ヒラメとカレイはどう違う?レシピやおいしい食べ方も紹介
姿かたちが似ているヒラメとカレイ、ひと目で「こっちがヒラメ、こっちがカレイ!」とわかる人はそう多くはないでしょうか。見分けるポイントがいくつかあり、それさえわかれば2つの違いは一目瞭然! この記事では、両者の違いや見分け方を解説。それぞれの調理法やおいしい食べ方、おすすめの料理も併せてご紹介します。
この記事でわかること
- ヒラメとカレイを見分けるポイントは「向き」「口」
- 実は逆向きのカレイもいる
- さばき方はどちらも5枚おろしが一般的
- ヒラメは刺し身、カレイは煮つけがおいしい
ヒラメとカレイそれぞれの特徴
まずは、ヒラメとカレイの特徴から押さえていきましょう。生息しているエリアや習性など、それぞれの基本情報を詳しくご紹介します。
ヒラメとは
ヒラメは「スズキ系カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属」に分類される魚です。「平目」「鮃」「比目魚」と書かれることもあります。北海道のオホーツク海・日本海をはじめとして、太平洋や瀬戸内海など幅広く分布し、東シナ海や朝鮮半島沿岸など海外でも水揚げされることも。カレイに比べると漁獲量が少なく、値段は高めです。養殖技術の向上でスーパーでも見かける機会が増えてきていますが、高級な魚というイメージが強いでしょう。
ヒラメは年中水揚げされています。中でも12月~2月が旬と言われ、厳しい冬にたくさんの餌を食べて脂身を蓄えた「寒びらめ」で、その時期ならではの味わいを楽しめますよ。
カレイとは
カレイは、魚屋さんやスーパーなどでよく見かける、多くの家庭で馴染みのある魚です。同じカレイでもヌマガレイやアブラガレイなど世界中に仲間が100種類以上いるので、カレイというのはカレイ科の魚の総称と言えます。
旬は、カレイの種類によって異なるため、何かしらのカレイの旬が年中あります。北海道でよく獲れるアカガレイは冬、クロガレイは3月~4月など旬が決まっている種類も。旬とは言っても、刺身や煮付けなど食べ方で一番美味しい時期が変わるのも複雑なポイントです。店主やポップの説明を参考にして、その時一番のカレイやおすすめの食べ方を聞くと良いでしょう。
見分ける合言葉「左ヒラメに右カレイ」
ヒラメとカレイの特徴や違いがわかったものの、いざ並べて置いたときに「どっちだろう?」と悩むことが多いかもしれません。そんなときに思い浮かべたいのが「左ヒラメに右カレイ」。合言葉を使って、ヒラメとカレイを即答で見分けられるようになりましょう!
顔の向きで一目でわかる!
カレイとヒラメをお腹が手前になるように置くと、向きが違うことに気づきます。左を向いているのがヒラメ、右を向くのがカレイです。お腹がどちらかわからないときは、目が上を向くように置いてみましょう。
ただし、カレイは必ずしも「右カレイ」ではないこともあります。中には、左を向くカレイもいるので、「あれ?同じ向きだ…」と悩むこともあるかもしれません。そんなときは、次に紹介する口で見分けましょう!
口も見分けるヒント
口は両者を見分ける決定的なポイントです。ヒラメは、魚やイカ、甲殻類などを食べるために、ギザギザの牙を持っています。一方、カレイはイソメやゴカイなど小さな魚を食べるので、牙は必要なく、どこか愛らしいおちょぼ口に。実は「左ヒラメに右カレイ」よりも「ギザギザヒラメにおちょぼ口カレイ」の方が正確に見分けられるんです!
