【北海道】一生に一度は見たい!流氷の時期や見られる場所をご紹介【網走・紋別・知床】
冬の時期に限られたスポットでしか見ることのできない流氷。一生に一度は見てみたいと思っている人も少なくないでしょう。自然が作り出す大迫力の流氷ですが、日本で見られる場所は北海道だけ。
この記事では、流氷を見られる時期や北海道のスポット、流氷にまつわるお祭りやグルメなどの情報も紹介。流氷観光を予定している人はぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
- 流氷は海を漂う大きな氷の塊
- 北海道では「紋別」「網走」「知床」が鑑賞スポット
- 【最新】2024年流氷接岸初日は、紋別は1月26日・網走は1月22日と発表
- 風や潮の流れによっては見えないこともある
流氷とは
流氷とは、海の上を流れてくる氷の塊のこと。
日本に流れてくる流氷は、中国とロシアの国境で生まれていることをご存知でしょうか?
極東最大といわれるアムール川から、オホーツク海へと流れ出る淡水が海上で凍ったものが流氷です。最初は小さな流氷ですが、オホーツクの冷たい海に流されて南下しながら大きく成長し、私達のイメージに近い大きな氷の塊になっていきます。
流氷が肉眼で確認できた日を流氷初日といい、着岸して船などが出航できない状態になった日を流氷接岸初日と言います。
流氷と共に訪れる生き物たち
流氷にはオホーツク海の豊富なプランクトンが含まれています。そのため、沿岸部に辿り着く頃には海水中に溶けだした栄養分で流氷の下の海はとても豊になります。
氷の天使と言われるクリオネや、冷たい氷と餌を求めてアザラシなどが流氷と共に訪れることも。
また、接岸した流氷上にキタキツネやエゾジカなどの陸上生物が現れることもあります。流氷観光は氷だけでなく、流氷と共にいきるさまざまな動物との出会いも魅力です。
流氷は日本では北海道で見られる
流氷と聞くと、北極や南極などの地域をイメージする人が多いでしょう。極寒の地で見られる流氷ですが、日本では北海道でのみ見ることができます。
北海道の中でも、特に見られる確率が高いとされているのは「紋別」「網走」「知床」。さらに風向きや潮の流れによって「稚内」「根室」「枝幸」などでも見られることがあるようです。
北海道の中でも北端に位置するこれらの地域は、冬の間最低気温が-10度以下になることも珍しくありません。そのため、流氷の観測地点としては北半球最南端のポイントだと言われており、世界的にも有名です。
流氷が見られる時期は?
流氷が見られる時期は例年2月中旬頃から3月上旬にかけて。早い場所では1月下旬に初観測される地域もあるようです。
しかし、近年地球温暖化の影響で流氷は現象傾向にあり、見られる時期が短くなっていると言われています。
また、流氷は潮や風の流れによって移動を続けるため「この時期に行けば必ず見れる」という場所が存在しません。シーズンに入り流氷が初観測されていても、当日の潮や風の流れで見られるポイントやタイミングが異なるので、観光に行く際は注意しましょう。
【最新】2024年の流氷情報
紋別市と網走市でそれぞれ「流氷接岸初日(初めて岸に流氷が到着した日)」の発表がありました。
紋別市の流氷接岸初日は【1月26日】と平年より13日早く、昨年より14日早い結果となりました。
また、網走市の流氷接岸初日は【1月22日】と平年より13日早く、昨年より19日も早く流氷が訪れました。ここ数年は接岸初日が遅い傾向にありましたが、2024年はかなり早く本格的な流氷シーズンの到来です。
【過去データ】2023年までの流氷情報
流氷が見れる時期を予測する場合、過去のデータを参考にしてみるのも良いでしょう。
