ぶどうの旬はいつ?一番おいしい時期とおもな産地など

みずみずしくて甘いぶどう。スーパーや果物屋さんに並ぶさまざまなぶどうを見ると、つい手に取りたくなってしまいますよね。 でも、ぶどうの「一番おいしい旬の時期」はいつなのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。せっかくなら、旬のぶどうを味わいたいですよね。
この記事ではぶどうの旬の時期や主な産地、おすすめの選び方、食べ方などについて詳しくご紹介します。あわせて、北海道で栽培しているぶどうの品種や旬も紹介します。 ぶどうが一番おいしくなるタイミングを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ぶどうの旬は夏から秋にかけてで、7〜9月が流通が多い
- 主な産地は山梨・長野・岡山・山形・北海道
- 美味しいぶどうを選ぶコツは、鮮やかな色合いと房に隙間がないもの
- 水洗いは食べる直前がおすすめ!
ぶどうってどんなフルーツ?

ぶどうは世界中で親しまれているフルーツのひとつ。ブドウ科の植物で、房になってたくさんの実をつけるのが特徴です。ぶどうの原産地は西アジアと北アメリカの2カ所だとされています。西アジア原産のぶどうからは多くの品種が生まれ、日本に古くから伝わる「甲州ぶどう」なども西アジア原産の品種と考えられています。
ちなみに、海外で生産されたぶどうの約7割はワインの原材料になります。一方で、日本で栽培されたぶどうの約9割は、生食用として流通しています。そのままおいしく食べられるのは、国産ぶどうの特徴と言えるでしょう。
ぶどうの旬はいつ?

ぶどうは「秋の味覚」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。輸入ぶどうも含めると一年中楽しめるぶどうですが、実はぶどうの旬は夏から始まります。産地や品種によっても旬の時期に違いがあるため、長く楽しめるのもぶどうの魅力です。
市場に出回るのは6月〜11月
スーパーなどに国産ぶどうが出回るのは、6月〜11月頃です。特に流通量が多くなるのは7月〜9月で、巨峰やデラウェア、シャインマスカットなどさまざまな品種が並びます。
旬のぶどうは、芳醇な香りと強い甘みが特徴です。大粒の品種はお中元や贈り物にもぴったり。見かけたらぜひ手に取ってみてください。
ぶどうの旬は産地や品種で異なる
ぶどうの旬は、栽培されている地域や品種によって違いがあります。例えば、岡山県など温暖な地域では、ひと足早く6月から国産ぶどうの出荷が始まります。
一方で、生産量が多い長野県や山梨県では、8月頃から出荷のピークを迎えます。
また、ぶどうの品種は大きく赤系、黒系、緑系の3つに分けられ、それぞれ旬の時期が異なります。デラウェアなど赤系の旬は、7月〜12月頃です。巨峰やピオーネなどの黒系は、7月〜10月頃が旬の時期ですが、中には翌年2月頃まで楽しめるものもあります。
シャインマスカットなどの緑系は7月〜10月頃と、旬の時期が比較的短いのが特徴です。
ぶどうの主な産地と収穫量

ぶどうの栽培面積、収穫量ともに日本一は山梨県です。2位は長野県、3位に岡山県、山形県と続き、この4県で約6割の収穫量を占めます。
順位 | 都道府県 | ぶどうの収穫量 | 割合 |
---|---|---|---|
1位 | 山梨県 | 41,700t | 25% |
2位 | 長野県 | 31,400t | 19% |
3位 | 岡山県 | 15,300t | 9% |
4位 | 山形県 | 13,800t | 8% |
5位 | 北海道 | 7,760t | 5% |
出典:農林水産省 作物統計 令和5年産ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量
山梨県は甲府盆地を中心とした水はけの良い土壌があること、内陸性の気候や日照時間が長いことが、ぶどうの栽培に向いているとされています。
一方、北海道でぶどう栽培が盛んな場所といえば「余市町」と、その隣町である「仁木町」です。冷涼で湿度の低い気候を生かして、「ナイアガラ」や「キャンベル・アーリー」などさまざまな品種が育てられています。
特に9月〜10月にかけては、北海道の各農園でぶどう狩り体験が開催され、多くの家族連れや観光客で賑わいます。町内にはワイナリーも点在しているので、ぶどうそのものはもちろん、地元産のワインも味わうことができますよ。
北海道産ぶどうの主な品種の特徴・旬の時期
ここからは、北海道で栽培されているぶどうの品種と特徴、旬の時期を紹介します。爽やかな北海道の気候を活かして、さまざまなぶどうが栽培されています。
デラウェア

