にんにくの栄養と効果効能を解説!切り方や調理方法でも効果が変わる!?

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にんにくは、料理に加えるとパンチのある味に仕上げてくれる食材。食べるとパワーが出てくるというイメージがありますが、それは本当で、豊富な栄養素が体を元気にしてくれます。

栄養を余すことなく摂り入れるためには、切り方や調理方法が肝です。この記事では、にんにくに含まれる栄養素や調理のポイントを解説。選び方や保存方法にも触れているので、ぜひヒントにしてみてください。

    この記事でわかること

  • 香りの元・アリシンは栄養満点
  • 油でコーティングして栄養の流出をガード!
  • 冷蔵・冷凍保存で栄養を残す
  • 美味しくても食べすぎはNG
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  • スープカレー特集

にんにくに栄養はある?ない?

にんにくに含まれる栄養とその効果

にんにくは、ヒガンバナ科ネギ属の野菜で、主に球根部分や茎部分が食用されています。独特の風味を持ち、香辛料として用いられ、和洋中さまざまな料理に使用されるのが特徴です。

昔から「スタミナをつけるには、にんにく料理を食べるのがよい」と言われ、滋養強壮を目的としたスタミナ食としての効果が期待されてきました。漠然と、「にんにくはスタミナをつけるのによい」と言われていますが、その栄養成分について詳しく説明できるという人は少ないでしょう。

実は、にんにく自体に栄養成分が含まれている訳ではなく、にんにくに含まれる栄養が持つ他の栄養の吸収をサポートする力が注目されています。にんにく自体が豊富な栄養の詰まった万能食という訳ではないため、どのような食材と組み合わせることで効果が発揮されるのかを知っておくことが大切です。

にんにくに含まれる栄養

にんにく100gあたりには以下の栄養が含まれています。

カリウム 510mg α-リノレン酸 30mg
マグネシウム 24mg ロイシン 220mg
葉酸 93㎍ リシン 240mg
ビタミンB6 1.53mg アルギニン 1100mg
カルシウム 14mg グルタミン酸 1000mg
リン 160mg セリン 200mg
リノール酸 260mg

参考:栄養成分データベース

ビタミンB6:1.53mg

ビタミンB6は、タンパク質をエネルギーに変えてくれる栄養素。にんにくを摂取することで、エネルギー効率が良くなり、疲労回復や体力アップを期待できます。

組織を形成したり、修復したりするためにも必要。筋肉や血液、皮膚などをつくってくれるので、健康な体づくりに欠かせない栄養と言えるでしょう。

リン:160mg

リンは、ミネラルの一種で、成人の体内に最大で800g含まれていると言われます。骨や歯を形成するのが主な働きで、カルシウムと一緒に骨や歯をつくっている栄養素です。

代謝にも関わりが深く、体が正常に活動するためにも不可欠。心臓や腎臓の機能を維持したり、神経伝達をスムーズにしたりするためにも活躍しています。

不足すると、脱力感や筋力低下などを引き起こし、過剰だとカルシウムの吸収を妨げる点に注意が必要。色々な食品に含まれているため、不足することは少ないですが、にんにくで食事に取り入れるのは良いことです。

葉酸:93μg

ビタミンの一種である葉酸は、ビタミンB群に含まれています。ビタミンB12と一緒に、赤血球をつくる役割のある栄養素です。特に赤ちゃんの成長に必要と言われていて、妊婦の時期に十分に摂取すると、発育する上でのリスクを軽減できると言われています。

また、動脈硬化のリスクにつながる成分を、血中コレステロール値を低下させる可能性があるメチオニンに変換する効果が指摘されています。血行トラブルの予防としても、注目の栄養素です。

黒にんにくにはどんな栄養が含まれているの?

