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ローストビーフ・牛肉のたたき・タリアータの違いとは?

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お祝いの席やレストランなどで楽しまれる牛肉料理のひとつ、ローストビーフ。同じ薄切りの牛肉を使った料理には牛肉のたたきやタリアータがありますが、それぞれの料理の違いをご存じでしょうか?

この記事では、ローストビーフ、牛肉のたたき、タリアータの違いについて詳しく解説します。意外と知られていない3つの牛肉料理の調理法や特徴とともに、簡単な作り方のポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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ローストビーフ・牛肉のたたき・タリアータの違い

ローストビーフ、牛肉のたたき、タリアータの違いは発祥地と調理法にあります。それぞれの料理にイギリス、日本、イタリアと、各地の食文化が反映されているのです。また、牛肉の部位や焼き加減、かけるソースにも特徴があります。
まずはそれぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

ローストビーフの特徴

ローストビーフ

ローストビーフの特徴は、牛肉の塊をオーブンでじっくりと蒸し焼きにして、中まで火を通すスタイルです。時間をかけて焼くことで、旨みと肉汁が閉じ込められ、ジューシーで柔らかい仕上がりになります。
ローストビーフの焼き加減は「ロゼ」と呼ばれる状態が一般的です。一見生肉に見えますが、火は通っているんですよ。肉のタンパク質のみが固まり、血は固まっていないため、中がピンク色に仕上がります。
また、ローストビーフのソースは、肉汁をベースとした「グレイビーソース」をかけて味わうことが多いです。

ローストビーフの歴史

ローストビーフは、イギリス発祥の伝統的な料理です。かつてあったイギリス貴族が日曜日に牛1頭を丸ごと食べる習慣から「ローストビーフ」が生まれ、一般市民に広がったとされています。
ローストビーフはイギリスから各国へと広まり、日本でも特別な日のご馳走として用いられるようになりました。特にクリスマスや新年など、家族での集まりやパーティなどで見かけることが多い料理です。

ローストビーフに使用する肉の部位

ローストビーフには牛もも肉やランプ肉が適しています。これらの部位は脂身が少ないので冷えても固くならず、柔らかくしっとりとした口あたりに仕上がります。
また、ローストビーフはオーブンで焼く際に油をほとんど使わないので、ヘルシーに仕上がるのも嬉しいポイントです。

牛肉のたたきの特徴

牛肉のたたき

牛肉のたたきは牛肉の表面を強火で炙り、氷水などで急冷した後に薄くスライスするのが特徴です。その独自の調理法により、刺身に近い食感とジューシーさ、炙った表面の香ばしさを同時に味わえるのが、牛肉のたたきの魅力です。
また、牛肉のたたきはポン酢や醤油ベースのタレがよく合います。野菜や薬味を添えて食べることで、さっぱりヘルシーな一品にもなりますよ。

牛肉のたたきの歴史

牛肉のたたきは、日本特有の食文化が反映された料理です。「たたき」と呼ばれるのは、食材を炙って冷やした後、表面に塩をすり込んで馴染ませるために、手や包丁の背で叩いていたのが由来だそう。新鮮な素材を活かした調理法で、鮮度を味わうことができるのが特徴です。代表的な日本料理である「カツオのたたき」も同じ料理法で作られています。
薄切りにした肉を丁寧に並べて出される、見た目の美しさも魅力のひとつです。

牛肉のたたきに使用する肉の部位

牛肉のたたきには、ヒレやもも肉といった赤身が多い部位が適しています。ヒレやもも肉は脂肪分が少なく、薄切りにしても噛みごたえがあるのが特徴です。
また、牛肉のたたきは鮮度が重要なため、すぐに調理し食べ切ることがポイントです。

タリアータの特徴

タリアータ

タリアータはイタリアのトスカーナ地方の名物料理です。「タリアータ」とはイタリア語で「薄く切った」という意味。牛肉の表面をサッと焼きあげて中はジューシーに仕上げ、薄くスライスして提供するスタイルが特徴です。焼きあがった肉は少し休ませ、肉汁を落ち着かせて旨味を濃縮します。
ここまでは「牛肉のたたき」とほぼ同じ調理法ですが、異なるのは味付けです。タリアータは塩やオリーブオイル、バルサミコ酢を使ったシンプルな味付けが特徴。さらにパルミジャーノ・レッジャーノやルッコラ、イタリアンハーブを添えて仕上げます。

タリアータの歴史

タリアータには、「トスカーナ州のシェフによって考案された料理」という説があります。ほかにも中世に貴婦人が手首を脱臼し、食べやすいようにカット済みのビーフステーキを求めたという逸話や、牛飼いが大きな肉を調理し、個々に切り分けて食べていたという説があり、イタリアに古くから伝わる料理であることが伺えます。これらの説は公式な文書によって確認されていないものの、トスカーナに伝わる歴史の一部として語られています。

