野菜は冷凍保存できる!上手に冷凍・解凍する方法や保存期間を解説
「野菜って冷凍して保存できるの?」「野菜を上手に冷凍する方法は?」とお考えではありませんか? 野菜を上手に冷凍保存する方法は「野菜を急速に凍らせる」ことです。急速に凍らせれば野菜の組織をほとんど壊さずに、食感や味を維持したまま保存することができます。
本記事では、野菜を上手に冷凍保存する方法や、野菜別のおすすめの冷凍方法を紹介します。
この記事でわかること
- 野菜を上手に冷凍保存するには急速に凍らせること
- 野菜を冷凍保存すれば調理の手間が省ける
- 繊維や水分の多い野菜は冷凍保存に向いていない
- 急速に冷凍した野菜は栄養価をキープできる
野菜を上手に冷凍保存する方法は?急速に凍らせる
野菜を急速に凍らせれば、味や食感をほとんど損なわずに冷凍保存できます。通常、野菜を冷凍すると解凍時に中身がスカスカになって、味や食感が変わってしまいます。その原因は、野菜に含まれている水分が凍ると発生する「氷結晶」です。
氷結晶は野菜の組織と細胞を壊してしまうため、解凍すると野菜の中が空洞となって、スカスカになったり組織が崩れて水っぽくなったりするのです。しかし氷結晶が大きくなる前に急速に冷凍すれば、解凍時に空洞ができにくくなり、水分が保たれて、生野菜に近い味や食感を維持することができます。
家庭で野菜を上手に冷凍保存するポイントは次の通りです。
- 野菜についている水分を拭き取る
- 平たくして冷却時間を早める
- アルミパッドに並べて冷凍する
アルミは熱伝導率が高いので野菜を素早く冷凍する際に有効です。アルミパッドがない場合はラップをして、アルミホイルで包むことで代替できます。
野菜を冷凍するメリット!保存や調理の手間が省ける
野菜を冷凍保存するメリットは、保存や調理に手間が省けることです。
野菜を保存する際、下茹でして冷ましてから保存したり、調理してから保存したりする方もいるかと思います。冷凍保存に向いている野菜であれば、そのまま冷凍するかカットして冷凍するだけなので、保存にかかる手間が少ないです。よく余らせてしまう野菜も、腐らせずに無駄なく食べ切ることができます。
また冷凍した野菜を食べる時は、凍ったままの野菜をそのまま調理できます。あらかじめカットしておけば調理前に手間もかからないので、お弁当作りなどにも便利です。
野菜を冷凍するデメリットは?野菜がおいしくなくなることもある
中には冷凍保存に向いていない野菜があるので注意が必要です。たとえば水分が多い野菜は、冷凍保存するとおいしさが半減してしまうことがあります。
また冷凍した野菜をおいしく食べるためには、加熱調理が必要です。基本的に冷凍野菜を解凍して生の状態で食べることはできません。水分の多いレタスやトマトなどはできる限り生で食べるか、調理した後に冷凍保存しましょう。
冷凍に向いている野菜
冷凍に向いている野菜には以下のものがあります。
- キャベツ・白菜
- 小松菜・春菊・ほうれん草
- かぼちゃ
- ブロッコリー・カリフラワー
- きのこ類
- 玉ねぎ・ねぎ
葉もの野菜やきのこ類は冷凍保存に適しています。冷却の効率を上げるために、また取り出してすぐに調理できるように、あらかじめカットして冷凍保存しましょう。キャベツや白菜はざく切りにして保存、ブロッコリーやカリフラワーは小房を切って保存するのがおすすめです。
冷凍に不向きな野菜とは?水分や繊維の多い野菜
水分や繊維の多い野菜は冷凍保存に向いていません。
冷凍保存に不向きな野菜
- じゃがいも
- さつまいも
- 大根
- ごぼう
- トマト
- レタス
- きゅうり
じゃがいもやさつまいもなどの芋類は、常温で保存できるので冷凍する必要はありません。冷凍保存をすると、食べる時に調理法が限られるのであまり冷凍保存には向いていない食品です。
大根やごぼうなどの根菜類は繊維が多い野菜なので、冷凍すると食感が悪くなります。シャキシャキとした歯応えが減少するので、冷凍保存にはあまり向いていません。
またトマトやレタス、きゅうりは水分が多い野菜です。水分が多い野菜を冷凍保存すると、解凍時ぐちゃっとしてしまうので冷凍保存に不向きと言えます。
葉菜類のおすすめの冷凍方法
冷凍保存できる葉菜類と、そのおすすめの冷凍方法は次の通りです。
野菜 | 冷凍方法 |
---|---|
キャベツ | キャベツは冷凍保存すると繊維質の食感が強くなります。細かく刻んで冷凍保存したり、スープにしたりして冷凍するのがおすすめです。 |
ほうれん草 | そのまま冷凍してもおいしく食べられます。茹でてから冷凍すれば、おひたしにも使えます。 |
小松菜・春菊 | そのまま冷凍してもおいしく食べられます。あらかじめ水気をしっかり切ってから冷凍するのがおすすめです。 |
白菜 | 1枚ずつ葉を剥がしたら、生のまま冷凍できます。解凍後は味噌汁や炒めものとして食べられます。下茹でしておくと、冷凍する時にカサが減るので大量に冷凍したい時におすすめです。 |
ニラ | 使いやすい大きさにカットして、生のまま冷凍します。ニラは傷みやすいので新鮮なうちに冷凍保存しましょう。 |
玉ねぎ | みじん切りや薄切りにしてから冷凍するのがおすすめです。カレーやハンバーグに使う予定なら、あらかじめソテーしておくと便利です。 |
ねぎ | カットして食べやすい大きさにして冷凍保存しましょう。部位ごとに分けておけば、料理に合わせて使い分けられて便利です。 |
アスパラ | アスパラは生のままでも、茹でても冷凍保存できます。料理に合わせて冷凍方法を変えましょう。 |
ブロッコリー・カリフラワー | 小房を切って大きさを揃えてから、軽く茹でて冷凍するのがおすすめです。ブロッコリーやカリフラワーは傷みやすいので、新鮮なうちに冷凍保存しましょう。 |
葉菜類は生のまま冷凍できるものがほとんどです。それぞれ食べやすい大きさにカットしておくと料理に使いやすく、冷却効率もよいのでおすすめです。
根菜類のおすすめの冷凍方法
根菜類は、そのままでは冷凍保存に不向きですが、冷凍方法によっては上手に保存することもできます。根菜類のおすすめの冷凍方法は次の通りです。
野菜 | 冷凍方法 |
---|---|
さつまいも | さつまいもは加熱した後に皮を剥いて、すり潰した状態にして冷凍保存するのが おすすめです。また焼き芋にすれば、冷凍してもおいしく食べられます。 生だと常温でも保存できます。 |
大根 | 大根はすりおろしすれば、冷凍しても食感が目立ちにくく、おいしく食べることができます。 冷凍する際は、水分を絞っておき、使い切りの量で冷凍するのがおすすめです。 |
にんじん | にんじんは冷凍保存すると筋っぽい食感になります。食感が気にならないよう、 小さめにカットしたり千切りしたりして冷凍するのがおすすめです。 |
ごぼう | ぶつ切りにして生のまま冷凍したり、火を通してから冷凍したりするのがおすすめです。 ごぼうの断面は、空気に触れると変色するので、生のまま冷凍するなら厚めにカットしましょう。 |
根菜類は生のまま冷凍すると、解凍したときに筋っぽくなりやすいです。細かくカットしたり、火を通したりしてから冷凍すると、食感が気になりにくくおいしく食べられます。
果菜類のおすすめの冷凍方法
果菜類のおすすめの冷凍方法は次の通りです。
野菜 | 冷凍方法 |
---|---|
トマト | 加熱してソースやスープにして冷凍保存しましょう。煮込み料理など加熱して調理する予定であれば、湯剥きして冷凍してもおいしいです。 |
きゅうり | きゅうりは水分が多いので、冷凍保存に不向きです。ただし、和えものや炒めものに使うなら、冷凍保存してもおいしく食べられます。 |
かぼちゃ | 種とわたを取って、食べやすい大きさにカットして冷凍保存するのがおすすめです。食べる時は解凍せずに、凍ったまま加熱調理するとおいしく食べられます。 |
ピーマン | ピーマンは生のまま冷凍保存できます。ただし解凍するとぐちゃっとなりやすいので、凍ったまま加熱調理して食べましょう。 |
ズッキーニ | ズッキーニはラップに包んで生のまま冷凍しましょう。解凍すると水分が抜けてしまうので、半解凍の状態で調理するのがおすすめです。 |
オクラ | あらかじめ塩で板ずりして冷凍保存しましょう。そのまま冷凍したら煮物に、カットして冷凍したらスープに使えます。 |
