【ヒラメとカレイの違いについて】見分けるポイントやそれぞれの特徴を徹底解説
姿かたちが似ているヒラメとカレイ、ひと目で「こっちがヒラメ、こっちがカレイ!」とわかる人はそう多くはないでしょうか。見分けるポイントがいくつかあり、それさえわかれば2つの違いは一目瞭然! この記事では、両者の違いや見分け方を解説します。それぞれの調理法やおいしい食べ方、おすすめの料理も併せてご紹介します。
この記事でわかること
- ヒラメとカレイを見分けるポイントは「向き」「口」
- 実は逆向きのカレイもいる
- さばき方はどちらも5枚おろしが一般的
- ヒラメは刺身、カレイは煮付けがおいしい
【見分け方】ヒラメとカレイの違いは?
カレイとヒラメを見分けたい時には、それぞれの違いに注目してみてください。
尾ひれから見て、ヒラメは口の左側に目があり、カレイは口の右側に目があります。そのため、頭を上にして見るとヒラメは右を向いているように見え、カレイは右を向いているように見えるでしょう。「左ヒラメに右カレイ」なんて言葉もあり、古くからカレイとヒラメを見分けるポイントと言われてきました。
しかし、この特徴は全てのヒラメやカレイに当てはまる訳ではありません。あくまで目安として、以下のポイントもチェックして見分けてみてください。
- ヒラメは口が大きくギザギザした大きな歯がある
- カレイは口が小さくおちょぼ口になっている
口の違いは餌となる生き物によって変わるそれぞれの生態の特徴なので、目の位置で確認するよりも口の違いで確認する方が正確にヒラメとカレイを見分けやすいでしょう。
間違えられやすいヒラメとカレイの種類
古くからヒラメとカレイは顔の向き(目の位置)で見分けると言われてきましたが、種類によっては右向きのヒラメや左向きのカレイがいることはあまり知られていません。
また、釣りが趣味の人などは口の大きさなどで見分けることもあるでしょうが、口の大きなカレイも存在します。
さらに「カレイ」と名前についているのに生物学的な分類では「ヒラメ」なんて種類もあり、ヒラメとカレイは大変見分けにくい魚と言えるでしょう。
ヒラメに間違えられやすいカレイ
ヒラメとよく間違えられるカレイには以下の種類があります。
- オヒョウ
- ヌマガレイ
- アカシタビラメ
オヒョウは大型のカレイで、3m前後のものも珍しくありません。口も大きいため、ヒラメと間違えられやすいです。
ヌマガレイは、ヒラメのように口の左側に目があるため、目の位置(顔の向き)でヒラメと間違われることが多いと言われています。
その他、アカシタビラメはカレイの仲間にも関わらず「ヒラメ」と名前に入っているため、名前を見て勘違いしないように気を付けてみてくださいね。
ヒラメってどんな魚?
ヒラメは「スズキ系カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属」に分類される魚です。
「平目」「鮃」「比目魚」と書かれることもあります。北海道のオホーツク海・日本海をはじめとして、太平洋や瀬戸内海など幅広く分布し、東シナ海や朝鮮半島沿岸など海外でも水揚げされることも。カレイに比べると漁獲量が少なく、値段は高めです。養殖技術の向上でスーパーでも見かける機会が増えてきていますが、高級な魚というイメージが強いでしょう。
ヒラメは年中水揚げされています。中でも12月~2月が旬と言われ、厳しい冬にたくさんの餌を食べて脂身を蓄えた「寒びらめ」で、その時期ならではの味わいを楽しめますよ。
カレイってどんな魚?
カレイは、魚屋さんやスーパーなどでよく見かける、多くの家庭で馴染みのある魚です。同じカレイでもヌマガレイやアブラガレイなど世界中に仲間が100種類以上いるので、カレイというのはカレイ科の魚の総称と言えます。
旬は、カレイの種類によって異なるため、何かしらのカレイの旬が年中あります。北海道でよく獲れるアカガレイは冬、クロガレイは3月~4月など旬が決まっている種類も。旬とは言っても、刺身や煮付けなど食べ方で一番美味しい時期が変わるのも複雑なポイントです。
店主やポップの説明を参考にして、その時一番のカレイやおすすめの食べ方を聞くと良いでしょう。
ヒラメとカレイの味に違いはある?
