切り方や加熱方法で効果が変わる!? にんにくの栄養素と調理法

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にんにくは、料理に加えるとパンチのある味に仕上げてくれる食材。食べるとパワーが出てくるというイメージがありますが、それは本当で、豊富な栄養素が体を元気にしてくれます。

栄養を余すことなく摂り入れるためには、切り方や調理方法が肝です。この記事では、にんにくに含まれる栄養素や調理のポイントを解説。選び方や保存方法にも触れているので、ぜひヒントにしてみてください。

    この記事でわかること

  • 香りの元・アリシンは栄養満点
  • 油でコーティングして栄養の流出をガード!
  • 冷蔵・冷凍保存で栄養を残す
  • 美味しくても食べすぎはNG
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にんにくに含まれる栄養とその効果

にんにくに含まれる栄養とその効果

にんにくには、様々な栄養が含まれています。それぞれに特徴的な効果があり、どれも健康をサポートしてくれるものです。多く含まれている栄養素とその効果をチェックしていきましょう。

なお、成分量は可食部100gあたりの数値で、「文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」を参考にしています。

アリシン

アリシンは、にんにくの刺激的な香りの元である成分。あまりのインパクトに苦手な方もいるかもしれませんが、実は体に良い栄養素です。

高い殺菌・抗菌作用を持ち、体内の細菌・ウイルスの除去や腸内の悪玉菌の発生の抑制などに活躍。腸内環境を正常に整えて、便秘の予防にもつながります。

また、ビタミンB1の吸収を高めてスタミナをアップできたり、血液をサラサラにしたりする効果もあるそうです。

ビタミンB6:1.53mg

ビタミンB6は、タンパク質をエネルギーに変えてくれる栄養素。にんにくを摂取することで、エネルギー効率が良くなり、疲労回復や体力アップを期待できます。

組織を形成したり、修復したりするためにも必要。筋肉や血液、皮膚などをつくってくれるので、健康な体づくりに欠かせない栄養と言えるでしょう。

リン:160mg

リンは、ミネラルの一種で、成人の体内に最大で800g含まれていると言われます。骨や歯を形成するのが主な働きで、カルシウムと一緒に骨や歯をつくっている栄養素です。

代謝にも関わりが深く、体が正常に活動するためにも不可欠。心臓や腎臓の機能を維持したり、神経伝達をスムーズにしたりするためにも活躍しています。

不足すると、脱力感や筋力低下などを引き起こし、過剰だとカルシウムの吸収を妨げる点に注意が必要。色々な食品に含まれているため、不足することは少ないですが、にんにくで食事に取り入れるのは良いことです。

葉酸:93μg

ビタミンの一種である葉酸は、ビタミンB群に含まれています。ビタミンB12と一緒に、赤血球をつくる役割のある栄養素です。特に赤ちゃんの成長に必要と言われていて、妊婦の時期に十分に摂取すると、発育する上でのリスクを軽減できると言われています。

また、動脈硬化のリスクにつながる成分を、血中コレステロール値を低下させる可能性があるメチオニンに変換する効果が指摘されています。血行トラブルの予防としても、注目の栄養素です。

にんにくの栄養を最大限に取り入れる方法

にんにくの栄養素を逃さず摂取するには、加熱や切り方にコツがあります。調理法に気を付ければ、栄養はもちろん、食べやすくなって続けやすくなるのもメリットです。どれも簡単なので、にんにくの調理で実践してみましょう。

油を使って調理する

油を使って調理する

にんにくの栄養が逃げてしまわないように、油で表面を覆うのがポイントです。におい成分が逃げるとアリシンも揮発してしまいますが、油によってしっかり残してくれます。

料理の味付けに使う前に油で揚げたり、加熱したりして、油でコーティングしてあげましょう!

