コーヒーは眠気覚ましに効く?飲み方によっては眠くなる逆効果も!

眠気を感じた時や集中したい時にコーヒーを飲む人は多いですが、「コーヒーを飲んだのに眠たくなった」「コーヒーが眠気覚ましに効くって嘘だったのか?」なんて思ったことのある人も同じ位多いのではないでしょうか。
コーヒーには眠気覚ましの効果がありますが、それはあくまで効果的な飲み方をした場合に得られるものです。この記事ではコーヒーの眠気覚まし効果やメカニズム、効果的な飲み方などを紹介します。
コーヒーで眠気覚ましをしたい人はぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
- コーヒーの眠気覚まし効果はカフェインによるもの
- カフェインが睡眠物質アデノシンを阻害する
- 砂糖入りのコーヒーを飲むと眠くなることがある
- 眠気覚ましに効果的なのは浅煎りのホットコーヒー
なぜコーヒーには眠気覚ましの効果があるの?

昔からコーヒーは眠気覚ましに効くと言われていますが、その理由についてご存知でしょうか?
コーヒーには、カフェインという物質が含まれています。カフェインは、無色の結晶で強い苦味を持つのが特徴です。コーヒーの他にも、カカオや紅茶、緑茶などにもカフェインが含まれています。
コーヒーは他の飲み物や食べ物に比べてカフェイン含有量が多いため、昔から眠気覚ましに効果があると言われてきたのです。
カフェインの覚醒効果のメカニズム

コーヒーにカフェインが多く含まれていることは広く知られていますが、カフェインがどうして眠気覚ましの効果をもたらすのかご存知でしょうか。
身体が疲労感を感じた際、脳内ではアデノシンという睡眠物質が分泌されます。アデノシンは受容体と結合することで神経の興奮を抑えて、気持ちと身体を落ち着ける効果があります。リラックス効果も高まるため、身体は段々と睡眠をとる準備を始めます。これが眠くなるメカニズムです。
カフェインはアデノシンと似た構造をしており、アデノシン受容体に結合する特徴があります。カフェインが受容体に結合すると、アデノシンの鎮静効果が妨げられてしまい、結果として眠気が覚めるという訳です。
眠気覚まし以外のコーヒーに期待出来る効果

コーヒーには眠気覚まし以外にもさまざまな効果が期待できます。続いては、コーヒーが持つ眠気覚まし以外の効果についてもみていきましょう。
疲労の緩和
コーヒーに含まれるカフェインは大脳皮質を活性化させる作用があります。そのため、脳は興奮状態になり、一時的に疲労感を緩和させてくれる効果が期待できます。
老廃物の排出
コーヒーには利尿作用があります。頻繁に排尿することで、体内の老廃物などを排出する効果も期待できるでしょう。
リラックス効果

コーヒーに含まれるカフェインは興奮作用を持つ物質です。一方で、種類によってコーヒーは高いリラックス効果を持つことが最近の研究で明らかになってきています。
特に、ブルーマウンテンやグアマテラなどのコーヒー豆には、コーヒーそのものや香りに高いリラックス効果があると言われています。また、焙煎方法によっても違いがあり、深炒りのものほどリラックス効果が高いそうです。
生活習慣病の予防
コーヒーにはポリフェノールも含まれています。ポリフェノールは抗酸化作用を持ち、体内の老化を促す活性酸素を抑制する働きがあります。これらの働きにより、生活習慣病の予防効果も期待できるでしょう。
集中力の向上

眠気が出てしまうと集中力は低下してしまいます。コーヒーによって眠気を覚ますことで、集中力の向上効果も期待できるでしょう。
【コーヒーを飲んでも眠くなる】眠気覚ましが効かない人の特徴
普段からコーヒーを飲んでいる人のなかには、「コーヒーを飲んでも眠気が収まらない」「コーヒーを飲むと急に眠くなる気がする」なんて人もいます。
コーヒの眠気覚ましが効かない人は以下のような特徴を持つ人が少なくありません。眠気が覚めない理由についてもみていきましょう。
【コーヒーで眠気が覚めない人の特徴その1】砂糖をたくさん入れる

