パープルスイートロードとは?特徴や食べ方、紫芋とさつまいもの違いも解説
紫芋の一種「パープルスイートロード」。果肉は淡い紫色をしており、ほかの紫芋よりも甘みが強いことが特徴です。甘いので焼き芋やふかし芋にしたり、お菓子の材料にしたりしておいしく食べられます。また、2004年に品種登録されたばかりで、全国的にあまり生産量が多くなくやや珍しい品種です。
こちらの記事では、パープルスイートロードの見た目や特徴、おいしい食べ方、カロリーなどを紹介します。
この記事でわかること
- パープルスイートロードは紫芋の一種
- パープルスイートロードは甘みが強い
- 焼き芋・ふかし芋(蒸し芋)にするとおいしい
- 主な生産地は千葉県
- 値段は1kgあたり約800~1,000円
パープルスイートロードとは?紫芋の一種
パープルスイートロードとは紫芋の一種です。農業と食品産業の研究開発を行う機関「農研機構」によって品種改良され作られました。皮は赤く、果肉は紫色をしており、甘みが強いことが特徴です。果肉の色はほかの紫芋と比べて淡い色合いですが、加熱すると深い紫色になります。甘みが強いので、焼き芋やふかし芋どちらでもおいしく食べられるほか、スイートポテトやモンブランなどのお菓子とも相性がいいです。
パープルスイートロードの特徴
パープルスイートロードには以下の特徴があります。
パープルスイートロードの特徴
- 紫芋の中でも甘みが強い方
- 肉質はやや粉質
- 果肉にアントシアニンを含む
- 抗酸化作用がある
紫芋はさつまいもと比べて甘くないのが一般的ですが、パープルスイートロードは紫芋の一種でありながら甘さが強いことが特徴です。肉質はやや粉っぽいので、ねっとりとした甘い系のさつまいもよりも、ほくほくとしたさつまいもが好きな方にはパープルスイートロードがおすすめです。
また、果肉にはポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれており、アントシアニンによって淡い紫色の色合いとなっています。アントシアニンはブルーベリーなどにも含まれている成分で、抗酸化作用に優れており、眼精疲労の予防に効果が期待できると言われています。
パープルスイートロードの歴史・来歴
パープルスイートロードは農研機構によって品種改良して作られた品種です。アントシアニン色素を含有する「九州119号」という品種を母体とし、5種類の品種を多交配させて選抜した系統です。
1996年に九州農業試験場において交配が行われ、1997年に養生・選抜、2001年に種苗法にもとづく登録出願が行われました。その後、2002年に「かんしょ農林56号」として農林認定品種に登録されたものを「パープルスイートロード」と命名し、2004年に正式に品種登録がなされました。
パープルスイートロードという名前は、「紫芋の王様(Lord)とも言えるさつまいも品種」という意味から名付けられたと言われています。
パープルスイートロードの見た目
パープルスイートロードは以下の見た目をしています。
パープルスイートロードの見た目
- 紡錘形(ぼうすいけい)
- 皮色は濃い赤紫色
- 果肉は淡い紫色
パープルスイートロードの形は円柱状で真ん中が太く、両端にかけて細くなる「紡錘形(ぼうすいけい)」と呼ばれる形です。形の揃いがいい上に均整のとれた優れた外観をしているのでおいしそうな見た目をしています。紫芋の一種なので果肉にはアントシアニン色素が含まれていて紫色をしていますが、パープルスイートロードの果肉はほかの品種と比べて淡い紫色が特徴的です。
また、紫芋の中でもパープルスイートロードは甘みが強い方なので、さまざまな調理法でおいしく食べられます。ペースト状にしてスイートポテトなどのお菓子の材料に使用すれば、美しい紫色を楽しめます。
パープルスイートロードは甘くない?糖度は14度
通常、紫芋は果肉が黄色いさつまいもと比べて甘さが控えめです。そのため、中には「パープルスイートロードも甘くない」と考える方もいるかと思います。
パープルスイートロードはどのさつまいもよりもダントツで甘いというわけではありませんが、紫芋の中では特に甘い品種です。甘味料などを加えなくても、焼いたり蒸したりしただけで十分おいしく食べられます。
また、パープルスイートロードの糖度は14度と言われています。その他の品種である「シルクスイート」は9度、「紅あずま」は14度なので同程度の甘さです。しかし、「紅はるか」は30度、「安納芋」は20度なので、紅はるかや安納芋が好きな方にとっては、少し物足りないと感じるかもしれません。上品な甘さが好みの方にはパープルスイートロードをおすすめします。
