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マグロの栄養成分と効果がスゴい! 部位や食べ方を工夫して健康を目指そう。

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マグロと言えば、日本人が大好きな魚のひとつですね。お寿司屋さんでのラインナップにはもちろん、スーパーのお寿司セットにもマグロは必ずと言っていいほど入っています。鮮やかな赤色が特徴で、子どもも大人も大好きなマグロ。そのマグロにもいろいろな種類があるんです。

本記事では、マグロの種類や特徴、部位ごとの味の違い、おいしいマグロを選ぶコツまでを詳しくご紹介します。

この記事でわかること

  • クロマグロはマグロの王様!
  • DHA、EPAは生活習慣病予防に効果的
  • ヘルシーな赤身と栄養豊富なトロ
  • おいしいマグロは「天身」に近いところを探して!
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

高級なものから身近なものまで!マグロの種類

マグロは高級なお寿司屋さんで1貫数千円するものもあれば、回転寿司などで一皿100円程度のものもあります。鮮魚売り場でもいろいろな価格帯のものを見かけますね。まずはマグロの種類から見ていきましょう。

マグロの種類と特徴

クロマグロ(本マグロ)

クロマグロ

「大間のマグロ」と言われる高級マグロが有名ですが、これは青森県大間町沖、津軽海峡で獲れるクロマグロ(本マグロ)のことです。マグロの王様とも言われ、「津軽海峡の黒いダイヤモンド」とまで言われます。全長は1.5~3m前後、体重は大きいもので400~500kgにもなる、マグロの中でも最大級の種類です。脂ののったトロの部分も多いですが、色鮮やかな赤身もコク深く美味な最高級品です。秋から冬にかけて旬を迎えます。

クロマグロは漢字で「黒鮪」や「黒真黒」と表記されます。背中が黒いこと、眼が黒いこと、赤黒い身をしていることなどから「クロ」が付くようになったといわれています。クロマグロのことを「本マグロ」とも呼びますが、これはマグロのなかでも一番大きく、味もよいため「マグロのなかのマグロ」という意味が込められているようです。なお、マグロは血液サラサラ成分であるEPA、DHAが豊富な魚ですが、なかでもミナミマグロとクロマグロはそれらが豊富に含まれています。

クロマグロは太平洋クロマグロと大西洋クロマグロに分類されますが、太平洋クロマグロは絶滅危惧種Ⅱ類、大西洋クロマグロは絶滅危惧種Ⅰ類に指定されています。日本では完全養殖のサイクルの確立に成功しているので、これから個体数の減少に歯止めがかかることが期待されています。

ミナミマグロ(インドマグロ)

ミナミマグロ

全長2m前後、体重80kg~200kg、マグロの中では中型種です。南半球にしか生息しないため、日本で食べるものはほとんどが輸入品となります(一部例外もあります)。マグロの中ではEPA、DHAが一番豊富な種類です。インド洋でよく水揚げされたため、日本ではインドマグロと呼ばれ、クロマグロに次ぐ高級種です。

オーストラリアから太平洋、大西洋、インド洋にかけて回遊するため、オーストラリアやニュージーランド、インドネシア、韓国、台湾などで水揚げされています。ミナミマグロも絶滅危惧種の1つとして登録されているため、天然ものはとても希少で高価です。近年ではオーストラリアやニュージーランドで養殖(畜養)が行われるようになり、これらは天然ものよりも安価で入手できます。

南半球で育つミナミマグロは旬の季節も正反対。クロマグロが秋~冬に旬を迎えるのに対し、ミナミマグロは春~夏においしくなります。

メバチマグロ

メバチマグロ

国内で消費されるマグロの約4割以上がメバチマグロです。名前の由来は目が大きくぱっちりしていることから。こちらもEPA、DHAが豊富な種類です。回転寿司などでも多く消費され、スーパーなどでもよく見かける手頃なマグロです。

