昆布の種類と産地が知りたい! 特徴や味の違いとは

昆布の種類と産地が知りたい! 特徴や味の違いとはの画像
北海道は、国内で生産されている9割の昆布が収穫されている有数の産地。「利尻昆布」「羅臼昆布」「日高昆布」といった有名な品種のほかにも、たくさんの昆布が各地に分布しています。生育環境が変われば、味わいや大きさなども変化し、特徴は様々です。

本記事では、昆布の種類と主な産地に加えて、選び方や代表的な加工品もご紹介します。

    この記事でわかること

  • 国内の昆布は、ほぼ北海道産
  • 生育環境によって味わいや旨みが異なる
  • 出汁もとって昆布も食べるなら、日高昆布がおすすめ
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

昆布の主な産地は北海道

出汁をとったり、そのまま食べたりと、和食と馴染み深い食材である昆布。実は、国産の昆布は、ほとんどが北海道産です。シェア率は約90~95%にのぼり、残りの約5%は青森県や岩手県、宮城県などの東北3県で水揚げされています。

昆布というと、多くの人が黒くて薄い板状の大きな海藻をイメージしますよね。しかし、実は世界中に昆布は14属45種類も存在します。

日本近海に生息する食用昆布の多くは寒流系と呼ばれ、冷たい海を好みます。そのため、国産昆布は主に北海道の冷たい海で水揚げされます。

北海道で採れる昆布の産地と種類は、以下のようになっています。種類については次の章で詳しくご紹介しています。

北海道は昆布が豊富! 主な産地はどこ?
エリア 種類
稚内周辺 利尻昆布
羅臼周辺 羅臼昆布
釧路・根室周辺 長昆布、厚葉昆布
日高周辺 日高昆布、三石昆布
函館周辺 真昆布、がごめ昆布
日本海沿い 細目昆布

昆布の種類

昆布にはさまざまな種類があります。続いては、主に日本で食用とされる昆布の種類について紹介していきます。

真昆布

真昆布の生息地

真昆布は、国産の高級昆布として最も広く知られている種類です。北海道でも主に道南の白神岬から噴火湾近海などで水揚げされます。特に「白口浜」と呼ばれる函館市の南茅部地区沿岸で採れる昆布は最高級品で、松前藩が白口浜真昆布を天皇や将軍家に献納していたことから「献上昆布」ともいわれております。

真昆布の特徴

真昆布は大型で、大きい物だと葉の長さは8m、幅は30cmになるものもあります。水深7~8mに生息し、北海道だけでなく青森県や岩手県、宮城県などで水揚げされることもある昆布です。

また、真昆布は切り口の色によっても種類が異なります。白いものを「白口元揃」黒いものを「黒口元揃」と呼び、白口元揃は最高級品、黒口元揃えは高級品としてそれぞれ扱われるのも特徴です。

真昆布の主な用途

食用、出汁用どちらにも使われる昆布です。

葉は肉厚なため、佃煮や塩昆布などに加工されることも少なくありません。また、出汁は上品でほのかに甘みを感じるのが特徴です。出汁そのものの旨味を強く感じられるため、鍋用の出汁などに用いられることも少なくありません。

利尻昆布

利尻昆布の生息地

利尻昆布は、利尻島近海や礼文島、留萌以北の海域で水揚げされる昆布です。北海道最北端で水揚げされる昆布ですが、知名度は真昆布に続いて広く知られており、高級昆布のイメージを持つ人も多いでしょう。

利尻昆布の特徴

利尻昆布は真昆布よりも小型でやや細めなのが特徴です。根元付近はくさび型になっており、黒褐色、葉がかたく、粘り気をもっている昆布です。天然物の利尻昆布は特に高級品として流通しています。