「ぶどうの定番」ともいえるデラウェア。アメリカで発見され、オハイオ州にある都市・デラウェアで名付けられました。日本では明治時代から流通が始まったとされています。
食べやすく飽きのこない味わいは、子どもから大人まで多くの人に親しまれています。
特徴
デラウェアの特徴は、たっぷりの果汁と糖度の高さ。小粒で香りは控えめながら、強い甘味と濃厚な味わいが楽しめる品種です。種が入っていないので、そのまま食べられる手軽さも魅力です。
旬の時期
北海道産デラウェアの旬は、9月上旬〜中旬にかけてです。本州で栽培されるデラウェアの旬は7~8月、ハウス栽培によって5月頃から手に入ることもあります。
ナイアガラ

鮮やかな黄緑色が特徴的なナイアガラは、「コンコード」と「キャサディ」というアメリカ生まれのぶどうを掛け合わせて生まれた品種です。
北海道や長野県など、涼しい地域で主に栽培されています。“ナイヤガラ”と表記される場合もあります。
特徴
噛むごとに広がる豊かな香りと甘みが特徴です。皮が薄めで食べやすいのも嬉しいポイント。その風味の良さから、生食はもちろん、ワインの原料としても活用されています。
旬の時期
北海道産のナイアガラの旬は、10月中旬〜10月下旬頃です。本州で栽培されるナイアガラの旬は8月下旬〜10月中旬ですが、北海道では遅い時期に収穫が始まります。
キャンベルアーリー

キャンベルアーリーは、アメリカ生まれのぶどう。日本では「黒ぶどう」として昔から親しまれてきた品種です。
特徴
甘みと酸味のバランスの良さがキャンベルアーリーの特徴です。1粒5gほどとやや小ぶりですが、香りが強く、ぶどうの風味がしっかり感じられるため、ワインやジュースにも利用されています。
かつては最も生産量が多かった人気の品種でしたが、ぶとうの品種が増えたことで生産量は徐々に減少しています。
旬の時期
北海道産のキャンベルアーリーの旬は、9月下旬〜10月上旬です。本州産のキャンベルアーリーは7月頃から出回り、8〜9月に出荷のピークを迎えます。
シャインマスカット

上品な香りと甘さ、艶やかな見た目から「ぶどうの女王」とも呼ばれているシャインマスカット。2006年に品種登録された、日本生まれのぶどうの品種です。
ぶどうの中でも比較的若い品種で希少性が高く、育成に手間ひまがかかることから、贈答用としても喜ばれる「高級ぶどう」としても知られています。
特徴
シャインマスカットの特徴は、なんといってもその大きさ。一房400〜500g、1粒11〜12gと巨峰クラスの大きさで食べ応え抜群です。さらに糖度は20度前後と甘く、マスカットのような上品な香りも魅力的。種はほとんどなく、皮ごと食べられるのも人気の理由です。
旬の時期
北海道産シャインマスカットの旬は10月上旬ごろです。本州でハウス栽培されているものは6月下旬頃から、露地のものは8月中旬頃から出回ります。なお、北海道仁木町で栽培されている「La・La・shine(ラ・ラ・シャイン)」は、「日本で最も遅く旬を迎えるシャインマスカット」として知られています。
ポートランド

ポートランドは、艶やかな黄緑色の皮と大きく丸い粒の白ぶどう。アメリカ産の「チャンピオン」と「ルテー」を掛け合わせて生まれた品種です。
日本での主な生産地は北海道で、特に仁木町や岩見沢市での栽培が盛んです。
特徴
ポートランドの特徴は、大粒でやわらかい果肉と上品な甘さ。口に入れた瞬間に広がるジューシーさと甘い香りが人気です。ポートランドの果実はとても柔らかいので傷つきやすく、流通にはあまり向かないとされています。そのため、ぶどう狩りなどでもぎたてのおいしさを楽しめるのも魅力のひとつです。
旬の時期
北海道産ポートランドの旬は、9月中旬〜下旬です。この時期の北海道はぶどう狩りのシーズン。ぜひ現地でポートランドの魅力を味わってみてください。
おいしいぶどうを選ぼう!選ぶときのチェックポイント

旬のぶどうのおいしさは格別ですが、中でも特においしいものを選びたいですよね。ここでは、ぶどうを選ぶときに注目したいポイントを紹介します。
房全体のチェックポイント
まずは房全体をチェック!以下のポイントに当てはまっているかみてみましょう。
- ぶどうの色が均一で濃く鮮やか
- 「ブルーム」と呼ばれる白っぽい粉が房全体にしっかりついている
- 房の軸や枝が太く緑色でハリがある
- 粒が隙間なくぎっしり詰まっている
ぶどうの表面に見える白っぽい粉は「ブルーム」と呼ばれる天然成分で、新鮮さの証拠です。鮮度が高いほど粉が落ちていないので、注目してみてくださいね。

