の働きを弱くしてしまいます。この絨毛の突起に詰まった脂質は腐敗臭を放つので、体臭が強くなってしまいます。
また、体内の脂質が増えると、皮膚から分泌される皮脂も増え、皮脂は皮膚表面に存在するさまざまな菌により酸化・分解され、ガスを放つようになり、このガスが体臭の原因となります。
摂取すべき塩分と脂肪分の目安
チーズは栄養価の高い食材ですが、摂りすぎるとデメリットがあることがわかりました。
ではチーズの摂取量の目安はどの程度なのでしょうか?
健康に悪影響を及ぼす可能性がある「塩分」「脂肪」に着目して、一日の目安となる摂取量を見てみましょう。
塩分に着目した時の摂取量の目安
塩分の摂り過ぎは高血圧などの生活習慣病の原因となります。
厚生労働省が推奨している塩分の1日の摂取目標は男性で1日8g未満、女性で7g未満となっています。
※チーズなどの嗜好品の塩分量は1日2g程度が目安とされています。
チーズ名 | 100g当たりの塩分量 | 摂取量の目安 |
---|---|---|
プロセスチーズ | 2.8g | 70g |
カマンベールチーズ | 1.3g | 70g |
モッツァレラチーズ | 0.2g | 200g |
チェダーチーズ | 2.0g | 100g |
パルメザンチーズ | 3.8g | 50g |
脂肪分に着目した場合の摂取量の目安
脂質の1日の摂取量の目安は50g程度とされています。
1日の脂質摂取量の3分の1程度(16g)をチーズから摂取すると考えると、下記の表通りになります。
チーズ名 | 100g当たりの脂質量 | 摂取量の目安 |
---|---|---|
プロセスチーズ | 26g | 65g |
カマンベールチーズ | 25g | 60g |
モッツァレラチーズ | 17g | 80g |
チェダーチーズ | 34g | 40g |
パルメザンチーズ | 31g | 50g |
まとめ
チーズを摂ることで得られる健康と、摂りすぎによるデメリットについてお伝えしました。1日に摂取するチーズの適量さえ守れば、栄養価の高い食材です。
どんな食材でもそうですが、バランスを意識したうえで、毎日の食生活に取り入れていきたいですね。