全長1.5~2m前後、体重は150kg前後で、クロマグロに比べてずんぐりと丸みを帯びた体型をしています。主な生産地は高知、静岡、宮城、鹿児島ですが、東京でも獲れることがあります。
旬は晩秋~冬にかけて。脂がのり、わずかな酸味に旨みと甘みを兼ね備えたおいしさです。旬のメバチマグロは本マグロにも劣らないと言われているんだとか。冷凍ものに関しては旬はあまり関係ありませんが、冬に「生」と書かれたメバチマグロが売られていたら、これはぜひ買ってみてください。

メバチマグロの味わいは、そのあっさりさが魅力です。クロマグロやミナミマグロの濃厚な脂っぽさが苦手という人はぜひメバチマグロを。赤身も、クロマグロの赤黒い感じに比べ、メバチマグロの赤身は濃いピンク色のような色合いです。
メバチマグロは、マグロ漁獲高の約3割を占めているため、流通量が多く、高品質ながらお手頃な値段で手に入るのが嬉しいマグロです。

キハダマグロ

キハダマグロ

黄色い体をしていることからキハダ(黄肌)という名前が付きました。ツナ缶などにも使われているマグロで、世界で最も流通量が多く、手頃な価格で身近な存在です。

暖かい海では全長2~3m、体重200kgほどにもなりますが、日本近海では全長1.5m前後、体重70kg前後のものがほとんどです。

キハダマグロは他のマグロよりも鉄分が多く含まれています。身は淡いピンク色であっさりした味わいが特徴で、お寿司や刺身などでも人気の高いマグロです。もちろん生で食べておいしいマグロですが、そのあっさりした味わいはカツや角煮、ソテーなどの加熱調理や、アヒポキなどしっかりした味付けをする調理にもおすすめです。

ビンナガマグロ

びんなが

ビン長の「長」の字を音読みして「ビンチョウマグロ」とも言われるマグロです。全長1m前後、体重40kg前後で、マグロとしては小型の魚です。白っぽい身が特徴で、よく脂ののったビンナガマグロは「ビントロ」として回転寿司などでも人気のネタとなっています。

資源量が多いため、お手頃な値段なのも嬉しいですね。キハダマグロ同様、こちらもツナ缶の原料になります。また、スーパーなどで売っている「ネギトロ」風のものは、キハダやメバチなどの赤身に、ビンナガマグロをブレンドしていることが多いようです。独特の脂のりがキハダやメバチのあっさりした赤身に優しいコクを加えてくれます。

ちなみに、寿司ネタでは「ビントロ」と呼ばれますが、ビンナガマグロにはいわゆる「中トロ」「大トロ」に当たる部分はありません。ただ、旬である冬には非常に脂がのるため、この時期に獲れたものを「ビントロ」として出す店が多いようです。

日本近海でも獲れますが、遠洋にも漁に出るため、年間を通して安価で流通しています。


マグロに含まれる栄養と効果

まずはマグロにはどんな栄養素が含まれているのかをご紹介します。

マグロに含まれる栄養

  • タンパク質
  • 鉄分
  • 脂質
  • ビタミンD
  • ビタミンB群
  • カリウム
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • EPA(エイコサペンタエン酸)

免疫力アップ

タンパク質は白血球などの免疫細胞や、免疫に関わる酵素の材料となり免疫力をアップする効果があります。また、体を錆び付かせる活性酸素を抑制する抗酸化作用のあるビタミンEや、免疫機能を維持するビタミンB6もマグロには含まれています。

疲労回復

マグロ丼

ビタミンB群は、エネルギーを生み出すために欠かせない三大栄養素である糖質、脂質、タンパク質の分解や、代謝に必要な酵素をサポートするというはたらきがあり、エネルギー不足による疲労を防ぐ効果があります。ビタミンB群は水溶性なので、一度にたくさん摂取しても尿で排泄されてしまうため、コンスタントに摂取したい栄養素のひとつです。

ガンの予防

もちろん、「マグロさえ食べていればガンにならない」というわけではありませんが、マグロに含まれるDHAやEPAには、ガン細胞の増殖や転移を抑制するはたらきや、細胞をガン細胞に変化させる活性酸素を排泄するはたらきがあります。また、ビタミンEも同様に過剰な活性酸素を除去し抑制する抗酸化作用をもちます。

高血圧・高コレステロール・糖尿病の予防

マグロ

カリウムには、高血圧の原因の一つであるナトリウム(塩分)を排出し、体内の水分濃度を調整するはたらきがあります。また、血管を緩めることで、血圧の上昇を抑えるマグネシウムや、体内で使用されたナトリウムの排出を促進し血圧を下げるタンパク質も含まれています。

DHAやEPAには血中の中性脂肪やコレステロール、血糖値を低下させる効果や、肥満を改善するはたらきなどがあり、生活習慣病の予防にも効果的です。

マグロの部位による栄養の違いはあるのか?

