飲みすぎ注意!? コーヒーの効能を調べたら、健康メリットがいっぱいあった

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毎日、朝のコーヒーは欠かせないという方も多いコーヒー。朝だけではなく、休憩のたびにコーヒーに手が伸びてしまうことも多いですよね。この記事ではそんなコーヒーの健康効果について注目してみました。

    この記事でわかること

  • 抗酸化作用で美肌効果に期待
  • 中性脂肪の蓄積を防ぐ働きがある
  • コーヒーは1日3~4杯がおすすめ
  • インスタントでもドリップでもカフェイン量は変わらない
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コーヒーが健康・美容に役立つって本当?

クロロゲン酸で体の中から美しく!

コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれています。主にコーヒーの苦味や渋味を作り出している成分で、じゃがいもやりんごなどにも含まれていますが、コーヒー豆には特に多く含まれているそう。

抗酸化作用

クロロゲン酸は、抗酸化作用が強いことで知られています。傷や紫外線などにさらされると、活性酸素が生じることによって組織が傷ついてしまいます。油や鉄が酸素にさらされて、酸化する・サビつくこととよく似た現象です。クロロゲン酸が持つ抗酸化作用によって、植物はこのようなダメージから身を守ることができるのです。それと同じことが人間の体内でも起こり、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用が「抗酸化作用」です。近年ではクロロゲン酸が脂肪の蓄積を抑える働きに注目が集まっており、ダイエット時のサポート食品の素材などとして利用されています。

抗酸化作用は女性に嬉しい美肌効果もあります。シミやしわを抑制するので、コーヒーを1日2杯以上飲む女性は、紫外線による顔のシミが少ないという実験結果も報告されています

コーヒーを1日2杯以上飲む女性は、紫外線による顔のシミが少ない

メタボ予防

クロロゲン酸には、中性脂肪の蓄積を予防する効果もあります。肝臓に中性脂肪が溜まってしまうとメタボリックシンドロームにもつながるといわれており、放置すると肝炎などを引き起こす可能性が高くなります。また、糖尿病を予防する効果もあります。肥満や運動不足などの不規則な生活習慣によって血糖値を正常に保てなくなると、糖尿病が引き起こされます。食後には血糖値の急激な上昇を抑えるために、インスリンという血糖値を正常に保つホルモンが分泌されますが、糖尿病ではインスリンの分泌が遅れるため、血液中のブドウ糖が正しく処理されず、食後に血糖値が急激に上昇することがあります。クロロゲン酸はこのような糖尿病の原因となる糖新生を抑えるため、糖尿病の治療薬の活用に関する研究も進められています。

血流改善も

クロロゲン酸は、体の中でフェルラ酸という成分に代謝されます。このフェルラ酸は血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにしてくれるため、血管が詰まりにくく脳梗塞や心筋梗塞を防いでくれると考えられています。このように血流を改善する効果の他、肌の水分量を高める効果などがあるとされ、注目が集まっています。最近ではクロロゲン酸のみを抽出したサプリメントも人気です。

病気予防にも期待大

国立がんセンターの研究で、「コーヒーを毎日飲む人は、飲まない人に比べ肝臓がんの発生リスクが半減した」という結果が出ています。こちらはまだそのメカニズムについては研究中のようなので、今後もぜひ注目していきたいですね。また、国立国際医療研究センターのJPHC研究では、コーヒーを毎日3~4杯飲む人は、まったく飲まない人に比べて糖尿病になるリスクが男性で17%、女性で38%低いと言われています。さらに、コーヒーは、認知症の約半数を占める「アルツハイマー型認知症」の予防にも効果的だといわれています。

カフェインで体も頭もスッキリ!

カフェインで体も頭もスッキリ!

