北海道のウイスキー蒸留所一覧!北海道ウイスキーの歴史も紹介
北海道はウイスキーを造るのに適した環境が整っている地域です。「ニッカウヰスキー」をはじめ、北海道で造られるウイスキーはジャパニーズウイスキーのひとつに数えられ人気です。また、北海道ウイスキーと言っても、蒸留所ごとに製造方法や原料などが異なるため、製品によってさまざまな味わい・香りのウイスキーを楽しむことができます。
こちらの記事では、ウイスキーの詳細から北海道にある蒸留所、ウイスキーの種類、北海道ウイスキーの歴史について紹介します。
この記事でわかること
- ウイスキーは蒸留酒の一種
- 北海道では年々蒸留所が増えている
- ジャパニーズウイスキーは世界五大ウイスキーのひとつ
- 北海道最初のウイスキーは余市蒸溜所のニッカウヰスキー
- 余市蒸溜所の創業者は竹鶴政孝
ウイスキーとは?ほかのお酒との違い
ウイスキーとは大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とする蒸留酒です。酒類は「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分けられ、そのうち蒸留酒は果物や穀物をアルコール発酵させた後に蒸留して造るお酒です。ウイスキーのほかに、ブランデーやジン、ウォッカ、テキーラ、焼酎などは蒸留酒に分類されます。日本において、ウイスキーは以下のように定義されています。
ウイスキーの定義
- 発芽させた穀類・水を原料として糖化させ、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
- 発芽させた穀類・水によつて穀類を糖化させ、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
- 上記の酒類にアルコール・スピリッツ・香味料・色素または水を加えたもの
わかりやすく言えば、「穀物を使っている」「蒸留酒である」「木樽で熟成している」ことが日本のウイスキーの条件となっています。
ウイスキーの製造方法
ウイスキーは次の工程で製造されています。
ウイスキーの製造工程
- 原料の収穫
- 糖化(仕込み)
- 発酵
- 蒸留
- 熟成・貯蔵
まずは原料となる穀物を水に浸けて発芽させ、「麦芽(モルト)」を作ります。その後、麦芽を粉砕し、温水に混ぜておかゆ状態にして「糖化」させます。糖化とは、麦芽中の酵素がはたらくことによって、でんぷんが糖分に変化する現象のことです。
糖化した液体を「麦汁(ウォート)」と呼び、この麦汁に酵母を添加し「発酵」させます。酵母が麦汁内の糖分を分解することでアルコールと炭酸ガスに変わり、ウイスキー特有の香味成分が生まれます。発酵を終えた後の液体は「もろみ(ウォッシュ)」と呼ばれ、アルコール度数は約7〜9%です。次に、もろみを「ポットスチル」と呼ばれる蒸留器に入れ、2〜3回蒸留してアルコールの濃度を高めます。蒸留してできたばかりのウイスキーを「ニューポット」と言い、無色透明でアルコール濃度は40%以上となるのが一般的です。
ニューポットを木樽に入れ、長時間じっくりと熟成させる工程を「貯蔵」と言います。ニューポットを3年・5年・10年と寝かせると、徐々にウイスキーの琥珀色に変わっていき、奥深い味わいへと変化します。樽にはシェリー樽やバーボン樽、ポートワイン樽などさまざまな種類があり、樽材・内面の焼き方・大きさ・産地・蒸留所のスタイルによって多種多様です。
また、ウイスキーの原酒は、樽の種類や貯蔵期間、気温・湿度などさまざまな要因によって熟成の度合いが変化するため、貯蔵環境によって多彩なウイスキーが生まれます。いずれにしても、樽熟成を経ることによってウイスキーの口当たりは丸みを帯びると同時に、バニラ・ナッツ・皮革などの複雑で上品なフレーバーへと変化していきます。
ウイスキーが人気な理由
好みは人それ異なりますが、ウイスキーが人気な理由には以下が考えられます。
ウイスキーの魅力
- 香りが独特
- 味わいが複雑
- 大人の雰囲気がある
- お手頃価格で楽しめる
- 開封後も劣化しにくい
- 飲み方のバリエーションが豊富
ウイスキーは独特な香りと複雑な味わい、さらに大人の雰囲気がありながらお手頃な価格で楽しめるなどの魅力があります。ウイスキーの香りは「スモーキー」「燻製っぽい」「薬品っぽい」などと言われますが、あの独特な香りは「ピート香」と呼ばれるものです。製造時、大麦麦芽を乾燥させる工程で「泥炭(ピート)」を燃やす際に発生する香りです。
また、ウイスキーは開封後に劣化しにくく、飲み方のバリエーションが豊富なのも人気の理由と言えます。日本酒など、一度開封すると短期間で飲み切るのが望ましいお酒は多いですが、ウイスキーは直射日光を避けて補完すれば数ヶ月間品質が保たれます。
さらに、ウイスキーの飲み方はストレートやロック、ハイボール、水割り、お湯割りのほか、コーラなどのジュースで割ってカクテルにしてもおいしいです。暑い時期はハイボールにして、寒い時期はストレートやお湯割りにするなど、季節に合わせて飲み方を変える楽しみ方もあります。
北海道のどこでウイスキーは製造されている?北海道のにある蒸留所一覧
北海道には次の蒸留所があります。
北海道の蒸留所一覧
- 余市蒸溜所
- 厚岸蒸留所
- ニセコ蒸溜所
- 利尻蒸留所
- 紅櫻蒸留所
- 馬追蒸留所
- ディ・トリッパー蒸留所
近年、北海道の蒸留所が増えてきており、なかでも「ディ・トリッパー蒸留所」は2023年6月に開設することを発表したばかりの新しい蒸留所です。そのほか、2024年には「千歳蒸溜所」が開設予定で、さらにベンチャーウイスキーである「秩父蒸留所」が、苫小牧市に「苫小牧蒸留所」の開設を予定しています。今後、北海道のウイスキー蒸留所の需要や人気は高まっていくことが予測されます。
ここからは、上記7つの蒸留所について詳しく紹介します。
1.余市蒸溜所|ニッカウヰスキーの原点で見学も可能
余市蒸溜所は、1936年に操業開始した歴史のある蒸留所です。ニッカウヰスキーの創業者「竹鶴政孝」は日本のウイスキーの父とも呼ばれており、第一の蒸留所の建設地として「日本のスコットランド」と称される豊かな自然・気候が特徴の北海道余市を選びました。余市蒸留所はニッカウヰスキーの原点とも言え、テレビドラマ「マッサン」の舞台にも選ばれています。
また、余市蒸溜所は予約見学することができ、ガイドツアーではウイスキーの製造方法や日課の歴史について深く知ることができ、最後に無料のテイスティングも楽しめます。周辺施設のニッカミュージアムは予約不要で利用可能です。そのほか、蒸留所限定のウイスキーやグッズを購入できるディスティラリーショップ、ウイスキーと料理を楽しめるレストランなどもあります。北海道ウイスキーに興味がある方は、ぜひ余市蒸溜所へ足を運んでみてください。
見学可否 | 可能(蒸留所ガイドツアーは完全予約制) |
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ウイスキー商品 | シングルモルト余市 |
住所 | 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6 |
問い合わせ先 | 0135-23-3131 |
アクセス | JR「余市駅」から徒歩約2〜3分 小樽市から車で約30分 札幌市から車で約1時間30分 |
公式HP | 余市蒸溜所|NIKKA WHISKY |
2.厚岸蒸留所|スコットランドのアイラ島のウイスキー造りを踏襲
厚岸蒸留所は、堅展実業株式会社が新規事業として立ち上げた蒸留所です。「スコットランドの伝統的製法でアイラモルトのようなウイスキーをつくりたい。」という想いのもと、スコットランドの伝統的製法と厚岸(あっけし)風味を融合したウイスキーが特徴です。スコットランドの島「アイラ島」のウイスキー造りを踏襲し、泥炭(ピート)層を通った水を仕込みに使用し、冷却で温潤、海風があたる厚岸で熟成が行われています。
また、厚岸蒸留所見学ツアーも予約制で行っており、通常立ち入ることができない蒸留所敷地内を見学することが可能です。見学後は、「厚岸味覚ターミナル コンキリエ」内にある「オイスターバール」で、厚岸町の飲食店でしか飲めない厚岸ウイスキー「牡蠣の子守唄」を試飲できます。北海道ウイスキーに興味がある方は、ぜひ厚岸蒸留所の見学ツアーに参加してみてください。
見学可否 | 可能(厚岸蒸溜所見学ツアー) |
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ウイスキー商品 | 厚岸シングルモルト「白露」 厚岸シングルモルト「啓蟄」 厚岸シングルモルト「大雪」 厚岸ブレンデッド「小満」 厚岸ブレンデッド「大暑」 厚岸NEW BORNFOUNDATIONS(1〜4) など |
住所 | 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2 |
問い合わせ先 | 0120-661-650 |
アクセス | JR「厚岸駅」から車・タクシーで約15分 |
公式HP | 厚岸蒸溜所 |
3.ニセコ蒸溜所|八海山で知られる「八海醸造」が親会社
ニセコ蒸留所は、日本酒の「八海山」で知られる「八海醸造」が2019年に設立した子会社です。2020年4月に北海道ニセコ町でウイスキー蒸留所の建設を開始し、同年12月に完成したばかりです。ウイスキー造りに欠かせない機械「ポットスチル」は、スコットランドのフォーサイス社製を導入しており、2021年3月から蒸留開始。
現在はウイスキーを熟成中(2023年9月)で販売は行われていませんが、2021年10月にはグランドオープンし、クラフトジン「ohoro GIN」の発売・蒸留所見学が開始されました。ウイスキーの原料には、ニセコアンヌプリの伏流水が使われており、豪雪地ならではの上質な軟水が特徴です。今後、北海道ウイスキーとしての活躍が期待されています。
見学可否 | 可能(毎月15日・月末に先2週間分の予約可能日を公開) |
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ウイスキー商品 | -(ウイスキーは現在熟成中) |
住所 | 北海道虻田郡ニセコ町ニセコ478-15 |
問い合わせ先 | 0136-55-7477 |
アクセス | JR「ニセコ駅」から車で約20分 |
公式HP | ニセコ蒸留所 |
4.利尻蒸留所|アメリカ人起業家が建てた日本最北端のウイスキー蒸留所
利尻蒸留所は、米国人の起業家ケイシー・ウォール氏が北海道の利尻島に設立したウイスキー蒸留所です。有名なウイスキー産地であるアイラ島と自然・冷涼な気候が似ていることから、2021年に利尻島で蒸留所が建設されました。日本の最北端にあるウイスキー蒸留所で、火山性の土壌からとれる上質な水を使用しています。
さらに、原料には北海道産と英国産の大麦を使っており、数年後の熟成後は年間約6,000〜10,000リットル製造して販売する予定です。また、敷地内に湧くカムイ泉水から、会社名は「Kamui Whisky株式会社」と名付けられました。
見学可否 | 募集なし |
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ウイスキー商品 | -(2022年10月から蒸溜開始) |
住所 | 北海道利尻郡利尻町沓形字神居128-2 |
問い合わせ先 | 公式HPの問い合わせフォーム |
アクセス | 新千歳空港から飛行機で約50分(利尻空港まで) 稚内からフェリーで約1時間50分 |
公式HP | Kamui Whisky |
5.紅櫻蒸留所|クラフトジンを製造・販売
紅櫻蒸留所は、北海道札幌市の会社「北海道自由ウヰスキー株式会社」が手がける蒸留所です。主にクラフトジンを製造・販売しています。社名に「ウヰスキー」が入っていますが、ウイスキーの製造には長い時間を要するということで現在(2023年9月)ウイスキーの製造は行われていません。しかし、将来的にはウイスキー造りが検討されており、今後の動向に注目されます。
見学可否 | 可能(要問い合わせ) |
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ウイスキー商品 | ※ウイスキーの製造なし |
住所 | 北海道札幌市南区澄川389-6(北海道自由ウヰスキー株式会社) |
問い合わせ先 | 011-581-4858 |
アクセス | 「自衛隊前駅」から徒歩約28分 |
公式HP | 紅櫻蒸溜所|札幌クラフトジン蒸溜所 |
6.馬追蒸留所|北海道コーンウイスキーの製造を開始
馬追(マオイ)蒸留所は、「MAOI株式会社」が手がける北海道長沼町マオイ丘陵のワイナリー&蒸留所です。2022年に「マオイ自由の丘ワイナリー」より、社名とブランドが変更されると同時に、スコットランドのフォーサイス社製の蒸留器を導入し、ウイスキーのほかにブランデーやフルーツブランデーの生産が開始されました。原料には北海道のトウモロコシを使用するとともに、北海道の蒸留所で蒸溜、北海道の木材で作った樽で熟成する「北海道コーンウイスキー」が造られています。
見学可否 | 可能(施設・設備の説明見学ツアー) |
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ウイスキー商品 | -(2022年蒸留開始) |
住所 | 北海道夕張郡長沼町加賀団体 |
問い合わせ先 | 0123-88-3704 |
アクセス | 「古山駅」から車で約10分 |
公式HP | 馬追蒸溜所|MAOI株式会社 |
7.ディ・トリッパー蒸留所|北海道産の大麦麦芽を100%使用
ディ・トリッパー蒸留所(Di Tripper Distillery)は、北海道産の大麦麦芽を100%使用したウイスキーを製造する蒸留所です。蒸留酒販売会社の「BEHIND THE CASK」が手がける蒸留所で、2023年6月に蒸留所を開設すると発表されたばかりです。函館市としては初めてのウイスキー蒸留所の誕生となり、2023年冬の稼働が予定されています。また、年間6,000リットルの小ロット生産の短期熟成により、2024年末の商品化が目指されています。
見学可否 | 募集なし(試飲・取材等は予約可能) |
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ウイスキー商品 | -(2024年に商品化予定) |
住所 | 北海道函館市元町32-5 |
問い合わせ先 | 050-8881-6239 |
アクセス | 市電「末広町」から徒歩約5分 |
公式HP | BEHIND THE CASK |
ウイスキーの種類は?産地や原材料で異なる
ウイスキーにはさまざまな種類があり、産地や原材料によってその種類は異なります。ここからは、産地と原材料で異なる代表的なウイスキーについて紹介します。
産地によるウイスキーの違い
ウイスキーは産地によって異なります。世界を代表するウイスキーは次の5つです。
世界の五大ウイスキー
- スコッチウイスキー
- アイリッシュウイスキー
- アメリカンウイスキー
- カナディアンウイスキー
- ジャパニーズウイスキー
スコッチウイスキーは、イギリス北部にあるスコットランド地方で製造されるウイスキーです。スコッチはピート香と呼ばれる独特な香りが特徴で、製造時に泥炭(ピート)を燃焼させて造られており、スモーキーな味わいと香りを楽しめます。北海道ウイスキーの多くはスコッチの製造方法に似た造り方をしており、ピート香を感じられる製品が多いことが特徴です。
アイリッシュウイスキーは、アイルランド共和国および北アイルランド地方で製造されるウイスキーのことです。アイリッシュの造り方はさまざまですが、なかには原料の一部に未発酵の大麦麦芽を使用する独自製法の製品があります。モルトを乾燥させる際に泥炭を使用しないケースが多く、雑味の少ない軽い味わいが特徴です。
アメリカンウイスキーはアメリカ合衆国で製造されるウイスキーの総称で、原料にトウモロコシを使用する製品が多く、甘い印象の味わいが特徴です。ケンタッキー州などで製造されるバーボンウイスキーやトウモロコシを80%以上使用するコーンウイスキーなどがあります。
カナディアンウイスキーはカナダのウイスキーで、3年以上熟成して造られることから長期熟成によるまろやかな味わい・風味が特徴です。
また、日本のジャパニーズウイスキーは、日本国内で採取された水のみ使用し、3年以上熟成して造られるウイスキーです。主にスコッチウイスキーを手本として造られており、日本人好みの軽い口当たりに仕上げられています。さらに、国際的なコンクールでの受賞も数多く、オークションで高額取り引きされるなど、世界各国から人気を集めていることが特徴です。
原材料によるウイスキーの違い
原材料(原料)によってもウイスキーの種類は異なります。代表的なウイスキーには次の種類があります。
原料が異なるウイスキーと主原料
- モルトウイスキー(大麦麦芽)
- グレーンウイスキー(小麦・ライ麦・トウモロコシ)
- ブレンデッドウイスキー(2種類のウイスキーをブレンド)
- ライウイスキー(ライ麦)
- コーンウイスキー(トウモロコシ80%以上)
- バーボンウイスキー(トウモロコシ51%以上)
