サーモンに含まれる栄養とは?うれしい美容効果や栄養を逃さない食べ方を紹介

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刺身にしても焼いても煮てもおいしい魚「サーモン」。サーモンはおいしいだけでなく、健康や美容にいい栄養素が豊富に含まれている栄養価の高い食品だということはご存知でしょうか。脂質が多いので、カロリーが高くてダイエットには不向きと思われやすいですが、むしろ栄養摂取のためにダイエット時にも定期的に食べておきたい食品です。

こちらの記事では、サーモンに含まれる栄養とその効能、サーモンのカロリーと糖質量、サーモン、サケ、マスなどの違いを解説しています。

この記事でわかること

  • サーモンはカロリーが比較的高め
  • 栄養豊富なのでダイエット中でもサーモンは食べたほうがいい
  • EPAやDHAは生活習慣病などのリスクを低減させる
  • アスタキサンチンは美容にいい栄養素
  • 全国のサーモン漁獲量のうち北海道は約92%を占めている
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サーモンに含まれる主な栄養と効能

サーモン

サーモンに含まれる栄養には、健康や美容に効果が期待できます。主な栄養素には以下があります。

サーモンに含まれる主な栄養と効能

  • たんぱく質|筋肉や骨、血液などを作るのに必要
  • ビタミンB群|体内の代謝を助ける
  • ビタミンD|骨の健康を維持する
  • カリウム|むくみを改善
  • EPA|血液をサラサラにして生活習慣病リスクを下げる
  • DHA|脳の機能や視力を維持する
  • アスタキサンチン|美肌・美白などの美容効果

ここからは、文部科学省が公表した「第2章 日本食品標準成分表 – 10 魚介類」の情報を中心に、それぞれの栄養について詳しく解説します。

たんぱく質|筋肉や骨、血液などを作るのに必要

タンパク質

サーモン(別名:にじます、トラウトサーモン)には、100gあたり21.4gのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は筋肉や骨、血液、皮膚、髪の生成に不可欠な栄養素です。体の正常な機能を維持するために必要なホルモンや酵素、抗体の生成にもたんぱく質が必要です。たんぱく質が不足すると、体力の低下や免疫力の低下、貧血を起こす可能性があるため、日々十分な量のたんぱく質を摂取する必要があります。

また、たんぱく質は複数のアミノ酸が結合した構造をしており、なかには人間が体内で合成できない「必須アミノ酸」も含まれています。そのため、サーモンのような高たんぱく質の食品を摂取して、十分な量の必須アミノ酸を補給することが大切です。

ビタミンB群|体内の代謝を助ける

サーモンにはビタミンB1、B2、B6、B12といったビタミンB群が含まれています。ビタミン群は、体内の代謝を助ける補酵素としての役割を持ち、特に炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝に関与しています。ビタミンB1はエネルギー生成に、B2とB6は成長促進に、B12は貧血防止に効果的です。

サーモンを食べることで、ビタミンB群を効率よく摂取することができ、疲労感の軽減や炎症の予防に役立ちます。また、ビタミンB群は水溶性なので余分な量は尿として排出されるため、体内で過剰になることはあまりありません。しかし、ビタミンB群が不足すると疲労感や炎症などを引き起こす可能性があるため、日々の食事で十分な量を補給することが大切です。

ビタミンD|骨の健康を維持する

サーモンには100gあたり10.6µgのビタミンDが含まれています。ビタミンDは脂溶性のビタミンで、カルシウムの吸収を促進し、カルシウムと一緒にはたらくことで骨の健康を保ちます。骨を丈夫にするだけでなく、骨の形成にもビタミンDが必要で、カルシウムが十分に摂れていてもビタミンDが不足すると骨軟化症や骨粗しょう症などのリスクが高まるので注意が必要です。

体内では日光によってビタミンDが合成されますが、十分な日光に当たれない場合、サーモンなどの食品からビタミンDを補う必要があります。サーモンを食べることで、カルシウムの吸収を助け、骨の健康維持に寄与することができます。