年々、流氷初日(初めて流氷が観測された日)や流氷接岸初日が遅くなっているので、過去5~10年程のデータを参考にしてみて下さい。
2023年までの過去データから確認できるのは「大体この位の時期に流氷が見やすい」程度の予測なので、旅行の日程を決める時などの目安になります。
年 | 流氷初日 | 流氷接岸初日 |
---|---|---|
2011年 | 1月19日 | 1月29日 |
2012年 | 1月17日 | 2月17日 |
2013年 | 1月12日 | 1月17日 |
2014年 | 1月21日 | 2月9日 |
2015年 | 1月12日 | 1月19日 |
2016年 | 1月28日 | 2月22日 |
2017年 | 1月31日 | 2月2日 |
2018年 | 1月28日 | 2月2日 |
2019年 | 1月13日 | 1月29日 |
2020年 | 2月9日 | 2月11日 |
2021年 | 1月17日 | 1月31日 |
2022年 | 1月24日 | 2月3日 |
2023年 | 2月5日 | 2月10日 |
流氷観光では服装に注意して
流氷観光に行く際には、しっかりとした防寒対策が欠かせません。
完全屋内なら、厚手のコートなどでも可能ですが、自然の中に出るならスノーウェアなど雪や風に強く保温性と気密性の高い衣服が必要。
また、雪上や流氷の近くに行くと氷に太陽の光が乱反射するため目傷めやすくなります。UVカット加工のされたサングラスやゴーグルなども持っておくと安心ですね。
流氷観光ができる乗り物
流氷の見える時期は、寒さが厳しく自然の中で観察するのは大変。特に子どもや年配の方がいる場合は、乗り物から観察するのがおすすめです。
続いては、流氷が見れる乗り物を紹介していきます。
ガリンコ号
ガリンコ号は、株式会社紋別観光振興公社観光事業課が運営する観光砕氷船です。
元々は、アラスカに油田を開発するために開発された砕氷船。流氷観測が観光資源として人気が出てきたのを機に、初代ガリンコ号として観光砕氷船になりました。
現在、初代ガリンコ号は引退。ガリンコ号Ⅱと2021年から運航開始したガリンコ号ⅢIMERUが、観光客を乗せて流氷スポットへと連れて行ってくれます。
流氷を砕きながら進む様子は圧巻。暖房が効いた船内から見ても良し、展望デッキからオホーツクの風や空気を感じても良しな、大人から子どもまで楽しめる観光砕氷船です。
網走流氷観光砕氷船おーろら
網走から流氷観光をしたいという人には、道東観光開発株式会社が運航する観光砕氷船「おーろら」がおすすめです。
大型で収容人数も多く、団体やツアー客が多いおーろら。大型船なので、揺れが少なく安定した運航も人気のポイントです。
また、引退した「おーろら2」に代わり、2023年冬シーズンからは装い新たに2022年10月に完成した小型観光船「おーろら3」が運行開始。自力で砕氷できず従来の大型船より冬場の定員は30名と少人数ですが、流氷を間近で見られるのが特長で、エメラルドグリーンが目を引くカラーリングになっています。
今後は大型観光砕氷船の「おーろら」と小型観光船「おーろら3」の2隻体制で運航していくようです。
JR流氷物語号
乗り物から流氷を見たいけれど船酔いなどが心配という人は、流氷の時期にだけ運行するJR流氷物語号への乗車がおすすめ。
JR北海道が流氷の時期にのみ運行しているJR流氷物語号は、流氷の観測スポットが多く存在する網走駅から知床斜里駅間を走行。車内から流氷を見ることができます。
ただし、流氷が岸に近付いていなければみられないため、当日の流氷情報をよくチェックしておくことが重要。流氷接岸初日以降を狙って乗車してみて下さい。
北海道のおすすめ流氷観光スポット