真昆布の主な用途

利尻昆布は主に出汁をとるために使われます。利尻昆布からとった出汁は、上品な甘みのなかに塩味を感じられ、懐石料理などでも用いられることが多いです。見た目も澄んだ美しい色合いに仕上がるため、お吸い物など出汁の色合いが影響する料理にも多く使われています。

また、特有の粘りや葉が硬く削りやすいことを利用し、おぼろ昆布やとろろ昆布などに用いられることもあります。

羅臼昆布

羅臼昆布の生息地

羅臼昆布は、世界遺産として認定されたことでも知られる知床半島近海で水揚げされる昆布です。正式な名称は「利尻系えながおに昆布」。利尻昆布と混同されがちですが、違う品種になり、羅臼町で水揚げされたものを羅臼昆布と呼びます。

羅臼昆布の特徴

羅臼昆布は別名「昆布の王様」と呼ばれています。濃厚で美味しい出汁がとれるとして、羅臼町の特産品としても有名です。

葉の色によってさらに種類が分けられ、黒褐色のものは黒口、赤褐色のものは赤口と呼ばれています。

羅臼昆布の主な用途

主張の強い濃厚な昆布出汁がとれることで知られている羅臼昆布は、味の濃い料理やラーメンの出汁などに使われることもあります。

出汁は濃厚な黄色になり、香り高さも一級品です。

一方、煮込んだ際に旨味が出汁として全て出てしまうため、あまり食用には向いていません。

日高昆布(三石昆布)

日高昆布の生息地

日高昆布は、日高地方で多く水揚げされていることから呼ばれるようになった名前です。植物学的には、三石昆布といい、日高地方で水揚げされた三石昆布が「日高昆布」として流通しています。

十勝地方近海や道南の恵山岬近海でも、水揚げされることがありますが、日高地方以外で生産された三石昆布は「三石昆布」として流通しています。

他の昆布よりも水深の深い海に生息しており、細く長い昆布です。

日高昆布(三石昆布)の特徴

細く、長く、濃い緑色をした日高昆布は、出汁だけでなく食用としても使われることの多い昆布です。使用用途が幅広く、さまざまな料理に用いられることでも人気があります。

日高昆布(三石昆布)の主な用途

日高昆布(三石昆布)は、出汁用としても食用としても幅広く用いられています。

出汁は、さっぱりとした味わいが特徴で、甘みはそう強くありません。

食用としては、佃煮や煮物など、加熱することで柔らかくなる日高昆布の特徴を活かした料理に使われています。北海道の郷土料理である昆布巻きにも、日高昆布(三石昆布)が使われることが多いです。

長昆布

長昆布の生息地

長昆布は、その名のとおり長い形状に育つ昆布です。その長さは20mを超えることもあります。生産量が多いため、比較的安価で流通している庶民的な昆布です。

ガッガラ昆布(厚葉昆布)と生息域が重なっており、主に釧路地方や根室岬近海などで水揚げされます。

長昆布の特徴

長昆布は、長さこそあるものの、幅は6~18cm程と他の昆布よりも細く見えるものが多いです。1本が大変長いため、昆布のなかでも特に生産量が多いのも特徴のひとつです。

長昆布の主な用途

長昆布は、他の昆布に比べると旨味成分が少なく、出汁用よりも食用として調理・加工されることが多いです。佃煮や昆布巻き、おでんの具など、幅広い用途で用いられます。

厚葉昆布(ガッガラ昆布)

厚葉昆布の生息地

厚葉昆布は、別名「ガッガラ昆布」と呼ばれています。その名のとおり、葉に厚みがあり、円柱状の昆布です。

乾かした厚葉昆布(ガッガラ昆布)同士をぶつけると、「ガッ」と音がすることからガッガラ昆布と呼ばれるようになったという説があります。主に、道東に位置する、釧路地方・根室地方沿岸で水揚げされる昆布です。

