はちみつを毎日食べ続けると体に影響はあるのか? 効果や効能を調べてみたら

はちみつには、疲労回復やダイエット効果など体にうれしい作用があるのは皆さんもご存知のところ。ほかにも咳・喉の痛み対策や風邪予防、腸内環境を整えるといった効果も期待できる優れた食品です。
ただ、どれくらい摂取してもよいのでしょうか? 本記事では、はちみつを毎日食べることで得られる効果や効能、注意点などを紹介します。
はちみつを毎日食べるとどうなる?

はちみつは健康に良いと言われていますが、毎日食べても問題ないのでしょうか? この項目では、はちみつの正しい摂取量と注意点を解説します。
毎日食べても問題ないが、摂取量には注意
はちみつを毎日摂取しても問題はありません。ただ、気をつけてほしいのが1日の摂取量です。はちみつの摂取量の目安は、1日に大さじ1杯~2杯。
それ以上摂取してしまうと、カロリーや糖質のとり過ぎになってしまいます。“体に良さそうだから、たくさん食べても大丈夫”と安易に考えるのはNG。はちみつは糖分なので、とり過ぎは逆効果です。
食べ過ぎるとどうなる?

はちみつを過剰に摂取することで、体に以下のような影響を及ぼすと考えられています。
- 肥満
- 吐き気
- 下痢症状
はちみつは糖類であるため、食べすぎると肥満の原因に繋がります。また、甘いはちみつを大量に摂取すると、胸焼けのような症状や吐き気を引き起こす可能性があります。
このほか、お腹が緩くなって下痢や腹痛など不快症状の原因にもなります。はちみつは健康に良い食品ではありますが、どんな食べ物も摂りすぎは禁物です。
はちみつを摂取する際の注意点
はちみつの効果や効能を最大限に得るには、量だけでなく摂取する際に以下に注意すると良いでしょう。
- 一度に摂取しない
- はちみつを加熱しない
- 1歳未満の子どもには与えない
一度に摂取しない
はちみつは一度に摂取するよりも、朝・昼・晩の3回に分けて食べるのがおすすめ。1日に最適な摂取量はおよそ10g~30g(大さじ1杯~2杯)で、40gまでなら体調への影響がないと言われています。
それ以上に食べてしまうと、糖分の過剰摂取に繋がるので控えましょう。
加熱しない
はちみつは、熱を加えると栄養素が破壊されてしまいます。はちみつに含まれるビタミンや酵素は60℃以上の高温に弱いため、紅茶など熱い飲み物などに入れる場合は、少し冷ましてからにしましょう。
1歳未満には絶対与えてはいけない
生後1歳未満の子どもにはちみつを与えてしまうと、
小さなお子さんがいる家庭では、はちみつの保管に十分注意してください。
はちみつの栄養素は約300種類以上!
はちみつには、ビタミンやミネラルをはじめとする豊富な栄養素が多く含まれています。含まれる栄養素は、はちみつの原料となる花の種類にもよりますが、約300種類以上にもおよぶと言われています。
- そば花はちみつ:鉄分やミネラルが豊富
- マヌカ花はちみつ:抗菌・殺菌作用が強い
- 生はちみつ:ビタミンが豊富
そばの花の蜜からできているそば花ハチミツは、鉄やミネラルを多く含んでいるため貧血気味の人におすすめです。「マヌカハニー」と呼ばれているマヌカ花はちみつは、メチルグリオキサールが多く含まれています。メチルグリオキサールは、抗菌・殺菌作用の効果がとても高く風邪予防に効果が期待できます。
生はちみつは、通常のはちみつ作りの過程で行われる加熱処理や、ろ過作業を一切行っていないはちみつのこと。そのため、本来持ち合わせているビタミンやミネラルを豊富に摂取できるのが特徴です。
このほかにも、花の種類によって様々な栄養素が期待できます。
毎日摂取した場合の効果・効能