黒にんにく

一般的なにんにくは白いですが、可食部が真っ黒になった「黒にんにく」というものもあります。黒にんにくは、そういった品種が存在する訳ではなく、元々は白いにんにくと同じです。高温多湿の環境で熟成させることで真っ白だったにんにくが、真っ黒に変色します。

熟成させて黒くなった黒にんにくは、栄養の含有量が通常のにんにくよりも増加することが分かっており、特にアルギニン、S-アリルシステイン、プロリンなどの栄養価が多くなるのが特徴です。

また、熟成させることで、特有のにおいが抑えられるため「にんにくを食べた後の口臭が気になる」という人でも比較的食べやすいとして人気を集めています。

にんにくのにおいの素「アリシン」とは

アリシンは、にんにくの刺激的な香りの元である成分。あまりのインパクトに苦手な方もいるかもしれませんが、実は体に良い栄養素です。

高い殺菌・抗菌作用を持ち、体内の細菌・ウイルスの除去や腸内の悪玉菌の発生の抑制も期待できます。

また、ビタミンB1の吸収を高めてスタミナをアップできたり、血液をサラサラにしたりする効果もあり、にんにくの健康効果を得る上で欠かせない栄養です。

にんにくを食べることで期待できる効果・効能4つ

にんにく

にんにくを食べることで期待できる効果・効能にはさまざまなものがあります。続いては、にんにくの持つ栄養を摂ることで期待できる効果や効能を4つ紹介します。

1.免疫力の向上

にんにくのにおいの素となるアリシンには、殺菌・抗菌効果が期待できると言われています。

にんにくを食べることで、体内に侵入したウイルスや細菌の活性化を抑制することで免疫力の向上に繋がるでしょう。

風邪の引き始めなど、ウイルスや細菌が増殖しきっていないタイミングでにんにくを食べることで、発症を防げる可能性もあります。

2.たんぱく質の代謝促進

にんにくに含まれているビタミンB6には、たんぱく質をエネルギーに変換する働きがあります。ビタミンB6の働きによってたんぱく質の代謝が促されることで、健康な筋肉や血液などが作り出されます。

その他にも、ビタミンB6は神経伝達物質を作る際にも必要とされる栄養素で、自律神経を正常に機能させるためにも欠かせない成分です。

3.疲労回復・滋養強壮

にんにくに含まれるにおい成分・アリシンにはビタミンB1の吸収を促す働きがあります。ビタミンB1は糖質を体のエネルギーに変換するために欠かせない栄養素です。

ビタミンB1が不足すると心身共に不調が現れやすく、肩こりや腰痛、目の疲れ、イライラ、落ち込みなどの症状が見られることもあります。

体の不調や疲労感を強く感じる時には、にんにくとビタミンB1を多く含む食材(豚肉など)を一緒に食べることで、疲労回復、滋養強壮の効果が期待できます。

4.動脈硬化の予防

にんにくに含まれているアリシンには、血中コレステロールの増加を抑えたり、血流を良くする効果も期待できます。アリシンの働きによって、血液の流れが正常に整えられることで動脈効果の予防効果も期待できると言われています。

また、アリシンは熱を加えることでスコルジニンという成分に変質するのが特徴です。スコルジニンはアリシンよりもさらに血中のコレステロールを抑制する働きが強いため、にんにくを加熱して食べるとさらに高い効果が期待できるようになるでしょう。

にんにくの栄養を効率的に摂るポイント

にんにく

にんにくの栄養を効率的に摂りたい場合には、調理方法などを工夫することも大切です。続いては、にんにくの栄養を効率的に摂るポイントについて紹介します。

生のまま食べる

にんにくに含まれる代表的な成分であるアリシンは、加熱や冷凍によって異なる成分に変質します。そのため、アリシンが持つ栄養を効率的に摂りたい場合は、生で食べるのがよいでしょう。

風邪の引き始めなど、殺菌・抗菌作用を期待してにんにくを食べる場合は、生のにんにくを食べるようにしてください。

加熱する時は油を使って調理する

油を使って調理する

にんにくの栄養が逃げてしまわないように、油で表面を覆うのがポイントです。におい成分が逃げるとアリシンも揮発してしまいますが、油によってしっかり残してくれます。

料理の味付けに使う前に油で揚げたり、加熱したりして、油でコーティングしてあげましょう!

