トマトの糖質やカロリーは? 栄養と効果、血糖値を下げる働きについて
栄養価が高いことで知られるトマト。ビタミンCやβカロテンなど、体にうれしい栄養素がいっぱいです。たくさん摂取したいものの、糖質制限やダイエットをしている方にとっては、糖質は気になるポイントではないでしょうか。
そこでこの記事では、トマトの糖質やカロリーを詳しく解説。その他の栄養素や上手に摂り入れるコツ、美味しいトマトの見分け方にも触れているので、参考にしてみてください。
- 野菜の中では低糖質
- リコピンやビタミンCなど栄養豊富
- 加熱するとリコピンの吸収率がアップ
- ヘタをチェックすると美味しいトマトが見つかる
この記事でわかること
トマトの糖質はどのくらい?
文部科学省のウェブサイトで公開されている「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、トマト100g当たりの糖質は3.57gです。9割ほどが水分であるため、野菜の中では糖質が比較的低いのが特徴。もやしや大根など、水分量がほとんど同じ野菜の中では糖質は高めです。
トマトには様々な加工品がありますが、トマト缶やトマトジュースなどの糖質は原料のトマトとそれほど変わりません。トマトピューレについては、トマトを凝縮するため水分量が少なくなり、カロリーと糖質がトマトの2倍程度になっています。
糖質制限やダイエットなどで気を付けたいのは、フルーツトマトです。甘いトマトとして人気ですが、その仕組みは水分を抑えて完熟させているため、通常のトマトよりもカロリーと糖質が高い傾向があります。
トマトには糖質以外にも栄養素がいっぱい!
トマトには、たくさんの栄養が含まれています。栄養素によって働きが異なり、効果も様々。ここでは、主に含まれている栄養素と期待できる効果・効能をご紹介します。
リコピン
トマトの色は、色素成分のひとつであるリコピンが元になっています。ビタミンEの100倍以上に相当する抗酸化作用を持ち、動脈硬化やがんの予防を期待できる栄養素です。
抗酸化作用とは、活性酵素という過剰に発生すると悪影響を及ぼす酵素を除去する働き。活性酵素は老化や生活習慣病の原因になりますが、リコピンによって除去できます。病気の予防はもちろん、アンチエイジングや美肌効果も期待できますよ。
βカロテン
βカロテンは、トマトや人参などの緑黄色野菜に多く含まれる栄養素です。体内でビタミンAに変換されるのが特徴で、皮膚や粘膜を正常に維持する働きがあります。粘膜が強くなることで、ストレスや風邪への抵抗力が高まります。
食べすぎてもビタミンAの摂りすぎにならない点も嬉しいポイント。必要な分だけビタミンAに変換されるので、トマトを食べすぎてもビタミンAが過剰になる害はほとんどありません。
ビタミンC
ビタミンCは、体内でコラーゲンを合成するために働いています。人間は体内で合成できないため、食事で摂り入れなくてはいけません。コラーゲンは、美容成分と思われがちですが、骨や腱などの合成に使われる栄養素で、健康な身体をつくるために重要です。
抗酸化作用も注目されていて、リコピンと一緒に、生活習慣病や老化の防止に効果を発揮します。
さらに、身体の抵抗力や免疫を強める働きもあると言われています。組織を正常に保ったり、ストレスや風邪に強くなったり、日焼けを防いだりするのも嬉しい効果です。
カリウム
カリウムは、ナトリウムとの相互作用で、体内の水分や細胞の浸透圧などを調整しています。余分な塩分を排泄する働きがあるため、高血圧の予防に効果的です。
塩分の高い食品が増えていることから、カリウムが不足しがちな人が多くなっているそう。トマトにはカリウムが多く含まれているので、積極的に食べると良いでしょう。
クエン酸
クエン酸は、トマトや果物などに多く含まれる、酸味の元となる成分です。食べ物をエネルギーに変換する作用があり、効率よくエネルギーを生み出すことができます。
疲労の原因になる物質・乳酸を分解する働きもあり、疲労や筋肉痛の軽減にも効果的。酸味が食欲を増進してくれるので、疲れが溜まった夏バテの身体にもぴったりです!
