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ハッカの種類や特徴は?ハッカ油や薄荷紅茶などハッカの使い道も解説

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爽やかな香りとスーッとした清涼感で親しまれている「ハッカ」。その独特な香りは、さまざまな日用品や料理に使われています。
身近な植物であるハッカですが、実は豊富な種類があることをご存じでしょうか?それぞれの特徴や使い道を知ることで、より豊かにハッカを楽しむことができますよ。

この記事では、日本独自で栽培・開発されたハッカから外国のハッカまで、ハッカの種類とその特徴について詳しく紹介します。
さらに、ハッカの加工品であるハッカ油やハッカ紅茶の魅力もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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ハッカとは?

ハッカとは?

ハッカとはシソ科ハッカ属に属する植物です。英語では「Mint(ミント)」、中国では「薄荷(ボーフォァ)」と呼ばれ、世界中で栽培されています。
ハッカの種類はいくつかありますが、共通している特徴は、スーッとした香りと清涼感。特に日本で栽培されている「和種ハッカ」には、清涼感のもとである「メントール」という成分が多く含まれています。
ハッカの爽やかな香りと清涼感は暑い季節にぴったり。アロマや食品や飲料の香り付けなどに広く使われ、親しまれています。

ハッカの種類は大きく3つに分けられる!

「ハッカ属」に属する植物=ハッカは、その特徴や成分により、大きく「和種ハッカ」「西洋ハッカ」「スペアミント」に分けられます。それぞれの特徴についてみていきましょう。

和種ハッカ

和種ハッカ

和種ハッカは日本で栽培されているハッカです。和種ハッカは「Japanese mint(ジャパニーズミント)」とも呼ばれますが、日本のみならず、インドや北米、ヨーロッパでも栽培されています。
最大の特徴は「メントール」という、ハッカ特有の清涼感をもたらす成分の多さ。65〜85%と、3種類のハッカの中で最も多い含有量を誇っています。和種ハッカが持つメントールの清涼な香りは、芳香剤や医薬品、化粧品など多くの製品に利用されています。
かつては品種改良を重ねることで、収穫量や品質を向上させてきた和種ハッカですが、近年は輸入品の影響や合成技術の進歩により、栽培量が減少しています。

西洋ハッカ

ペパーミント

西洋ハッカは通称「ペパーミント」と呼ばれ、海外で栽培されるハッカの代表種として知られています。
ハッカの一種である、スペアミントとウォーターミントの交配によって生まれたのが、西洋ハッカ。和種ハッカと比べてメントールの含有量は50〜60%と多くないものの、独特の香りで人気があります。西洋ハッカには、ブラックやホワイトなどの品種があり、ヨーロッパからアメリカ、中東諸国、ロシアへと広がりました。
近年は和種ハッカ同様、品種改良が進められ、料理や飲み物の香り付けとして広く利用されています。

スペアミント

スペアミント

スペアミントは「カルボン」を主成分とするハッカで、ヨーロッパやアメリカで栽培されています。カルボンは、和種ハッカ、西洋ハッカの主成分である「メントール」に比べて穏やかな作用と香りが特徴です。
スペアミントは、特にアメリカでは大規模に栽培されており、西洋料理でよく使われています。日本ではオランダ船から伝えられたことから「オランダハッカ」としても知られています。しかし、日本人の好む香りは「メントール」を主成分とする和種ハッカだったため、スペアミントの栽培は定着しなかったとされています。
また、スペアミントは繁殖力が強く、他のハッカと混在させても残るのも特徴のひとつです。

ハッカとミントの違いって?

ハッカとミントの違いって?

ハッカとミントはどちらもシソ科の植物です。外見や香りもよく似ていますが、その違いは主成分や用途にあります。
ハッカは、シソ科の中でも「ハッカ属」に属する植物です。ハッカにもいくつか種類がありますが、日本で一般的なものは「和種ハッカ」。和種ハッカには「メントール」が多く含まれているため清涼感が強く、エッセンシャルオイルや医薬品、化粧品などに使われます。
一方、「ミント」はシソ科の総称です。「ミントの中にハッカがある」と言えますが、一般的に「ミント」といえば「スペアミント」を指すことがほとんど。スペアミントは「カルボン」が主成分で、和種ハッカより清涼感が穏やか。料理やドリンクの香り付けに利用されることが多いです。

日本のハッカに歴史あり!主な和種ハッカ7種

和種ハッカ7選

日本のハッカ栽培は、今から90年以上前に在来種が発見されて以来、栽培・品種改良が続けられてきました。
ここでは、日本で栽培されてきた、代表的な和種ハッカ7種をご紹介します。それぞれの特徴を知ることで、日本のハッカの歴史を感じることができますよ。

北見しろけ(白毛)

「北見しろけ」は、北海道下湧別村(現・湧別町)に由来する和種ハッカの在来種です。1932年に品種として認定されましたが、耐冬性と繁殖力が弱いため、広く栽培されることはありませんでした。

まんよう(萬葉)

「まんよう」は、1947年に開発され、1958年に品種認定されたハッカです。 北海道の倶知安(くっちゃん)地方で発見されていた在来種「北進(ほくしん)」の強化版で、病気に強く、収油量が高い品種として開発されました。
開発の結果、農家からの高い評価を受け瞬く間に広がり、全国的に親しまれるようになった和種ハッカです。