カフェインで脂肪燃焼

カフェインには、消化酵素を活性化させて、脂肪を燃焼させる働きがあります。このため、運動前にコーヒーを飲むのも効果的です。先に述べたクロロゲン酸の食後血糖値の上昇を抑制する効果と合わさることで、コーヒーにはダイエット効果が期待できそうです。ダイエット目的なら、甘いコーヒーではなくブラックコーヒーがおすすめですよ。

覚醒&集中力アップ

カフェインの効果の代表的なものは覚醒作用です。頭をすっきりさせて集中力を高める効果です。他にも、中枢神経を刺激して、自律神経の働きを高めたり、運動能力を向上させたり、心臓の筋肉の収縮力を強化させたりするなど、コーヒーに含まれるカフェインは、多彩な効果をもっています。

お通じにも効果的

お通じにも効果的

カフェインに利尿作用があることは、経験則的に知っている方も多いでしょう。そして、朝にコーヒーを飲むとお通じがある、という方も案外多いです。カフェインには腸のぜんどう運動(腸の内容物を押し出す動き)を刺激する効果もあります。これは、内臓の動きをコントロールしている迷走神経を興奮させる働きによるものです。また、カフェインには胃酸の分泌を促す働きもあるため、食後にカフェインを摂ると、食べたものの消化を助けてくれます。胃と腸はつながっていますから、胃の活動が活発になれば、当然腸の活動にも良い影響が及びます。こうしたメカニズムが、コーヒーが便秘の改善に役立つ理由のひとつと考えられています。

コーヒーの香りでリラックス

コーヒーの香りでリラックス

コーヒーの香りを心地良く感じるという方は多いでしょう。コーヒーの種類によって香りは異なりますが、コーヒーの香りを嗅ぐことで、脳からリラックス効果の高いα波が出ることが確認されています。一説によると、高級豆「ブルーマウンテン」の香りはα波を分泌する効果が高く、「ブラジルサントス」や「ハワイ・コナ」にはリラックス効果よりも集中力アップの効果が高いとも言われます。豆によって期待できる効果が異なりますが、自分の好きなコーヒー豆の挽きたての香りがきっと一番ですね。より香りが強く出るのは、浅煎りよりも深煎りなので、コーヒーのアロマ効果を狙うなら深煎りのほうが良いでしょう。

効果的に飲むには?

抗酸化作用や脂肪燃焼効果、集中力アップなどうれしい効果がたくさんのコーヒーは、1日何杯でも飲みたくなってしまうもの。1日に3〜4杯のコーヒーを飲んでいる男性は糖尿病リスクが低いという日本での調査があり、アメリカでも1日4〜5杯のコーヒーが全死因のリスクを低下させるという報告もあります。

ただ、欧州食品安全機関(EFSA)によると、成人が摂取しても体に影響がないとみられる1日あたりのカフェインの最大摂取量は1日400mg(70kg換算/体重1kgあたり5.7mg)としています。コーヒー1杯(150mL)あたりのカフェイン量をおよそ80mgとすると、コーヒーは1日3~5杯くらいまでと決めておくのがおすすめです

カフェインの覚醒作用は、摂取してから20~30分後から平均4時間ほどです。コーヒーを飲むタイミングとしておすすめなのは、まず朝の1杯で体の覚醒やお通じの改善に期待します。続いてランチ時間の1杯で血糖値上昇を抑えて、脂肪燃焼効果もプラス。次に、午後の仕事時間で一番眠くなる時間、3時頃に1杯。リモートワークやフレックス制ならこの時間にしっかり休憩時間をとりましょう。15分ほど軽いお昼寝をするのも効果的。そして、お昼寝前にコーヒーを飲むのがおすすめです。飲むと眠れなくなってしまうのでは?という心配は不要です。カフェインが効果を現すのは約20分後なので、軽いお昼寝から目覚めると、ちょうど覚醒作用が働き始める時間となります。

効果的に飲むには?

休日や仕事帰りのジムを日課としている方であれば、運動を始める30分~1時間ほど前に飲んでおくと、脂肪燃焼効率と運動のパフォーマンスがあがります。筋トレなどの無酸素運動、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動、どちらを行う際にも効果的です。

1日のスケジュールから、どのタイミングでコーヒーを飲むのが効果的か、いろいろ考えてみるのも楽しいですね。

コーヒーを美味しく

コーヒーには、お湯に溶かすだけの手軽な「インスタントコーヒー」と、器具とフィルターを使って丁寧に淹れる「ドリップコーヒー」があります。風味を最大限に楽しめるのは1杯ずつ手で入れるハンドドリップコーヒーですが、コーヒーをよく飲むという方であれば、自宅にコーヒーメーカーを用意していることでしょう。コーヒーメーカーならセットするだけで気軽にコーヒーを楽しめますね。