オホーツクの風を感じながら、自分の足で流氷を見に行きたいという人は、流氷の観測スポットに行ってみてはいかがでしょうか。
北海道には流氷を観測できるスポットがたくさんあります。その日の流氷情報を元に、観測しやすいスポットを巡ってみてください。
【紋別の流氷観光スポット】流氷岬
紋別で最もおすすめな流氷スポットである「流氷岬」。その名の通り、岬を囲うように流氷が着岸するため、タイミングが合えば流氷に触れることもできるんだとか。
スポット近くまで車で行けるのも、おすすめする理由のひとつ。駐車場には展望台があるため、流氷が着岸していない時には展望台からの眺めを楽しんでみてはいかがでしょうか。
【紋別の流氷観光スポット】氷海展望塔オホーツクタワー
紋別にある氷塊展望塔オホーツクタワーは、地上3階、地下1階の4階建て。最上階の展望室からはオホーツク海を優雅に漂う流氷を見ることができます。
また、地下には海底観察窓が設置されているため、冬の海中を観察することも可能。流氷と共にオホーツク海にやってくるクリオネを見たいという人は、水槽展示もされているので足を運んでみてはいかがでしょう。
【網走の流氷観光スポット】能取岬
網走の能取岬は、特大パノラマな流氷観光をしたい人におすすめのスポットです。岬の北側一面に広がるオホーツクの海を埋め尽くす流氷が圧巻。接岸すれば岬はグルリと流氷に囲まれて、迫力ある光景を見ることができます。
定期観光バスが運行しているので、アクセスしやすいのもポイント。ただし、岬には灯台と管理事務所しかないため、防寒対策はしっかりしていきましょう。
【網走の流氷観光スポット】JR北浜駅
電車で北海道を巡るなら、JR北浜駅で降車してみるのがおすすめです。駅から浜までの距離が非常に近いため、流氷が接岸していればド迫力の光景を見ることができます。海一面に広がる流氷を見れば、感動に打ち震えることでしょう。
【知床の流氷観光スポット】プユニ岬
知床にあるプユニ岬は海岸線が一望できるベストスポット。水平線に浮かぶ流氷を、流氷初日後の早い時期から観測できる場所でもあります。
プユニ岬は夕日の名所と言われているため、夕焼けに染まる流氷を見てみたい人にもおすすめ。オレンジ色の夕日に照らされる流氷は、とても幻想的で一生の思い出になること間違いなしですよ。
【知床の流氷観光スポット】オロンコ岩
知床にあるオロンコ岩でも、タイミングが合えば流氷を見ることができます。オロンコ岩は約60mにもなる巨石です。170段程の階段があり、登り切った先にはオホーツクの海を一望することができます。
流氷が近くに来ていれば、ウトロの町並みや知床連山など美しい景色と共に楽しむこともできるんだそう。近くに行くなら流氷情報を調べて、足を運んでみて下さい。
この時期にしか体験できない!流氷アクティビティ
流氷観光をもっと楽しみたいという人にはアクティビティがおすすめ。さまざまなアクティビティで楽しむ流氷観光は、見て、触れて、感じて自然の偉大さを全身で受け止めることができます。
ただし、流氷アクティビティは年齢制限や身長制限などがある場合も多いので、事前に注意事項などもしっかり調べておきましょう。
流氷乗馬
北海道には、乗馬をしながら流氷を楽しむことができるアクティビティもあります。
流氷乗馬では、流氷が間近に迫る浜辺を乗馬でホーストレッキングできます。馬と息を合わせながら浜辺を散策し、壮大な流氷を望みながら進む達成感は何物にも代えがたいもの。
普段、乗馬を楽しんでいる人にも、流氷という非日常の中で行うホーストレッキングは一度体験してみる価値あり。もちろん、初心者でも親切に乗馬の方法を教えて貰えますよ。
流氷熱気球フリーフライト
陸からでも、海からでもなく、空から流氷観光を楽しんでみませんか?
