卵の殻や黄身の色に違いがあるのはなぜ?色が濃いほどおいしいの?

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卵を割った時に赤みの強い黄身が出ると「新鮮な卵だ」と思ったことはありませんか?赤い黄身は濃厚で美味しく、黄色の黄身は鮮度が低いのでしょうか?

これは大きな間違いです。

卵は日常的に使う食材ですが、誤った認識を持っている人が少なくありません。今回は卵の黄身の色による違いや殻の色、中身の違い、新鮮な卵の選び方などを紹介します。

    この記事でわかること

  • 卵の黄身の色は餌に含まれる色素によって変わる
  • 黄身や殻の色が違っても栄養や味に影響しない
  • 新鮮な卵は水に沈む
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「美味しい卵は黄身が赤い」は間違い?

「美味しい卵は黄身が赤い」は間違い

スーパーなどで何気なく購入した卵の黄身が赤々としているのを見て「美味しそうな卵だな」と思ったことはありませんか?実際に食べてみて「美味しかった」という人もいるでしょう。

しかし、それは本当に黄身が赤かったから美味しかったのでしょうか?

実は、卵の美味しさと黄身の色は無関係であることが分かっています。

卵の黄身の色が違うのはカロテノイドという色素が関係している

卵の黄身の色が違うのはカロテノイドという色素

一般的に流通している卵は大きく分けて黄色系と赤色系があります。これらの違いはカロテノイドという色素の量に関係しています。

カロテノイドはトマトやニンジンなどに含まれる色素で、自然界ではフラミンゴやロブスターなどの赤色もカロテノイドの影響を受けています。カロテノイドは味や栄養価に影響を与える成分ではないため、カルテノイドを多く含む赤色の黄身、あまり含まない黄色の黄身も味や栄養に差はありません。

卵の黄身の色の違いはどんな要因で現れるものなの?

卵の黄身の色の違いはどんな要因で現れるものなの?

卵の黄身の色は、主に親鳥の品種や食べる餌によって変わります。黄色い色素を多く持つ餌で鶏を飼育すれば黄色の黄身を持つ卵が生まれますし、赤色の色素を多く持つ餌で鶏を飼育すれば赤色の黄身を持つ卵が生まれるでしょう。

ちなみに、一般的に流通している赤や黄色の他、レモンイエローや白など、品種や餌によってさまざまな黄身を持つ卵があります。

卵の黄身の色による餌の違い

卵の黄身の色は餌の影響を受けることが多いです。
続いては、さまざまな色の黄身を育む餌について見ていきましょう。

黄色

たまごの黄身:黄色

黄色の黄身を持つ卵は、とうもろこしをメインの餌として与えられている鶏から多く産まれます。とうもろこしに含まれる黄色い色素(ルテイン)が、親鳥を介して卵の黄身の色を形成しています。

薄黄色・レモンイエロー

たまごの黄身:レモンイエロー

卵の中には薄い黄色をしたレモンイエローの黄身を持つものもあります。

これは緑餌を多く与えられて育った鶏から産まれた卵によく見られます。緑餌とは、餌として生草を与えることです。

緑餌にはさまざまな草を与えますが、野菜などの他たんぽぽなどを与えることもあるようです。生草に含まれるキサントフィルという色素が多く卵に移ると、黄身は薄い黄色やレモンイエローになります。

オレンジ色・赤色

たまごの黄身:オレンジ

オレンジ色や赤色に近い色をしている卵の黄身はカロテノイドが関係しています。カロテノイドはパプリカやマリーゴールドなどに多く含まれており、これらを餌として与えられた親鳥からはオレンジ色や赤色の黄身を持つ卵が産まれやすいです。

白色

卵の黄身は黄色や赤色だけではありません。なかには白い黄身を持つ卵もあります。

白い黄身は、黄色の色素も赤色の色素も持たない餌で育てられた鶏から産まれた卵に多くみられ、主な餌は米を用いているそうです。最近はブランド卵として販売されているものも増えてきました。

【殻・大きさ・模様】さまざまな卵の違い

卵の黄身の色によって味や栄養に違いが無いことは分かりましたが、他にも殻の色や大きさなどさまざまな違いがあります。続いては、それぞれの卵の違いについてみていきましょう。

殻の色による違い

殻の色による違い

卵には赤褐色の殻を持つ「赤玉」と白い殻を持つ「白玉」があります。

卵の黄身が餌によって変わるなら、殻も同じく餌によって色が変わるのかと思いがちですが、これは大きな間違いです。卵の殻は親鳥の品種によって異なります。

一部では「親鶏の羽の色が茶色だと赤玉、白いと白玉が産まれる」なんて言われることもありますが、これも間違いです。関係しているのは親鳥の羽の色ではなく品種によるもの。たまたま茶色の羽を持っている鶏が赤玉を産む品種だったということです。

地中海の固有種とされる鶏は多くが白玉を産むと言われています。その中には、帯緑黒色羽毛の品種や藍灰色羽毛の品種も存在していますが、産まれる卵は全て白玉です。

また、卵の殻の色による違いはほとんどないため、味や栄養に差はなく完全に見た目の違いのみだと言えるでしょう。

卵の大きさによる違い

卵の大きさによる違い

卵にはL玉(大玉)やM玉(小玉)など、大きさにも違いがあります。大きい方が成熟して栄養もありそうなイメージですが、これも誤解です。

卵の大きさが違っても、鮮度や味、栄養などは特に変わりません。

卵の大きさを決めるのは鶏の年齢です。一般的に若鶏は小さい卵を、年齢を重ねた鶏は大きい卵を産む傾向にあります。卵の味や黄身の色、栄養などは餌や環境によって異なるため、同じ養鶏場で育てられた鶏は若鶏から年齢を重ねた鶏まで、大きさの異なる同じ要素を持つ卵を産みやすいでしょう。

有精卵と無精卵の違い

有精卵と無精卵の違い

一般的に流通している卵の多くは受精をしていない無精卵ですが、稀に受精している有精卵を販売している場面に出くわすこともあります。

この際、有精卵の方が栄養豊富だというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?