厚葉昆布(ガッガラ昆布)の特徴

厚葉昆布(ガッガラ昆布)の特徴は、なんといってもその形状です。一般的に薄い帯状である昆布とは異なり、葉に厚みがあるため木の板のようにしっかりした形をしています。他の昆布のように波打ったヒダがなく、端まで厚みがあるのが特徴です。

厚葉昆布(ガッガラ昆布)の主な用途

厚葉昆布(ガッガラ昆布)の出汁は、甘みが薄く特有の苦味があります。そのため、出汁用よりも食用として食べられることの方が多いです。

佃煮や昆布巻きはもちろん、おぼろ昆布、酢昆布、バッテラなどに使われることもあります。

細目昆布

細目昆布の生息地

細目昆布は北海道の日本海側に生息している昆布です。昆布の寿命はおおよそ2~3年と考えられており、1年目に生えてきた葉が枯れた後、2年目に生えてきた葉を水揚げします。

しかし、細目昆布は1年目の葉が枯れる前に水揚げするため、収穫の間隔が短く生産量が安定しています。

道南の日本海側で主に生産されている昆布です。

細目昆布の特徴

細目昆布は長さが1m前後という比較的小型の昆布です。切り口の色が白っぽいのが特徴で、強い粘りを持っています。

細目昆布の主な用途

細目昆布からとれる出汁は薄く、食用されることが多い昆布です。強い粘りを活かしたとろろ昆布や納豆昆布に加工されることも多いです。

また調理しやすいよう刻み昆布として流通することも多く、北海道の郷土料理「松前漬け」の発祥の地・松前地方では、細目昆布で松前漬けを作る家庭も少なくありません。

がごめ昆布

がごめ昆布の生息地

がごめ昆布は、葉の表面に籠の網目のような模様がついていることから名付けられたと言われています。食用として盛んに食べられるようになったのは、比較的最近のことで、それまではごく一部の人が食用とするだけで殆ど漁獲されていない海藻でした。

粘り成分に健康効果が注目されるようになり、急激に需要が増えた昆布でもあります。

がごめ昆布の特徴

がごめ昆布は、真昆布と同じ生息域に分布しています。水揚げ量はそう多くありません。そのため、非常に希少価値の高い昆布として流通しています。

がごめ昆布の主な用途

がごめ昆布は、強い粘りを活かして刻み昆布やとろろ昆布、納豆昆布などに用いられることが多いです。そのほか、松前漬け用の昆布として用いられることもあります。

その他の昆布の種類

北海道で水揚げされている昆布には、他にもさまざまな種類があります。

ヤヤン昆布

室蘭近海で水揚げされるヤヤン昆布。「ヤヤン」とはアイヌ語で「捨てる」という意味を持ち、もともとは捨てられていた昆布ではないかと考えられています。そもそも、葉が脆く大変くずれやすい昆布であるため、流通させるのが難しいというのも理由のひとつと言えるでしょう。

一方で、特有の旨味や粘りによるツルンとした食感が好まれ、主に産地地消されている希少価値の高い昆布と言えます。

猫足昆布

猫足昆布は、その名のとおり根の部分が猫の足のような形をしていることから名付けられたと言われています。

釧路近海の限られた水域にのみ生息しており、水揚げ量が少なく希少価値の高い昆布です。旨味成分と粘りが強く、葉も肉厚で食用、特におでんや煮物などに最適な昆布として、釧路、根室地方の名産品となっています。

昆布の加工食品の種類一覧

とろろ昆布

昆布と言えば、出汁をとったり煮物として食べたりすることが多いですが、その他にもさまざまな食品に加工して食べられます。
昆布の加工食品には以下の種類があります。

昆布の加工食品
  • 塩昆布
  • とろろ昆布
  • おぼろ昆布
  • 昆布巻
  • 結び昆布
  • 白板昆布
  • 板昆布
  • 早煮昆布
  • 山だし昆布
  • 昆布飴
  • 昆布醤油
  • 絵文字昆布
  • 納豆昆布
  • 水晶昆布
  • 爪昆布
  • 昆布粉末
  • 酢昆布
  • 揚げ昆布
  • おやつ昆布
  • ふりかけ昆布
  • 糸昆布
  • おしゃぶり昆布
  • 生昆布
  • 松前漬
  • りゅうひ昆布
  • バッテラ

