行者にんにくをおいしく食べる方法。下処理や保存方法も紹介

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山菜のひとつである行者にんにく。名前の通り、にんにくのような香りや風味が特徴で、クセになる味わいが人気です。頻繁に食卓に上がる食材ではないので、いざ手に入れたときに食べ方に悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、行者にんにくの選び方や保存方法、下処理、食べ方をご紹介します。栄養と期待できる効果・効能もぜひチェックしてみてくださいね。

    この記事でわかること

  • アリシンやビタミンなど栄養が豊富
  • 美味しい行者にんにくは葉・根・茎に注目
  • 下処理は水洗いと皮をはがすだけ
  • 醤油漬けや炒め物が簡単
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

行者にんにくとは

行者にんにくとは

行者にんにくとは、ネギ科の植物。北海道では「アイヌネギ」と呼ばれることも。5月上旬から中旬にかけて流通することが多く、山菜採りでお目にかかることができます。

名前の由来には、高山に生えていたものを修験道の行者が食べたからという説があります。諸説ありますが、滋養がつきすぎて修行にならないという言い伝えも。

馴染みのあるにんにくとは見た目が違っていて、大きめの葉が付いているのが特徴です。根元はにんにくのような香り、葉はニラのような香りがし、食べると風味とシャキシャキ感を味わえます。

行者にんにくの栄養と効果・効能

行者にんにくは、香りや風味が印象的ですが、栄養もしっかり含まれています。

ここでは、主な栄養素とその効果・効能、最大限に栄養を摂り入れる食べ方をご紹介。食べる量についても触れているので、ぜひ覚えておきましょう。

βカロテン

βカロテンは、緑黄色野菜に多く含まれる栄養素。行者にんにくにも多く含まれていて、にんにくの1000倍もの量のβカロテンを摂取できると言われています。

皮膚や粘膜の新陳代謝を活性化させて老化を防止したり、抗酸化作用で動脈硬化やがんを予防したりするなど、健康効果が高いです。

ビタミンK

行者にんにくには、にんにくにはほとんど含まれていないビタミンKが豊富に含まれています。ビタミンKは、骨を形成したり、血液を凝固させたりする栄養素です。1日の摂取量の約50gを摂取できるので、効率よくビタミンKを補給できます。

ビタミンC

ビタミンCは、にんにくの約5倍含まれています。様々な野菜やフルーツで摂取できる栄養素で、疲労回復や免疫力アップ、皮膚の健康維持などに効果的です。

アリシン

にんにくの香りの元になるアリシンは、行者にんにくにも含まれています。血行改善やコレステロール値の上昇を抑える効果、免疫力アップ、食中毒予防など、嬉しい効能が豊富です。

栄養としっかり摂取できる食べ方

栄養をしっかり摂取するなら、油で調理するのがおすすめです。βカロテンやビタミンKなどを吸収しやすくなります。天ぷらにしたり、炒め物でサッと加熱したりすると、美味しく食べやすいです。

ただ、アリシンは熱に弱く水に溶けだしやすい性質を持つため、一番良いのは生で食べること。生で食べるなら、醤油漬けしたり、味噌をつけたりするのがおすすめです。

また、アリシンはビタミンB1と相性が良い栄養。吸収率を高めつつ、持続力もあげてくれるので、ビタミンB1が持つ疲労回復や滋養強壮などを最大限に感じられます。

食べすぎはNG

醤油漬けや天ぷらにすると、ついたくさん食べてしまいがちですが、食べすぎは厳禁。

アリシンには殺菌効果があり、摂取しすぎるとかえって胃が荒れる場合が考えられます。腹痛や下痢、吐き気などを引き起こすケースがあるので、適度に食べるようにしましょう。

選び方と正しい保存方法

選び方と正しい保存方法

行者にんにくを選ぶときは、いくつかのポイントがあります。見るところがわかれば、美味しい行者にんにくが一目でわかるはず!美味しさや栄養を維持する保存方法もぜひ参考にしてみてください。

選び方

行者にんにくが一番美味しいのは、4月中旬から5月末ごろまで。まずは、旬の時期にスーパーなどで探してみるのがおすすめです。

美味しい行者にんにくは、葉が開いていない、茎が太い、切り口がみずみずしい、葉がしっかり伸びているといった特徴があります。香りがしっかりあって、みずみずしく新鮮なことが多く、風味やシャキシャキ感をしっかり感じられるはず!