トマトの栄養を効率よく摂り入れるコツ
トマトをそのまま食べるだけでも栄養を摂り入れられますが、もっと効率よく摂取するにはコツがあります。とにかく量を食べればいい、トマトだけいっぱい食べればいいというのはNG。
食べる時間帯や調理方法を詳しく知って、トマトの栄養を余すことなく摂取しましょう。
朝食べるとリコピンを吸収しやすい
トマトに含まれているリコピンは、朝に吸収率が高くなると言われています。どの時間帯に食べても栄養豊富な食べ物ですが、より栄養を摂り入れたいなら朝食に食べるのがおすすめです。
トマトジュースですっきり味わう
トマトが苦手な方の多くは、ケチャップだと食べられたり、ジュースなら飲めたりするなど、加工すれば食べられる方もいるのではないでしょうか。
トマトジュースにしたから糖質が増えるということはなく、栄養もしっかりあります。フルーツをブレンドした商品も増えていて、ミキサーがあれば好きな食材で手作りも可能。すっきりと味わうことができて、食欲が出にくい朝でも、トマトの摂取が習慣になるでしょう!
カリウムの摂取は、余分な水分の排出を促し、むくみを解消する効果もあります。むくみに悩んでいる方も、ぜひトマトジュースを飲んでみてください。
加熱して食べる
リコピンは、加熱することで吸収率が3倍になるそう。他の栄養が失われることはなく、より栄養満点な野菜に変身します。
加熱によって、一つひとつが柔らかくなって、カサが減るので、大人も子どもも食べやすくなるのも嬉しいポイント。サラダや冷やしトマトに飽きてしまった方も、トマト料理にチャレンジしてみましょう。
他の食材とバランスよく食べる
どの食材にも言えることですが、同じものを食べすぎるのはNG。栄養が偏ってしまうだけではなく、トマトの場合はカロリーや糖質がオーバーしてしまい、太る原因にもなります。
トマトの摂取量は、1日2個が目安。トマトだけでは足りない栄養素は、主菜や副菜などで補うようにして、バランスの良い食事を心がけましょう。
美味しいトマトの見分け方
せっかくトマトを食べるなら、一番美味しいものを選びたいですよね。たくさんのトマトが並んでいると目移りしますが、目利きのポイントさえわかれば、美味しいトマトが光って見えるはず! ご紹介4つのポイントに注目して、トマトを選んでみましょう。
丸くて重みがある
トマトをパッと見て、きれいな丸い形をしているものがおすすめ。いびつな形をしているものよりも、実がしっかり詰まっていて、水分もバランスが良く、トマトの味がしっかりします。
丸くても軽いトマトは、中身があまり詰まっていないことがあります。見た目と合わせて、重みを感じるかも確認しましょう。
おしりに放射状の模様がある
トマトのおしり部分をよく見ると、ヘタに向かって放射線状に筋が見えます。この筋がはっきりしているトマトは、糖度が高く、甘くなっていることが多いです。美味しいトマトを見つけたいときは、手に取っておしりを見てみましょう。
ヘタが元気
ヘタは、鮮度をチェックするポイントです。収穫から時間が経過するほど、ヘタは乾燥したり、萎れたりしている場合がほとんど。ヘタがピンと立っていて、きれいな緑色をしていると、新鮮なトマトです。
旬は春と秋
トマトの旬は夏と思いがちですが、実は違います。成長が早くて収穫量が多いのは夏ですが、美味しく育つのは春と秋です。ゆっくり成長することで糖度が上がりやすく、美味しいトマトに仕上がります。
トマトを美味しく食べるための保存方法
まだ緑色の部分があるトマトは、室温で保存し、赤くなるまで熟してみましょう。全体が赤くなれば、完熟していて美味しいトマトになっているはずです。既に完熟しているトマトは、ポリ袋やビニール袋などに入れて、ヘタを底にして野菜室で保存しましょう。
まとめ
トマトは、野菜の中では糖質が低く、食後の血糖値上昇を示すGI値が低い、低GI食品に分類されています。とはいえ、食べすぎは栄養が偏ってしまうので、1日2個を目安にしましょう。
そのままのトマトではなくても、トマトジュースやトマト料理でもOK! 食べやすい形で、栄養満点のトマトを食べてみましょう。