北海道のおいしいブランド米15選!特徴や米どころになるまでの歴史も紹介
北海道を代表するイメージとして「グルメ」は欠かせないものですよね。
一般的には海産物や牛乳、じゃがいもなどが北海道の名産品としてイメージしやすいと思いますが、近頃ではさらに身近な北海道産の農産物として、「お米」の存在が見逃せないのです。
北海道とお米というのは、スーパーでブランド米を普段からチェックしている方以外にはあまり知られていないかも知れませんが、広大な北海道で作られる豊富な種類のお米は、実は今や日本国内の中でも屈指の生産量と人気を誇っています。
今回はそんな北海道の米の魅力と、そのブランド別特徴を紹介しながら、お米を使ったおすすめグルメまでをしっかり紹介していきますのでぜひ参考にしてください。
北海道が日本一の米どころと言われる理由
日本の中でも米どころとして有名なのが新潟県。新潟県のお米は有名なブランド米であるコシヒカリを筆頭に、おいしいお米として誰もが知っている存在です。
では、新潟に続く米の産地がどこなのかご存知でしょうか?意外に思われるかも知れませんが、それは北海道です。
北海道では広大な自然を活かした大規模な米づくりが可能です。
北海道の米の生産量や主な産地は
北海道といえば、その広大な大地をほとんどの人がイメージすることでしょう。そんな自然に恵まれ、大きな土地を生かすことができるのが米づくりなのです。
北海道は米の作付け面積、収穫量ともに日本トップクラスの数字を誇り、全国的に米どころとして知名度の高い新潟県と毎年激しいトップ争いを繰り広げています。
ではそんな北海道の、どんな場所で米づくりが行われているのでしょうか。
統計データを見てみると、北海道米のおよそ半数は「空知」という地域で占められています。次いで「上川」、そして「石狩」と言った地域が米づくりの代表的な地域です。
地図で見てみれば、北海道の西半分のほとんどの地域で米作りが行われているとわかります。
北海道の人気ブランド米9選
米どころ北海道では、さまざまなブランド米があります。続いては、特に人気の高い北海道のブランド米9種の特徴を紹介します。
1.ゆめぴりか
ゆめぴりかは、全国食味ランキングで11年連続で特Aを獲得しています。
2008年に誕生したゆめぴりかの特徴は、程よいねばり、豊かな甘味、そして艷やかで美しい炊き上がりと三拍子揃った極良食味米。
過酷な環境から度重なる品種改良が行われてきた北海道米の全てを結集して誕生したゆめぴりかは、日本人の白米に対する要求の全てを満たすために生まれてきたと言っても過言ではないのです。
さらにゆめぴりかならではの特徴は、冷めてももちもち感と美味しさがキープされることにあります。そのため、ゆめぴりかで作ったおにぎりやお弁当は、他にはないお米の美味しさが感じられるものとなるのです。
2.ななつぼし
「星がきれいに見えるほど空気がきれいな北海道で、北斗七星のように輝いてほしい」という願いを込めて作られたのが、北海道米を代表するもう一つのブランド米、ななつぼしです。
ななつぼしもゆめぴりかと同様、全国食味ランキングで11年連続で特Aを獲得しており、北海道だけでなく日本を代表するお米と言えるでしょう。
つや、粘り、甘味のバランスを追求し、ゆめぴりか同様冷めても美味しいというのが、このななつぼしの特徴となります。
ではゆめぴりかとななつぼしの違いはどこにあるのでしょうか?
