数の子の親は何の魚?松前漬けやおせちで定番の理由やアレンジレシピも紹介!

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お正月のお節料理の中でも、数の子は外せないアイテムです。
しかしあの小さくてプチプチした食べ物が、いったい何なのかをご存知ない方もいるかもしれません。

さらに、数の子は贅沢品だから体に悪いという風説があったりするため、思いっきり食べていいのかも気になるところです。

おせちの時期にはスーパーで手にする数の子ですが、その賞味期限やアレンジしてどんな食べ方ができるかを知っておくことで、より数の子が身近な食材になるのではないでしょうか。

今回はそんな数の子に関する情報を、詳しく紹介していきます。

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数の子の正体をご存知でしたか?

数の子はニシンの子

プチプチした独特の食感の数の子が、海の幸ということはご存知かと思います。しかし調べなければ、なんの海産物か知らないことも多いはずです。

まずはそんな数の子の正体について紹介していきましょう。

数の子はなぜ数の子と呼ばれるのか?

数の子には実は「鯑」という漢字があてられています。これは鰊(ニシン)の細かい卵という意味です。
ではこの「かずのこ」という読みはいったいどんな意味があるのでしょうか。

これには諸説あるのですが、ニシンは昔(カド)と呼ばれていたため、「カドの子」が語源となっているという説があります。

もうひとつは、おめでたい正月に食べるニシンがたくさんの卵を産むため、それにあやかって子孫繁栄の想いをかけて数の子と呼ぶようになったという説もあるのです。

数の子は何の魚なの卵なのか

ニシンとは

先ほど数の子の名前の由来でも簡単に紹介しましたが、数の子は「ニシン」という魚の卵です。
ニシンは「ニシン目ニシン科ニシン属」に分類される魚。ニシンは昔から日本においては一般的な魚で、多くの人に愛されています。

しかし現在では乱獲や気候の変動により、日本国内での収穫量は激減してしまいました。そのため数の子もまた貴重な食材となっていて、現在では高級食材として流通しています。
その結果、今ではスーパーなどで目にする多くの数の子はカナダやアメリカ、アラスカなどの海外産が主流となっているのです。

数の子は健康に悪いのか?意外と健康に良い成分も

数の子のプリン体は?

数の子はおせち料理として食べる機会が多く、それだけに日常的な食材ではないため健康や栄養面に関して詳しく知る機会が少ないかもしれません。

漠然としたイメージとしては、そういうおめでたい時に食べるものは贅沢な食材であるため、ひょっとして健康に悪いと考えている方も多いかもしれませんね。特に気になるのが贅沢病とも呼ばれる「痛風」の原因となる「プリン体」でしょう。

では実際には、数の子とプリン体の関係はどうなのか。さらに、数の子にはどんな成分が含まれて、健康に影響するのかについて見ていきましょう。

数の子の気になるプリン体の量は

数の子といえば気になる成分として「プリン体」が挙げられるのではないでしょうか。贅沢病とも言われる痛風の原因となるプリン体は、あまり摂取しすぎてはいけないものとして知られています。
このプリン体は「卵の数だけ含まれる」という噂もあるため、ニシンの卵の集まりである数の子にはたくさんプリン体が含まれているような気がしませんか?

では実際にどの程度のプリン体を、数の子は含有しているのでしょうか。

プリン体は100gあたりの含有量によって「極めて多い(300mg以上)」から「極めて少ない(~50mg)」まで分類されているのですが、数の子はこのランキングの中でも最低の「極めて少ない」に入っています。

つまり、イメージとは全く異なり数の子はプリン体をあまり含んでいない食品であるというのが事実なのです。

数の子に含まれる栄養成分とは

数の子に含まれる栄養成分とは

さらに実は数の子成分には、健康食品としてよく耳にするEPAやDHAがたくさん含まれています。EPAやDHAといえば魚から摂取するものとよく言われていますが、例えば秋刀魚のEPAやDHAよりも、数の子の方が比率が多いのです。