パープルスイートロードのカロリーや栄養
パープルスイートロードの正確なカロリー数値は不明です。日本食品標準成分表によると、一般的な紫芋のカロリーは100gあたり123kcal、糖質は29.2gとされています。パープルスイートロードも紫芋の一種なので、カロリーや糖質は同程度と考えられます。
また、紫色は黄色いさつまいもよりも粉っぽい品種が多く、比較的あっさりとしているのでその分カロリーも低いです。カロリーだけ見ると白米よりも低いので、同じ量であれば白米の代わりにパープルスイートロードを食べるとダイエット効果も期待できます。
紫芋とさつまいもの違い
紫芋はさつまいもの一種です。基本的な違いは見た目で、通常のさつまいもは果肉が黄色い見た目をしていますが、紫芋の果肉は紫色をしています。味わいの違いは品種にもよりますが、紫芋の方が甘さ控えめで、通常のさつまいもの方が甘みは強いです。
パープルスイートロードは甘みが強い方なので焼き芋やふかし芋にしてもおいしいですが、甘みが弱い品種の紫芋はあまり焼き芋には向いていません。紫芋の中でも比較的甘いと言われる品種はパープルスイートロードのほかに、「種子島紫」「なかむらさき」「あやむらさき」などがあります。
また、紫芋はその見た目からさつまいも系のお菓子の材料としてよく使われるのも特徴的です。たとえば、スイートポテトやタルト、さつまいもチップスのほか、パウダー状に加工してクッキーやパンの生地に色付けするためにも紫芋が用いられます。
パープルスイートロードのおいしい食べ方
パープルスイートロードのおすすめの食べ方は、焼き芋・蒸し芋・お菓子です。特に焼き芋にするとほくほく感を味わうことができます。加熱してペースト状にすれば、スイートポテトやタルト、モンブランなどのスイーツの材料にも使用することが可能です。普通のさつまいもとは違って、鮮やかな紫色のペーストになるので見た目がきれいなお菓子を楽しめます。
また、紫芋は天ぷらや干し芋にしたり味噌汁に入れたりして食べられることもあり、パープルスイートロードで試してみてもおいしいかもしれません。以下では、パープルスイートロードの旬やおいしく保存する方法を紹介します。
パープルスイートロードの旬は?収穫時期は秋ごろ
パープルスイートロードの旬は秋〜冬ごろです。収穫時期は地域によって異なりますが、基本的に9月〜11月の秋ごろに収穫されます。収穫後少し寝かせるとよりおいしくなるので、収穫してから2〜3週間経過したタイミングが食べごろです。そのため、10月中旬〜12月がパープルスイートロードの旬となります。また、旬の時期以降でも保存管理されたパープルスイートロードを市場で購入することが可能です。
パープルスイートロードの保存方法
パープルスイートロードをおいしく保存する場合は新聞紙などで包み、冷暗所で保存するのがおすすめです。低温には向かないので冷蔵庫ではなく、室温・気温が15度前後の場所で保存するのが理想です。冬など寒い時期は段ボールなどに入れると低温での保存を避けることができます。パープルスイートロードは比較的保存性が高く日持ちしやすいですが、できる限り早く食べてしまいましょう。
また、長期保存する場合は加熱してから冷凍保存するのがおすすめです。焼き芋やふかし芋にして冷凍してもいいですし、果肉をペースト状にして冷凍しておけばお菓子の材料にも使えます。
パープルスイートロードの主な生産地
パープルスイートロードの主な生産地は千葉県で、奨励品種として扱われています。また、かんしょ作地域(さつまいもが栽培される地域)であれば基本的にどこでも栽培できるので、全国的に生産されています。ただし、ほかの品種と比べるとパープルスイートロードの生産量は多くありません。
パープルスイートの値段・価格
パープルスイートロードの値段は1kgあたり約800~1,000円です。全国的に生産量があまり多くなく、希少なさつまいもとして扱われるので、広く流通している品種よりも高めです。
まとめ
パープルスイートロードは紫芋の一種で、ほかの紫芋と比べて甘みが強いことが特徴です。
値段は1kgあたり約800〜1,000円で、一般的なさつまいもよりも高額ですが、希少な品種なのでぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。