インスタントでもドリップでも、カフェインの量はほとんど変わりません。ただ、ドリップコーヒーの方がクロロゲン酸は多くなります。また、焙煎が深くなるほどクロロゲン酸が減ってしまうので、浅煎りの豆を使ったコーヒーが最もクロロゲン酸を摂取できるといえます。クロロゲン酸の効果に期待したい方は、そのようなコーヒーを日常的に飲むと良いでしょう。とはいえ、コーヒーのアロマを楽しむなら深煎りの豆のほうが効果的という事実も。朝の目覚めには深煎り、食後や運動前でクロロゲン酸の効果に期待したい場合は浅煎りなど、目的に応じて飲み分けてみるのもいいかもしれません。

コーヒーを美味しく

ドリップコーヒーは器具も揃える必要があって大変そう、でも興味がある……という方には、1杯分ずつパッキングされたドリップバッグがおすすめです。ペーパーフィルターと挽いた豆がセットされてるので、お湯を注ぐだけでドリップコーヒーが楽しめます。カップに直接セットするのでドリッパーが必要ないのもうれしいポイント。

好みの豆を楽しみたい方には、1杯用フィルターだけでも売っています。こちらは100円ショップなどでも見つけられるので、ぜひ探してみてください。

飲み過ぎによるデメリット

なにごとも、過ぎたるは及ばざるがごとし……もちろん、コーヒーも飲みすぎ注意です。

トイレが近くなる

体内の老廃物を排出してくれる利尿作用ですが、同時にトイレが近くなるということでもあります。コーヒーを飲む前にその後の予定を確認し、例えば長時間の移動や大事な会議、映画や舞台の鑑賞などが控えている場合には、コーヒーは控えるか、飲むとしても1杯までにしておくのが無難かもしれません。

カフェインの過剰摂取

カフェインの過剰摂取

仕事に集中したい時には助かる覚醒作用も、眠る前には逆効果になってしまうことも。カフェインの感受性は人により異なるため一概には言えませんが、寝る前に飲むことで入眠までの時間が長くかかったり、睡眠が浅くなったりする恐れがあります。カフェインの覚醒作用は4時間ほど続くので、コーヒーを飲むのは眠る4時間前までにしておいたほうがいいといえます。

また、こちらも個人差がありますが、カフェインを過剰摂取してしまうと、不眠や動悸、吐き気などの症状を催すことがあります。カフェインはコーヒーだけでなく紅茶やお茶、エナジードリンクや栄養ドリンクなど、さまざまな飲料・食品に含まれるため、思っていたより多く摂取してしまうことも起こりえるので気をつけましょう。

コーヒーを飲んだ後、しばらくすると気分が悪くなるという方は、もしかするとカフェインアレルギーかもしれません。カフェインアレルギーは、食後すぐにアレルギー反応を起こす通常の即時型アレルギーと違い、摂取して数時間以上経ってから起こる遅延型アレルギーに分類されます。具合が悪くなってしまった場合、それがカフェインによるものなら水を飲んで体内のカフェインを薄めることで改善する場合があります。

胃が痛くなる?

コーヒーには体脂肪の分解を助ける消化酵素や、ホルモンの分泌を促したりする作用があります。一方で、摂り過ぎると消化器官への刺激から、胃痛や下痢を引き起こす可能性も。特に空腹時にコーヒーを飲むと胃の痛みや不快感を感じるという経験談をお持ちの方も多いでしょう。食べ物なしでコーヒーだけをおかわりしてしまうと胃腸に負担がかかるかもしれません。個人の体質や、その日の体調も考えて、飲み過ぎにはご用心を……。

writerprof_minagawa
皆川 今日子
ライター
札幌在住。旅行誌を中心に、観光・グルメ系メディアにて執筆中。趣味は料理とゲーム。長年、掃除を苦手としていることで悩んでいたが、「掃除に必要な才能を生まれ持たなかった」と割り切ることで気が楽になった。