しいたけは栄養が豊富なきのこ!期待できる効果・効能や栄養素を逃さず摂るポイント
煮物や炒め物、汁物など、和食や中華に欠かせない食材として知られるしいたけには、さまざまな栄養が含まれています。そのまま食べても栄養を十分に摂れるしいたけですが、食べ方を工夫することで効率良く栄養が摂れることを知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、しいたけに含まれる注目の栄養を紹介します。合わせて、栄養を逃さず摂るポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事のまとめ
- ビタミンB群の栄養が豊富に含まれている
- 干ししいたけの方が多く栄養が含まれるものもある
- カルシウムと一緒に摂ると栄養が効率的に摂取できる
- 30分干すだけで栄養が増やせる
しいたけ100gに含まれる栄養素
しいたけは和食と関連深い食材で、日本で古くから食べられてきたきのこです。しかし、見た目の印象から「栄養がない」と思っている人も多いのではないでしょうか。
しいたけにはさまざまな栄養が含まれており、健康や病気の予防効果などが期待できることも分かっています。
最初にしいたけ100gに含まれる栄養素をみていきましょう。
生しいたけ(菌床)100gに含まれる栄養 | |
---|---|
たんぱく質 | 3.1g |
カリウム | 290mg |
マグネシウム | 1mg |
カルシウム | 1mg |
ビタミンB1 | 0.13mg |
ビタミンB2 | 0.21mg |
ビタミンD | 0.3㎍ |
葉酸 | 49㎍ |
食物繊維 | 4.6g |
アミノ酸総量 | 2300mg |
干ししいたけ100gに含まれる栄養 | |
---|---|
たんぱく質 | 21.2g |
カリウム | 2200mg |
マグネシウム | 12mg |
カルシウム | 100mg |
ビタミンB1 | 0.48mg |
ビタミンB2 | 1.74mg |
ビタミンD | 17.0㎍ |
葉酸 | 270㎍ |
食物繊維 | 46.7g |
アミノ酸総量 | 16000mg |
生しいたけに比べると、干ししいたけの方が栄養豊富に見えますが、干ししいたけは乾燥させて量が減っているため、100gで摂れる量に大きな差があります。
そのため、100g中の栄養成分を比較すると干ししいたけの方が多くの栄養を含んでいるのは当然です。干ししいたけについては記事の後半で紹介しますが、干すことで増える栄養もあり、生しいたけよりも多く含まれる栄養も存在します。
しいたけに含まれる7つの栄養
続いては、しいたけに含まれる栄養について紹介します。それぞれの栄養から期待できる効果・効能についても合わせてみていきましょう。
1.食物繊維
しいたけをはじめとするきのこ類は、全般的に食物繊維を豊富に含んでいます。
特に、しいたけには不溶性食物繊維が多く含まれており、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境の改善効果や、便の量を増して便秘を改善する効果が期待できます。
2.カリウム
カリウムは人間に必要なミネラルの一種で、体内の水分量を調整する働きがあります。
過剰に摂り過ぎた塩分を排出する働きもあるため、むくみの改善や血圧上昇を抑制する効果も期待できるでしょう。
カリウムは水分調整以外にも、神経物質の伝達を促したり、心臓をはじめとする筋肉を正常に働かせたりする役割も持っているため、不足することのないよう摂取することが大切です。
3.ビタミンB類
しいたけには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンDなど、豊富なビタミンが含まれています。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖代謝を促す栄養素です。
食事などで摂った糖を、エネルギーに変換して消費するために欠かせない栄養と言えます。ビタミンB1が不足すると、糖をエネルギーに変換できず身体の活動に悪影響を与える可能性があります。
ビタミンB2
ビタミンB2は、皮膚や髪などを生成する際に必要な栄養素です。リボフラビンとも呼ばれ、皮膚や髪などを健康に保ち、糖代謝のサポートをする働きもあります。
体内でも生成される栄養素ですが、蓄えることができないため、日常的な食事のなかで摂取する必要のある栄養素です。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムやリンなどの吸収を促す働きを持ち、骨の健康に関係する栄養素です。