EPAやDHAは人体の中では作ることができない栄養素で、動脈硬化などの予防やアレルギー体質の改善、精神の安定などに役立つ成分と言われています。
さらに数の子は抗酸化物質コエンザイム、アミノ酸やペプチドなど多彩な栄養成分を含み、コレステロールも少ないのがその特徴。

このように数の子は食材として非常に有効な成分を含むものであり、プリン体の摂りすぎの心配が少ない食品なのです。

なぜ数の子は健康に悪いイメージがあるのか

しかし実際に数の子を食べる時には、どこか健康に悪いというイメージをお持ちの方も多いはずです。

これはやはり数の子の保存法として塩漬けの数の子がよく売られているため、これを塩抜きなしで食べてしまえば塩分量は多めになってしまいます。
さらに痛風などの贅沢病と呼ばれるものは、貴重で美味しい食べ物が原因と疑われてしまうため、数の子もその中に含まれてしまっていたのでしょう。

そのため実際に食べる時にしっかり塩抜きし数の子本来の風味を楽しんでいれば、体に良い成分を含んだ食べ物と言えるわけです。

なぜ数の子はおせちの定番なのか

数の子はおせちの定番なのか

では次に、なぜ数の子がおせちの定番なのか見ていきましょう。

かずのこをおせちに入れるには理由がある

ニシンは鰊という漢字の他に「二親」という漢字も当てられています。この二親というのは、ご覧になればわかるように二人の親、つまり両親を意味しているのです。

そんなニシンは数の子のようなたくさんの卵を生み出しますので、それにあやかって子宝にたくさん恵まれますようにという思いが込められて、おめでたい正月に食べられるようになりました。

祝い肴の一つに数えられる数の子

お節料理の中には祝い肴と呼ばれる代表的な三つの具材があり、これは正月に他の料理よりも先に食べるという慣わしがあるのです。

関東では黒豆、数の子、たつくりがこの祝い肴となり、関西では黒豆またはたつくり、数の子、たたきごぼうとなっています。

数の子はこのどちらにも含まれていますので、全国共通の祝い肴と言えるでしょう。

美味しい数の子の選び方

美味しい数の子の選び方

お節料理として欠かせない数の子ですが、普段はあまりスーパーなどには置かれていないため、どのようなものを選べばいいかわかりにくいかもしれません。

まず、数の子を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。その一つが薄皮がついているものを選ぶということです。表面に糸のような白いものがついているのが、薄皮のついた数の子。薄皮がついたままのものであれば、鮮度が良いものと言えます。

色から判断する時は黄色い数の子がおすすめです。贈答用などでは白い数の子が人気ですが、これは漂白されているものもあり、見た目は良いのですが漂白によって卵が弱っているため、数の子ならではの食感に欠けることもあります。

数の子の冷凍・解凍方法

数の子の冷凍・解凍方法

数の子はおせち料理として使われることも多く、そのためか意外と食べ残しになってしまって困ることもあるかもしれません。

まずはできるだけ長期間美味しくいただける冷蔵方法を知っておきましょう。

もしどうしても賞味期間中に食べきれなさそうな時は数の子を冷凍してしまえば良いのですが、何も考えずに冷凍してしまうと食感などが変わってしまうこともあります。
しかし残してしまうのも勿体無いですから、余った数の子は正しい方法で冷凍しておき、そのあと食べる分だけ解凍するようにしてみてはいかがでしょうか。

数の子はどのくらい保存できる?

数の子には味付け済みのものと、保存用に塩漬けされたものの2種類があります。

味付け済みの数の子はそれほど保存期間は長くなく、約1週間程度が期限となりますので、できるだけ早く食べてしまったほうが良いでしょう。

一方の塩漬けは保存期間を伸ばすための加工となっているため、塩分濃度が高く菌が繁殖しにくいため、2~3ヶ月程度冷蔵で保存が可能です。

数の子を冷蔵で保存するときのコツとは

数の子を冷蔵する時の方法は、味付け済みの数の子と塩漬けの数の子では方法が異なります。

まず、味付け済みの数の子は、一腹ずつラップしてファスナー付きの保存袋か密閉できる容器に入れて冷蔵庫に入れてください。この際、食べるためのサイズに切って保存するのは避けたほうが良いでしょう。切り口が乾燥して、中の水分が漏れて痛みやすくなってしまいます。