向きや口は違っても見た目はとても似ているヒラメとカレイ。食べているものや習性の違いによって、味や食感は変わってきます。すばやい魚や甲殻類を餌にするヒラメは、食事のためによく動くのが特徴。そのため、身は引き締まっていて、しっかりとした食感でさっぱりした味わいを楽しめます。
カレイが餌にするイソメやゴカイなどは動きがゆっくりで、カレイもそれほど動きません。身はヒラメよりもやわらかく、脂がよく乗っています。
価格も違う!ヒラメは高級魚・カレイは大衆魚
ヒラメとカレイ、見た目はとてもよく似ていますが、店頭などで見かけると価格は全く違います。
ヒラメとカレイの価格が違う理由は、そもそもの漁獲量にありました。令和4年度のヒラメの水揚げ量は5,898tなのに対し、カレイの水揚げ量は35,541tです。カレイはヒラメの約5倍以上の水揚げ量があり、流通量も多いことから価格が抑えられ大衆魚として親しまれています。
ヒラメはカレイに比べると種類も少なく、生息域も限られているため多く水揚げされることがなく、養殖も行われていますが現在でも高級魚として高値で取引されることが多いです。
ヒラメとカレイの捌き方
ヒラメとカレイは切り身で売られていることも多いですが、市場などで購入する場合は自宅で捌く必要があります。
- ステンレスたわしなどで鱗とぬめりを取る
- 流水で洗う
- 胸ビレの根元から中骨を切り、裏返して同じように包丁を入れて頭を落とす
- 内臓をきれいに取り除く
- 尾が手前になるように置き、左右のヒレに切れ目を入れる
- 身の中心に切り目を入れ、背骨に沿って左右の身を切り離す
- 裏返して、同じ手順で左右の身を切り離す
- 身それぞれの腹骨をそぎ、血合いを取り除く
ヒラメとカレイは平らな形をしているので、多くの魚で使われる3枚おろしよりも5枚おろしが適しています。向きや口に違いがありますが、同じ手順でさばくことが可能です。
ヒラメのおすすめの食べ方
ヒラメとカレイは見た目こそよく似ていますが、食感や適した調理方法なども違います。それぞれに適した食べ方で美味しく味わってください。
続いては、ヒラメのおすすめの食べ方を紹介します。
ヒラメのお刺身
ヒラメの定番料理は、シンプルに味わいを楽しめるお刺身です。5枚おろしにしたヒラメを薄く切れば、自宅でもお刺身を味わえます。脂の旨みや甘みがありながらも、比較的さっぱりとした味わいで、脂が苦手な方でも食べやすいのが嬉しいポイントです。昆布締めにしたり、たたいてなめろうにしたりするなど、刺身からのアレンジも楽しめます
ヒラメのカルパッチョ
ヒラメを洋風でいただくなら、カルパッチョがおすすめ。ドレッシングやオリーブオイルをかけるだけで、おしゃれで美味しい洋風グルメに。トマトや葉物などを添えると、彩り豊かなメニューに仕上がります。
ヒラメのムニエル
ヒラメは、小麦粉をまぶしてバターなどで焼くムニエルと相性が良いです。「舌平目のムニエル」といったメニューも有名で、ヒラメの味わいとバターの風味がマッチします。
カレイのおすすめの食べ方
ヒラメよりも入手しやすいカレイは、家庭で食べられることの多い魚。おなじみの煮付けや唐揚げ以外にも、美味しい食べ方はいくつもあります。カレイのおすすめの食べ方をチェックしていきましょう。
カレイの煮付け
カレイ料理といえば、カレイの煮付けではないでしょうか。しょうがを入れて臭みを取り、弱火でじっくり煮込めば、ホクホクの身に味がしみ込んで、美味しい煮付けができます。子どもにも大人にも喜ばれるので、食卓の一品にいかがでしょうか。
カレイの唐揚げ
ふっくらやわらかい身を生かして、カレイを唐揚げにしてみましょう。ジューシーな食感とカレイの味わいは、鶏肉の唐揚げも顔負け。塩をちょっと付けたり、レモンを搾ったりすれば、アクセントも利かせられます。
カレイのホイル焼き
ホイル焼きは、鮭のちゃんちゃん焼きでもおなじみの料理。カレイとも相性が良く、野菜ときのこも一緒に食べられます。えのきや玉ねぎなどをカレイと一緒にアルミホイルで包み、オーブントースターなどで焼きましょう。ポン酢や醤油でさっぱりいただいたり、バターでボリュームをプラスしたりするなど、好みの食べ方で味わってみてください。
まとめ
今回は、ヒラメとカレイの違いや見分け方について紹介してきました。基本的には「左ヒラメに右カレイ」の言葉通り、顔が左を向いているのはヒラメ、右を向いているのはカレイと見分けても良いですが、例外になる種類がいることも覚えておいてくださいね。
ヒラメとカレイを上手に見分けて、今回紹介した捌き方・食べ方を参考に、美味しいヒラメ料理・カレイ料理を味わってみてください。