これで北海道の雪道も心配無用! 冬ドライブの極意と雪国だけの標識
北海道の雪道は、夏の道路に比べて約1.8倍も事故率が高い*と言われています。道内の都市部はまだましで、郊外や地方を走ると運転歴が長い道民ドライバーでも、ヒヤッとすることが多々あるくらいです。なので、道外から引っ越してきた人や冬の旅行で運転を考えている人は、備えと心構えが大切!
本記事では、北海道の雪道を運転する際の注意点や雪国ならではの標識について紹介します。
*NEXCO東日本調べ
北海道の雪道が危険な理由
北海道の雪道の運転が危険なのは、道がデコボコしていることがあげられます。大雪が降った翌日は、車が上下してしまうほどのデコボコ道になり、真っすぐ走ることが難しくなります。また、道路上の雪の轍(わだち)にタイヤがはまってしまい、車体のコントロールを失うこともあります。
平らな道がデコボコ道になってしまうのは、道路上に積もった雪が “溶ける” “氷に戻る” を繰り返すことが大きな要因です。
車の通行によるタイヤの圧力と排熱の影響で、積もった雪が溶けはじめます。しかし、外気によって冷やされることで、再び氷に戻ります。何台もの車が通ることで、上記の事象が繰り返され、平らな道がデコボコ道に変化します。
専門家の間では、デコボコした道を「そろばん道路」と呼ぶそうです。デコボコ道を上から見ると、そろばんのような見た目をしていることが名前の由来なんだとか。
雪道を乗り切るための注意点と準備
雪道を運転する際に注意してほしいポイントが3つあります。運転に自信がない人は、ぜひ参考にしてください。
デコボコ道を走行するときの注意点
下記を意識して、北海道の雪道を運転しましょう。
- スピードを落とす
- 一定のスピードで走行する
- 急アクセル、急ブレーキはかけない
車体が上下してしまうため、デコボコ道でスピードを出すのは危険です。そのため、スピードを落とし、ゆっくり走る必要があります。また、一定のスピードで走ることで車体の揺れを最小限にできます。
急アクセル、急ブレーキの操作は絶対にしてはいけません。急アクセルをかけることでスピードが上がり、揺れが激しくなるためです。また、急ブレーキをするとタイヤが轍にはまる可能性があるのでとても危険。急アクセル、急ブレーキは控えましょう。
ホワイトアウトに遭遇したら
雪道の運転中に恐ろしいのが、ホワイトアウトです。大雪により視界が白一面になる現象のことです。雪が降っている間はもちろん、雪がやんでいても地吹雪によりホワイトアウトになることがあります。地吹雪とは、積もった雪が強い風によって上空に吹き上げられる現象です。
視界が悪いときは決して無理をせず、安全な場所に駐車しましょう。また、車の外には出ずに天候の回復を待つのが吉です。
万が一、走行中に立ち往生した場合はハザードランプを点灯させて、できるだけ左側に駐車。その際、マフラー付近を定期的に除雪します。これは、排気ガスが車内に入らないようにするためです。除雪できない場合は、エンジンを切ると良いでしょう。
スタッドレスタイヤは絶対
冬の北海道を運転するには、スタッドレスタイヤの装着は必要不可欠。
スタッドレスタイヤとは、積雪や凍結などの通常と異なった道路状況でも安全に走行することを目的に作られた冬タイヤのことです。積雪や凍結した滑りやすい道路上でグリップ力を発揮します。
グリップとは、タイヤが地面をつかむ力のこと。速いスピードからでもしっかり止まり、しっかり曲がる性能・剛性が優れているということです。グリップ力が高いと、雪道で安定した運転ができます。
運転に自信がない方は、四輪駆動でかつスタッドレスタイヤを装着した車を運転するようにしましょう。
北海道民なら知ってる!? 雪道にある標識
雪国育ちの方にはお馴染みの標識を紹介します。関東圏以南の方は、もしかすると見たことがない標識かもしれません。冬の北海道で雪道を運転するには、これらを知っておく必要があります。
矢羽根付きポール
道路の両端にある「矢羽根付きポール」。下向き矢印が書かれたポールを立てることにより、道路の両端を示しています。道路上の白線が雪によって隠れてしまうため、脱輪や衝突を防ぐために作られた標識です。
近年は視認性を高めるために、LEDで発光するタイプや点滅するタイプのポールが誕生しています。
チェーン規制標識
2018年に誕生したばかりの「チェーン規制標識」。過去に雪による立ち往生や通行止めが発生した場所で、かつタイヤチェーンを着脱できる場所や待機場所がある区間にのみ設置されています。
チェーンをつけてない車は走ってはいけないという意味の標識です。スタッドレスタイヤや四輪駆動の車でも、チェーンを付けないと走行できません。大雪による立ち往生や通行止めを事前に防ぐために作られました。
投雪禁止区域指定標示板
業務用で使われる標識「投雪禁止区域指定標示板」。高速道路の路肩に設置されています。四角型と十字型の2種類があり、四角型が始点、十字型が終点を表しています。
除雪車が除雪した雪を落としてはいけない区間を示すための標識です。高速道路の下に民家や一般道がある場合に、民家や一般道での事故を防ぐために使われます。
まとめ
事故を起こしたり、巻き込まれてしまうと楽しい旅行も台無しです。時には取り返しのつかない結果になることも。
どんなに運転に自信があっても、なくても“とにかくスピードを出さずに運転する”ことが大切です。少しの油断が大きな事故につながる恐れがあります。もし、雪道の運転が不安な方はタクシーやシャトルバスを使うことも検討しましょう。