コーヒーに砂糖をたくさん入れて飲む人や、日頃から微糖・加糖などのコーヒーを選ぶ人は、眠気覚ましの効果を感じにくい傾向にあります。
それは、コーヒーに含まれている砂糖によって血糖値が急激に上昇してしまうためです。
人間は糖質を血液中でブドウ糖に分解し、脳に送り届けます。ブドウ糖は脳の活動のために欠かす事のできない栄養素です。しかし、血液中の糖質量が急激に上昇すると血管を傷めてしまったりさまざまな病気や肥満を引き起こしてしまうことから、体内では血糖値を一定に保とうとする働きがあります。
血糖値が急激に上昇すると、抑制のために血糖値を下げる働きを持つインシュリンが分泌されます。急激な血糖値上昇に合わせてインシュリンが働き過ぎてしまうと、ブドウ糖への分解や吸収まで阻害されてしまうのです。
これにより、脳はブドウ糖不足となって疲弊し眠気を引き起こしてしまいます。
【コーヒーで眠気が覚めない人の特徴その2】一気飲みする
眠気を覚ますために少しでも早くコーヒーを飲みたい気持ちも分かりますが、一気飲みも眠気が覚めない原因のひとつです。
ブラックコーヒーや超微糖などの、糖質が少ないコーヒーであっても、一気飲みすれば血糖値は急激に変化します。
これによって、砂糖がたっぷり入ったコーヒーを飲んでいる時と同じ現象が体内で起こり、眠気を引き起こしてしまうのです。
【コーヒーで眠気が覚めない人の特徴その3】日頃からカフェインを大量に摂取している
カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶やチョコレート、緑茶などにも多く含まれています。コーヒーに限らず、他の食べ物や飲み物からカフェインを大量摂取していると、カフェインを摂っても眠気が覚めにくくなります。
日頃からカフェインによって眠気を覚ましていると、身体に蓄積した疲労を解消するため体内ではアデノシン受容体が増殖します。これによってアデノシンは受容体と結合しやすくなり、カフェインを摂っても眠気が覚めなくなってしまうのです。
眠気覚ましのコーヒーはいつ飲むといいの?おすすめのタイミング

より効果的に眠気覚ましをするなら、コーヒーを飲むタイミングも重要です。続いては、眠気覚ましに効果的なコーヒーを飲むタイミングを紹介していきます。
昼寝をする前に飲む
コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果は個人差があるものの、摂取から約30分後に作用するケースが多いと言われています。そのため、昼寝をする前にコーヒーを飲めば、約30分後には覚醒効果が働きスッキリと目覚めることができるでしょう。
コーヒーを摂取して眠気を覚ましても、身体が疲労しているという事実は変わりません。そのため、昼寝で疲労を軽減しコーヒーの効果ですっきりと目覚めれば、スッキリと眠気を撃退できます。
ストレスを感じにくい時間帯に飲む
カフェインの覚醒作用はストレスに影響されやすいことが分かっています。ストレスホルモンが多く分泌されていると、カフェインの眠気覚まし効果は発揮しにくくなるのです。
そのため、1日のなかでストレスホルモンの分泌量が低下する時間帯にコーヒーを飲めば、眠気を感じにくく過ごせるようになるでしょう。
一般的に午前10時頃と午後3時頃は、ストレスホルモンの分泌量が低下しやすい時間帯と言われています。午前と午後に分けてコーヒーブレイクをとるのであれば、午前10時と午後3時を目安にすると、効果的に眠気覚ましの効果を得られるでしょう。
眠気覚ましに効果的なコーヒーの飲み方