粒ごとのチェックポイント
次に、ぶどうの一粒一粒もしっかりチェックしましょう。ポイントは以下のとおりです。
- ふっくらと丸みがある
- 傷やへこみが目立っていない
- 皮にハリとツヤ感がある
粒の形が整っているものは、おいしいぶどうである可能性が高いです。きれいな粒で、シワやヨレがないものを選びましょう。

旬のぶどうのおいしさをキープする保存方法
甘くてみずみずしい旬のぶどう。できるだけ長くフレッシュな状態を楽しみたいですよね。ぶどうは常温だとすぐに傷んでしまうため、冷蔵保存が基本です。さらに長持ちさせたいときや、シャリシャリとした食感を楽しみたいときには冷凍保存も可能ですよ。
ぶどうの粒の大きさによっておすすめの保存方法が異なるので、ぜひ参考にしてください。
冷蔵保存
巨峰やシャインマスカットなどの大粒のぶどうは、房から実を優しく取り外し、キッチンペーパーを敷いた容器に並べて保存すると、みずみずしさがキープできます。
デラウェアなど小粒のぶどうは衝撃に弱いので、ペーパータオルで房ごとやさしく包み、深めの保存容器に入れるのがおすすめ。
どの品種でもポイントは「水洗いしない」ことです。表面に付着している「ブルーム」を残したまま保存し、食べる直前に洗うことでおいしさをキープできますよ。冷蔵庫で1週間から10日ほど保存が可能です。
冷凍保存
大粒タイプのぶどうを冷凍するときは、房から実を外し、水気をしっかり取った後、ぶどうが重ならないように冷凍用保存袋へ。凍らせることで皮も簡単にむけ、冷たくてシャリシャリとしたスイーツ感覚を味わえます。
小粒タイプの場合は、房ごとラップで包んで冷凍用保存袋に入れるだけでOKです。食べる時には、指の温度で解凍しながら食べると、アイスのような食感と旬の甘みを楽しめます。
旬のぶどうを楽しむ!おすすめの食べ方
ぶどうが最もおいしくなる旬の時期には、そのフレッシュさと甘みを最大限に味わいたいですよね。ここでは、旬のぶどうのおすすめの食べ方をご紹介します。
まずはそのまま!
旬のぶどうのおいしさをダイレクトに味わうなら、シンプルに生で食べるのがおすすめです。
ぶどうに含まれる果糖は、冷やすと甘みを強く感じる成分であることがわかっています。そのため、食べる前には冷蔵庫で3時間以上しっかり冷やすのがおいしさを引き出すコツ。冷やす際にはラップで包んで乾燥を防ぎましょう。 食べるときのポイントは「房の下側から」。実はぶどうは、房の上の方が糖度が高いんです。甘い実を後に残しておくことで、一粒ごとの風味をより感じられますよ。
冷凍してアイス感覚で
夏にはぶどうを「冷凍」して、手軽でヘルシーなデザートにするのもおすすめです。半解凍のシャーベット状にしたぶどうのジューシー&シャリシャリ感がたまりません!
さらに、冷凍したぶどうにヨーグルトや牛乳、砂糖を加えてミキサーにかければ、ぶどうラッシーやジェラートに。旬のぶどうならではの自然な甘みと爽やかさを、アイス感覚で楽しむことができますよ。
ジャムにして旬を長く楽しむ
せっかくの旬のぶどうを長く楽しみたいなら「ジャム」にするのもおすすめです。ぶどうをそのまま食べきれないときや、おすそ分けなどで大量にもらったときにもジャムにすることでおいしく保存できます。
作り方は、ぶどうと砂糖を鍋に入れて煮詰めるだけ。砂糖はぶどうの重さの3〜6割ほどが目安ですが、保存期間を重視する場合は多めに入れると安心です。
でき上がったジャムは、パンやヨーグルト、スイーツのトッピングなどに使えます。旬の味をジャムに閉じ込めて、季節の楽しみを長く味わいましょう。
まとめ
夏から秋にかけて出回る旬のぶどう。旬の時期のぶどうは、果汁たっぷりでみずみずしく、そのおいしさを存分に味わうことができます。
ぶどうの旬は、産地や品種、気候や栽培技術によっても少しずつ異なります。北海道産のぶどうは本州より遅く、秋頃に旬を迎えます。気になるぶどうの産地や旬の情報をチェックしておくと良いでしょう。日本各地のぶどうを食べ比べてみるのもおすすめ。ぜひ旬のぶどうで季節の味覚を楽しんでくださいね。