それは、どちらかというともっちり感を追求したゆめぴりかに対し、さっぱりとした食べ応えになるのがこのななつぼしです。そのため、お寿司のための酢飯にも適しています。
3.ふっくりんこ
全国食味ランキングで特Aを獲得しているゆめぴりかとななつ星以外にも、北海道には特筆するべきブランド米が存在します。
その中からまずご紹介したいのが、この「ふっくりんこ」です。北海道民の舌をうならせたいという目標を掲げ、ふっくりんこという名前の通りふっくらとやわらかな食感となっています。
色々なおかずにマッチする万能な味わいのふっくりんこは、無洗米や特別栽培されたものまでバリエーションが楽しめるお米です。
4.おぼろづき
2005年に登場した「おぼろづき」は、お米の成分であるでんぷんに服荒れるアミロースが少ないため、粘り強い食感と甘味、そして独特の風味を持っています。
それまでの北海道米という一定のイメージをくつがえし、コシヒカリに対抗できる評価を食味官能試験で得ることで、北海道米全体のイメージを底上げしたのがこのおぼろづきなのです。
おこわとしても美味しいモチモチの食感を楽しみたいなら、ぜひこのおぼろづきを試してみてください。
5.ゆきさやか
ゆきさやかは、2016年に流通が始まった北海道のブランド米です。比較的新しく誕生したお米であるため、知名度はそれほど高くありませんが、数々の品評会で高く評価されており注目が集まっています。
ねばり強く柔らかさに優れており、ツヤツヤと輝くような白色も高く評価されています。また。北海道米のなかでも特に旨味を感じやすいのが特徴です。
まだまだ作付け量が少ないため、幻のお米とも呼ばれているゆきさやか。お米好きなら1度は食べてみて欲しいブランド米です。
6.きたくりん
ふっくりんこから品種改良されたきたくりんは、耐病性の強さが特徴です。病気に強いため、極限まで農薬を減らした栽培も可能なため無農薬米として出荷されているものもあります。
ほどよい粘りや柔らかさを持っているため、万人に好まれやすいスタンダードなお米と言えるでしょう。平成25年に初めて販売された比較的新しいブランド米なので、それほど知名度は高くありませんが、農薬が少なく栽培できる安全性が支持され、どんな食べ方でも美味しく食べられるマイナスポイントのないお米としてジワジワと人気が高まっています。
7.あやひめ
あやひめはもちもちした食感とやわらかさが特徴的なお米です。とにかく、柔らかく粘りの強いお米が好きという人に熱烈な支持を受けています。
北海道の定番グルメ「スープカレー」との相性がよく、道内のスープカレー専門店で提供されているお米としても有名です。
白米として食べるのもよいですが、柔らかいあやひめは玄米のまま食べるのもおすすめ。玄米にしてもその粘り強さや柔らかさを感じやすいため、プチプチとした特有の食感を楽しむことができるでしょう。
栄養豊富な玄米を美味しく食べたいという人におすすめのブランド北海道米です。
8.大地の星
粒がしっかりして粘りを抑えた大地の星は、一般家庭で食べられるお米としてはあまり知られていませんが、冷凍ピラフなどの加工米として大変人気のブランド米です。
硬めで淡泊な味わいの分、一度冷凍したものでも解凍すれば美味しく食べられ、知らず知らずのうちに冷凍炒飯や冷凍ピラフとして大地の星を食べているという人も多いでしょう。
9.そらゆき
そらゆきも、大地の星と同じく加工食品に適したお米です。大地の星をさらに品種改良して生まれたもので、ほどよい硬さとねばりがあり、大地の星よりも甘みを感じやすいのが特徴だと言われています。
耐冷性や耐病性が強いため、安定した生産が可能で、飲食店で提供されるお米としても多く流通しています。
北海道の人気ブランドもち米3選
和菓子やおこわなどにも欠かせないもち米。もち米にもさまざまな品種があり、特に北海道で生産されるもち米は全国各地から需要のあるブランド米が多いです。今回は、北海道で生産されている人気ブランドもち米の中から3種を紹介します。
1.はくちょうもち
北海道米ならではのネーミングを持つこの「はくちょうもち」はもち米であり、炊き上がりから時間が経っても硬くなりにくいのが特徴です。
炊飯器で炊けるもち米として人気で、赤飯やもち、大福などの和菓子の材料としても使われています。
2.風の子もち
柔らかさと粘り強さが特徴の風の子もちは、餅に加工するのにおすすめのもち米です。風の子もちで作った餅は粘り強さから出るコシが感じられ、キメも細かく舌触りが極上として好まれています。
はくちょうもちから品種改良されたもち米で、餅のほかにも赤飯、おはぎ、おこわなどにもぴったりです。
3.きたゆきもち
きたゆきもちは、輝くような白さが特徴のもち米です。きたゆきもちを使って作った餅は、特に白さが際立ち、冷めても硬くなりにくい極上の味わいだと人気です。餅の白色が際立つとして大福を作る時に用いる和菓子屋さんもあります。
特に、粘りが長持ちしやすいため、赤飯やおはぎにも最適です。
北海道の人気ブランド酒米3選
酒米とは、一般的な食用米とは異なり、日本酒を作るために栽培された米のことを言います。酒造好適米とも呼ばれ、日本酒を着くのに適したお米として品種改良されているのが特徴です。
米どころと日本酒醸造はセットで考えられることも多く、北海道でもブランド酒米を使ったさまざまな日本酒が製造されています。
1.吟風
吟風は北海道を代表する酒米の1つで、日本清酒の「千歳鶴」や小林酒造の「北の錦」が全国新酒鑑評会で金賞を受賞したのをきっかけに全国に知れ渡りました。
吟風で作った日本酒はコク深く芳醇な香りをもつのが特徴です。
2.彗星
彗星で作った日本酒はキリっとした辛口の飲み口が特徴です。高砂酒造の「純米大吟醸酒 国士無双」や男山の「北の稲穂 大吟醸」などにも使われており、日本酒好きにも注目されている酒米です。
3.きたしずく
北海道三大酒米の1つとして挙げられるきたしずくは、雑味の無い優しい口当たりの日本酒を醸造できます。田中酒造の「特別純米大吟醸 宝川」などにも使われており、柔らかい味が日本酒初心者にも好まれています。
特Aランクの北海道米とは?
