日ハムの新球場エスコンフィールドの魅力とは?場所やアクセス方法・球場問題の顛末も
2023年に開業した日ハムの新球場・エスコンフィールドHOKKAIDO。併設されている北海道ボールパークFビレッジも同時開業し、北海道の新たな新名所として人気のスポットになっています。
エスコンフィールドHOKKAIDOは、北海道民だけでなく道外からの観光客や全国各地の日ハムファンからも注目され、連日大盛況を見せています。
今回は、エスコンフィールドHOKKAIDOおよび北海道ボールパークFビレッジの場所やアクセス方法、魅力なども徹底解説。人気の理由や新球場で発覚した球場規格違反問題の顛末についても紹介しています。
日ハムファンやエスコンフィールドHOKKAIDO、北海道ボールパークFビレッジに興味のある方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
※球団が推奨する略称は「ファイターズ」ですが、北海道民の慣用等から本記事では“日ハム”の略称を使用しています
この記事でわかること
- 日ハムの新球場はエスコンフィールドHOKKAIDO
- ボールパーク型の総合エンターテイメント施設「北海道ボールパークFビレッジ」も併設
- 北海道ボールパークFビレッジは野球観戦しない人も入場できる
- ファウルゾーン問題は球場の改修なしで継続使用することになった
日ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」とは
日ハムの新球場は、北海道北広島市に2023年に開業された「エスコンフィールドHOKKAIDO」です。球場以外にもさまざまなショップやアクティビティが入る複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」も併設され、北海道の新たな人気スポットになっています。
エスコンフィールドHOKKAIDOは、スタジアムに日本初の開閉式屋根が付いた天然芝のボールパークとして話題です。開閉式屋根のため、試合の雨天中止を防ぐことができ、グラウンドに敷かれる天然芝をよい状態で保つことにも繋がります。
収容人数は3万5,000人で、開閉式屋根付き球場としては国内最大の収容人数を誇る福岡PayPayドームに続く大型球場となり、プレイヤーとファン両方の高い満足度を実現する施設として、他球団からも注目を集めています。
場所
ボールパークFビレッジの住所は、北海道北広島市Fビレッジ266(旧:北海道北広島市共栄266)に位置するきたひろしま総合運動公園内です。
JR北広島駅に比較的近い場所に建設されており、近隣の交通環境をよくするために市道共栄南1号線が新設拡張されています。電車だけでなく、車でも気軽に訪れることのできる環境です。
また、2023年1月からボールパーク周辺の住所が「北広島市共栄」から「北広島市Fビレッジ」に変更されました。
北広島市では、わかりやすい街づくりを目指しており、市街化区域において住居を分かりやすく表示できるよう、このような取り組みを行っているそうです。
アクセス方法
エスコンフィールドHOKKAIDOおよびボールパークFビレッジへのアクセスには、車や電車が利用可能です。
車なら道路の新設により、札幌から約30分。新千歳空港から約30分の距離です。
電車の場合は、JR北広島駅まで札幌からは16分、新千歳空港から20分と楽にアクセスできることでしょう。
日ハムの新球場ができる北広島市ってどんなところ?
日ハムの球場移転で話題になった北広島市ですが、他府県民の中には「広島(県)?日ハムなのに?」なんて思った人もいるのではないでしょうか?北広島市は北海道の道央エリアにあり、札幌市の隣に位置しています。
北海道開拓の父として有名な偉人、クラーク博士が「少年よ、大志を抱け」の名言を残した場所としても知られており、緑豊かな町です。
北海道で初めて稲作を行ったのは北広島市で、農業開拓の礎となった土地といってもよいでしょう。国指定史跡である旧島松駅屯所やクラーク博士記念碑などの歴史的価値のある建設物や特別天然記念物に指定されている野幌(のっぽろ)原始林などもあります。
ちなみに、「どうして北海道なのに北”広島”市なの?」と疑問を感じる人も多いですが、実はこれには理由があります。北海道開拓が始まった際に広島県民の入植があり、移住者にちなんで当初は「札幌郡広島市」と命名されたんだとか。しかし、広島県広島市と混同する恐れがあるため、即日「北広島市」に改名したことが記録として残っています。
日ハムの新球場の人気は?