モルトウイスキーは大麦麦芽(モルト)を100%使用して造られるウイスキーです。大きく分けてシングルモルトとブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)の2種類があり、シングルモルトはひとつの蒸留所で製造されるもので、ブレンデッドモルトは複数の蒸留所のモルト原酒を混ぜ合わせて製造されます。
グレーンウイスキーは小麦・ライ麦・トウモロコシを主原料とし、酵素にモルトを加えて製造されるウイスキーです。ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、味を調整したウイスキーで、グレーンウイスキーは基本的にブレンデッドういすきーのベースとして使用されます。ライ麦を主原料とするライウイスキーは、ほろ苦さとスパイシーさが特徴です。
また、トウモロコシを主原料とするウイスキーはコーンウイスキーとバーボンウイスキーの2種類があります。トウモロコシ80%以上を原料として造られるコーンウイスキーは、基本的に熟成させないことが特徴で、アルコールの荒い味わいとトウモロコシの甘みを感じられます。一方、トウモロコシ51%以上を原料とするバーボンウイスキーは、コーンウイスキーとは違い、熟成による深い味わいが特徴です。
北海道ウイスキーと言えばモルトウイスキーが有名ですが、近年は北海道産のトウモロコシを使ったグレーンウイスキーやコーンウイスキーの生産も行われています。
北海道ウイスキーの歴史
北海道ウイスキーのはじまりは、余市蒸溜所で造られた「ニッカウヰスキー」です。ニッカウヰスキーは、竹鶴政孝が1934年に設立した「大日本果汁株式会社」によって製造・販売されました。竹鶴政孝は1918年に単身渡ってウイスキー造りを学び、理想のウイスキーを造るために余市町でウイスキーの製造を開始した人物です。余市町の気候と自然環境がスコットランドに似ていたため、蒸留所の建設地として選ばれました。
1934年、竹鶴政孝はニッカウヰスキーの前身となる「大日本果汁株式会社」を立ち上げ、ウイスキーの製造を開始し、1940年にニッカウヰスキー第一号の出荷に成功しました。大日本果汁株式会社は、当時「ニッカ」という略称で呼ばれており、その後社名が「ニッカ」となっています。これが北海道ウイスキーのはじまりです。
また、2014年にはNHKの朝の連続ドラマ「マッサン」で余市蒸溜所がドラマの舞台となり、余市町は一躍全国区となりました。現在、余市蒸溜所は敷地内を見学することができ、ドラマの「マッサン」で登場した景観・景色を見ることができます。
北海道のウイスキーがおいしいのはなぜ?
北海道の代表的なウイスキー「ニッカウヰスキー」は、さまざまなジャパニーズウイスキーのなかでも人気です。北海道ウイスキーがおいしいのは、北海道の気候と自然環境がウイスキーの本場「スコットランド」と似ていることが理由としてあげられます。
おいしいウイスキーを造るためには冷涼かつ湿潤な気候、一定の寒暖差が必要ですが、北海道はその条件を満たしている地域です。さらに、雪解け水が豊富な上、香りづけに使われる「泥炭(ピート)」、蒸留するために必要な石炭などの資源も豊富です。このような土地的な条件を満たしていることが理由で、北海道で造られるウイスキーはおいしく、世界に誇るジャパニーズウイスキーのひとつに数えられます。
北海道 WHISKY FESとは?
北海道 WHISKY FESは、北海道札幌市で年に1回夏に開催されているウイスキーのお祭りです。ウイスキーの無料試飲のほか、ボトル販売やフードサービスなどが行われます。蒸留所だけでなく酒販店やバー、飲食店などがブースを出店しており、2023年開催時は過去最多となる80以上のブースが出店されました。
会場内メインステージでトークショーやライブパフォーマンスが行われるほか、フェス限定のオリジナルボトルの販売、業界のエキスパート講師によるテイスティングセミナー(有料)などが行われます。北海道ウイスキーに興味がある方は、ぜひ北海道 WHISKY FESに参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
北海道はウイスキーの本場で知られるスコットランドと気候・自然環境が似ていることから、北海道でウイスキーを造る蒸留所は多いです。北海道にある蒸留所は見学できるところもあるので、蒸留所を見学したり試飲したりしてぜひ北海道のウイスキーを楽しんでください。