ほうよう(芳葉)北交8号

「ほうよう」は、輸入ハッカや合成ハッカに対抗する形で「機械刈りに適した品種」として、北海道で開発された和種ハッカです。「まんよう」に比べて抽出できるハッカ油が2倍以上と圧倒的な量を誇る品種で、農作業の効率化を実現させました。
1962年頃から普及し始め、1965年に品種として認定。収量が多く、倒れにくく、収穫しやすい品種として知られています。

あやなみ 北交12号

「あやなみ」は「ほうよう」に代わる主力となるべく開発された品種です。 「機械化向き、多収量、耐病性」が特徴の和種ハッカで、同じ土地で続けて栽培することができるよう改良され、1968年に品種認定されました。
この「あやなみ」から、ハッカの「香り」への需要にも応える改良が始まったとされています。

わせなみ 北系J15号

「わせなみ」は、外国産ハッカや合成メントールなどの影響で、和種ハッカの価格が停滞していた時期に、「10a当たりの収油量が13~15kg」という高収油量を目指して開発された品種です。
病気に強く、収量が多く、倒れにくい和種ハッカとして、1973年に品種認定されました。

ほくと「はっか農林11号 北斗」(北海J20号)

「ほくと」は、ハッカの価格が低迷していた時期に、良質なハッカ油の抽出を目的に開発されました。
1979年から北海道農業試験場で開発が進められ、安定した収油量と品質を持つ和種ハッカとして、1982年に登録されました。

北海JM23号

北海JM23号は、和種ハッカと西洋ハッカ「ペパーミント」の交配により誕生した品種です。1987年に品種認定された、最後の「北見ハッカ」としても知られています。
西洋ハッカならではの香りを生かしながら、高い収油量を実現した和種ハッカとして、現在も高く評価されています。

アメリカやヨーロッパでも。外国のハッカ3種

アメリカやヨーロッパでも。外国のハッカ3種

ミントの一種であるハッカは日本のみならず、世界中で栽培されてきました。
ここでは外国で作られ広がった、代表的なハッカを3種ご紹介します。それぞれの特徴や効能の違いにも注目です!

ホースミント

ホースミントは、和名で「馬ハッカ」とも呼ばれているハッカの一種です。スペアミントの原種とされ、アジアに古くから自生していた歴史があります。
ホースミントの葉には独特の苦味があります。そのため、かつて行われていたキリストの復活祭では、子羊料理の薬味として使用されていたとか。旧約聖書に出てくる「ミント」はホースミントではないか、という説もあります。

ペニーロイヤルミント

ペニーロイヤルミントは、和名で「めぐさハッカ」とも呼ばれるハッカの一種です。 ペパーミント系の香りが特徴で、可愛らしいピンクの小花を咲かせます。
ペニーロイヤルミントは、ヨーロッパでは古くから、乾燥させた葉や抽出した精油はノミや蚊よけとして使われていました。そのため「ノミの毒」という意味の学名もあり、現在も防虫として使われることが多い品種です。

ウォーターミント

ウォーターミントは「水ハッカ」とも呼ばれ、名前の通り湿地を好んで育つ品種です。「西洋ハッカ」と呼ばれるペパーミントは、このウォーターミントとスペアミントの交配によって生まれました。
繁殖力と、ミントの中でも強い香りが特徴です。

北海道土産でもおなじみ「ハッカ油」とは?

ハッカ油

ハッカ油とは、乾燥させたハッカから抽出したオイルです。
ハッカ油には消臭や虫除け、リラックス効果があるとされており、日常生活のさまざまな場面で活躍するアイテムです。
ハッカの香りは、特に夏の暑い時期にぴったり。シュッとひと吹きするだけで、爽やかな涼しさを感じることができますよ。
中でも天然由来のハッカ油は、お茶やお菓子にも使えて安心です。北海道北見市にある「北見ハッカ通商」のハッカ油は100%天然由来。エメラルドグリーンに赤い「ハッカ」のロゴが目をひくパッケージと多様な用途から、北海道土産としても人気です!

「ハッカ紅茶」は清涼感のあるお茶

ハッカ紅茶

ハッカならではの清涼感と香りを活かした飲み物が「ハッカ紅茶」です。
ハッカ紅茶には、ハッカの香りを紅茶に吸着させたものや、ハッカそのものを乾燥させてお茶にしたもの、紅茶にドライハッカをブレンドしたものなどがあります。
どれもハッカの爽やかな香りが感じられるので、気分をリフレッシュさせたいときや食後の一杯にぴったり!
ハッカ紅茶の中でもおすすめは、ハッカの風味を損なわない和紅茶とブレンドしたもの。渋みの少ない和紅茶とハッカの風味が絶妙にマッチします。

まとめ

涼しい香りとすっきりとした風味が魅力のハッカ。かつては北海道北見市を中心に「世界の約7割」の生産量を誇ると言われるほど、北海道ではハッカの栽培が盛んでした。
しかし、現在ではハッカを栽培している農家はごくわずか。天然のハッカを使った製品はとっても貴重なんです。
高品質で安心、安全な国産ハッカを使ったアイテムを見かけたら、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね!

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。