スナップエンドウ | 生のまま冷凍すると食感が変わってしまうので、軽く加熱してから冷凍しましょう。使用する際は、煮物やスープなどに使うのがおすすめです。 |
果菜類は冷凍保存すると、解凍後に水分が抜けてべちゃっとなりやすいです。冷凍保存することはできますが、生食には不向きなので、加熱調理して食べましょう。
きのこ類のおすすめの冷凍方法
きのこ類は冷凍保存してもおいしく食べることができます。おすすめの冷凍方法は次の通りです。
食品 | 冷凍方法 |
---|---|
しいたけ | 石づきをカットして冷凍保存するのがおすすめです。そのまま冷凍もできますが、カットした方が冷却効率がよく、凍ったままで調理もしやすいです。 |
エリンギ | 半分に切って、縦に薄切りして冷凍保存しましょう。 |
えのき・しめじ | 根元を切り落として、ほぐしてから冷凍保存しましょう。 |
きのこ類は冷凍すれば長期保存が可能で、保存期間は約1カ月です。また、しいたけやえのきなど、複数種類のきのこをミックスして冷凍保存することもできます。
カット野菜の冷凍方法
野菜を冷凍保存する場合は、基本的に事前にカットしておくのがおすすめです。冷却効率が上がるうえ、加熱調理する際にそのまま使いやすいためです。
カット野菜の具体的な冷凍方法
- 水分をしっかり拭き取る
- 野菜に適した下ごしらえをする
- 平たく・小分けにして保存する
野菜を冷凍保存しておいしく食べるためには、より素早く凍らせることが大切です。水分が残った状態だと冷凍するまでに時間がかかり、さらに野菜の食感が悪くなりやすいので、あらかじめ水分はしっかり拭き取っておきましょう。
また小分けにしたり平たくしたりして冷凍することもポイントです。小分けにしておけば使いたい分だけ使えて、使わない分まで解凍して傷んでしまうのを防ぐこともできます。
冷凍した野菜の栄養価は?急速冷凍なら栄養価をキープできる
野菜は急速冷凍すれば、栄養価をキープしやすいです。特に市販の冷凍野菜は高い技術で急速冷凍されているため、栄養価はほとんど失われていないとされています。家庭では市販品のように野菜を急速に冷凍するのが難しいですが、工夫して上手に冷凍すれば栄養価をキープしやすいです。
また野菜の栄養素が失われる主な原因は下茹で処理です。中でもビタミンCやカリウム、ビタミンB群は「水溶性栄養素」と呼ばれ、水に流れやすい栄養素です。栄養素をキープするためにも、できる限り生のまま冷凍保存しましょう。
ただし、繊維や水分の多い野菜は生のまま冷凍保存するのに向いていないため、栄養面から考えて、調理した状態で冷凍することをおすすめします。
野菜を冷凍・解凍する時の注意点2つ
野菜を冷凍・解凍する時には、以下2点の注意点があります。
- 冷凍保存の期間は1週間が目安
- 解凍時はできる限り凍ったまま使う
注意点①冷凍保存の期間は1週間が目安
野菜は冷凍すればずっと腐らないわけではありません。冷凍野菜の保存期限は、1週間が目安です。なぜなら、家庭の場合だと冷凍庫の開け閉めによって食品が傷みやすいためです。
開け閉めを繰り返すと冷凍庫内の温度が上昇して、食品自体の温度も上昇して劣化するほか、霜がついて冷凍焼けしてしまいます。
冷凍保存した野菜はできる限り1週間以内に使い切ること、そして冷凍庫を長い時間開けた状態にせず、冷凍庫内の温度が上がらないように注意しましょう。
また、きのこ類は日持ちしやすいので1カ月間は冷凍保存できます。
注意点②解凍時はできる限り凍ったまま使う
冷凍保存した野菜を調理する際、できる限り凍ったまま使ってください。
電子レンジや流水で解凍しても食べられますが、解凍時に食品の水分も同時に流れ出て、食感が悪くなる可能性があります。凍ったまま使用すれば、食品へのダメージが少ないので、よりおいしく食べることができます。そのためにも、あらかじめカット・小分けにして冷凍保存するのがおすすめです。
まとめ
野菜は冷凍保存に向いているものとそうでないものがあります。
野菜を使いきれない時や余ってしまった時は、それぞれの野菜に適した方法で上手に冷凍保存して、ぜひ野菜をおいしく食べてください。