塩漬けの数の子の場合は、食べる前に塩抜きが必要になり、味付けもしなければなりません。
まずは1リットルの水に塩を小さじ一杯入れて300g程度の数の子を入れます。3~4時間ごとに同じ分量で新しい塩水に取り替え、これを2~3回繰り返してください。塩辛さがある程度なくなったら薄い膜を取り除きます。
味付けは、だし汁、酒、塩を入れて煮立ててから冷ましたものに塩抜きした数の子を入れて、冷蔵庫に入れてください。1日程度そのままにしておけば味付きの数の子が出来上がります。

数の子を冷凍する時のポイント

どうしても食べきれない時は、数の子を冷凍して保存するという方法もあります。

まず水気をしっかり切り、一腹ずつラップに包んでファスナー付き保存袋に入れてください。この状態で冷凍庫に入れて保存しましょう。
解凍した数の子は、本来のプチプチとした食感にやや欠けるものとなってしまいますが、冷凍すれば約1ヶ月程度保存が可能となります。

数の子を解凍するときのポイント

冷凍した数の子を解凍する際には、電子レンジなどで一気に解凍しないで必ず自然解凍で解凍してください。さらに、解凍した数の子はできるだけ早く食べ切ってしまいましょう。

解凍してしまうと食感が若干劣化してしまいますので、そのまま食べるよりは昆布などを乗せて松前漬のようにアレンジしてみると良いです。さらに最近ではワサビやマヨネーズを添えるなど、アレンジした数の子の食べ方も人気となっています。

今人気の数の子レシピ

正月に食べきれない数の子はそのまま食べるのも飽きてしまうため、アレンジレシピで活用するのが正解です。

最近では和風の料理だけではなく、洋風のレシピで数の子を使うことも流行っています。

数の子のわさび漬け

数の子のわさび漬け

余った数の子をシンプルにいただくのなら、ワサビ付でアレンジすることがおすすめです。

酒粕、ほんみりん、白味噌、砂糖にチューブに入ったワサビを混ぜ合わせれば、カンタンに数の子のわさび漬けの出来上がり。
もちろんもっと手軽に作りたいのなら、市販のわさび漬けに数の子をまぶしてしまっても良いでしょう。

お節料理に飽きたタイミングで、お酒のつまみが欲しい時などにはぴったりです。

数の子とクリームチーズのおかか和え

数の子とクリームチーズのおかか和え

数の子にチーズをプラスするという料理は、最近の数の子のいただき方のトレンドともいえます。

このクリームチーズ和えは、ノーマルなチーズよりもさらにクリーミーな仕上がりとなり、数の子のプチプチとした食感をより際立たせてくれるでしょう。

材料は数の子とクリームチーズの他に、味付け用の醤油とトッピング用の鰹節となっています。お酒のおつまみとしてさらにひと手間加えるなら、一味唐辛子やワサビでアクセントをつけても良いでしょう。

数の子パスタ

数の子パスタ

洋風料理に数の子を利用したいのなら、数の子をパスタの具として利用してみてはいかがでしょうか。

洋風とは言えパスタの味付けを麺つゆにすることで、和風パスタを基本としながら数の子が楽しめる、高級感があるパスタが仕上がります。めんつゆとバターのハーモニーに、数の子の食感が味わい深いオリジナルパスタは、おせち明けの下に新鮮に感じるはずです。

おせちだけではもったいない数の子をもっと楽しもう

おせちだけではもったいない数の子をもっと楽しもう

独特の食感とあっさりとした風味が人気の数の子は、正月のおせち料理に欠かせない存在です。

しかしせっかくの数の子という食材をおせち料理だけに使うのは、勿体無いとも言えるでしょう。もし近くのスーパーで入手できないのであれば、ネットの通販で購入することも可能ですから、毎日の食事のアクセントとして、おせち以外でも数の子を楽しんでみてはいかがでしょうか。



PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!