カリウム|むくみを改善

むくみ

サーモンには100gあたり390mgのカリウムが含まれています。カリウムは、体内のナトリウムとバランスを取りながら細胞の浸透圧を調整する重要なミネラルです。体内のナトリウム量が多いと、水分を溜め込む性質がありますが、カリウムはその体内水分の過剰な蓄積を抑制することで、余分な水分やナトリウムを体外に排出する助けとなります。そのため、塩分摂取によるむくみの改善に有効です。また、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑えて排泄を促すはたらきがあり、血圧の調整にも関与し、高血圧の予防に効果が期待できます。

EPA|血液をサラサラにして生活習慣病リスクを下げる

サーモンは脂が多い魚ですが、その脂にはEPAという成分が多く含まれています。EPAは心血管疾患の予防や血液の流れを改善するなど、健康維持につながる重要な栄養素です。血中の中性脂肪を低下させ、血液をサラサラに保つ効果が期待でき、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを軽減します。

また、EPAは不飽和脂肪酸の一種で、なかでもオメガ3系脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。体内で合成されない栄養素なので、食品から摂取しなければなりません。サーモンを食べることで、EPAを効率的に摂取し、健康維持に役立てることが可能です。

DHA|脳の機能や視力を維持する

集中力

サーモンはDHAを豊富に含む食品です。DHAはEPAと同様、オメガ3系脂肪酸の一種であり、体内で生成できない必須脂肪酸です。DHAは、特に脳や網膜の健康に重要な栄養素で、脳の機能維持や視力の保護に役立つと考えられています。DHAは心血管系の健康にも良い影響を与え、血液の流れを改善する効果が期待できます。DHAの量は加齢と共に減少するため、サーモンなどのDHAを含む食品から摂取することが大切です。

ただし、DHAやEPAは熱で酸化しやすいという性質があるため、必須脂肪酸を効率的に摂取するならサーモンは生で食べるほうがいいです。生で食べられるサーモンには、アトランティックサーモンやトラウトサーモンなどがあります。

アスタキサンチン|美肌・美白などの美容効果

サーモンにはアスタキサンチンが含まれています。アスタキサンチンは強力な抗酸化作用を持つ栄養素です。サーモンの身の鮮やかなオレンジ色に関わる天然色素であり、ビタミンEよりもはるかに優れた抗酸化力をもっているといわれています。この抗酸化力により、紫外線による肌ダメージの予防やアンチエイジングの効果が期待でき、美肌や美白、さらには眼精疲労の予防など目の健康維持にも役立ちます。

定塩秋鮭フィレ
VOGUE合同会社
定塩秋鮭フィレ
4,980(税込)

北海道で獲れた天然白鮭のフィレ。秋鮭は脂のりが控えめでさっぱりとしていますが、大きなフィレは旨みのある部分で、そのうえ塩加減も調節されているので鮭好きにはたまりません。本商品は北海道産で、1~1.2kg前後のもととなっています(個体差により大きさは変動あり)。

サーモンのカロリーと糖質量は?

サーモン

文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、サーモン(にじます)のカロリーは100gあたり約224kcalで、糖質量は0.1gです。糖質はほとんどありませんが、脂質が多いため魚介類のなかでは比較的カロリーが高めです。その他の魚類とカロリーを比較しました。

カロリー(100gあたり) 糖質量(100gあたり)
トラウトサーモン(にじます) 224kcal 0.1g
アトランティックサーモン 237kcal 0.1g
さば(生) 247kcal 0.3g
たら(すけとうだら・生) 76kcal 0g
たい(まだい・生) 142kcal 0.1g

サーモンはビタミンB群やカリウムのほか、不飽和脂肪酸のDHAやEPAが豊富です。さばにもDHAやEPAが豊富に含まれますが、サーモンはさばよりもカロリーが低く、比較的脂が少ないたらやたいなどの白身魚と比べると、カロリーが高いことがわかります。

サーモンは脂質が多い?ダイエットにもおすすめ?