2024年4月時点で開業1周年を迎えた日ハムの新球場エスコンフィールドHOKKAIDOおよび北海道ボールパークFビレッジですが、実際の人気具合はどうなのかも気になりますよね。
開業半年で1年間の来場者目標数を達成
同施設の開業前に発表された1年間の来場者数目標は300万人でしたが、2023年9月末日までには来場者数が303万人を達成しています。第一期の決算では、日ハムを所有する日本ハム株式会社のボールパークその他事業において同期比+76.0%、事業利益25億円と発表されました。
これらの数字から、開業前の予想を遥かに超える大盛況であることが伺えます。
3割は野球観戦をしない利用者
日ハムのホームスタジアムということもあり「野球観戦をしたい訳じゃないけど、北海道ボールパークFビレッジに行ってもいいのかな?」と思う方も多いのではないでしょうか。
実は、施設利用者全体のうち、野球を観戦していない人は33%にものぼっています。北海道ボールパークFビレッジは、北海道の新名所としても注目されているため、野球観戦を目的としない入場者も多いです。さまざまなジャンルの娯楽施設がある北海道ボールパークFビレッジは、今や北海道の人気観光スポットのひとつとして多くの人が訪れています。
日ハムファン以外も注目するボールパークFビレッジの魅力5つ
エスコンフィールドHOKKAIDOが入るボールパークFビレッジですが、「ボールパーク」とはあまり聞き慣れない言葉ですよね。
日本でボールパークの先駆けとなったのは東北楽天イーグルスの本拠地である楽天生命パーク宮城です。球場だけでなく遊園地などを併設し、野球ファン以外も楽しめる総合エンターテイメント型の球場として人気を博しています。
ボールパークFビレッジは、楽天生命パーク宮城のボールパーク構想をとりいれ、さらに幅広い年代や多様な趣味、趣向を持つ人に楽しんでもらえる施設を含む総合エンターテイメント施設です。
続いては、北広島市の人気スポットであるボールパークFビレッジの魅力を紹介していきます。
魅力その1.全国のグルメが集結する「七つ星横丁」
ボールパークFビレッジでは誰でも気軽に立ち寄れるグルメエリア「七つ星横丁」が展開され、北海道、東京、横浜、大阪などを代表する名店10店舗が軒を連ねています。
現在出店されているのは以下の10店です。
- 【イタリア郷土料理】マンマパルマ
- 【居酒屋】銀座 三州屋
- 【焼き鳥居酒屋】IZAKAYAとぽす
- 【焼肉・韓国料理】羅山
- 【餃子・中華料理】大連餃子基地DALIAN
- 【寿司】天金
- 【貝料理専門店】焼貝あこや
- 【ラーメン】麺屋 優光
- 【焼き菓子】ABCDEfG~タケシとQUONのお菓子な関係~
- 【たこ焼き】たこ焼き道楽 わなか
エリアは昭和レトロをイメージしており、会社帰りにフラッと立ち寄りたく魅力があり、野球観戦をしなくてもグルメを楽しむことができます。ただし、野球のオフシーズン中や野球の試合がない日は七つ星横丁が休業になることもあるため、営業状況を事前に確認しておくのがおすすめです。
七つ星横丁の詳細はこちら魅力その2.球場なのに子どもも楽しめる日本最大級の遊び場エリア
野球が好きな子どもにとって球場は憧れの場所ですが、それ以外の子どもにとっては行く機会のない場所でしょう。2~3時間続く長い野球の試合を観戦していても子どもは飽きてしまいますし、座って野球を見ているよりも身体を動かして遊びたいという子どもが多いです。
ボールパークFビレッジには、知育玩具の輸入販売会社として有名なボーネルンドとパートナーシップ契約を結び開業した「リポビタンキッズ PLAYLOT by BorneLund」があります。
ボーネルンドは屋内型の遊び場施設「キドキド」などを運営していますが、北海道には未上陸です。札幌市内などにある販売店ではプレイスペースがあるものの、大型の店舗はありません。リポビタンキッズ PLAYLOT by BorneLundは、赤ちゃんから小学生まで多様な知育玩具で頭や体を使って遊べるアクティビティです。
ちなみに、屋外でもっと激しいアクティビティを楽しみたい人には「F VILLAGE ADVENTURE PARK」がおすすめです。大型ブランコやジップラインなど、大人から子どもまで一緒にスリルを体験できると人気を集めています。
魅力その3.野球観戦しながら宿泊&入浴もできるホテル・温泉施設
ボールパークFビレッジには世界初の球場内温泉やサウナも設置されています。ホテルも併設しているため、他府県の日ハムファンは今から期待が高まりますね。
もちろん、ホテルは野球観戦以外の目的でも利用できるため、アクティビティを目当てにボールパークFビレッジを訪れる人や北広島市を中心に北海道観光を楽しみたい人にもおすすめです。
その他、ホテルや浴場には球場を一望できるエリアもあり、宿泊しながらの野球観戦や入浴しながらの野球観戦が可能。野球観戦と言えばスタジアムの観覧席から、という常識を覆す新感覚の野球観戦が実現します。
魅力その4.球場施設で乗馬体験ができる
