新規会員登録で500円クーポン

ゲスト さん

ゆり根の旬や食べ方は?栄養や調理のポイントを解説

ゆり根の旬や食べ方は?栄養や調理のポイントを解説の画像

「ゆり根」といえば、お正月に茶碗蒸しに入っているイメージがありますが、実は全国シェア99.9%で北海道が生産量1位ってご存じでしたか?

北海道以外では、京都のごく一部で栽培されていますが、一般の食料品店に出回っているものはほぼ北海道産です。今回は北海道野菜の「ゆり根」のさまざまな情報をご紹介します!

    この記事でわかること

  • ゆり根の栽培は丸6年もかかる
  • 北海道産ゆり根の旬は冬
  • 古くから漢方としても使われている
  • 茶碗蒸しだけじゃない、ゆり根には活用法がいっぱい
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

ゆり根ってどんな食べ物?

ゆり根とは、食用となる百合の球根を指します。百合ならどんな品種でもゆり根として食べられている訳ではなく、主にヤマユリ、オニユリ、コオニユリなどの球根が食用とされています。

主要な生産地は北海道

北海道のゆり根の産地マップ

食用のゆり根は主に北海道で生産されており、全国シェア99.9%で日本一。わずかに京都府の丹波地方で作られているほか、栃木県や埼玉県、長野県など一部の県でも生産されていますが、その収穫量は少なく統計調査等においても数値は対象外となっています。

北海道内では、十勝管内や後志地方での生産が盛んです。北海道全体の収穫量は1,060tと言われており、そのうちの約4割にあたる610tがニセコエリアの真狩村で生産されています。作付面積においても北海道全体が約58ha(ヘクタール)なのに対して、真狩村の作付面積は約32.3ha(ヘクタール)。市場で出回っているもの・見かけるもののほとんどは、真狩産と言っても過言ではないくらいです。

ちなみに、北海道で生産・収獲されているのは「白銀」という品種が主流です。苦みの少ないコオニユリを交配親とした品種ですが、2017年には「白玲」という新たな品種も誕生しています。

ゆり根の旬は12月から2月頃

ゆり根の出荷時期と旬

ゆり根の旬は12月から2月頃です。おせち料理などの材料として需要が高まるため、12月頃にもっとも多く流通します。しかし、ゆり根はかぼちゃやサツマイモなどと同じように、収穫してから2~3カ月寝かせると、デンプンが糖に変わって甘みが増して美味しくなることが分かっています。北海道産のゆり根は年末にかけて収穫するので、2月頃でもまだまだ旬です。お正月を過ぎた頃のほうが美味しいものが手頃に手に入るチャンスです。

ゆり根を食用にしてるのは日本と中国だけ

北海道がシェア1位を誇るゆり根ですが、大部分は関西で消費されていると言われています。懐石料理やおせち料理として用いられることが多く、関西以外に住んでいる人のなかにはゆり根を知らないという人も少なくないでしょう。

そもそも、ゆり根を食用としているのは世界でも日本と中国だけと考えられています。

ゆり根の持つさまざまな健康効果は、中国で漢方薬として重宝され、特に滋養強壮効果が期待されることでも知られています。

ゆり根は縁起の良い食材

ゆり根は、鱗茎の部分が重なり合ってできていることから「和合(打ちとけて仲良くする様子)」を象徴する吉祥の食材として扱われてきました。

また、重なりあった鱗茎を食べることで、子宝に恵まれると考えられ、子孫繁栄を表す食材としておせち料理などにも用いられます。

ゆり根の食べ方

ゆり根がどのような食べ物なのか分かってきたものの「結局どんな風に食べられる食材なの?」という疑問を持っている方も多いでしょう。

続いては、ゆり根の食べ方について紹介します。

焼き物、煮物、和菓子など、ゆり根は調理方法によってさまざまな料理に用いられる食材です。

素揚げ

素揚げにしたゆり根は、外カリカリ中ホクホクでシンプルながら旨味が際立つ一品になります。シンプルに塩で食べたり、天つゆに付けたりと、お好みの味付けで食べてみてください。

天ぷら

ゆり根の天ぷら

天ぷらにするとホクホクとした食感とサクサクとした衣の組み合わせが美味しいです。ぎんなんやトウモロコシ、小ネギなどを混ぜてかき揚げにしても、色が入ってきれいですよ。

バター焼き

ホクホク食感が特徴のゆり根は、バターとの相性も抜群です。濃厚なバターの風味とゆり根の爽やかな甘みが調和し、子供でも食べやすい一品になります。

茶碗蒸し

定番は茶碗蒸しと煮物

ゆり根を食べる機会の多い関西の人に「ゆり根ってどうやって食べるの?」と聞くと、多くの人が茶碗蒸しと答えるのではないでしょうか。

1枚ずつばらしたゆり根を具材として入れると、ほくほくとした食感が楽しめます。ゆり根はクセがないのでどんな味付けにも合いますよ!

ゆり根の卵とじ

下茹でしたゆり根を醤油やみりんなどの合わせ調味料で軽く煮て、卵でさっととじます。めんつゆなどでも簡単に作れます。ご飯にのせてもいいですね!

