甘酒はアルコールありなしの2種類ある!酒粕と米麹の違いや効果効能について解説

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体を芯から温めてくれる甘酒。実は、近年その栄養が注目を集めています。古くから「飲む点滴」と呼ばれ好まれてきた甘酒には、現代人に求められる5つの効果効能が期待できることが分かりました。

この記事では、そんな甘酒の効果効能について紹介します。合わせて、甘酒にはアルコールが含まれているのか、いつ飲むのが効果的なのか、市販品と手作りの違いなども解説しています。甘酒の効果について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • 甘酒には麹甘酒と酒粕甘酒がある
  • 麹甘酒はアルコールを含まないが、酒粕甘酒は微量のアルコールを含む
  • ダイエットや美容が目的なら朝飲むのがおすすめ
  • 市販品の甘酒にも効果はあるが、火入れしたものは含まれる栄養が少なくなる
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甘酒ってどんなもの?

甘酒

甘酒と言えば大晦日やお正月など、神社で振舞われる飲み物というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。冷えた体を温めてくれる甘酒ですが、どのような飲み物なのかご存知ですか。

また、「甘酒」と呼ばれるからにはアルコールが入っているのか疑問に思っている人も少なくないでしょう。子どもや妊婦、車を運転される方は「お酒だとまずい」と飲んでも大丈夫なのか躊躇するケースが多いです。

最初に、甘酒とはどのような飲み物なのか、アルコールは含まれるのかなどを解説します。

甘酒とは

甘酒とは米麴や酒粕などと、粥を混ぜ合わせ発酵させて作る飲み物です。自然と甘みがついたり、甘い味付けをしたりすることから甘酒と呼ばれるようになりましたが、昔は「一夜酒(ひとよざけ)」「こ酒」とも呼ばれていました。

米麹を使って作った物は麹甘酒、酒粕を使って作った物は酒粕甘酒と呼ばれる他、紅麹を使った紅麹甘酒、玄米と麹で作った玄米甘酒、米麹と古代米で作った古代米甘酒など、さまざまな種類があります。

麹甘酒は子どもや妊婦が飲んでもOK

麹

「酒」という字が入っていることから、甘酒はアルコールの一種だと思っている人も少なくありません。しかし、麹菌を用いて作られた甘酒は、アルコールの成分を含まないため子どもや妊婦が飲んでも大丈夫です。

甘酒の作り方が、古来より行われてきた日本酒の製造方法に似ているかことから「甘酒」と呼ばれるようになった説があり、麹菌を発酵させたからといってアルコール成分は発生しないので安心して飲んでください。

酒粕から作った甘酒はアルコールを含むので要注意

麹菌から作った甘酒はアルコールを含まないのに対し、酒粕から作った甘酒はアルコール成分を含むため注意が必要です。

酒粕から作る酒粕甘酒は、原料である酒粕にアルコールが含まれているためごく微量のアルコール成分があります。しかし、現在の食品表示では一定量(1%未満)以下は「ノンアルコール」と表記されることから、酒粕甘酒でもノンアルコールと記載されているものが少なくありません。

子ども、妊婦、運転をしている人などは、酒粕甘酒を避けて麹甘酒を選ぶ方がよいでしょう。

甘酒に含まれる栄養

甘酒

甘酒に含まれる栄養には以下のものがあります。

ミネラル ナトリウムやカリウムなど、体の機能を調整するために欠かせない栄養素
ブドウ糖 脳のエネルギーとなる栄養素
アミノ酸 たんぱく質を作るために欠かせない栄養素。甘酒には体内で合成できない
(食事から摂取する必要がある)必須アミノ酸も豊富に含まれる
食物繊維 第6の栄養素と呼ばれている。腸内環境を整え、血糖値の急上昇を抑える働きも持つ
ビタミン 主にビタミンB群を豊富に含む。
妊娠初期に積極的な摂取が推奨されている葉酸なども含まれている。
ビタミンB群には活性酸素の除去作用も期待できる
オリゴ糖 乳酸菌のエサとなり、腸内に善玉菌を増やす働きをもつ
酵素 甘酒はアミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼなど30種以上の消化酵素を含んでいる。
消化吸収を助け、腸内環境を整える
コウジ酸 色素の生成を防ぎ、シミ予防や美白効果が期待される

甘酒は人間が活動するために必要なエネルギーや健康を維持するために必要な栄養素などを多く含んでいることが特徴で、吸収率の高さから「飲む点滴」と呼ばれています。

また、腸内環境を整える点や、ダイエット効果や美肌効果なども期待でき、幅広い年代から注目を集めています。

甘酒のここがすごい!5つの効果効能

甘酒の5つの効果

甘酒には豊富な栄養が含まれることから、さまざまな効果効能が期待されます。
続いては、甘酒を飲むことで期待できる効果効能についてみていきましょう。

1.ダイエット効果

甘酒には、血糖値の上昇を抑える働きを持つ食物繊維が豊富に含まれているため、脂肪の吸収を穏やかにしてくれる効果が期待できます。また、甘酒は優しい甘みと飲みごたえがあるにも関わらずカロリーが低いため、ダイエット中の間食としても最適です。

空腹感を抑えつつ、腸内環境もよくしてくれるので、ダイエット中でどうしても小腹が空いてしまう時には甘酒を飲むとよいでしょう。

2.胃腸の負担軽減

普段、私達の体内では食べたものを細かく分解しブドウ糖に変換して吸収しています。しかし、甘酒は発酵する段階ででんぷん質がブドウ糖に分解されているため、胃や腸に負担をかけず効率良く体内に栄養を吸収することができます。

すぐに栄養を補給したい時や、胃腸の働きが弱まっている時なども、甘酒で負担を抑えつつ栄養を摂取するのがおすすめです。

3.美肌効果

甘酒に含まれるビタミンには、主にビタミンB1、B2、B6などが挙げられます。これらのビタミンB群には抗酸化作用があり、体内の老化を促す活性酸素の除去効果が期待できます。

活性酸素が除去されることで、新陳代謝が促され体内から美しい肌を作る効果も期待できるでしょう。また、甘酒に含まれるコウジ酸には、シミの予防、美白効果も期待されると言われています。

4.便秘改善

甘酒には、腸内環境を整える食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。これらの栄養が善玉菌のエサとなることで、乱れた腸内環境を整える効果が期待できるでしょう。

また、食物繊維を摂り入れることで便のカサが増し腸が刺激され、スムーズに排便できるようになる効果も期待できます。

5.免疫力アップ

人間の免疫細胞の約70%は腸内に存在すると言われています。そのため、腸内で悪玉菌が増え、環境が悪化していくと免疫力も低下することが分かっています。

甘酒に含まれる食物繊維やオリゴ糖が、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える効果によって、免疫細胞の活性化も期待できるでしょう。風邪の引きはじめや、体調が良くないなと思った時にも、体を芯から温め腸内から免疫力を高めてくれる甘酒を飲むのがおすすめです。

甘酒はいつ飲むのが効果的?

甘酒を飲むタイミング

甘酒は、豊富な栄養と吸収率の高さから、飲むタイミングによっても効果が異なると言われています。

例えば1日の基礎代謝を高くし、ダイエット効果を高めたい人の場合、朝に甘酒を飲むのがおすすめです。腸内環境を整え、体を温めると基礎代謝が増え、脂肪のつきにくい体質作りに繋がります。朝は、1日のなかで特に体温が低い時間帯でもあります。温かい甘酒を飲み、腸内環境を整える習慣を付けるとダイエット効果がより期待できるようになるでしょう。

また、仕事やスポーツの前などに甘酒を飲むのもおすすめです。甘酒に含まれるブドウ糖は脳に直接送り届けることができるエネルギーと言えます。脳はブドウ糖が不足してしまうと、集中力が散漫になったり注意力が低下したりしてしまうこともあるため、ここぞという場面で甘酒を飲むことで、脳を活発に働かせることができるでしょう。

睡眠の質を高めたいと考える人は、夜に甘酒を飲んでみてください。甘酒に含まれるさまざまなアミノ酸は、睡眠の質を高めるために欠かせない栄養素です。夜に甘酒を飲むことで、グリシンやトリプトファンなど眠りと密接な関係を持つアミノ酸が働き、良質な睡眠を摂れるようになると言われています。

甘酒を買う?作る?市販だと効果がないって本当?

甘酒は、市販品でもさまざまな栄養が含まれます。しかし、手作りと比較して安全性や保存性、安定性で優る一方、劣る面もあります。それぞれの違いを理解して、自分の求めている栄養が含まれているのか確認することが大切と言えるでしょう。

市販 手作り
品質・安全性 火入れをして発酵を完全に留めるため、味を一定に保つことができる。
安定剤・保存料などを使っているため比較的保存期間がながい(未開封なら1年間保存できるものもある)
火入れをせずにいると麹菌が増え続け味が変わる(酸味がでてくる)
安定剤・保存料などを入れない場合、1週間を目安に飲み切る必要がある
酵素 火入れをした際に酵素が破壊されてしまう 火入れをしないのであれば、豊富な酵素を摂り入れることができる
ビタミン ビタミンB群は熱に弱く、火入れをすることで減少してしまうことがある 火入れをしないのであれば、豊富なビタミンを摂り入れることができる

基本的に、市販品は品質を保ちながら流通させる必要があるため火入れした甘酒がほとんどです。しかし、近年甘酒の健康効果に着目して火入れをしていないものを「生甘酒」として販売しているケースもあります。

甘酒から豊富な栄養を摂りたいのであれば、手作りするか火入れしていない市販品を購入するのがよいでしょう。

一方、酵素やビタミンの面で劣ってしまうものの、素早く栄養を吸収したいなどの目的で甘酒を飲むのであれば、市販品でも充分な効果が期待できます。甘酒に求める効果効能をよく考え、市販品か手作りを選ぶのがおすすめです。

甘酒の作り方

甘酒の手作り

大きな鍋などで大量に作られているイメージの強い甘酒ですが、実は少ない材料で簡単に手作りすることができます。ぜひ、家庭でも甘酒を手作りしてみてはいかがでしょうか。

甘酒は低温で長時間発酵させる必要があるため、家庭で作る時にはヨーグルトメーカーや炊飯器の保温機能を使うのがおすすめです。今回は、炊飯器で作る甘酒の作り方を紹介します。

材料

材料は以下のとおりです。

  • 米麹
  • ご飯(炊いたもの)

米麹はご飯約1合に対して、約200gを目安にしてください。ご飯は白米、玄米、古代米など、好みのものを使って作ってもOKです。

水は米麹の約2~3倍の量を用意します。水分が多いほどサラサラした仕上がりになるため、お好みの口当たりに合わせて量を調節してみてください。

作り方

甘酒の作り方

甘酒の作り方は以下のとおりです。

  1. 米麹をよく混ぜて塊を潰しておく
  2. 炊飯器の釜に、米麹と水、ご飯を入れて全体よく混ぜる(60度以上にならないよう注意する)
  3. 炊飯器の釜にかたく絞った布巾を被せて乾燥を予防し、炊飯器の蓋を軽く閉じる(完全に閉めない)
  4. 炊飯器を保温モードにし、約4時間放置する
  5. 一度全体をかき混ぜる
  6. さらに4時間放置して完成

炊飯器を完全に閉めてしまうと、高温になり過ぎて発酵が進まなくなることがあります。炊飯器を使う時には半開きの状態を維持するようにしましょう。

手作りした甘酒は、必ず冷蔵庫で保存し1週間を目安に飲み切るようにしてください。

より効果的に!もっと美味しく!甘酒アレンジレシピ

甘酒はさまざまなアレンジを加えることで、効果効能を高めたり、美味しく味わったりすることができます。ぜひ、甘酒にさまざまなアレンジを加えてみてはいかがでしょうか。

甘酒×蜂蜜

はちみつ

麹で作った甘酒は発酵の段階で自然な甘みがつきますが、なかには「少し物足りないかも」と思う人もいるでしょう。そんな時には、蜂蜜を加えるのがおすすめです。

濃厚でコク深い蜂蜜は、甘酒を甘くするだけではありません。ビタミンBやビタミンCが豊富で美容効果も期待でき、蜂蜜に含まれるグルコン酸やオリゴ糖が甘酒の整腸作用を底上げしてくれるでしょう。

砂糖を加えて甘みをつけるよりも、カリウム、鉄、亜鉛などを摂取することができるため、甘酒に甘みを加えたい時には蜂蜜がおすすめです。

甘酒×アサイー

アサイー

豊富な栄養を持つスーパーフードと呼ばれるアサイー。しかし、独特の風味やほのかな苦味があり、美容や健康のために食べたいけれど味が苦手という人も少なくありません。
そんなアサイーですが、甘酒に加えるとスッキリとした味わいで飲みやすくなることをご存知でしょうか。

アサイーには、ポリフェノールやミネラル、鉄分などが含まれます。イチゴやブルーベリーなども合わせて摂ると、より効率的に鉄分を吸収できるようになるでしょう。フードプロセッサーなどを使ってスムージーにして飲むのがおすすめです。

甘酒×コンソメ

コンソメ

甘酒はオヤツやスイーツのような感覚で飲むことが多いですが、実は料理にも使うことができます。甘酒を水で少し薄め、サラサラの状態にしてコンソメを加えれば簡単にクリーミーな味わいのスープができます。白菜やベーコンなどの具を入れれば体が芯から温まる一品になりますよ。

まとめ

飲む点滴の異名を持つ栄養豊富な発酵食品、甘酒の効果効能について紹介してきました。甘酒の持つ栄養は、人間が活動するために必要なものばかりです。これらの栄養を効率良く吸収できることから、ダイエット、便秘改善、美肌、栄養補給などさまざまな効果が期待できるでしょう。

麹甘酒と酒粕甘酒の違いや、市販品と手作り品の違いなど、それぞれの特徴を理解して上手に甘酒を飲んでみてくださいね。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!