葉の見た目、茎の太さ、切り口の順にチェックして、美味しそうな行者にんにくを選んでみましょう。

保存方法

行者にんにくを保存するときは、冷蔵庫の野菜室がベスト。そのまま入れるのではなく、生の場合は新聞紙に包んで立てて保存するのがポイントです。

一度カットしたり、調理したりして余ったものは、軽く茹でてから水気を切って冷凍保存するのがおすすめ。解凍するときは、沸騰したお湯でサッと茹でて水切りするだけでOKです。

丁寧に保存すると、行者にんにくならではの香りや風味をしっかり残すことができます。栄養も逃げにくくなるので、豊富な栄養を余すことなく摂取できるのも嬉しいポイントです。

行者にんにくは下処理が肝心

行者にんにくは下処理が肝心

行者にんにくを調理する・食べる前に、冷水で洗います。お店で販売されているものでも、汚れや土がついていることがあるので、丁寧に洗い流しましょう。

次に、根元の近くを覆っている硬い皮を取り除きます。軽い力ではがせるので、不必要な皮をペリペリと取っていきましょう。赤っぽい部分は「はかま」と言います。香りが強い部分なので、香りを抑えたいときは取るのがおすすめです。

後は、食べ方に合わせて、一口大に切ったり、茹でたりするなど、食べやすいように調理を行いましょう。

行者にんにくの代表的な食べ方

行者にんにくの代表的な食べ方として、5つの料理・レシピをご紹介。香りや風味がしっかりしているので、シンプルな味付けでもインパクトのあるメニューになります。気になる料理があったら、ぜひ自宅で試してみてくださいね!

醤油漬け

醤油漬け

行者にんにくの代表的な食べ方といえば、醤油漬けです!食べやすい大きさにカットしたり、細かく刻んだりして、醤油やゴマ、ショウガなどで漬けてつくります。食卓の一品になりつつ、万能調味料として使えるのが魅力。味わいを存分に感じられるので、まず試してもらいたい料理です。

餃子

餃子

にんにくが効いた料理で人気なのは餃子ではないでしょうか。いつも入れているにんにくを行者にんにくに変えてみるのがおすすめ。餃子のパリッとした皮と行者にんにくの風味の相性が良く、食欲をそそる香りが口いっぱいに広がります。パンチの効いたおかずを食べたいときにいかがでしょうか。

行者にんにくまんじゅう

行者にんにくまんじゅう

行者にんにくまんじゅうは、小樽などでつくられているご当地グルメ。キャベツやニラ、魚肉のすり身、豚肉などを加えて、周りに焼き目をつけたおまんじゅうです。他の野菜やすり身とのバランスが良く、クセになる行者にんにくが引き立つお惣菜に仕上がっています。

行者にんにくと鶏肉炒め

行者にんにくと鶏肉炒め

行者にんにくは、炒め物との相性も抜群。葉と根を切り分けて、炒めると異なる食感で風味と香りを楽しめます。たんぱくな鶏肉にパンチを加えてくれて、食べ応えのあるおかずになりますよ!

行者にんにくのパスタ

行者にんにくのパスタ

にんにくを使うペペロンチーノにも、行者にんにくを代わりに使ってみませんか。存在感のある香りと風味があるので、にんにくのパスタとは違った味わいに仕上がります。葉の緑、茎の白など、彩りも豊か。行者にんにくをちょっとおしゃれにパスタでいただいてみましょう。

まとめ

行者にんにくは、人気の山菜のひとつで、独特な香りや風味を味わえます。食べ方は簡単で、水洗いし根元の皮をはがして、後はカット・加熱して調理するだけです。

豊富な栄養を摂取するなら、生が一番ですが、油で調理しても多くの栄養を摂り入れられます。一度使いきれない場合は、冷蔵保存または冷凍保存をしましょう。ご紹介したメニューを参考にして、ぜひ行者にんにくを食べてみてくださいね。

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菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。