大豆ミートはまずい?おいしく食べる調理法とメリット・デメリットを解説
お肉の代用食品として注目されている大豆ミート。大豆特有の風味があり、モソモソとした食感なのでまずいと感じる方もいるかもしれません。しかし下処理を丁寧に行い、下味をしっかりとつければ大豆ミートをおいしく食べることができます。
大豆ミートにはさまざまな栄養成分が含まれているので、ダイエットや健康に適している食品です。本記事では大豆ミートの特徴やまずいと言われる原因、おいしく食べる方法について紹介します。
この記事でわかること
- 大豆ミートには大豆独特の風味がある
- 下処理や下味をつければおいしく食べられる
- 形状別に3種類の大豆ミートがある
- 大豆ミートは栄養価が高くダイエットにも向いている
大豆ミートとは?大豆でできたお肉の代用食品
大豆ミートとは、お肉のような味や見た目の大豆製品のことを言います。お肉の代用食品としても扱われ、たんぱく質が多く含まれており、牛や豚などの通常のお肉と比べても栄養価に大差ありません。お肉の代用食品としても扱われ、たんぱく質が多く含まれており、牛や豚などの通常のお肉と比べても栄養価に大差ありません。
大豆ミートは大豆の油分をしぼった「大豆かす」を加熱・加圧して作られています。抽出したたんぱく質を繊維状にして仕上げており、食感もお肉に近いです。
また大豆ミートには「植物性100%の大豆ミート」と「動物性食品を含む大豆ミート」の2種類があります。植物性100%の大豆ミートは食感がパサパサしているものの、より環境にやさしく、ヴィーガンに対応している食品として扱われます。一方で、卵や乳製品などの動物性食品を使用している大豆ミートは、植物性100%のものと比べてパサつきが少なく、見た目も味もよりお肉に近いことが特徴です。
大豆ミートはまずい?まずいと言われる3つの原因
中には「大豆ミートはまずい」という噂を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
大豆ミートがまずいと言われる原因
- 大豆ミートには独特の香りがある
- 下処理・下味に失敗している
- お肉の食感ではない
原因1.大豆ミートには独特の香りがある
大豆ミートには牛肉や豚肉などにはない、大豆独特の香りがあります。大豆をそのまま食べたときのような豆っぽさが特徴的です。そのためお肉と同じ感覚で食べようとすると、どうしても風味が気になって「まずい」と感じてしまうかもしれません。
独特の香りを取り除く調理法で食べるのが大切です。
原因2.下処理・下味に失敗している
大豆ミートをまずいと思う主な原因が、手料理の時に下処理・下味に失敗していることです。下処理をせずに、他のお肉と同じようにそのまま料理に使うと、大豆の風味が残ってまずいと感じやすいです。
また大豆ミートの種類によっては、下味がしっかりついていないとおいしくないと感じてしまいます。醤油や酒などの調味料を使用して下味をつけておくのが、大豆ミートをおいしく食べるポイントです。
原因3.お肉の食感ではない
大豆ミートはお肉のような食感ですが、お肉と比べるとどうしても食感がモソモソとしています。もちろん大豆ミートの種類や調理法にもよりますが、「お肉と同じ食感」と思って食べると、食感が気になってまずいと感じてしまうかもしれません。
大豆ミートをおいしく食べる調理法とは?
食感がモソッとしていて独特な香りがある大豆ミートですが、調理法によってはおいしく食べることもできます。
大豆ミートをおいしく食べる手順
- 湯戻しする
- 丁寧に水洗いする(大豆独特の風味を取り除く)
- 下味をしっかりつける
大豆ミートは下処理として湯戻しと水洗いを行います。水洗いで大豆の風味が緩和されるので、大豆特有の臭みを取り除くためにも、何度か水洗いを繰り返すことが大切です。
その後、下味はしっかりめにつけましょう。調理法によっても異なりますが、醤油や酒、生姜、にんにくなどを使うと臭みを消しやすいです。回鍋肉やそぼろなど、味付けがはっきりしている調理法だと臭みが気になりにくく、おいしく大豆ミートを食べることができます。
また上記の下処理・下味をしっかり行っても、本物のお肉とは食感や味が異なります。脂質も少なくあっさりとした味わいなので「お肉とは違う」と感じるかもしれません。逆に言えば大豆ミートはヘルシーさが特徴なので、お肉ではない新しい食品として味わうことも大切です。
大豆ミートは3種類ある!特徴とおすすめ調理法を紹介
大豆ミートは形状別に大きく3種類に分けられます。それぞれの特徴とおすすめの調理法は次の通りです。
形状・特徴 | おすすめの調理法 | |
---|---|---|
ブロックタイプ | ブロック状の大豆ミート (少し大きめ) |
唐揚げや酢豚などにおすすめ |
フィレタイプ | 薄く平べったい大豆ミート | 生姜焼きや照り焼きなどにおすすめ |
ミンチタイプ | ミンチ状でパラパラとした大豆ミート | ハンバーグやミートソース、 そぼろなどにおすすめ |
大豆ミートは調理法にあわせて種類を選びましょう。
また大豆ミートは用途別に種類が分けられることがあります。水・お湯に戻して使用する「乾燥タイプ」のほか「レトルトタイプ」「冷凍タイプ」もあり、用途に応じて使い分けることが可能です。
大豆ミートの3つのメリット
大豆ミートはあくまでも大豆製品です。そのため味わいや食感は本物のお肉に劣ってしまいます。しかし大豆ミートはお肉にはないさまざまなメリットがあります。
