ポロネギ(リーキ)ってどんな野菜?旬の時期や特徴、おいしい食べ方を紹介
西洋料理でよく使われる食材のひとつに、ポロネギというものがあります。どんな野菜なのか、みなさんご存じですか?
日本でも栽培されていますが数があまり多くないので、手に入るポロネギはヨーロッパやオセアニアからの輸入が主流です。こちらの記事では、ポロネギとはどんな野菜なのか、その栄養素や、ポロネギの美味しい食べ方などもまとめてみます!
ポロネギってどんな野菜?長ネギとは違うの?
ポロネギは西洋ネギとも呼ばれる、地中海沿岸原産・ヒガンバナ科の野菜です。
英語ではリーキ、フランス語ではポワロー(ポアロー)、イタリア語ではポッロと呼ばれます。茎が太く短めで、見た目は長ネギ、とくに下仁田ネギによく似ています。ただし、日本の長ネギは葉の先端まで筒状になっていますが、ポロネギの葉は平たく潰れていて、V字のように見えるのが特徴です。
生でも加熱しても美味しく食べられますが、緑色の葉の部分は長ネギよりも固く、あまり食用には向いていません。スープの出汁などに使われることが多いです。
ポロネギは加熱すると柔らかくとろっとした食感になり、甘みが増します。長ネギのような香りや辛みが少なく、上品な風味が特徴です。なので長ネギのように、薬味としては物足りないかもしれませんが、ネギ特有の辛みが苦手な方でも美味しく食べられそうです。
国別の呼び名 | |
---|---|
英名 | リーキ |
フランス | ポワロー(ポアロー) |
イタリア | ポロ(ポッロ) |
日本 | ポロネギ、にらねぎ、西洋ねぎ |
ポロネギの旬
ポロネギは3月中旬に育て始めた苗を6月上旬に植え付け、収穫期は10月下旬~3月頃です。他の野菜に比べると害虫はつきにくく、比較的栽培しやすい野菜と言われています。国内では、静岡県・長野県などで栽培されていますが、多く出回る野菜ではありません。
市場に出回るポロネギの主流は、ヨーロッパやオセアニアからの輸入となります。そのため、日本国内では秋の終わりから冬にかけてが旬となりますが、オセアニアからの輸入であれば季節が逆転するため、夏が旬となります。
美味しいポロネギの選び方
白い部分と緑の部分がはっきりと分かれていて、緑の部分が枯れていないものを選ぶのがおすすめです。茎が太く、白い部分が引き締まり、太さが均一なものが美味しいポロネギです。
実は栄養豊富なポロネギ!
ポロネギは栄養面でも長ネギとよく似ています。主な成分はタンパク質、炭水化物、ビタミン、食物繊維の他に、リン、鉄、マグネシウムなどのミネラルが含まれます。また、長ネギや玉ねぎ、ニラ、ニンニクなどに含まれる香りのもとである硫化アリルも含まれています。カロリーは100gあたり30kcalで、野菜の中でも低めです。
ビタミンC
体の老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があり、過酸化脂質の生成を押さえるので、動脈硬化などの血管疾患を予防します。コラーゲンやメラニンの生成を抑える働きもあり、美肌効果にも期待できます。
硫化アリル
長ネギや玉ねぎを切った時に、目や鼻がツンとする香り成分が硫化アリルです。ネギ類の他、ニラやニンニクなどにも含まれています。この硫化アリルは効能豊か!
血液の凝固を遅らせるので、血流を改善して血栓をできにくくしてくれる他、血中の中性脂肪を減らし、血糖値の上昇も緩やかにしてくれます。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増加させる効果も。いわゆる「血液サラサラ成分」ですね。
また、胃腸の働きも改善し、疲労回復を早め、スタミナを増強させる効果もあります。脂肪の燃焼や老廃物の排出にも効果的で、白血球やリンパ球の働きを効率化させるため免疫力アップにも期待できます。
ただし、硫化アリルは水溶性のため、切った後、長く水にさらしてしまうと効果が薄れてしまいます。加熱する場合は水にさらさずに空気中に15分ほど放置してから火にかけると成分が壊れにくいです。
葉酸
細胞分裂の核酸合成に不可欠な葉酸は、胎児の発育や妊婦に重要なビタミンです。
赤血球の分化にも関わっており、貧血予防に効果があるため、「造血のビタミン」とも呼ばれます。特に妊娠前~産後の女性に必要なビタミンですが、DNAの合成促進、赤血球生成など多くの生体機能に関わっているため、子どもや男性にも重要な栄養素です。
ポロネギがどこにも売ってない!? どこで買える?
国内のものは出回る量が少ないため、探すのであれば、輸入野菜を多く取り扱っている店や、百貨店などで見つけられるかもしれません。
ポロネギのレシピを作るのに何かで代用する場合は長ネギがおすすめです。とくに下仁田ネギであれば柔らかく甘みがあるのでポロネギに近い味わいになります。下仁田ネギの表面を焼いてから調理すると、よりポロネギの味わいに近づきますよ。
見た目や食感は長ネギが近いですが、甘さは玉ねぎが近いかもしれません。ポロネギを加熱した時の優しい甘さが欲しい時は、玉ねぎを使うのもおすすめです。
また、とろりと煮込むような料理では、白菜を代用としてみるのもいいかもしれません。ジューシーでトロッと柔らかい食感はポロネギによく似ています。
ポロネギの保存方法
運良くポロネギを入手できた場合、保存のコツは長ネギとほぼ同じです。新聞紙やビニール袋、ラップなどで包み、乾燥を防いで冷蔵庫の野菜室で立てて保管するのが望ましいです。
ポロネギを使った料理
西洋ネギとも言われるように、西洋料理によく合います。シンプルに焼いたものを肉や魚に添えたり、さっと茹でてマリネやサラダで食べるのも爽やかでおすすめです。炒めて食べるならパスタの具材にもぴったりです。グラタンや煮込み料理などにする時はじっくり火を通すと、とろりと柔らかいポロネギならではの食感を味わえます。
焼きポロネギのレモンマリネ
ポロネギ1本の白い部分を、2cm程度の筒切りにし、フライパンで転がしながら表面に焼き目をつけます。その後、白ワイン50ccを入れてポロネギの中心まで火が通るように蒸し焼きにします。レモン半個分の絞り汁に、オリーブオイル大さじ1、塩と砂糖少々、黒コショウで味を調えたマリネ液に、焼いたポロネギとレモンの輪切りを漬け込み、ラップをして1時間ほど味を染みこませればできあがり!
ポロネギとジャガイモのポタージュ
ジャガイモ1個、ポロネギ100gを火が通りやすいサイズに切って、バターとオリーブオイルで焦がさないように炒めます。ポロネギの表面が柔らかくなったら、水200ccを入れ、ジャガイモが柔らかくなるまで煮ます。ジャガイモが潰れるほど柔らかくなったら、煮汁ごとミキサーに入れ、牛乳150ccを入れて粒感がなくなるまでミックスします。最後に生クリーム少々を入れ、塩コショウで味を調えたら完成です。
ポロネギのグラタン
1.5cm程度の輪切りにしたポロネギとベーコンをニンニク、バターとオリーブオイルで炒め、塩コショウで味付けします。5分ほど炒めたら大さじ2の薄力粉を振り入れ、粉っぽさがなくなるように混ぜながら油と馴染ませます。牛乳300ccを少しずつ注ぎ、よく混ぜてホワイトソース状にします。コンソメなどで味を調えたら、耐熱皿に入れ、ピザ用チーズをたっぷりかけて、オーブン(またはトースター)でチーズに焦げ目が付くまで焼きましょう。
まとめ
ポロネギ(西洋ネギ、リーキ、ポワロー、ポアロー、ポッロ)のあれこれ、いかがでしたか? 国産のものは寒い季節に美味しくなるので、グラタンや煮込み料理に使ってみてください。百貨店や大型スーパーに出かけた時には、野菜売り場をチェックしてみるのもいいですね。
長ネギのようでもあり、玉ねぎの甘さもあり、何よりとろっとろの食感! 馴染みがないのに馴染みやすい、不思議な野菜です。ぜひチャレンジを!