見た目は似ていても味や食感が異なる
向きや口は違っても見た目はとても似ているヒラメとカレイ。食べているものや習性の違いによって、味や食感は変わってきます。すばやい魚や甲殻類を餌にするヒラメは、食事のためによく動くのが特徴。そのため、身は引き締まっていて、しっかりとした食感でさっぱりした味わいを楽しめます。
カレイが餌にするイソメやゴカイなどは動きがゆっくりで、カレイもそれほど動きません。身はヒラメよりもやわらかく、脂がよく乗っています。
調理法・さばき方
ヒラメとカレイは切り身で売られていることも多いですが、市場などで購入する場合は獲ったままの状態。そのため、食べるためにはさばく必要があります。
ヒラメとカレイは平らな形をしているので、多くの魚で使われる3枚おろしよりも5枚おろしが適しています。向きや口に違いがありますが、同じ手順でさばくことが可能です。
- ステンレスたわしなどで鱗とぬめりを取る
- 流水で洗う
- 胸ビレの根元から中骨を切り、裏返して同じように包丁を入れて頭を落とす
- 内臓をきれいに取り除く
- 尾が手前になるように置き、左右のヒレに切れ目を入れる
- 身の中心に切り目を入れ、背骨に沿って左右の身を切り離す
- 裏返して、同じ手順で左右の身を切り離す
- 身それぞれの腹骨をそぎ、血合いを取り除く
ヒラメの美味しい食べ方・おすすめ料理
上手にさばいたら、ヒラメを美味しく食べていきましょう!そのままでも味わい深いですが、調理法次第でまた違ったヒラメの味を楽しめます。
お刺身
ヒラメの定番料理は、シンプルに味わいを楽しめるお刺身です。5枚おろしにしたヒラメを薄く切れば、自宅でもお刺身を味わえます。脂の旨みや甘みがありながらも、比較的さっぱりとした味わいで、脂が苦手な方でも食べやすいのが嬉しいポイントです。昆布締めにしたり、たたいてなめろうにしたりするなど、刺身からのアレンジも楽しめます。
カルパッチョ
ヒラメを洋風でいただくなら、カルパッチョがおすすめ。ドレッシングやオリーブオイルをかけるだけで、おしゃれで美味しい洋風グルメに。トマトや葉物などを添えると、彩り豊かなメニューに仕上がります。
ムニエル
ヒラメは、小麦粉をまぶしてバターなどで焼くムニエルと相性が良いです。「舌平目のムニエル」といったメニューも有名で、ヒラメの味わいとバターの風味がマッチします。
ヒラメの竜田揚げ
ヒラメは、揚げ物で食べても美味しい魚です。片栗粉をまぶして揚げる竜田揚げにすると、皮はパリパリ、身はふんわり仕上がります。さっぱり派の人は、レモンを添えてみてくださいね。
ヒラメのアラ汁
ヒラメの旨みを隅々まで味わうなら、アラ汁をつくってみましょう。身や骨などを湯通しし、出汁なで煮込むと、ヒラメの旨みがしっかり出た汁物ができあがり。骨についた身もきれいに食べられて、ヒラメを味わい尽くすことができます。
カレイの美味しい食べ方・おすすめ料理
ヒラメよりも入手しやすいカレイは、家庭で食べられることの多い魚。おなじみの煮付けや唐揚げ以外にも、美味しい食べ方はいくつもあります。カレイをもっと楽しめるおすすめの料理をチェックしていきましょう。
煮付け
カレイ料理といえば、カレイの煮付けではないでしょうか。しょうがを入れて臭みを取り、弱火とじっくり煮込めば、ホクホクの身に味がしみ込んで、美味しい煮付けができます。子どもにも大人にも喜ばれるので、食卓の一品にいかがでしょうか。
唐揚げ
ふっくらやわらかい身を生かして、カレイを唐揚げにしてみましょう。ジューシーな食感とカレイの味わいは、鶏肉の唐揚げも顔負け。塩をちょっと付けたり、レモンを搾ったりすれば、アクセントも利かせられます。
ホイル焼き
ホイル焼きは、鮭のちゃんちゃん焼きでもおなじみの料理。カレイとも相性が良く、野菜ときのこも一緒に食べられます。えのきや玉ねぎなどをカレイと一緒にアルミホイルで包み、オーブントースターなどで焼きましょう。ポン酢や醤油でさっぱりいただいたり、バターでボリュームをプラスしたりするなど、好みの食べ方で味わってみてください。
中華あんかけ
揚げ物と相性の良いカレイに、ちょっとアレンジを加えるなら中華あんかけがおすすめ。片栗粉をまぶして揚げたカレイにとろっとしたあんをかければ、食感の楽しいメニューになります。中華風の味付けが好きな方もぜひチャレンジしてみましょう。