チョコレートの糖質や脂質・カロリーは? カカオポリフェノールが健康にいい理由
甘くて美味しいチョコレートですが、その甘さから糖質やカロリーが気になるところ。実際、ほかの食べ物に比べると高いので、糖質制限や栄養バランスの面では注意して食べなければいけません。しかしながら栄養素として、カカオポリフェノールを摂取できるのはとても魅力的です。
本記事では、チョコレートの栄養素やカカオポリフェノール摂取のメリットを詳しく紹介します。
- チョコレートは基本的にカロリーと糖質が高い
- カカオポリフェノールには嬉しい効果がいっぱい
- 意外にもビタミンやミネラル、食物繊維が採れる
- 糖質制限中はハイカカオを選ぶ
この記事でわかること
チョコレートはカロリーと糖質が高い食べ物
口の中で溶ける濃厚な甘みが魅力のチョコレートですが、糖質や脂質の高い代表的なお菓子としても知られています。しかし、多くの人は漠然と「チョコレートはカロリーの高い食べ物」として認識しているものの、具体的な数値については知らない人の方が多いのではないでしょうか。
チョコレートにはさまざまな種類があります。さらに、近年新たな手法によって開発されたチョコレートなど、一概に「チョコレートを食べると太る」とは言えない状況になっているのが現状です。
チョコレートの糖質や脂質について詳しく知ることで、ダイエットや健康に良い影響を与えながらチョコレートを食べられるようになりますよ。
チョコレート一粒の糖質と脂質はどれくらい?
手軽に食べやすく間食などでもついつい手が伸びてしまう粒タイプのチョコレート。販売しているメーカーやショップなどにもよりますが、市販品で流通しているメジャーなチョコレートは一粒約5gと言われています。
チョコレート一粒の糖質と脂質 | |
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糖質 | 2.6g |
脂質 | 1.7g |
一般的なミルクチョコレート一粒の糖質は2.6g、脂質は1.7gです。思っていたよりも少ないと感じた人も多いのではないでしょうか?
市販品で流通している商品の場合、10~12粒前後入っているため、全て食べてしまうと糖質や脂質も高くなってしまいます。しかし、間食などで1~2粒程度食べる分には、糖質や脂質はそれほど高くありません。
板チョコレート一枚の糖質と脂質はどれくらい?
チョコレートの定番商品としても長く愛されている板チョコレートについてみていきましょう。一般的に流通している市販の板チョコレートは、約50gと言われています。
板チョコレート一枚の糖質と脂質 | |
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糖質 | 25.9g |
脂質 | 17.1g |
同じく、ミルクチョコレートで換算した場合、単純に一粒タイプのチョコレートの10倍となります。板チョコレート一枚あたりの糖質は25.9g、脂質は17.1gです。白米100gの糖質は39g、脂質は0.3gとなるため、比較すると糖質、脂質ともにやや高く感じます。
合わせて、同じスイーツであるシュークリームやドーナッツ(プレーン)、ソフトビスケットと比較してみましょう。
糖質 | 脂質 | |
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板チョコレート(一枚約50g) | 25.9g | 17.1g |
シュークリーム(1つ約80g) | 20.2g | 9.1g |
ドーナッツ(1つ約60g) | 17.3g | 12.1g |
ビスケット(一枚約10g) | 6.2g | 2.8g |
他のスイーツと同量で比較した場合、板チョコレートの脂質や糖質はやや多く感じます。特に脂質においては他のスイーツに比べると圧倒的に多く含まれています。
チョコレートケーキやチョコレートクッキーの糖質と脂質はどれくらい?