マグロの部位による栄養の違い

マグロは赤身と脂身(トロ)に大別され、それぞれ栄養価が異なります。もちろん、赤身のほうが脂質が少なく、そのためカロリーも低くなります。ですが、トロの脂身の部分にはDHAやEPAが赤身よりも豊富に含まれています。

赤身

赤身

マグロの赤身は低カロリー&低脂質なうえ、良質なタンパク質が摂取できる食材です。タンパク質の消化吸収を助けるセレンというミネラルもマグロの赤身には豊富に含まれているため、米や小麦など炭水化物を多く摂取しがちな現代人は特に積極的に摂取したい食材のひとつです。

トロに比べるとカロリーは3分の1程度というヘルシーさに加え、100g当たりのタンパク質含有量では牛肉や豚肉を上回るという優秀さ。

タンパク質の吸収を助けるセレンは、細胞を傷つける活性酸素を体内から除去する抗酸化力も強く、免疫力向上や老化防止などの効果も期待できます。さらに、カドニウムや水銀といった人体にとって有害な金属の毒性を軽減するはたらきもあるのが特徴です。

トロ

トロ

赤身と比べて脂質が多く高カロリーですが、DHAやEPAなど、人間にとって重要な成分も豊富です。これらの不飽和脂肪酸は人間が体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。

DHAは脳細胞を活性化させるはたらきがあることから、学習能力の向上や認知症の改善などが期待でき、EPAは血中コレステロールや中性脂肪などを減らし、血流を改善するはたらき、血栓を作りにくくするはたらきがあります。そのため動脈硬化や高血圧など生活習慣病の予防に効果的とされています。

トロにはビタミン類も豊富に含まれており、特に脂溶性であるビタミンA・D・Eの含有量が多いのが特徴。

血合い

血合いは、赤色筋繊維と呼ばれる細胞が密集している部分です。赤身と同様に豊富な栄養が含まれているため、調理して積極的に摂取したいですね。

特に多い栄養成分としては、タウリンや鉄分、ビタミンEが挙げられます。タウリンには肝機能を高めるはたらきがあり、コレステロールの代謝を促進する作用にも期待されています。鉄分は貧血の改善に効果的であり、ビタミンEは、肩こり・腰痛の改善や美肌に効果的な成分なので、女性におすすめです。

血合いは生臭くなってしまうことが多いので、新鮮なものなら生食できますが、加熱調理したほうが食べやすいでしょう。

目玉

目玉はマグロの頭ごと煮付けや塩焼きにした時に食べられる“レア食材”です。見た目はグロテスクですが実は栄養豊富! 味も絶品です。

弾力のあるゼラチン質で、DHA、EPA、ビタミンB1、コラーゲンなどが豊富に含まれます。DHAやEPAの効果はすでに述べたとおりですが、ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変えるときに使われる栄養素であり、コラーゲンは身体の弾力を作り出しているタンパク質のひとつです。肌に弾力やハリをもたらす効果だけでなく、骨の強化や関節痛の改善など、さまざまなはたらきが期待できます。

マグロの栄養効果を高める食べ方・食べ合わせ

栄養たっぷりのマグロ。どうせなら、栄養効果をより高める組み合わせで食べたいですね。

お刺身・お寿司

寿司

脂質に含まれるEPAやDHAは加熱すると減ってしまうので、まずはマグロそのものの味わいを楽しむためにもお刺身やお寿司などで!