コーヒーの眠気覚まし効果や飲むタイミングなどについて分かってきた所で「結局どんなコーヒーを飲むのが眠気覚ましに一番効くの?」と思っている人も多いでしょう。
結論から言うと「ドリップでいれた浅煎りのホットブラックコーヒー」が、眠気覚ましには最も効果的です。
カフェインは加熱処理によって壊れやすく、加熱時間の短い浅煎りコーヒーの方が多くのカフェインを含んでいます。さらに、抽出時間が長い程、豆から多くのカフェインが抽出されるため、インスタントコーヒーに比べるとドリップコーヒーの方がカフェイン含有量が多いです。
その他、温かい飲み物は吸収されるスピードが早いため、ホットコーヒーにすれば素早くカフェインを吸収できるでしょう。糖質を抑えたブラックコーヒーをゆっくりと飲めば、血糖値の上昇を抑えながら効果的にカフェインを摂取し眠気を覚ますことができます。
眠気覚ましにコーヒーを飲む際の注意点
コーヒーはさまざまな効果が期待でき、仕事や勉強の妨げになる眠気を解消してくれます。しかし、飲み方を間違えると、身体に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。
続いては、眠気覚ましにコーヒーを飲む人が知っておくべき注意点について紹介します。
カフェインの摂り過ぎは悪影響を及ぼすことがある
眠気を覚ましてくれるカフェインには、興奮作用や血管の拡張作用があります。そのため、過剰に摂取し過ぎると、動悸や血圧の上昇などを引き起こすこともあり、身体にとって悪影響を及ぼすことがあるのです。
また、カフェインには中毒性があり、日頃から過剰摂取していると中毒症状が現れる危険性もあります。
日本では、妊婦に対してコーヒーの摂取量を1日2杯程度までに制限するよう注意喚起していますし、カナダ保健省では健康な成人の場合1日3杯程度までを目安にするよう呼びかけています。
正常な範囲であれば特にコーヒーを飲んでも健康に問題はないため、これらの摂取量を目安としてみてください。
コーヒーで覚ました眠気は解消される訳ではない
眠気は脳が身体の疲労を感じ取って休息による回復を計ろうして起こる生理現象です。コーヒーによって眠気が覚めても、体内に蓄積した疲労が解消されている訳ではありません。
結果、カフェインの効果が切れると疲れが押し寄せて強い眠気を感じるケースもあります。コーヒーの眠気覚ましと仮眠をバランスよく摂り入れて疲労を蓄積させないことが大切です。
夕方以降にコーヒーを飲むと睡眠を妨げることがある

カフェインの効果は3~4時間程持続すると言われています。そのため、夕方以降にコーヒーを飲むと、身体にとって大切な主睡眠を妨げてしまう恐れがあるでしょう。
効果の持続時間は年代による違いや個人差も大きいため、就寝時刻の6時間前にはコーヒーの摂取を控えるのがおすすめです。
コーヒーの他にもカフェインを含む食べ物・飲み物がある

コーヒーの眠気覚まし効果はカフェインによるものですが、カフェインはさまざまな食品に含まれています。過剰摂取になりすぎないよう、コーヒーを飲む時には他のカフェインを含む食品とのバランスを考えることも大切でしょう。
コーヒー | 100mlあたり60mg |
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紅茶 | 茶葉5gで100mlあたり30mg |
玉露 | 100mlあたり160mg |
ほうじ茶 | 100mlあたり20mg |
エナジー飲料 | 1缶あたり200~300mg(製品による) |
ダークチョコレート | 100gあたり80mg |
ミルクチョコレート | 100gあたり20mg |
エナジードリンクやチョコレートに関しては、製品によってカフェイン含有量に差があります。コーヒーで眠気覚ましをした後に飲食をする際は、カフェインの過剰摂取にならないよう食品のカフェイン含有量をチェックしてみるのがおすすめです。
まとめ
コーヒーの眠気覚まし効果について解説してきました。仕事や勉強に集中したい時に最適なコーヒーですが、効果的な飲み方をしないと眠気覚ましの効果が得られないことが分かりましたね。
眠気は身体からの休息のサインです。コーヒの覚醒効果に頼るのもよいですが、適切な休息と上手に組み合わせてみてください。