チョコレ―トそのものが糖質や脂質が高いお菓子だと分かってきました。続いては、糖質や脂質の高いチョコレートを使ったケーキやクッキーなどのスイーツについてもみていきましょう。
チョコレートケーキ一食分(約110g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 32.14g |
脂質 | 31.24g |
チョコレートクッキー一枚分(約10g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 4.93g |
脂質 | 2.47g |
ケーキもクッキーも元々、糖質や脂質の高くなりがちなスイーツです。材料にチョコレートを用いることで、さらに糖質や脂質が高くなりました。
ただし、総量すべてにチョコレートを使っている訳ではないため、チョコレートの味わいを感じつつも同量のチョコレートを食べるより糖質や脂質を抑えられるのも事実です。少量だけに留めておくなら、チョコレートそのものよりもチョコを加工したスイーツの方が糖質や脂質を抑えられるケースもあります。
チョコレートの種類によって違う糖質と脂質
チョコレートにはさまざまな種類があります。種類によって原材料なども違ってくるため、糖質や脂質にも大きな差が出ることもあるでしょう。
続いては、チョコレートの種類による糖質や脂質の違いについて紹介します。
ホワイトチョコレートの糖質と脂質
ホワイトチョコレートとは、原材料にカカオマスを使わず、ココアバターなどを主成分として製造したチョコレートです。クリーミーで滑らかな口当たりとまろやかな甘さが特徴で、スイーツの材料などに使われることも多いです。
ホワイトチョコレート(100g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 50.3g |
脂質 | 39.5g |
ホワイトチョコレートは、植物油脂であるカカオバターなどを主成分として用いるため、他のチョコレートに比べて脂質が高くなりやすいのが特徴です。
ミルクチョコレートの糖質と脂質
ミルクチョコレートは、乳製品を混ぜて作ったチョコレートです。脱脂粉乳などの乳製品を原料に混ぜ込むことで、カカオの苦味が抑えられ甘く万人に食べやすいチョコレートになります。
ミルクチョコレート(100g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 51.9g |
脂質 | 34.1g |
乳製品を加えているといっても、糖質や脂質に関しては他のチョコレートとそれほど違いはありません。ただし、カカオを用いたチョコレートのなかでは食物繊維の含有量が少ないため、調質は比較的高めになりやすい傾向が見られます。
ブラックチョコレートの糖質と脂質
ブラックチョコレートとは、乳製品をほとんど含まずカカオが全体の40~60%配合されているチョコレートです。カカオ特有の苦味を強く感じられるため、甘いものがそれほど好きではない人にも好んで食べれます。
ブラックチョコレート(100g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 49.6g |
脂質 | 39.4g |
ブラックチョコレートの糖質は比較的少な目ですが、乳製品を殆ど配合しないのに脂質がそれほど抑えられていないことに疑問を感じた人もいるのではないでしょうか。
チョコレートの原料となるカカオ豆に含まれる炭水化物のうち約1/3は脂質です。そのため、カカオの含有量が多くなることで脂質の割合も増えてしまいます。
高カカオチョコレートの糖質と脂質
近年、カカオの持つ健康効果などで注目を集める高カカオチョコレートについても糖質や脂質をみていきましょう。
高カカオチョコレートの糖質と脂質 | |
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糖質 | 30.2g |
脂質 | 41.3g |
高カカオチョコレートには他のチョコレートよりも豊富な食物繊維が含まれています。そのため、糖質は大幅に抑えられるでしょう。一方で、カカオが多く配合されることで脂質はやや多くなるため注意が必要です。
アーモンドチョコレートの糖質と脂質
アーモンドチョコレートは、アーモンドをチョコレートでコーティングした一粒チョコレートです。アーモンドの食感と香ばしい味わいで好まれています、
アーモンドチョコレート(100g)の糖質と脂質 | |
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糖質 | 37.2g |
脂質 | 40.4g |
アーモンドをチョコレートでコーティングしている分、チョコレートの含有量が少なくアーモンドの食物繊維があるため、糖質は比較的抑えられるでしょう。しかし、アーモンド自体も脂質が高いため食べ過ぎるとカロリーオーバーしやすいので注意が必要です。
カロリーオフのチョコレートは本当に太りにくいの?
近年、低糖質ダイエットなどの流行に着目して低糖質チョコレートやカロリーゼロチョコレートなども多くのメーカーから販売されています。「チョコレートなのに低糖質?カロリーゼロ?どうして?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
結論として、カロリーオフチョコレートにはカロリーや糖質が含まれています、食品表示基準法では使用している糖類が0.5g未満の場合は糖類0(ゼロ)として表示をしてもよい事になっています、カロリーオブや糖質ゼロと表示しているからといって、全く糖質が含まれない訳ではないため注意してください。
糖類0の製品でも、甘みを加えるために砂糖を糖アルコールなどの糖質に置き換えているケースが多いです。また、糖質を抑えるために難消化性デキストリンなどを含んでいるものもあります。
一般的なチョコレートよりも糖質や脂質が抑えられるため、普段からチョコレートを食べている人がカロリーオフチョコレートや低糖質チョコレートに置き換えるとダイエット効果が期待できるでしょう。
しかし、チョコレートを食べることでダイエットが促される訳ではないため食べ過ぎると太ってしまうことがあります。
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは身体に良い
チョコレートには、カカオポリフェノールという体に良い栄養素が含まれています。原料であるカカオ由来の栄養素で、健康維持はもちろん、美容にも良い効果を期待できますよ!