ビタミンDが不足していると、カルシウムを摂っても充分に吸収されません。健康な骨を保つためにも、ビタミンDは積極的に摂りたい栄養素と言えます。
その他にも、神経伝達にも関係がある栄養素なので、日常的に十分な量を摂取しておくのがよいでしょう。
4.葉酸
葉酸は、ビタミンBの一種です。赤血球の生成やDNAの合成など必要な栄養素で、不足すると貧血などの症状を起こすこともあります。
特に、妊娠初期に重要な栄養素としても知られており、胎児の細胞分裂、DNA合成に必要な栄養素です。
日常的な摂取はもちろん、妊娠を希望している人は妊活中から十分な摂取が推奨されています。
5.βグルカン
βグルカンとは、食物繊維の一種でいくつかのブドウ糖が結合したものです。きのこ類の他、ごぼうや大麦などにも含まれており、腸内環境を整えたり便秘を改善したりする効果が期待できます。
また、しいたけのβグルカンから抽出、精製されるレンチナンには、免疫力を高めたり白血球を活性化したりする働きがあり、がん治療などに用いられることもあります。
6.エリタデニン
エリタデニンは限られたきのこ類に含まれる成分で、しいたけから発見された栄養素です。しめじやエリンギなど、他のきのこ類には含まれず、まつたけやマッシュルームには極わずかに存在していることが分かっています。
血中コレステロール値を抑える効果が期待でき、生活習慣病予防をしたい方におすすめです。きのこの中でも、しいたけに特に多く含まれているので、エリタデニンを効率良く食べたいのであれば、しいたけから摂取するのがよいでしょう。
7.アミノ酸
しいたけには、グアニル酸やグルタミン酸などの旨味成分を持つアミノ酸が豊富に含まれています。
これらのアミノ酸によって、しいたけの旨味や味が感じられます。
うまみ成分は出汁の役割を果たすため、料理の減塩効果が期待できるでしょう。
高血圧や肥満などを予防するためにも、しいたけの旨味成分を活かして減塩するのがおすすめです。
しいたけは軸にも栄養が含まれている
しいたけを調理する際、石づきと呼ばれる軸部分を取り除いて傘の部分だけを食べる人も多いのではないでしょうか。実は、しいたけは軸も食べられます。
しいたけの軸には、うまみ成分を含むアミノ酸や食物繊維が豊富に含まれています。
汁物や煮物などに入れると、旨味を活かすことができるでしょう。また、軸自体も歯ごたえがあるため、細かく裂いたり刻んで調理すれば美味しく食べられます。
菌床と原木ではしいたけの栄養が違う
しいたけは栽培方法によって含まれる栄養の量が異なります。
原木を用いて自然に栽培した原木しいたけは、人工的に栽培した菌床しいたけにくらべて栄養量が多く風味も良くなる傾向にあります。
特に葉酸や食物繊維は、菌床栽培と比べて原木栽培されたしいたけに多く含まれるのが特徴です。
原木栽培のしいたけは、栽培に手間がかかり価格が高くなりやすく、流通するのも旬である秋の時期に限られることが多いです。一方で、菌床栽培は年中流通しているため、一般的にスーパーなどで販売されているしいたけの多くは、菌床栽培です。
原木栽培は手間や費用がかかる分、肉厚で大きく、味や風味も良いものが多い傾向にあります。
しいたけの栄養を効率的に摂るポイント
しいたけは、調理方法を工夫することで、栄養を効率的に摂ることができます。続いては、しいたけの栄養を逃さず効率的に摂るポイントについて解説します。
カルシウムを含む食材と一緒に摂る
しいたけに含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を促す働きがあります。そのため、カルシウムを多く含む食材と一緒に摂ることで、吸収率を高めることができるでしょう。
また、カルシウムにもビタミンDの吸収を高める働きがあります。
カルシウムを多く含む食品としいたけを一緒に食べることで、カルシウムとビタミンDの療法の栄養を効率的に摂ることができます。
油を使って調理する
しいたけに含まれるビタミンDは、脂溶性のビタミンです。脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を持ち、油に溶けることで吸収率が高まります。
しいたけを食べる時には、油を使った調理方法を選ぶと、ビタミンDを効率的に摂取できるでしょう。
汁まで食べる
しいたけに含まれるビタミンB1やビタミンB2は水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは水に溶けやすく、水に溶けることで吸収率が高まります。
しいたけを汁物にしたり、煮汁まで食べたりすることで、水溶性ビタミンを逃すことなく摂ることができます。
しいたけは干すと栄養が増える?