サーモンは脂質が多いためカロリーが高い食品です。カロリーだけを見るとダイエットには向いていないと思われやすいですが、サーモンにはEPAやDHAといった成分が含まれるうえ、高たんぱく低糖質という特徴があります。食べ過ぎはカロリーの過剰摂取になる可能性がありますが、サーモンにはエネルギー代謝を助けるビタミンB1も含まれているので、少量であればダイエットに適した食品と言えます。

また、脂質は細胞やホルモンなどを構成する成分です。脂質が不足すると肌がカサカサになったり髪のツヤがなくなったり、身体機能の低下を招く可能性もあるためダイエット中も適量摂取することが推奨されます。脂質なら何でもいいというわけではなく、オメガ3系や6系の不飽和脂肪酸(EPAやDHAなど)といったより良質な脂質を摂取することが大切です。そのため、ダイエット中の食事には適度にサーモンを取り入れましょう。

サーモンは美容・健康にもいい!免疫力アップにつながる

サーモンは健康だけでなく、美容にもいい栄養が豊富な食品です。エネルギー源となる三大栄養素のたんぱく質と脂質が豊富に含まれているほか、エネルギー代謝を助けるビタミンB群も豊富です。たんぱく質は免疫力アップにつながる、体に必要不可欠な栄養素です。さらに、サーモンは脂質のなかでも、オメガ3系不飽和脂肪酸に分類されるEPAやDHAが豊富です。EPAは血液をサラサラにして生活習慣病のリスクを低減させ、DHAは脳や網膜の健康維持にも役立ちます。サーモンは美容・健康にいい食品なので、肉以外の主菜として日々の食事にサーモンや焼き鮭を取り入れましょう。

サーモンは毎日食べてもいい?

サーモンサラダ

食べる量に気をつければ、サーモン(鮭)は毎日食べても構いません。サーモンには、大人だけでなく、子どもの成長にも大切な栄養素が多く含まれているので、年齢に関係なくおすすめの食品です。毎日食べれば、サーモンの健康・美容効果を期待できるでしょう。また、サーモンの種類には、脂質が多いものもあれば少ないものもあります。脂質が多いサーモンは、カロリーが高い傾向にあるため、食べ過ぎないように注意しましょう。

サーモン・サケ・マスとは?呼び方の違い

サーモン

サーモンやサケ、マスはいずれもサケ目サケ科に属する同じ仲間です。かつては、川に残る種類を「マス(鱒)」、海に降りる種を「サケ(鮭)」と区別されていましたが、現代では同じ種でも個体によって海に降りたり川に残ったりすることがわかっており、サケとマスに明確な違いはありません。また、英語圏では海で育ったものを「サーモン」、淡水で育ったものを「トラウト」と呼び分けていましたが、その区別さえも現代では曖昧となっています。呼び方に明確な違いはなく、便宜上使いやすい名前が定着したという歴史があり、現在の日本では加熱用を「サケ」、生食用を「サーモン」と呼び分けることもあります。

また、以下の記事ではサケが生食できずサーモンが生食できる理由や、日本のブランドサーモンなどを詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

北海道はサーモン(さけ・ます)の漁獲量が日本一

全国のサーモン(さけ・ます)の漁獲量は、年間62,694トンです。そのうち、北海道のサーモンの漁獲量は58,262トンと日本一で、全国の約92%を占めています。特に、北海道では秋から初冬にかけて産卵のために沿岸近くを泳ぐサーモンを漁獲し、「秋鮭」として全国に流通し食べられています。

参照: 海面漁業生産統計調査 確報 令和2年漁業・養殖業生産統計|政府統計の総合窓口 e-Start

北海道の郷土料理ルイベとは?