熱気球フリーフライトでは、一切固定されず流氷上を浮遊。一面の流氷を空から眺めることができます。
小学生以上の7歳から85歳まで参加可能。これといった難しい操縦はありませんが、全員で力を合わせて熱気級をコントロールするため、思い出深いアクティビティとなるでしょう。
流氷SUP(サップ)&ウォーク
海外で大人気のSUP。正式名称はStand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)といい、サーフボードに似た一枚の板の上に立って、手に持ったパドルを使って進む水上アクティビティです。
流氷SUPでは、流氷の隙間を自分の力で進むことが可能。どこまでも広がる流氷の中を進んでいくと、日常を忘れて自然の偉大さを全身に感じてみてはいかがでしょうか。
ドライスーツを来てポイントまで泳いでいくため、全身を使うアクティビティですが、その分楽しさや達成感があのもポイント。12歳以上から体験することができます。
流氷SUP(サップ)&ウォーク | |
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提供会社 | 知床アルパ株式会社 |
体験料金 | 1名12,000円(税込) ※団体(最大4名)の貸切予約は1組40,000円(税込) |
体験時間 | 約2時間15分 |
詳細サイト | https://www.shiretoko-arpa.com/activity/ryuhyou-sup/ |
【流氷観光にはこんな楽しみ方も】紋別・網走で楽しめるお祭り
流氷が観光できる地域では、流氷にまつわるお祭りなども開催されています。流氷の訪れを祝う地域のお祭りにぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
もんべつ流氷まつり
例年、立派な氷像や人気芸人を招いたステージなどが人気のもんべつ流氷まつり。
紋別の人にとって、漁業ができなくなる流氷の時期。昔は、船が出せないことに不満を感じる人も多かったそうです。
そこで、流氷のイメージ向上を狙ってはじまったもんべつ流氷まつり。どれだけ寒くても、この日は会場が笑顔で溢れ、短い期間だけしかない流氷シーズンの訪れを多くの人が祝います。
イベントやグルメなど、子どもから大人まで楽しめる地元の人に古くから愛されているお祭り。ぜひ、日程が合えば参加してみてはいかがでしょうか。
あばしりオホーツク流氷まつり
あばしりオホーツク流氷まつりでは、地元団体によるパフォーマンスや、特産物の販売、雪像展示など楽しみ所が満載。プロが作る雪像は大迫力で感動すること間違い無しです。
食べて、見て楽しめるあばしりオホーツク流氷まつり。流氷と共に網走の魅力を存分に楽しみたいという人におすすめです。
お土産やお取り寄せにもおすすめ!流氷グルメ&スイーツ
流氷観光のお土産や、自宅にお取り寄せしてご当地グルメを楽しみたいという人は流氷にまつわる商品がおすすめです。
オホーツク流氷カレー
北見市にあるインド料理店「クリシュナ」で提供されている名物。インド人料理長が流氷に感動して誕生したこのカレーは、合成着色料・添加物不使用で、青さは天然由来のクチナシ色素で表現されています。
見た目のインパクトは強烈ですが、味はマイルドな辛さで食べやすい本格インドカレー。北見本店や札幌店のほか、網走市の「道の駅 流氷街道網走」で楽しめます。
流氷まんじゅう
稚内の老舗銘菓店、御菓子司 小鹿の流氷まんじゅう。室谷岬に流れ込んでくる流氷からアイデアを得て作られた流氷まんじゅうは、観光のお土産にもぴったり。
まんじゅうという名前がついているものの、中身はスポンジ、外はホワイトチョコと洋菓子風味なのが特徴。若い人から年配の人にまで幅広い世代に好まれるスイーツです。
網走ビール流氷ドラフト
流氷をイメージした透き通る青色が特徴的な網走ビール流氷ドラフト。すっきりとしたのど越しで、普段はあまりビールを飲まないという人にもおすすめ。
人にも贈りたくなる上、自分でも飲んでみたい1本。綺麗なビアグラスに注げばSNS映えも抜群です。
オホーツク流氷ラーメン
流氷の訪れるオホーツクの浜風を利用した特別な乾燥方法で作った麺が特徴のオホーツク流氷ラーメン。北の大地を代表する「かに風味」「ほたて風味」「さけ風味」などのバリエーションが豊富なのも魅力です。
まとめ
冬の短い時期に北海道の限られた地域でのみ見ることができる流氷。自然が作り出す大迫力の流氷観光は、一生の思い出になることでしょう。
ぜひ、今回紹介した紋別、網走、知床をはじめとした北海道の流氷観光スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか。