豆腐の栄養成分がすごかった! 健康のために毎日食べたい

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味噌汁や鍋料理に欠かせない豆腐ですが、今ひそかにブームが起きているそう。その理由は、豊富な栄養です。様々な栄養素が含まれていて、健康を支える食材として巷で注目が集まっています。本記事では、豆腐に含まれる栄養素やおすすめの食べ方などを紹介。歴史や作られ方、種類など豆腐の豆知識もあわせてチェックしていきましょう。

    この記事でわかること

  • 豆腐は健康・長寿・美容を実現する食材
  • 木綿豆腐はたんぱく質とカルシウムが豊富
  • 絹ごし豆腐はカロリーと脂質が低くてヘルシー
  • 調理方法による栄養の変化はほとんどない
  • 食べすぎはNG! バランスよく食事に取り入れよう
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豆腐は今注目の「機能性食品」

豆腐と大豆

全国放送のテレビ番組『林修のレッスン!今でしょ』(2022年4月放送)で取り上げられたのをきっかけに、その栄養の高さがあらためて注目されている豆腐は、古くから日本の家庭にあるお馴染みの食材。身近すぎて豆腐の作られ方や歴史について、深く考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。ここでは、豆腐の成り立ちや種類を解説します。

豆腐の歴史

今やお味噌汁や鍋などで身近な豆腐ですが、その歴史はおよそ2200年前の中国にさかのぼるそう。紀元前200年前に劉安という王様が発明したといわれ、日本には奈良時代に唐から豆腐の作り方が伝わりました。鎌倉時代の書物「庭訓往来」には、豆腐の原料である豆乳にあたる「豆腐羹(とうふこう)」という記述があります。

その後は、供物や精進料理などで親しまれ、室町時代に全国へと製造法が伝わっていったそうです。江戸時代に出版された豆腐料理の本「豆腐百珍」が一大ブームになり、市民生活にも豆腐が馴染んでいきました。今では、全国どこでも食べられていて、国民食として人々の食生活の一部になっています。

豆腐の作られ方

豆腐の作られ方のイメージ

普段よく目にする豆腐は白くて四角い形をしていますが、大豆からいくつもの工程を経て作られています。大豆から豆乳になるまでの工程は、以下の通りです。

  1. 精選:割れている豆や虫食いになっている豆、異物などを取り除く
  2. 洗浄:精選した大豆を何度も水洗いする
  3. 浸漬(しんせき):大豆を水に漬けて砕きやすくする
  4. 摩砕(まさい):水分を含んだ大豆を細かく砕く
  5. 加熱:摩砕した大豆を加熱する
  6. 搾り:布をつかって豆乳を搾りだす

豆乳を搾りだした後、数工程を経て豆腐が完成します。工程にはいくつか種類があり、この違いが木綿、絹ごしなど豆腐の種類が分かれる理由です。例えば、絹ごし豆腐は、豆乳を型に入れて凝固するのを待ち、型から出して水にさらせばできあがり。木綿豆腐の場合は、凝固した後に一度崩す工程があります。

意外に多い!豆腐の種類

木綿豆腐や絹ごし豆腐など一般的な豆腐以外にも、世の中には「〇〇豆腐」が多くあります。正式に「豆腐」と言えるのは木綿豆腐、絹ごし豆腐などです。木綿豆腐は崩す工程が入ることできめが粗く、圧力をかけて成形するため食感がしっかりしています。料理をしても形が残りやすいので、揚げ出し豆腐やマーボー豆腐などに使われることが多いです。

絹ごし豆腐は、豆乳をそのまま型に入れて固まるのを待つため、木綿豆腐よりも柔らかくなります。味噌汁や冷ややっこによく使われるのは木綿豆腐です。ソフト豆腐と言われる木綿豆腐の仲間は、木綿と絹ごしの中間に位置するような柔らかさになっています。水にさらす工程を省いた「寄せ豆腐」、固まりはじめをすくった「おぼろ豆腐」なども豆腐の仲間です。

卵豆腐やごま豆腐、くるみ豆腐などは、大豆を使用していないので、厳密には豆腐ではありません。大豆に代わりとなる食材を使用し、豆腐のような食感を実現しています。

豆腐を加工した食品や豆腐をつくる工程でできる食品も、豆腐の仲間と言えるでしょう。焼き豆腐や油揚げ、豆乳、ゆば、おからなど、豆腐に関連する食品は数多くあります。

豆腐に含まれる栄養素はこんなにある!

豆腐の栄養素のイメージ

豆腐には、主要な栄養素であるタンパク質や脂質の他にも、体に良い機能性成分を多く含んでいます。含まれている栄養素の特徴、身体に与える良い影響をおさえていきましょう。

たんぱく質・リノール酸

豆腐に豊富に含まれるたんぱく質は、コレステロールの低下や血圧上昇の抑制を期待できる成分です。脂質に多く含まれているリノール酸もコレステロールに働ける効果があり、善玉コレステロールを増やす作用を期待できます。高血圧やコレステロール値の異常などの改善に効果的で、それらが原因になる動脈硬化を防ぎ、脳出血や心筋梗塞などを予防できるのが魅力です。

レシチン・βコングリシニン

レシチンとは、不飽和脂肪酸で構成された成分です。血管に付着したコレステロールを溶かしたり、付着を予防したりする働きがあり、動脈硬化の予防に効果を期待できます。大豆に含まれるβコングリシニンには内臓脂肪を減少させる効果があり、レシチンとともに体内に働きかけ、肝臓に脂肪が多くなる脂肪肝の予防にもつながりますよ。

レシチン・コリン

レシチンにはコリンという成分も含まれていて、2つの成分によって脳を活性化する役割を果たします。神経細胞の材料になるレシチン、レシチンから分解され情報伝達物質に変化するコリンによって、記憶力や集中力を高めるのが特徴です。

サポニン

サポニンは、豆腐の食感や風味の要因となる成分。様々な効果が発見されており、脂肪蓄積の予防、便通の改善、血栓の予防など、成人病や老化などを防ぐ栄養として注目されています。まだわかっていない部分も多いですが、がん発生やエイズの発症の抑制なども報告されていますよ。

イソフラボン

豆腐の原料である大豆に多く含まれるイソフラボン。女性ホルモンと似た働きをすると言われ、女性ホルモンが減少が原因のひとつと考えられる骨粗しょう症や更年期障害などの予防につながります。そのほかにも、乳がんや前立腺がん、胃がんの予防にも効果的と考えられ、日本人が欧米人よりもこれらの発症が少ないのは豆腐を多く食べるからと指摘されるほどです。

オリゴ糖

豆腐に甘みを感じるのは、オリゴ糖を多く含んでいるからです。腸内の悪玉菌の増殖を抑えたり、免疫力を向上したりするビフィズス菌の栄養源になり、体内のビフィズス菌を増やすことができます。腸の動きの活性化、発がん物質の分解などの働きがあるので、便通改善やがんの予防に効果的でしょう。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯などをつくる栄養です。イライラしやすいとカルシウム不足というように、気持ちをコントロールする上でも重要と考えられています。豆腐にはカルシウムが多く含まれているだけではなく、吸収しにくいカルシウムを他の食材と組み合わせて摂取しやすいのが魅力。様々な食材と調理できるので、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDを含むものと一緒に食べやすいです。

ビタミン

ここまで成人病の予防などに関する栄養が多かったですが、豆腐に含まれる豊富なビタミンは美容に効果的です。肌の調子を整えるビタミンE、皮膚や粘膜に働きかけるビタミンBなど、美しい肌を体内からサポートしてくれます。

豆腐を食べすぎるのは栄養面に良くない?

豆腐イメージ

豆腐は栄養豊富な食材ですが、食べすぎには気を付けなければいけません。食べれば食べるほど健康になれるとは限らず、かえって栄養が偏ってしまいます。

たくさんの栄養を摂取できますが、例えば豚肉と比べてカルシウムが多いですが、タンパク質や脂質は低いのが特徴です。肉や魚などと置き換えて食べると栄養が偏りやすく、実はカロリーが高くいつもの主食にプラスすると一食あたりのカロリーが高くなってしまいます。

そのため、豆腐を含めて主菜は一品に押さえて、1日1/3から1/2丁を摂取するのがおすすめです。豆腐の栄養を取り入れながら、バランスの良い食事になります。とはいえ、年齢や体調などによって適切な量が変わるので、病気などで不安がある場合は医師や栄養士に相談しましょう。

豆腐の栄養は種類や調理方法で変わる?

豆腐には絹ごしや木綿などの種類がありますが、栄養は変わるのでしょうか。また、調理方法や食材との組み合わせで栄養が異なるかも気になるところではないでしょうか。種類や調理法、食材と豆腐の栄養の関係を見ていきましょう。

豆腐の種類による栄養含有量の違い

豆腐イメージ

豆腐の種類によって工程が異なるので、栄養分も変わってきます。ここでは、一般的な木綿豆腐と絹ごし豆腐の成分を比較してみましょう。

成分 木綿豆腐 絹ごし豆腐
エネルギー(kcal) 72 56
水分(g) 86.8 89.4
たんぱく質(g) 6.6 4.9
脂質(g) 4.2 3
炭水化物(g) 1.6 2
カルシウム(mg) 120 43

豆腐の調理方法と栄養

豆腐の調理方法の多くは加熱。鍋に入れて煮込んだり、チャンプルーに入れて炒めたり、湯豆腐にしたりするなど、火を通して食べることが多いです。冷ややっこなどそのまま食べることもありますが、調理方法による栄養の違いはほとんどないと言われています。

豆腐の作り方で紹介したように、工程の中にも加熱があります。そのため、そのまま食す場合でも一度加熱されたものであり、加熱による栄養の違いはあまりありません。栄養の変化を気にすることなく、好きな調理方法で豆腐を美味しく食べられますね!

食材との組み合わせで栄養バランスが良くなる

豆腐を使った朝食

豆腐には、豊富なカルシウムが含まれています。しかし、大豆に含まれるフィチン酸はカルシウムの吸収を阻害する成分で、そのままでは十分にカルシウムを吸収できません。

カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを含む魚やきのこは、豆腐と組み合わせたい食材です。豆腐だけでは足りない栄養を補いながら、カルシウムをしっかり吸収できます。鮭ときのこを入れた鍋にしたり、湯豆腐にきのこを入れたりするのがおすすめです!

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菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。