氷砂糖とは? いったい何に使うの? 栄養や使い道などをわかりやすく解説
氷砂糖は、おもに果実酒を作る時に欠かせない材料。スーパーや酒屋さんの果実酒コーナーをよく見てみると、片隅に氷砂糖が必ず置いてあるので見かけたことがある人もいるはず。
この記事では氷砂糖の特徴や使い方、果実酒作りに使われる理由を紹介。果実酒だけでなく他にも使える、氷砂糖を使った意外なレシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
氷砂糖はどうやって作られているの?
氷砂糖は、純度の高い砂糖水をゆっくりと蒸発させて作った「結晶化された砂糖」のこと。原料となっているのは、サトウキビやテンサイです。自然の成分をそのまま結晶化させた砂糖なので、クセのない甘さに仕上がっています。
氷砂糖の特徴
氷砂糖の最大の特徴は、ひと粒の大きさ。名前の通り氷のような見た目で、大きな結晶となっています。純度が高いため、溶けるスピードもゆっくりです。
そのまま食べることができ、手軽な栄養補給にもなります。賞味期限はなく、長期保管が可能なため非常食としても重宝。ただし、氷砂糖には匂い移りや湿気を吸収する性質があるので、保管場所には注意が必要です。
もし保存食として長期間の保存を考えている方は、缶やプラスチック容器を使い密閉して虫が付かないように保管しましょう。ちなみに、湿気があると表面がべたつくことがありますが、再度乾燥させれば問題なく使えます。
氷砂糖の種類
氷砂糖は異なる製造方法で、2種類の形に分けられます。ロック状のごつごつとした見た目のものと、クリスタル状で形が整ったものです。
それぞれの製造方法や違いを説明します。
ロック状の氷砂糖
ロック状の氷砂糖は、昔ながらの製法で結晶化するのに2週間ほどかかるそうです。
ロック状の氷砂糖の製法
- 純度の高い砂糖を水に溶かして砂糖水を作る
- 浅い結晶皿に移して50度前後に加熱して結晶室に密閉保管する
- ゆっくりと結晶化した氷砂糖は、3から5センチ程の大きさまで成長させる
- 大きくなった結晶を砕いて完成
ロック状の氷砂糖はクリスタル状の氷砂糖よりも溶けやすく、漬け込む時間が短いレシピに適しています。
クリスタル状の氷砂糖
クリスタル状の氷砂糖は、砂糖水を回転ドラムで回転させながら結晶を大きくしていきます。空気に触れさせながら結晶化させるので砂糖の結晶化を促進することができ、3〜4日で完成させることが可能なのだそうです。
完成までの期間を短縮したことで氷砂糖の大量生産が可能なため、現在ではクリスタル状の氷砂糖が市場に良く出回っています。
氷砂糖の栄養素について
氷砂糖のエネルギー量は1グラムあたり4kaclで、カリウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの栄養素が含まれます。カリウムや鉄、亜鉛などは日常生活でも大切な栄養素ですが、運動する人にとっては特に重要です。不足すると十分な酸素が全身に行き渡らなくなったり、疲労感を感じやすくなってしまうからです。
また、氷砂糖はセロトニンという気持ちを落ち着かせてくれるホルモンの分泌を促進してくれます。疲れた時やリラックスしたいときに、氷砂糖を一粒食べるとひと息つくことができます。
さらに氷砂糖は溶けにくい性質があり、口の中で溶かすのに時間がかかります。そのため唾液の分泌を促して、水が飲めないときでも口やのどの渇きを和らげてくれます。非常食として氷砂糖を常備しておくのも、意外とおすすめです。
氷砂糖は梅酒・果実酒作りにぴったり
氷砂糖は小さな粒の砂糖と比べて水に溶けにくいので、普段の料理にはあまり向いていません。氷砂糖の味や、粒が大きく溶けにくいなどの特徴から梅酒や果実酒を作るときに使用することが多いです。
梅酒や果実酒作りにぴったりな利用には、以下があげられます。
- クセがなく果実の甘みや美味しさを引き立ててくれる
- 粒が大きいので液体を隙間に入り込ませることができる
- 果実のエキスを引き出すのに丁度よい浸透圧である
氷砂糖を上手に使う方法
果実酒以外にも氷砂糖には使い方があります。お家でも手軽に作れるものをいくつか紹介するので、参考にしてみてください。
ジャム
氷砂糖を使っていちごやオレンジ、ブルーベリーなどお好みのフルーツでジャムが作れます。
氷砂糖とブルーベリーなどのフルーツを、小鍋に入れて弱火で温めます。フルーツから水分が出て氷砂糖が溶けたら、レモン汁を加えてさらに煮詰めます。とろとろとしてきたら火を止めて冷ますだけ。簡単に美味しいジャムの完成です。
作ったジャムはヨーグルトにかけたりパンにつけたり、さまざまなアレンジが可能。好きな分だけ作ることができるので、たくさん作って冷凍保存したり、毎日新鮮なジャムを楽しむこともできます。
シロップ
氷砂糖とフルーツがあれば、漬けておくだけで美味しいシロップができます。
氷砂糖とフルーツの比率を1:1にして、瓶に詰めておくだけ。一週間程度で完成です。使用するフルーツの水分量によって水が出るまでに時間差がありますが、とても手軽に作れます。出来上がったシロップは、お水や炭酸水で割って飲むのがおすすめです。
大根の甘酢漬け
普段の砂糖をクセのない氷砂糖に変えれば、極端に甘くならずに優しい甘さの甘酢漬けが作れます。
大根と塩、酢、そして氷砂糖を入れて少し揉んだら冷蔵庫で2〜3日保管します。氷砂糖で作った甘酢漬けはさっぱりとして食べやすく、エネルギーもしっかり補給できるので、夏の暑い季節にはピッタリのレシピです。
豚の角煮
豚の角煮のような煮物にも氷砂糖は使えます。普通の砂糖より、甘みとコクが出ていつもと違った味わいになります。ただ、氷砂糖は溶けにくい性質があるので、ゆっくりと煮込むことがポイントです。
氷砂糖の購入方法
氷砂糖はスーパーで購入することができます。お店によってさまざまですが、砂糖のコーナーや飴のコーナーに陳列されていることが多いようです。特設の果実酒コーナーがあれば、一緒に氷砂糖も置いてあることがあります。
最近では、コンビニや100円均一でも取り扱うお店が増えているようです。
まとめ
氷砂糖の特徴や使い方、レシピについてご紹介しました。
氷砂糖を使えば、お家でも手軽に果実ジュースや果実酒を作ることができます。さまざまなフルーツを使ってシロップやジャムも簡単に作れるので、小さな子供と一緒に取り組んでみるのも楽しそうですよ。