タリアータに使用する肉の部位

タリアータには、牛サーロインやもも肉が適しています。サーロインは脂がほどよくのって柔らかくジューシーな仕上がりに。もも肉は脂身が少なめなので、さっぱりした味わいが好きな方におすすめです。
どちらの部位を選ぶかは、タリアータの仕上がりによって異なりますが、どちらもお肉の旨みをしっかり感じられるのが特徴です。

ローストビーフ・牛肉のたたき・タリアータのおいしさを引き出す作り方

牛肉を焼く

ローストビーフや牛肉のたたき、タリアータは特別な日やおもてなしにピッタリの一品。どれも一見難しそうな料理ですが、実はシンプルな手順で作ることができます。それぞれの作り方にはちょっとしたコツや風味を引き出すポイントがありますので、ぜひ試してみてください。

ローストビーフの作り方

ローストビーフをおいしく仕上げるには、牛肉の下準備がポイントです。

ローストビーフの簡単な作り方

  1. 牛肉はあらかじめ冷蔵庫から出して常温に戻しておきましょう。
  2. \ここがポイント/
    このひと手間で焼きあげる際に中まで均一に火が通ります。

  3. 牛肉に塩胡椒で味付けした後、200℃に予熱したオーブンで約20分じっくり焼き上げます。
  4. その後アルミホイルで包んで10分ほど休ませます。
  5. \ここがポイント/
    休ませることでお肉の旨みを閉じ込めてジューシーな食感に。

  6. 最後に焼いたお肉を薄くスライスして、グレイビーソースをかけて完成です。

牛肉のたたきの作り方

牛肉のたたきは、新鮮なお肉を使うことと、外側を香ばしく中はしっとりと仕上げるのがポイントです。
今回は家庭で安心して食べられるように、お肉に火を通す作り方をご紹介します。

牛肉のたたきの簡単な作り方

  1. 新鮮な牛肉(もも肉やヒレ肉)を用意。常温に戻しておきます。
  2. 牛肉に塩胡椒をまぶし、フライパン(中火〜強火)で各面を焼き色がつくまで焼きます。
  3. その後蓋をして弱火にし、2〜3回返しながら10分ほど焼きます。
  4. 焼いたお肉を取り出し、アルミホイルで包んで10分ほど休ませます。
  5. この間にソースを作ります。にんにくなどを加えて作る醤油ベースのソースやすだちを使ったポン酢がおすすめ。
  6. 休ませたお肉を薄く切り、タレをかけて新鮮な野菜や薬味を添えて仕上げます。
  7. \ここがポイント/
    万能ネギやみょうが、大葉のほか、スライス玉ねぎもおすすめです!

参考サイト:牛肉のたたき
牛肉のたたき ねぎポン酢のご紹介

タリアータの作り方

タリアータはシンプルな味付けがポイント。素材の良さを引き立てるイタリア料理です。

タリアータの簡単な作り方

  1. 牛肉を室温に戻し、塩胡椒で下味をつけます。
  2. オリーブオイルを熱したフライパンで焼き色をつけます。
  3. 焼きあがった牛肉をアルミホイルで包み少し休ませます。
  4. 休ませたお肉は薄くスライスして、ルッコラやパルミジャーノチーズをトッピング。バルサミコ酢とオリーブオイルのソースをかけていただきます。

牛肉を生で食べるのはキケン?

ローストビーフ

中まで火を通さない「牛肉のたたき」や「タリアータ」を食べる時に「生肉だけど大丈夫?」と不安になる方もいるかもしれません。
ポイントは牛肉が新鮮で品質が良いものかどうか。牛肉の内部には、基本的に菌は存在しないとされています。
ただし、肉の表面には食中毒の原因となる菌がいる可能性があるため、十分な注意が必要です。家庭で調理する際には表面をしっかり焼き、短時間で食べ切ることが重要です。
お肉の保存方法によっても状態が変わるため、特に小さなお子様や高齢者の方はレアな状態の牛肉を食べることは避けた方が良いでしょう。

まとめ

ローストビーフ、牛肉のたたき、タリアータは、それぞれ独自の魅力や歴史を持つ料理です。低温でじっくりと肉の旨味を引き出す「ローストビーフ」、炙りの風味とさっぱりとした味わいを楽しむ「牛肉のたたき」、シンプルな調味で味わう「タリアータ」。それぞれの違いや調理のポイントを覚えておくことで、ご家庭でも手軽に楽しめますよ。
この記事を参考に、ぜひご家庭でも3つの料理の違いを楽しんでみてくださいね。

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。