チョコレートの健康効果は、愛知県蒲郡市・愛知学院大学・株式会社 明治の産官学で実施した「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」で明らかになっています。
調査の対象者は、愛知県蒲郡市内外の45~69歳までの347名。4週間の間、カカオポリフェノールを含むチョコレートを1日25g摂取し、摂取前後のデータを測定・比較しています。詳しい内容は、下記のページもぜひ参考にしてみてください。
血圧を下げる
対象者全員のチョコレート摂取前と4週間後の最高血圧・最低血圧を調査したところ、血圧が相対的に下がったという結果が出ています。血圧が高い人ほど低下量が多く、高血圧の改善効果がわかりました。
これは、カカオポリフェノールが血管内部の炎症を軽減し、血管を広げることによって、赤血球が巡りやすくなったためと考えられています。
動脈硬化のリスクを下げる
動脈硬化の検査でチェックされる炎症指標(hs-CRP)と酸化ストレス指標(8-OHdG)をチェックしたところ、チョコレート摂取前後で低下したという結果が出ました。
チョコレートの抗酸化物質とカカオポリフェノールが動脈硬化のリスクを減少させる効果が明らかになっています。動脈硬化は様々なトラブルにつながるので、将来の疾病予防に効果的な食べ物と言えるでしょう。
善玉コレステロールが増える
実証研究の対象者は、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの値が上昇しています。HDLコレステロールは、体内で過剰になったコレステロールを回収する役割があり、血管を健康に保つために欠かせないものです。
さらに、カカオポリフェノールの酸化抑制効果によって、白血球のひとつであるマクロファージを食べてしまう悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールの酸化を予防。コレステロールのバランス維持にチョコレートが活躍し、血管トラブルの対策に役立ちます。
認知症予防につながる可能性がある
カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを食べると、脳の血流量が増えることもわかりました。血流が増えることで認知機能テストのスコアが上昇すると報告されており、認知機能の維持につながる可能性が指摘されています。
心が健康的になる
実証研究では、チョコレート摂取による精神的な効果も調査しています。チョコレートを継続的に摂取した対象者に健康調査アンケートを行うと、「いつでも活力にあふれていた」「心理的な問題が起きなかった」「落ち着いていて、楽しく穏やかな気分だった」など、活力や心の健康に良い影響を与えることがわかりました。
「最近やる気が出ない」「心が落ち着かない」などの問題を感じていたら、チョコレートを食べるようにしてみてはいかがでしょうか。
美肌効果
肌荒れは、酸素が酸化した活性酸素が過剰に発生することで起きます。この活性酸素による害から身体を守ってくれるのがカカオポリフェノールです。12週間カカオ製品を摂取すると、皮膚の角層にある水分低下を防いだり、紫外線による赤みを抑えたりすることで、肌をダメージからガードしてくれます。
肌荒れの原因は様々ですが、美肌への取り組みの一つとして、チョコレートを食生活に取り入れてみましょう。
ダイエットに効果が期待できるチョコレートの選び方
チョコレートには健康効果も期待できるため、適量を摂取すればストレスを抑えながらダイエットをしやすくなるでしょう。
ダイエット目的のためにチョコレートを食べる時には、摂取量はもちろんのことチョコレート選びにも注意が必要です。
ダイエットに効果が期待できるチョコレートを選ぶポイント
- 砂糖不使用のものを選ぶ
- カカオが70%以上配合されているものを選ぶ
- 食物繊維やオリゴ糖、難消化性デキストリンなどが配合されているものを選ぶ
砂糖不使用のチョコレートを選ぶことでカロリーを大幅にカットできます。また、カカオの配合量が20~50%のものは乳製品を含んでいることが多いです。カカオ70%以上のチョコレートを選ぶことで乳製品の配合されていないものを選ぶと、チョコレートの糖質や脂質をカットしやすくなるでしょう。
また、カカオが多く配合されていることで、カカオポリフェノールによる健康効果が期待できるのもポイントです。健康的にダイエットをしたい人は、上記のポイントをチェックしてチョコレートを選んでみてください。
まとめ
チョコレートはカロリーと糖質を多く含む食べ物なので、摂取しすぎると太ったり、糖質過多になったりするリスクがあります。
原料に含まれるカカオポリフェノールは健康に良い栄養で、嬉しい効果が豊富。血管を健康に保ったり、コレステロールのバランスを整えたり、肌荒れを防いでくれたりします。ビタミンやミネラル、食物繊維なども多く含み、身体への良い影響が多いです。
実証研究のように、1日25gを目安にチョコレートを摂取して、カロリーや糖質に気を付けながら、健康や美肌を目指しましょう。