ブランド米について知るなかで度々聞かれる「〇ランク」という等級分け。これは、日本穀物検定協会が発表しているものです。
年に1度、米の品評が行われ高い評価を得た品種だけが最高評価である「特A」に振り分けられます。評価する際には、さまざまな産地で生産されたコシヒカリをブレンドして炊いたご飯を基準にし、基準のご飯よりも特に評価の良いものが特A、基準のご飯よりも良いものを「A」、基準のご飯よりも劣るものを「B」「B’」と評価しています。
令和5年度は全144品種中、特Aにランク分けされたのは43種でした。
北海道米からはゆめぴりかやななつぼしなどが、特Aランクに選ばれています。
北海道米と開拓の歴史
北海道米がブランド米として全国的に愛好されるようになったのは、比較的最近のこと。しかし実は北海道米はかなり昔から作られていて、その歴史を見れば現在の人気も納得がいくはずです。
北海道で初めて米作りが行われたのは、1692年までさかのぼります。しかしこの時はまだ北海道の厳しい寒さに稲が耐えられず、うまく作れませんでした。
そんな北海道の米づくりの歴史を変えたのが「北海道稲作の父」と呼ばれる中山久蔵です。その後もこの北海道の土地での米作りは脈々と継続され、1980年には北海道長の肝いりで「良質米の早期開発」というプロジェクトがスタートしました。
その結果従来の北海道米のイメージを一気に変えた「きらら397」が登場。ネーミングのセンスと共に日本中からの注目を集め、さらに2001年には今や北海道米の代表とも言える「ななつぼし」により、全国に北海道米の名を広げました。
北海道の米づくり
北海道にはブランド米がたくさんあることがわかりましたが、次に北海道の米づくりがどのような流れで行われているかをチェックしてみましょう。
もちろん北海道だからと言って、他の地域の米作りと大きな違いがあるわけではありませんが、それでも北海道ならではの季節感や広大な土地による、北海道米ならではの特徴が垣間見えるはずです。
雪解け前の3月から始まる苗作り
北海道の米づくりはまだ雪解け前となる3月から始まります。
雪を溶かし除雪した土地に、まずは苗を育てるためのビニールハウスを設置。もちろん冬の北海道の温度に負けないよう、しっかりと温度と湿度が管理されたビニールハウスで、健康な苗が育てられます。
5月に始まる田植え
北海道での田植えは5月から準備が始まります。田圃を耕して水を張り、苗を植えられるように整える作業を終えれば、田植えがスタート。すくすくとビニールハウスの中で育てられた苗を、大規模農業ならではの田植え用の機械で植えていきます。
8月には開花と受粉が始まる
6月から7月にかけては稲の根がしっかり大地に根付き、枝分かれしていく季節です。穂が育つ時期は温度管理が大切になります。なぜなら茎の中が膨らむ時期は寒さに弱いからです。
そして、田んぼの温度管理は水の深さで調節。7月下旬からは穂が出始め、花を咲かせます。8月になれば咲いた花で受粉が行われ、モミが開花すれば受粉が完了。
この時期の気温は23度前後が理想となり、この温度が収穫量に大きな影響を与えます。
9月から10月が収穫の季節
夏の受粉が終わりモミが硬くなる9月になると、いよいよ収穫のタイミングです。穂が黄色に変色し垂れ下がるようになる9月中旬から10月に、ついに刈り取りの時期がやってきます。
と言っても北海道の米づくりは大規模農業がほとんどですから、専用の刈り取り機械で一斉に作業を進めることが可能です。
10ヶ月で家庭の食卓にお届け
刈り取られた米はもみ、あるいは玄米のまま全国の米の集荷施設に運ばれて貯蔵されます。集荷施設で厳格な検査を受けた玄米は糠を除去し、白米となるのです。
このように10ヶ月をかけて皆さんの食卓までたどり着いた北海道米は、できるだけ新鮮な状態でお食べになることがおすすめですよ。
より身近に北海道米を体験してみてください
さて、すでに北海道米の魅力はしっかり伝わったのではないでしょうか。
北海道のブランド米はいまや米売り場では人気のアイテムとなっていますから、手軽に手に入れられますし、その他のブランド米の中から気になるものがあるのなら、いろいろな種類の北海道ブランド米を試してみてはいかがでしょうか。
さらに白米としていただく以外にも、北海道米を使ったスイーツなどのグルメもまた通販などで購入可能ですから、気になる方はお取り寄せで、ぜひ北海道スイーツを楽しんてみてください。