昆布の特徴や性質に合わせて、それぞれに適した食品に加工されています。

天然昆布と養殖昆布の違い

真昆布

昆布は、自生している天然のものと養殖ものに分かれます。それぞれの違いは以下のとおりです。

昆布の加工食品
天然
  • 海で自生しているもの
  • 生産量が少ない
  • 高級品として流通している
養殖
  • 2年かけて育成し収穫しているもの
  • 海で栽培しているが本来の分布地ではなく、河口付近で養殖していることが多い
  • 安定した品質と供給量を保てる
促成栽培
  • 育ちの早い昆布(細昆布など)を1年で収穫したもの
  • 天然、養殖よりも味わいや葉の厚みなどが劣ることが多い

国産天然の昆布は、流通量が少なく最高級品として高値で取引されています。しかし、養殖昆布も出汁の味わいなどには定評があり、高い評価を得ています。

促成栽培は、出汁などを摂るには不向きですが、昆布締や煮物などそのまま食用とする分には美味しく食べられます。

昆布の等級とは

昆布の種類の選び方

北海道産の昆布は、北海道水産物検査協会の定める規格によって1~6の等級に分けられます。

昆布の等級は、主に以下の要素で決められます。

  • 葉の厚み
  • 葉の幅
  • 葉の重さ
  • 結束方法
  • 採取時期
  • 干場
  • 天然・養殖

この他にも細かな規格によって等級が振り分けられます。

ただし、等級が高いからといって昆布自体の美味しさが判断できる分けではないので注意しましょう。等級はあくまで、見た目や品質を保証するためのものです。用途に合わせて適切な昆布を選ぶことが大切です。

用途別の昆布の選び方

利尻昆布

昆布は、使い方や調理方法によって適切な種類のものを選ぶ必要があります。続いては、用途別の昆布の選び方とおすすめの種類を紹介します。

昆布そのものを食べたいとき

昆布そのものを食べる際には、煮込む調理方法なら荷崩れしないものを選ぶ必要があります。また、出汁が出過ぎてしまうものを選んでしまうと、食用した際の旨味が減ってしまいます。

葉肉が厚く、調理しても昆布に旨味が残る種類のものを選びましょう。

出汁を取りつつ、昆布そのものも食べたいときは日高昆布がおすすめです。しっかり出汁が出つつも、昆布にも旨みが残るので、美味しく食べられます。湯豆腐や鍋などで、昆布も一緒に食べられるのが嬉しいポイントです。

棹前昆布も、食べやすい昆布の種類。火が通りやすくて調理しやすいだけでなく、煮崩れせずに食べ応えがあります。おでんの出汁、昆布巻きなどにぴったりです。

昆布の出汁を取りたいとき

昆布の出汁を取りたいなら、昆布だけで取るか、合わせ出汁で取るかで、相性の良い種類が異なります。濃厚な出汁が取れるのは羅臼昆布です。お吸い物やめんつゆ、鍋など、昆布の旨みをしっかり感じたい料理にぴったりです。

合わせ出汁には、旨みがありつつ、主張しすぎない真昆布や利尻昆布が適しています。昆布の味わいが強すぎず、コクや香りを出したいときに使ってみましょう。

まとめ

昆布とひと口に言っても、その種類は様々です。
北海道では多くの昆布が漁獲されていますが、環境によって特徴が異なります。特徴を知ることで、出汁を取りたいとき、昆布も食べたいときなど、目的に合った昆布を選ぶことができます。
産地マップや種類ごとの特徴をチェックして、気になる昆布を食べてみてくださいね!

PREZO編集部
prezo編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!