しいたけは、干して乾燥させることで旨味や栄養が増えることが分かっています。
乾燥させる際にしいたけを太陽に当てることで、エルゴステロールという成分が紫外線を受けてビタミンDに変換されるためです。
その他にも、水分が失われることで旨味成分が凝縮されることも、理由のひとつと言えるでしょう。
一方、屋内などで人工的に乾燥させた干ししいたけは、自然に乾燥させた干ししいたけに比べて栄養が劣ることがあります。あくまで、紫外線に当たることが重要ということがわかりますね。
家庭でも、生しいたけを食べる前に傘の裏にあるヒダ部分に紫外線が当たるようにして30分ほど干すだけでもビタミンDの含有量が増えることが分かっています。
美味しいしいたけの選び方
しいたけを店頭などで選ぶ際には、以下のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 傘が肉厚なもの
- 表面が艶やかなもの
- 軸が太いもの
- 軸が短いもの
- 傘がしっかりと閉じているもの
- 傘の内側がきれいな白色のもの
傘が開いているものや、内側のヒダが変色しているものは鮮度が落ちている事が多いため、避けた方がよいでしょう。
しいたけの栄養をたっぷりとれるおすすめレシピ
最後に、しいたけの栄養をたっぷり摂れる簡単なレシピを紹介します。
しいたけのお味噌汁
水溶性ビタミンの豊富なしいたけは、汁物で食べるのがおすすめです。また、一緒に入れる具材を工夫することで、脂溶性ビタミンも効率良く摂取できるようになりますよ。
材料
材料は以下のとおりです。
- しいたけ
- 油揚げ
- だし汁
- みそ
- 青ねぎ
油揚げを使うことで、脂溶性ビタミンも効率良く摂取できます。この他にも、豆腐などお好みの材料を加えるのもおすすめです。
作り方
作り方は以下のとおりです。
- 油揚げを軽く油抜きする
- しいたけの軸をとって、傘の部分を薄切りにする
- 鍋にだし汁を入れて割いた軸を加え、加熱する
- 沸騰する直前で弱火にして、しいたけと油揚げを加える
- 2~3分加熱して火を止め、味噌を溶かす
- 椀によそってから青ねぎを散らして完成
シンプルかつ定番のお味噌汁です。軸を水から加熱することで旨味成分が滲出し、より風味豊かな仕上がりになります。
しいたけのチーズ焼き
オーブントースターで作れる簡単なしいたけのチーズ焼きは、お酒のツマミにもぴったりです。カルシウムが豊富なチーズを一緒に食べることで、ビタミンDが効率良く吸収できます。
材料
材料は以下のとおりです。
- しいたけ
- チーズ
- しょうゆ
チーズはスライスチーズやピザ用チーズなど、どんな物でもよいです。粉チーズをプラスすると香ばしさや風味がアップしますよ。
作り方
作り方は以下のとおりです。
- 硬くしぼった布巾で、しいたけを優しく拭く
- しいたけの軸を取り除く
- 傘をひっくり返してしょうゆを垂らす
- チーズを乗せる
- オーブントースターで1000w5分を目安に、チーズが十分溶けるまで加熱して完成
取り除いた軸は割いて冷凍保存しておき、汁物や煮物などを作る時に使うのがおすすめです。
まとめ
しいたけにはさまざまな栄養があり、なかにはしいたけから発見された特有成分などがあることも分かりました。
豊富な栄養から健康への効果も期待できるので、ぜひ積極的に食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
食事に取り入れる際には、カルシウムを多く含む食材や油などを一緒に摂り、汁まで残さず食べるのがおすすめです。ぜひ、今回紹介した内容を参考にして、しいたけの栄養を逃さず摂ってくださいね。