においが気になる場合は切り方を工夫する

にんにくの栄養を美味しく摂り入れるなら、切り方も大切です。細胞を傷つけると香りが強く出るので、半分に切ったり、繊維に沿って横向きにカットしたりすると、香りを感じやすくなります。

にんにくの香りをあまり出したくないときは、軽くつぶすのがおすすめ。それほど香りが出ないので、臭いを気にせず食べやすくなります。

美味しいにんにくを選ぶ方法

栄養満点な美味しいにんにくの選び方

にんにくを選ぶときに、美味しいものを選ぶコツが2つあります! 良いにんにくを見つけられるようになったら、日々の食事に取り入れやすくなるはず。見た目と重さだけなので、次に買い物に行くときから試してみましょう。

丸くて固いものを選ぶ

まずは、にんにくの形に注目しましょう。美味しいことが多いのは、丸い形をしているもの。少し押してみて固めだと、より状態が良い場合が多いです。

全体の形が歪んでいたり、実が柔らかかったりすると、上手に成長していない可能性があります。一番形が良くて、しっかりしているにんにくを選んでみましょう!

重みがあるものを選ぶ

手に持ったときに、重みを感じたら美味しいにんにくかもしれません!比較的小ぶりで軽い食材ですが、いくつか比べてみると、重みの違いに気づくはずです。

軽いにんにくは水分が抜けていたり、実の成長が不十分だったりするので、物足りない味のことがあります。持ち比べをして、ずっしり感じたにんにくを選んでみてください。

にんにくの保存方法

にんにくの栄養を逃さない保存方法

にんにくを1回で食べきらないときは、正しく保存して栄養をしっかり残しましょう。特別な保存法はありませんが、基本をしっかり守って保存すれば、栄養を逃さずに食べきることができます。

冷蔵保存する方法

常温で保存すると、発芽してしまい水分や旨みが失われやすいです。そのため、温度を低く保てる冷蔵保存がおすすめ。1片ずつキッチンペーパーに包み、ジップロックで密封すると、乾燥することなく、長く保存できます。

冷凍保存する方法

より長く保存したいとき、すぐ使わないときは、冷凍保存が適しています。薄皮はそのままで、1片ずつ分けて保存袋に入れましょう。使いやすい大きさにカットしてから保存袋に入れてもOKです。用途が決まっているときは、あらかじめ切っておくと、次に使うときに楽ですよ!

醤油などで漬け込んで保存する方法

料理に使うのは難しくなるものの、醤油漬けにしても長持ちします。ごはんのお供になったり、おつまみになったりするので、つくっておくと嬉しい一品になるはず!醤油ベースの味付けの料理であれば、調味料としても使用可能です。

にんにくの食べ過ぎは体に悪いって本当?

にんにく

にんにくは体に良いからといって、過剰に食べるのは危険! 殺菌・抗菌効果のあるアリシンは、適量であれば、腸内環境の改善に役立ちます。しかし、摂取しすぎると殺菌作用が強くなりすぎて、腹痛や下痢などを引き起こす可能性が高いです。

生にんにくは、アリシンの作用が強いため、特に食べすぎに注意が必要です。アリシンの影響が気になる場合は、切った後に水にさらすと、水にアリシンが流れ出します。

1日の摂取量は、大人で4片・20g程度と言われていますが、個人差があるのであくまで目安です。調味料として使う分には少量で済みますが、にんにくのホイル焼きなどを食べる際は、数に気を付けましょう。

まとめ

にんにくには、アリシン、ビタミンB6、リン、葉酸など、体に良い栄養が多く含まれています。そのまま食べても栄養満点ですが、油で調理して周りをコーティングすると、栄養を逃さずに食べられますよ。

栄養を残すためには、常温ではなく、冷蔵や冷凍で保存するのがおすすめ。食べすぎには注意して、にんにくを食事に取り入れてみましょう。

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菅原 光拳
ライター / フリーエディター
札幌生まれ、北広島市育ち。学生時代に釧路で環境と自然教育を学んだのち、卒業後も北見を拠点に道東で7年間を過ごす。現在は北海道観光をはじめ、ライフスタイルメディアなど多様なジャンルの記事を執筆中。