切り方で香りが変わる

にんにくの栄養を美味しく摂り入れるなら、切り方も大切です。細胞を傷つけると香りが強く出るので、半分に切ったり、繊維に沿って横向きにカットしたりすると、香りを感じやすくなります。

にんにくの香りをあまり出したくないときは、軽くつぶすのがおすすめ。それほど香りが出ないので、臭いを気にせず食べやすくなります。

刻んだりすり下ろしたりすると食べやすい

にんにくの形が残っていると食べにくい方は、刻みやすりおろしがおすすめです。味付けに加えるほか、ソースに入れたり、薬味にしたりするなど、食べ方のバリエーションは豊富。唐揚げの下味など、下ごしらえでもすりおろしにんにくは便利です。

栄養満点な美味しいにんにくの選び方

栄養満点な美味しいにんにくの選び方

にんにくを選ぶときに、美味しいものを選ぶコツが2つあります! 良いにんにくを見つけられるようになったら、日々の食事に取り入れやすくなるはず。見た目と重さだけなので、次に買い物に行くときから試してみましょう。

丸くて固い

まずは、にんにくの形に注目しましょう。美味しいことが多いのは、丸い形をしているもの。少し押してみて固めだと、より状態が良い場合が多いです。

全体の形が歪んでいたり、実が柔らかかったりすると、上手に成長していない可能性があります。一番形が良くて、しっかりしているにんにくを選んでみましょう!

重みがある

手に持ったときに、重みを感じたら美味しいにんにくかもしれません!比較的小ぶりで軽い食材ですが、いくつか比べてみると、重みの違いに気づくはずです。

軽いにんにくは水分が抜けていたり、実の成長が不十分だったりするので、物足りない味のことがあります。持ち比べをして、ずっしり感じたにんにくを選んでみてください。

にんにくの栄養を逃さない保存方法

にんにくの栄養を逃さない保存方法

にんにくを1回で食べきらないときは、正しく保存して栄養をしっかり残しましょう。特別な保存法はありませんが、基本をしっかり守って保存すれば、栄養を逃さずに食べきることができます。

冷蔵保存

常温で保存すると、発芽してしまい水分や旨みが失われやすいです。そのため、温度を低く保てる冷蔵保存がおすすめ。1片ずつキッチンペーパーに包み、ジップロックで密封すると、乾燥することなく、長く保存できます。

冷凍保存

より長く保存したいとき、すぐ使わないときは、冷凍保存が適しています。薄皮はそのままで、1片ずつ分けて保存袋に入れましょう。使いやすい大きさにカットしてから保存袋に入れてもOKです。用途が決まっているときは、あらかじめ切っておくと、次に使うときに楽ですよ!

醤油などで漬け込む

料理に使うのは難しくなるものの、醤油漬けにしても長持ちします。ごはんのお供になったり、おつまみになったりするので、つくっておくと嬉しい一品になるはず!醤油ベースの味付けの料理であれば、調味料としても使用可能です。

にんにくの食べすぎには注意!

にんにくは体に良いからといって、過剰に食べるのは危険! 殺菌・抗菌効果のあるアリシンは、適量であれば、腸内環境の改善に役立ちます。しかし、摂取しすぎると殺菌作用が強くなりすぎて、腹痛や下痢などを引き起こす可能性が高いです。

生にんにくは、アリシンの作用が強いため、特に食べすぎに注意が必要です。アリシンの影響が気になる場合は、切った後に水にさらすと、水にアリシンが流れ出します。

1日の摂取量は、大人で4片・20g程度と言われていますが、個人差があるのであくまで目安です。調味料として使う分には少量で済みますが、にんにくのホイル焼きなどを食べる際は、数に気を付けましょう。

まとめ

にんにくには、アリシン、ビタミンB6、リン、葉酸など、体に良い栄養が多く含まれています。そのまま食べても栄養満点ですが、油で調理して周りをコーティングすると、栄養を逃さずに食べられますよ。

栄養を残すためには、常温ではなく、冷蔵や冷凍で保存するのがおすすめ。食べすぎには注意して、にんにくを食事に取り入れてみましょう。

writerprof_sugawara
菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。