大豆ミートのメリット
- 低カロリーでダイエットに適している
- 栄養価が高い
- 長期的に保存できる
大豆ミートのそれぞれのメリットについて、深掘りして紹介していきます。
メリット1.低カロリーでダイエットに適している
大豆ミートは低脂質・高たんぱくの食品です。牛肉や豚肉と比べてカロリーが低いにも関わらず、たんぱく質は同等の量が含まれています。そのため、普段食べている牛肉や豚肉、鶏肉を大豆ミートに置き換えることでダイエット効果が期待できます。
大豆ミートとお肉のカロリー
- 大豆ミート(乾燥):360kcal / 100g
- 牛肉:371kcal / 100g
- 豚肉:386kcal / 100g
- 鶏肉:200kcal / 100g
乾燥した大豆ミートは水・湯で戻して食べるのが一般的で、おおよそ3倍の量となるため、実際に食べる100gあたりのカロリーは「約120kcal」ということになります。お肉の部位によっても細かいカロリーは異なりますが、牛肉・豚肉・鶏肉よりも大豆ミートのカロリーは低いことがわかります。
メリット2.栄養価が高い
大豆ミートには栄養価が高いというメリットがあります。特に注目すべき栄養成分には以下があります。
栄養成分 | 説明 |
---|---|
たんぱく質 | たんぱく質は、筋肉などを構成する人間の体には欠かせない栄養素です。 大豆ミートには牛肉よりも多くのたんぱく質が含まれています。 |
食物繊維 | 食物繊維には整腸効果などが期待できます。 大豆ミートには、キャベツの3倍以上もの食物繊維が含まれています。 |
ミネラル | ミネラルはカリウムやカルシウムなど、さまざまな栄養素の総称です。 カリウムにはむくみを取り除く作用があり、カルシウムは骨や歯を構成する重要な成分です。 |
ビタミンB群 | ビタミンB群は、糖や脂肪の代謝をサポートするはたらきがあります。人間が生きるために必要なエネルギーを作ってくれる成分です。 大豆にはビタミンB1やB2、B6が含まれています。 |
大豆イソフラボン | 大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似たはたらきをする成分です。 更年期障害などの予防につながると考えられています。 |
そのほかにも、大豆ミートには「大豆サポニン」や「ビタミンK」「ビタミンE」などさまざまな栄養成分が含まれています。
また大豆ミートは、コレステロールがほとんど含まれていないことも特徴です。コレステロールは脂質の一種で、過剰摂取すると肥満や動脈硬化など、生活習慣病を招く原因となる成分です。コレステロールがほとんどない大豆ミートは、健康に良い食品となります。
以下の記事では大豆の栄養成分や大豆イソフラボンの効果、大豆の食べ過ぎによる副作用について解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
メリット3.長期的に保存できる
乾燥タイプの大豆ミートは、長期的に保存できるというメリットがあります。牛肉や豚肉、鶏肉は冷蔵保存しても長持ちはしません。数日すれば腐敗して食べられなくなります。
それに対して大豆ミートは、製品によっても異なりますが常温で1年間保存することができます。保存しておけばいつでも使えると同時に、非常時にも活躍する食品です。お弁当のおかずとしても向いています。
大豆ミートにデメリットはある?イソフラボンの過剰摂取に注意
大豆ミートは栄養面でも保存面でもメリットの多い食品です。一方で、過剰摂取には注意しなければいけません。
大豆ミートに含まれる大豆イソフラボンには、更年期障害を予防する作用のほか、美肌へ導いたり髪のツヤ・ハリを保ったりするはたらきがあります。適量摂取すれば健康に良い影響をもたらしますが、過剰摂取するとホルモンバランスの乱れにつながり、肌荒れなどの副作用を起こす可能性があります。
栄養が豊富で健康に良いからといって、大豆ミートを食べ過ぎるのはよくありません。お肉を大豆ミートに置き換えるなど、普段の食生活にバランスよく取り入れましょう。
そのほかにも、大豆ミートの中には添加物を多く含む製品があり、お肉よりもコストがかかりやすいというデメリットもあります。
大豆ミートはそのまま食べてもいい?製品によって異なる
大豆ミートは、そのまま食べられるものとそうでないものがあります。基本的にレトルトタイプは加熱せずにそのまま食べることが可能です。乾燥タイプもそのまま食べることは可能ですが、硬くて食べづらいので水・湯で戻して調理して食べるのが一般的です。
たとえばマルコメ社の「大豆のお肉 乾燥タイプ」は調理を前提とした製品で、「大豆のお肉 レトルトタイプ」はそのままお肉の代わりに食べられる製品となっています。ミンチタイプやフィレタイプなどの種類があるので、用途に合わせて使い分けることができます。
そのほかメーカーによって大豆メーカーの種類や食べ方が異なるので、市販の大豆ミートを食べる際は必ず製品に記載されている食べ方をチェックするようにしましょう。
まとめ
まずいと言われることのある大豆ミート。しかし、下処理や下味をしっかり行って、大豆独特の風味を取り除けば、おいしく食べることができます。
大豆ミートには大豆イソフラボンをはじめ、健康に良い栄養成分が豊富に含まれているので、ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。