アボカドと合わせて

マグロとアボカド

マグロとアボカドは、栄養面でも味の面でも好相性!アボカドには、マグロにはあまり含まれないビタミンCや食物繊維が豊富で、整腸作用や美肌づくりを助けるはたらきが期待されます。

マグロとアボカドで作る「ポキ丼」は、今や定番料理ではないでしょうか。「ポキ」とは魚介の刺身を小さく切り、しょうゆベースのタレや香味野菜で和えるハワイ料理ですが、マグロを使うレシピはとくに「アヒポキ」と呼ばれます。マグロとアボカドを角切りにして、しょうゆやみりん、レモン果汁などで味付けします。わさびやラー油などで辛みをプラスするとマグロの生臭みが消えるのでおすすめです。

カルシウムを含む食品と合わせて

マグロに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収を助けますが、マグロにはカルシウムが含まれていません。なので、カルシウム豊富な食べ物と組み合わせると効果的です。

たとえば、チーズや牛乳などの乳製品、ほうれん草や小松菜、水菜などの色の濃い野菜を汁物の具材として取り入れたり、副菜として添えるとよいでしょう。


栄養豊富ゆえにマグロを食べる際に気をつけたいこと

マグロは栄養たっぷりですが、食べれば食べるほど健康的なのかというと実はそうでもないんです。これはやはり、カロリーや脂質において問題があります。

1日の摂取量目安

マグロの1日の適量は、およそ50g(刺身5切れ分)が目安です。ただ、毎日食べるというのはあまり考えにくいので、多少前後したり、たまにたくさん食べたりするのは問題が少ないと考えられます。

妊婦さんは量に注意

妊娠している女性がマグロを食べる場合は、量や種類に気を付ける必要があります。というのも、大型の魚は食物連鎖で水銀がとり込まれているため、たくさん食べることでお腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があることが知られています。

妊婦さんがマグロを食べる際の目安量

ミナミマグロ:週に160g程度
クロマグロ(本マグロ)・メバチマグロ:週に80g程度

※上記は目安です、食べる際は事前にかかりつけ医にご相談ください

キハダマグロやビンナガマグロ、メジマグロ、それらの加工品であるツナ缶などは特に気にせず食べて良いとされています。

おいしいマグロを選ぶコツ

マグロの種類や栄養を見てきましたが、では実際、スーパーや鮮魚店などでマグロを選ぶ際に、どんな商品を選べばいいのでしょうか。ポイントは色合いとスジのチェックにあります。

美味しいマグロの見極め方

おいしいマグロのチェックポイント

  • 赤身:クロマグロは深い赤色、メバチマグロは鮮やかな赤色
  • 脂身:クロマグロは深みのあるピンク色、メバチマグロは薄いピンク色
  • 身の色に透明感があり、黒ずんでいない
  • ドリップ(汁)が出ていない
  • スジの感覚が狭い・半円状になっている

一番おいしいのは「天身」

薄いスジが平行に入っていれば、それは赤身の最上級と呼ばれる「天身」という部分です。マグロの脊椎(中心)分にあたり、中心部にいくほどスジが薄くなり身の色も濃くなります。「天身」はスジっぽさがなく、やわらかく味が濃いのが特徴です。

刺し身で味わうなら中心に近い部分を選ぶ

スジが斜めに入っているものは、天身に近い部分です。天身ほどの色の濃さはありませんが、ほどよく身が締まっているため刺身に向いています

スジの間隔は頭から尾に向かうにつれて狭くなっていきます。また頭や尾に近いほどサクにした時の断面に見えるスジが半円状になります。中心から離れた部分にいくと脂も少なく身も固め、さらにスジっぽさが目立ってしまうため、刺身には不向きです。

スジが目立つものは調理向き

スジが目立つものでも加熱調理をするか、角切りにして漬け丼、ポキ丼などにすると、食感が気になりにくくなりおいしく食べられます。スジが入ったものは安く売られていることもあるため、ぜひ上手に活用してみてくださいね。

まとめ

今回はマグロについてフカボリしてみました。寿司ネタやお刺身では一番人気といっても過言ではないマグロですが、その種類や栄養についてはあまり意識していなかったかもしれません。

栄養たっぷりで、しかも生活習慣病の予防に効果的な成分も豊富に含まれているマグロ、ぜひ積極的に食卓に取り入れていきたいですね!

writerprof_minagawa
皆川 今日子
ライター
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。