はちみつは、健康や美容にさまざまな効果・効能を発揮してくれます。量とタイミングなどを守って、正しくはちみつを摂取することで得られる効果を調べてみました。
美肌効果
はちみつには、ビタミンC・B2・B6やポリフェノールなどが豊富に含まれています。ビタミン類は、皮膚の代謝を整えたりブライトニング効果(美白)が期待できます。
また、ポリフェノールは、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制する抗酸化作用があります。
このように、はちみつを毎日適量摂取することで体の中から美肌が目指せます。
ダイエット効果
はちみつは糖類でありながら、ダイエット効果があります。はちみつと他の糖類を、100gあたりのカロリーや糖質で比べてみましょう。
甘味類 | カロリー | 糖質 |
---|---|---|
はちみつ | 303kcal | 81.9g |
上白糖 | 384kcal | 99.3g |
三温糖 | 383kcal | 99.0g |
黒砂糖 | 356kcal | 90.3g |
他の糖類と比較してみると、はちみつはカロリーと糖質が低いことが分かります。また、ハチミツ大さじ1杯の甘さは上白糖大さじ3杯に相当します。そのため、砂糖よりも少しの量で甘さを感じることができるでしょう。
さらに、はちみつは脂肪の蓄積を促すインスリンの過剰分泌を抑えてくれるため、ダイエット効果が期待できます。はちみつは、低カロリーな上に脂肪をつきにくくするので、ダイエット中の方におすすめの食品です。
便秘改善
はちみつには、オリゴ糖やグルコン酸が豊富に含まれています。この2つの成分は、腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を抑制する働きがあります。
善玉菌が優位になると腸内の働きが活発になり、結果的に便秘改善につながるというわけです。ただ、逆にはちみつをとり過ぎてしまうと下痢になるので注意してください。
免疫力アップ
名古屋市立大学大学院薬学研究科の研究チームによると、はちみつには免疫力を高めるG-CSFが含まれていることが分かりました。
G-CSFは、免疫力を高め風邪を予防したり、早く治したりする効果があります。ただ、G-CSFは加熱処理されたはちみつだけに含まれる成分なので、非加熱のはちみつには存在しません。日本で販売されているほとんどのはちみつは、加熱処理されているので免疫の効果においては問題ないといえるでしょう。
抗炎症作用
はちみつには、抗菌・殺菌作用があります。そのため、はちみつを適量摂取することで喉の痛みを和らげ、炎症を抑えてくれます。また、はちみつの殺菌作用で口内炎や口臭の予防に繋がります。
脳の活性化
代表的な栄養成分であるブドウ糖・果糖・ビタミン類・ミネラルは、脳の活性化に必要とされる栄養素です。また、更年期に関する論文では「トアランはちみつ」を毎日摂取すると記憶力が向上したという研究結果があります。
トアランはちみつは、マレーシアに生息するオオミツバチのはちみつで、高い栄養価が特徴です。
はちみつと相性の良い食べ物

はちみつは他の食品と一緒に摂取することで、さらにうれしい効果を発揮します。この項目では、はちみつと相性の良い食べ物を紹介してます。
レモン
レモンには、クエン酸と呼ばれる成分が多く含まれています。クエン酸は疲労回復の効果があり、はちみつに含まれる糖分と一緒に摂取することで相乗効果が生まれます。
はちみつとレモンのおすすめの食べ方は、レモンのはちみつ漬け。レモンを皮ごとはちみつにつけることで、栄養素をそのまま頂けます。また、レモンのはちみつ漬けを水に溶かしてレモネードにするのもおすすめです。
シナモン
シナモンは「スパイスの王様」と呼ばれています。その理由はシナモンには関節炎や心臓病、コレステロール値の改善などさまざまな効果・効能があるからです。
はちみつに含まれる抗菌・殺菌と組み合わせることで、免疫力アップや病気の予防に効果があります。おすすめはリンゴを煮て、そこにはちみつとシナモンを合わせる食べ方です。リンゴの抗酸化作用もプラスされて、アンチエイジング効果も期待できます。
ヨーグルト
ヨーグルトには、ビフィズス菌や乳酸菌などお腹の調子を整える善玉菌が含まれています。はちみつに含まれているオリゴ糖は、善玉菌の働きを助けてくれる成分です。
そのため、はちみつとヨーグルトは便秘を解消するにはぴったりの組み合わせです。また、はちみつには甘味料としての役割もあるので、無糖のヨーグルトにかけるのがおすすめ。
はちみつは砂糖よりも低カロリーのため、ダイエット中の方にも気にせず楽しめます。
はちみつに関するよくある質問

Q.はちみつは1日の中でいつ摂取するのが効果的?
食前にはちみつを摂取することで、消化不良を起こしにくくなります。また、就寝する約2時間前にはちみつを摂ると血糖値が安定するため、安眠効果も期待できるでしょう。
Q.はちみつが白く固まっても食べられる?
はちみつが固まる現象は、「結晶化」と呼ばれはちみつの特性です。
結晶化は外気温が13〜16℃ほどになると起きやすく、はちみつの種類によっても変わります。結晶化してもはちみつは問題なく食べられますが、気になる場合は45〜60℃ほどで湯せんするともとに戻ります。
Q.はちみつに賞味期限はあるの?
未開封のはちみつは、2年〜3年の賞味期限のものが多いようです。
開封後は風味が落ちやすく、徐々に劣化するので早めに食べ切りましょう。
Q.はちみつは加熱しても大丈夫?
加熱すると、はちみつに含まれているビタミン類が失われやすくなります。はちみつの栄養素をそのままとりたい場合、そのまま食べるのがおすすめです。
Q.開封後は冷蔵庫に入れるべき?
はちみつは、常温保存が適しています。なので冷蔵庫に入れる必要はありません。ただ、常温保存でも直射日光や高温多湿になるような場所への保存は控えてください。
まとめ
はちみつを毎日食べることで得られる効果・効能を紹介しました。はちみつには、美肌や便秘改善など美容と健康に嬉しい栄養素が多く含まれています。ただし、1日の摂取目安量を必ず守るようにしましょう。はちみつを上手に摂取して、健康維持にも役立ててください。