ルイベ

サーモン(サケ)を使った北海道の郷土料理に「ルイベ」という料理があります。ルイベはサケやマスなどの魚を冷凍させ、解凍しないまま刺身にして食べる郷土料理です。生のサーモンとは異なる、凍りついたサーモンの食感と、口の中で次第に溶けていく味わいが特徴です。刺身と同様、わさび醤油につけて食べるのが一般的ですが、レモンや大根おろしを薬味にかけてもおいしく食べられます。地域や家庭によっては、軽く炙って食べるほか、塩だけで食べることもあるようです。また、近年は醤油などの調味料にサーモン(生サケ)といくらを漬け込んで冷凍させた「ルイベ漬け」という商品も販売され、全国的に食べられています。

古くはアイヌの保存食として食べられていた

サーモン(サケ)は、「サッチェプ」という名でアイヌの保存食として食べられていました。サッチェプはアイヌの伝統的な保存食で「乾いた鮭」という意味があります。サーモンを塩漬けにして寝かせた後、水洗いして丸太に吊るし、数ヶ月寒風にさらして作られます。サッチェプの身は、「オハウ」とよばれるアイヌの伝統料理の汁物の具にして食べられるのが一般的です。

また、北海道の郷土料理「ルイベ」もアイヌ民族発祥の料理と言われています。かつてアイヌの人々はサーモンを貴重なたんぱく源としており、寒さの厳しい冬に備えて、秋から初冬にかけて獲ったサーモンを凍らせ、凍ったまま薄く切って食べていたことがルイベのはじまりだそうです。サーモンに潜む寄生虫「アニサキス」は凍らせることで死滅するため、寄生虫対策にもなっていました。ルイベは石狩や函館、釧路などの沿岸部を中心に食べられていますが、ルイベの名前は全国的にも広く知られており、冷凍技術が発達した現代では一年を通して食べられます。

おいしいサーモンの選び方

サーモン切り身

おいしいサーモンを選ぶポイントは次のとおりです。

サーモンの選び方

  • 身や脂の色がきれい、変色していない
  • 一度冷凍・解凍されたものではない
  • ドリップ(解凍時に流出する水分)が出ていない

身や脂の色がきれいで変色していないものは、傷んでいない可能性があります。また、サーモンを生で食べる場合は、できる限り一度も冷凍されていないものを選ぶのがポイントです。天然のサーモンは寄生虫対策のため、冷凍してから食べることを推奨されていますが、刺身用として流通しているノルウェー産のサーモンなどは基本的に養殖されているので寄生虫の心配がありません。一度冷凍・解凍されたサーモンは味が落ちてしまうので注意が必要です。

加熱する場合など、もし冷凍・解凍されたサーモンを購入する際は、解凍時に食品内部から流出する水分(ドリップ)が多く流れていないかチェックしましょう。ドリップ内にはサーモンの水分や栄養、旨み成分が含まれているので、ドリップ量が多いと品質が下がってしまうためです。

サーモンの栄養を逃さない!効果的な食べ方

サーモンのカルパッチョ

サーモンの栄養を逃さず食べるためには生で食べるのがおすすめです。サーモンの脂に含まれるEPAやDHAは熱に強い性質があり、加熱しても摂取は可能ですが、加熱すると酸化してしまうため注意が必要です。さらに、加熱することにより、脂が溶け出して生のときよりもEPAやDHAの量が減ってしまいます。そのため、サーモンは刺身やなめろう、カルパッチョにして食べるのがおすすめです。

または、サーモンから溶け出した栄養分も摂取できるよう、汁ごと食べられる汁物にして食べるのもおすすめです。そのほか、サーモンにはカルシウムの吸収を促進するビタミンDも含まれるので、サーモンとカルシウムが豊富な食品を一緒に食べると効率的に栄養を摂取することができます。

まとめ

サーモンは健康効果や美容効果が期待できる栄養価の高い食品です。サーモンにはEPAやDHAといった良質な脂質が豊富に含まれており、カロリーは比較的高めですが、栄養豊富なので少量であればむしろダイエットに適した食品です。生のまま食べると栄養を逃さず摂取できるので、ぜひ日々の食事にサーモンを取り入れてみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!