あずき(小豆)には高い栄養価がある! 健康・美容におすすめの理由

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おはぎや羊羹、まんじゅう、お赤飯など手軽に食べられるあずきは和菓子に欠かせない材料です。この小さな実には、生活習慣病の予防やむくみの解消、アンチエイジングに効果的な栄養素がたっぷり! 大豆や落花生などよりも脂質が少ない豆なのも嬉しいポイントです。

    この記事でわかること

  • あずきの生産量第1位は北海道
  • タンパク質や食物繊維が豊富
  • 煮汁には物凄い栄養が含まれている
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

あずきの歴史と品種

日本では紀元前4000年頃の遺跡や弥生時代の遺跡から、あずきの祖先が出土しています。あずきの栄養価の高さは古くから知られており、古代中国でもあずきの煮汁を解毒剤として使用していました。現在でも薬膳料理に欠かせない食材のひとつです。

また、あずきは日本や中国で、神秘的な意味合いをもつものとしても認識されていました。古代中国では魔除けや厄除けとして使用されており、日本では今でもお祝いの席にはお赤飯が登場しますね。

日本ではどのくらい生産されているの?

都道府県別あずきの生産量

参考:農林水産省 作物統計

日本のあずき産地といえば、北海道・丹波(兵庫県)・備中(岡山県)が有名どころです。なかでも北海道は、日本のあずき生産量の8~9割を占めるあずき産地として知られています。

小豆の種類は主に3つ

あずきの品種

大粒の「大納言」は赤飯や甘納豆、小倉あんなどに使用されます。羊羹などでも大納言を使用したものがありますね。大きくて色つやがよく、煮崩れしにくいのが特徴です。「中納言」「少納言」は大納言よりもやや小粒で「普通小豆」とも言われます。大納言よりもポリフェノールを多く含み、抗酸化作用が高いすぐれもの。主にこしあん・粒あんに使用されます。

この他に「白小豆」というのもあり、さっぱりした品のある味が好まれています。こちらは希少なため、やや高価で、高級和菓子の白あんなどに使われます。種皮色が淡いため、ポリフェノールが少なく、抗酸化作用にはあまり期待できません。

あずきの高い栄養価

あずきには体にうれしい栄養素が豊富に含まれています。

  • タンパク質
  • 炭水化物
  • 食物繊維(ごぼうの3倍)
  • ビタミンA、B1、B2、B6
  • ポリフェノール(赤ワインの1.5倍)
  • サポニン
  • アントシアニン
  • ナトリウム
  • カリウム(アボカドの2倍)
  • 鉄分
  • 亜鉛
  • カルシウム

タンパク質

タンパク質が豊富で、大豆の2/3ほどの量を含みます。タンパク質は体を作るのに欠かせない材料。動物性と植物性があり、プロテインなどでも動物性のミルクプロテイン、植物性のソイプロテインがありますが、ソイプロテインの原料は大豆。その大豆の2/3のタンパク質量を誇るとなれば、これは積極的にとりたい食材ですね。

食物繊維

あずきには不溶性食物繊維が17.1g、水溶性食物繊維が7.7g(乾燥あずき100gあたりの数値)と、不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸収して、腸を刺激することで便通を促してくれるので、便秘の解消に役立ちます。

また、有害物質を排出してくれる効果もあります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整え、血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。あずきにはオリゴ糖も多く含まれているので、腸内の悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌を増やすので、腸管免疫の働きを高めてアンチエイジングにもつながります。

ビタミンB群

ビタミンB群には、エネルギーを効率よく作り出す働きがあります。

食事から摂った炭水化物が酵素で分解されることによってエネルギーが生じるのですが、その酵素の働きを助ける役目をビタミンB1が担っています。不足すると食欲がなくなったり、疲れやすくなります。積極的に摂取することで、体内の疲労物質を減らして疲労からの回復を早めてくれます。

サポニン

苦味やえぐみの成分で、ポリフェノールの一種です。あずきの外皮に含まれるサポニンは、強い抗酸化作用で悪玉コレステロールや中性脂肪の増加を防ぎ、血糖値の上昇を抑えて血液の流れを良くしてくれる効果があります。これにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防にも役立ちます。

また、利尿作用を促進することで、むくみを防ぎます。

アントシアニン

こちらもポリフェノールの一種で抗酸化作用が強いことで知られています。光の刺激を目から脳に伝えるロドプシンの合成を促す効果があり、目の疲れやピント調節を改善する効果が期待できます。また、アントシアニンにも血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化予防に役立ちます。

カリウム

カリウムは身体の水分バランスを保つ物質です。

塩分をとり過ぎると血中にナトリウムが増え、血管の細胞が反応して高血圧を引き起こすといわれていますが、カリウムでナトリウムを排出することで正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防などに効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。

鉄分・亜鉛

体内の酸素循環をスムーズにしたり、貧血を防いだりもしてくれる亜鉛と鉄分。とくに鉄分は赤血球中のヘモグロビンの主成分であり、血液を造るのに必要不可欠です。不足すると酸素が全身に行き届かなくなり、顔色が悪くなったり、集中力や記憶力の低下、めまいや立ちくらみ、疲れを感じやすくなるなどの貧血症状が現れます。

あずき水ダイエット

あずきは血糖値の上がりにくい低GI値食材なので、低インスリンダイエットなど、血糖値をコントロールするダイエット方法に向いています。ただし、砂糖と一緒に食べるとGI値が一気に上がって、血糖値が上がりやすい食材に。また、カロリーは比較的高めなため、糖質制限ダイエットには不向きです。なので、ダイエット食材として取り入れる場合は、和菓子のあんこではなく、砂糖なしのゆであずきで食べるのをおすすめします。

本来、ゆであずきを作るときの最初の煮汁には渋みやアクが多く、あんこを作る過程では渋抜きとして捨てられます。が、この最初の煮汁には、ポリフェノール、サポニン、ビタミンB1・B2など、水に溶けやすい栄養分がたっぷり溶け出ているのです。

脂肪や糖の吸収を抑えるポリフェノール、代謝を促すビタミンB群、利尿効果でむくみを防ぐサポニン、これらを効率良くとれるのが、本来捨ててしまう「最初の煮汁」です。

あずき水ダイエット

あずき水の作り方は簡単。たっぷりの水であずきを洗って、大きめの鍋にあずきと水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして30分ほど煮込むだけ。煮込むとアクが出ますが、これも栄養分なのでそのままにしてください。あずきと煮汁を分けたら完成です。食前に飲むとダイエットに効果的です。

保存する場合は冷蔵庫で、2~3日を目安に飲み切りましょう。煮汁をあずき水として飲みますが、あずきのほうはゆであずきとしてそのまま食べられます。食物繊維が豊富なので、こちらもダイエットによい食材です。

writerprof_minagawa
皆川 今日子
ライター
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。