実は、無精卵も有精卵も卵としての栄養や味に違いはありません。しかし、有精卵として販売するためには平飼い、もしくは放し飼いで自然交配させる必要があるため、環境の違いによって味や栄養の差が出ることはあります。

また、平飼いや放し飼いにするには、広大な養鶏場や飼育の手間もかかるため有精卵は比較的高値になることが多いです。

殻の模様による違い

殻の模様による違い

卵をよく見てみると、そばかすのような模様がついているものがあります。この斑点模様は餌や環境、品種に関係なく個体差によって付くものと考えられています。

そのため、味や栄養などに関する違いはないでしょう。

青い殻の卵があるって本当?

青い殻の卵「アローカナ」

卵は赤玉や白玉の他、赤玉を産む品種と白玉を産む品種を掛け合わせた鶏からピンク色の卵が産まれることもあります。実は、その他にも青色の卵を産む鶏がいることをご存知でしょうか。

チリ原産の鶏であるアローカナは青い卵を産む鶏として知られています。青い卵と言っても、真っ青な卵を産む訳ではありません。アローカナの卵の殻は薄い緑色やほんのりと青みがかった色をしているのが特徴です。これは、胆汁に含まれる色素が影響していると考えられています。

殻は青色ですが、割ってみれば中身は普通の卵です。

こんな黄身や白身は食べられる?卵にまつわる疑問

卵を食べようと割ったところ、黄身が2つあったり赤い血の塊のようなものがついていたりする経験のある人も多いのではないでしょうか?

変わった卵を目の当たりにすると「このまま食べても大丈夫かな?」と不安になりますよね。続いては、卵の黄身や白身にまつわる違いなどについて紹介します。

黄身が2つある

黄身が2つある

いわゆる双子の卵です。排卵リズムが安定しない鶏から産まれることが多いですが、特に味や栄養には影響しないため、そのまま食べられます。

赤い血の塊が付いている

黄身の部分に付いている赤い血の塊をブラッドスポットと言います。これは、卵が卵管を通る際に起きた親鳥の出血が卵の中に混じってしまって起こるものです。

特に食べても害はありません。

茶色の屑が入っている

割ったばかりの卵に茶色の木屑に似た欠片が混入することがあります。これはミートスポットと呼ばれ、殻の色素粒子や卵殻膜などが集まって沈殿しているものです。

比較的赤玉の卵に多く見られますが、そのまま食べても害はありません。

白身が濁っている

白身が透明ではなく、濁って白っぽくなっているのは新鮮な卵の証拠です。卵の中には炭酸ガスが入っており、産まれてから段々と殻を通ってガスは抜けていきます。

そのため、本来は白く濁っている白身は日が経つに連れて透明になっていくのです。

卵の白身は透明なイメージが強いですが、まだ白みがかって濁りのある白身を持つ卵はとても新鮮なので、ぜひそのまま召し上がってください。

【殻や黄身の色は関係ない】新鮮で美味しい卵の特徴4つ

新鮮で美味しい卵の特徴4つ

卵には、殻や黄身の色、大きさなどさまざまな違いがあることが分かりました。しかし、殻や黄身の色などで味や栄養に違いがないなら、どういった卵を選べばいいのか判断するのが難しいですよね。

最後に、新鮮で美味しい卵に見られる4つの特徴を紹介します。ぜひ、新鮮で美味しい卵を選ぶときの参考にしてみてください。

光にかざすとが中が透けて見える

新鮮な卵を殻の状態で見比べる際は、卵を光に透かしてみてください。

新鮮なほど、中身が透けて白身と黄身が分離して見えます。

一方、鮮度が落ちた卵は白身の色が悪くなってしまいはっきり黄身との境界が見えにくくなってきます。

食塩水に入れると沈む

新鮮な卵の中には炭酸ガスが満たされています。卵の中の炭酸ガスは殻にある気孔を通って抜けていき、代わりに中に空気が入ってくるようになっているのです。

炭酸ガスは空気よりも重いため、新鮮な卵は沈み古い卵は浮きやすくなります。しかし、水道水などは浮力が効きにくいため、違いが分かりにくいかもしれません。

そこで、食塩水を作って沈めてみる方法がおすすめです。食塩水は浮力が強いため、新鮮な卵は沈み古い卵は浮きやすいでしょう。

黄身が膨らんでいる

割った卵が新鮮か調べる時には、黄身の膨らみを確認してみてください。炭酸ガスを含んだ新鮮な卵の黄身はふっくらと大きく膨らんでいるため、白身の上に盛り上がって見えます。

反対に鮮度の落ちた卵は炭酸ガスが抜けて、ぺちゃっと潰れたような形になります。

白身に弾力とまとまりがある

割った卵はぜひ平たいお皿に出してチェックしてみてください。新鮮な卵は中に含まれる炭酸ガスの作用で白身に弾力があり、一カ所にまとまって留まります。

しかし、鮮度の落ちた卵は重力によって広がっていくため一目で分かりやすいでしょう。

まとめ

卵の黄身や殻の色の違いや、中身の違い、新鮮な卵の特徴などを紹介してきました。卵は私達の身近な食材であるからこそ、正しい知識で本当に美味しく新鮮なものを選びたいですね。

ぜひ、今回紹介した内容をもとに、美味しくて新鮮な卵を探してみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!