ゆり根のきんとん

縁起物としておせち料理にゆり根を入れる場合、きんとんにすることも多いです。

鍋に砂糖(ゆり根の1/3の量)と、砂糖と同量の水、塩少々を入れて、水分が半分になるまで煮詰めてから、ゆり根を入れて煮ます。

ゆり根が柔らかくなったら蓋をとり、水分がなくなるまで煮詰めてください。ヘラで軽くつぶしたら、ゆり根のきんとんのできあがりです。つぶし加減はお好みで!

美味しいゆり根の選び方

ゆり根の選びかたと保存方法

全体がきれいな白色で、ころっと太っているものを選びましょう。鱗片のひとつひとつにぷっくりと張りがあり、しっかりと重なり合って、全体がかたく引き締まっているものが美味しいです。

傷や黒ずみがあったり、根が長く伸びてしまっているものは避けたほうがいいようです。特に全体に紫色がかったものは苦みが強い傾向にあるので、これも避けましょう。鱗片をばらしてパックに詰められたものも売られていますが、できればおがくずと一緒に詰められた、丸のままの物を選んだほうが新鮮です。

ゆり根の下ごしらえ方法

ゆり根は、下処理をして加熱するだけで簡単に食べることができます。

ゆり根の食べ方

  1. 水洗いする
  2. 鱗片をはがす
  3. 茶色い部分を包丁で削り取る
  4. 加熱して食べる

それぞれ順を追って解説します。

STEP1.水洗いする

ゆり根にはおがくずがついているので、まずは水洗いしておがくずや汚れを取り除きます。水を入れたボウルの中で洗うと汚れを取りやすいです。水洗いしたらざるにあげて水気を切ります。

STEP2.鱗片をはがす

外側の鱗片(りんぺん)を一枚ずつはがします。根本が見えてきて鱗片をはがしづらくなったら、根本を切り落としさらにはがしていきます。

STEP3.茶色い部分を包丁で削り取る

外側の鱗片は変色して茶色くなっている部分があるので、変色部分は包丁で削り取ります。削り取っておくと料理の見栄えがよくなります。ここまでの下処理が終わったら、すべての鱗片を水洗いし内側に残った汚れなどを取りましょう。

STEP4.加熱して食べる

下処理を終えたゆり根は加熱して食べることができます。軽く火を通せたシャキッと食感になり、じっくり火を通せばホクホクな食感になります。加熱具合で食感が変化するため、炒め物や煮物などにしてさまざまな味わいを楽しみましょう。茶碗蒸しやお味噌汁、卵とじにしてもおいしいです。

ゆり根の保存方法

保存方法

おがくずと一緒に入っていたら、そのままおがくずごと袋にいれて、冷蔵庫で保存します。むき出しのものであれば、新聞紙に包んでから袋に入れてから保存しましょう。

ゆり根は湿気に弱いので、新聞紙は濡らさないようにしてください。おがくずに埋められて売られているのは、おがくずが水分を吸収してゆり根を守ってくれるからです。

ちなみに、おがくずありなら、冷蔵庫で2~3ヶ月程度、おがくずなしなら冷蔵庫で1ヶ月程度が保存の目安になります。もちろんそれぞれ品質にもよりますし、冷蔵庫の開け閉めの回数などにもよるので、なるべく早く食べきりましょう。

鱗片を一枚ずつばらしてしまっている場合はさっと塩茹でするか蒸してからラップに包んで冷凍します。茹でる際は、やや固めに茹でるのがおすすめです。

ゆり根に含まれる栄養

ゆり根の栄養と効果効能

ゆり根にはカリウムが多く含まれます。野菜の中でも上位に入る、100gあたり740mgという含有量。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出して血圧を下げたり、水分量を調節して、むくみを軽減する効果があります。

葉酸も含まれているので、貧血の予防や動脈硬化の予防にも期待できます。加えて、ゆり根が優秀なのは食物繊維。食物繊維の整腸作用により、便通の改善に期待できる他、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きや、血中コレステロール値を低下させる働きがあります。

ゆり根は「百合」として漢方薬にも使われている

ゆり根は漢方にも用いられる優れもの

ゆり根は生薬の「百合(ビャクゴウ)」としても用いられ、漢方薬にも使われています。漢方としての百合は滋養強壮、利尿、咳どめなどに効果があり、精神を安定させ、イライラを解消するなどの鎮静作用もあるとされ、中国や日本では古くから珍重されていたようです。

ゆり根に毒はない

ユリ科の植物には毒があるものもあるため、心配になる方もいるかもしれませんが、ゆり根に毒はありません。食用とされるものだけを栽培しているので、市販されているゆり根を購入して食べるのは安全です。

ただし、自宅で育てた観賞用のユリや山野に自生しているユリの根を掘り起こして食べるのはやめたほうがいいでしょう。

まとめ

お正月の定番、ゆり根をご紹介しました。晩秋から冬の終わりまでが美味しい時期なので、お正月以外でも料理に取り入れていきたいですね。お正月を過ぎて、値段が下がった頃がお買い得です。

現代では1年を通していろいろな野菜が出回っているので、旬を意識することが少ないかもしれませんが、ゆり根は今でも旬の時期しか出回らない野菜です。季節を感じられる、冬の楽しみのひとつにいかがでしょうか。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!