野球にも宿泊や入浴にも興味がない、子どももいないという人はボールパークFビレッジで乗馬体験をしてみるのはいかがでしょうか。
エスコンフィールドHOKKAIDOにある「乗馬倶楽部銀座HOKKAIDO」は、世界最先端の乗馬シュミレーターを体験できるショップです。乗馬倶楽部銀座は2019年に東京でオープンして以来、さまざまなメディアでも紹介され、新しい乗馬の形として多くのファンを持っています。
まるで本物の馬に乗っているかのような高性能シュミレーターで手軽に乗馬体験が可能です。インストラクターが丁寧に指導してくれるので初心者でも安心して楽しめるでしょう。北海道には多くの乗馬場があるため、ここで体験して馬の魅力を感じたあとは道内にある牧場などへ本物の馬に会いに行ってみるのもおすすめです。
魅力その5.グランピング&デイキャンプ施設も併設
北海道ボールパークFビレッジには、広大な敷地を活かしたアウトドアエリアもあります。
屋外にあるアウトドアエリア「BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR(オルパ)」では、デイキャンプやグランピングが可能です。
近年人気の焚き火ができるエリアも設置されているため、気心の知れた友人と焚き火を眺めながらのんびりした時間を過ごすのもよいかもしれません。
エスコンフィールドの球場規定違反問題とは【顛末は?】
今や人気の野球スタジアムとして賑わうエスコンフィールドHOKKAIDOですが、日ハムファンをはじめ野球界が驚愕した球場規定違反問題があったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
エスコンフィールドの建設中に、同球場のファウルゾーンが日本野球機構の定める公認球場規則に違反していることが判明し、大変な騒ぎとなりました。
球場規定違反問題の内容や起きた理由は?
NPB(日本野球機構)が採用している「公認野球規則」では、本塁からバックネットまでの距離は「60フィート(18.288メートル)」と定められてますが、新球場となるエスコンフィールドでは本塁からバックネットまでの距離を「50フィート(15.18メートル)」で設計。
球場は観客が臨場感を楽しめるように客席とグラウンドが近い設計になっていましたが、約3メートルほど足りず、基準を満たしていないと指摘を受け問題が発覚しました。
この問題が起きた理由は「設計時の日米ルールの解釈の違い」とのこと。
日本の公認野球規則は、アメリカの公認野球規則「OFFICIAL BASEBALL RULES」を参考に作られておりますが、アメリカの公認野球規則には本塁からバックネット側のフェンスまでの距離は60フィート以上との記載があるものの「推奨される」と書かれており、一方、日本の公認野球規則ではこの距離が「必要」と明記されています。
アメリカでは「推奨」、日本では「必要(=義務)」とされていましたが、日米の規定の差の確認が不十分で日ハム側は義務だと思わず50フィートで設計してしまったということです。
改修工事はしない?顛末はどうなった?
問題が発覚した当時は、日本野球機構に開業後となる2025年に同スタジアムの改修工事を行うことを表明していたエスコンフィールドHOKKAIDOですが、全12球団で行う話し合いの場において改修工事無しで今後の永続的な球場使用が認められました。
実際、メジャーリーグで採用されている規定であることやファウルゾーンが狭いことで観客はより近くから野球観戦ができ、臨場感を楽しめると良い評価を示す声が多々ありました。各所で「日本の野球界を盛り合げるために、今回の改修工事は必要なのか?」という議論が巻き起こったことも影響している可能性があるでしょう。
大規模な改修工事は免れたものの違反には変わりないため、日ハムには今後の野球振興への貢献のための協力金を寄付することでペナルティが課せられました。
まとめ
日ハムの新拠点となる球場、エスコンフィールドHOKKAIDOとボールパークFビレッジについて紹介してきました。野球ファンだけでなく、さまざまな人が楽しめる総合エンターテイメント施設として、今後ますます多くの人が訪れることが予想されるスポットです。
今後もますます盛り上がりが期待されるエスコンフィールドHOKKAIDOと北海道ボールパークFビレッジから目が離せませんね。
新球場名 | エスコンフィールドHOKKAIDO ※施設全体の名前は「ボールパークFビレッジ」 |
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開業日 | 2023年3月14日 |
収容人数 | 35,000人 |
場所 | きたひろしま総合運動公園内 北海道北広島市Fビレッジ266[Google map] |
アクセス | ●JR:札幌から約16分、新千歳空港から約20分 ●車:札幌から約30分、新千歳空港から約30 |
公式サイト | https://www.hkdballpark.com/ |