コーヒーの効果・効能はいろいろ!ダイエット効果や健康・美容効果などを解説
毎日、朝のコーヒーは欠かせないという方も多いコーヒー。朝だけではなく、休憩のたびにコーヒーに手が伸びてしまうことも多いですよね。この記事ではそんなコーヒーの健康効果について注目してみました。
- 抗酸化作用で美肌効果に期待
- 中性脂肪の蓄積を防ぐ働きがある
- コーヒーは1日3~4杯がおすすめ
この記事でわかること
コーヒーは健康に良い?悪い?
コーヒーは古くから嗜好品として好まれている飲料です。コーヒーを飲む文化が日本に持ち込まれたのは17~18世紀頃と言われていますが、世界ではもっと古くよりコーヒーが親しまれていました。
嗜好品のイメージが強いため、健康に良くないと思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、現代ではコーヒーに含まれるさまざまな成分が解明され、健康効果や病気の予防効果など、多数の効果・効能が注目を集めています。なかには、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて糖尿病になりにくいなどの報告もあり、適量を適切に摂取すればコーヒーは健康に良い飲み物と言えます。
コーヒーに含まれる特徴的な成分
コーヒーに含まれる成分のなかでも、特に「ポリフェノール」「カフェイン」「ニコチン酸」「プレバイオティクス」の4つの成分が注目を集めています。
ポリフェノール(クロロゲン酸)
ポリフェノールは植物に含まれる色素成分のひとつです。さまざまな種類があり、コーヒーに含まれるポリフェノールのなかでも、特に健康効果などが注目されているのがクロロゲン酸です。
コーヒーの抽出時間が長い場合、味に雑味が出てしまいます。雑味の原因がクロロゲン酸であると言われています。
カフェイン
カフェインとは有機化合物のひとつで、精神刺激薬として医療や研究などにも用いられることのある成分です。カフェインが含まれる飲料で代表的なものとしてコーヒーが知られていますが、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココアなど、さまざまなものに含まれています。
また、近年はエナジードリンクと銘打ってカフェインを特に多く含む飲料も流通しています。
ニコチン酸
ニコチン酸は、ビタミンB群の栄養成分で、ナイアシンと呼ばれることもあります。煙草などに含まれるニコチンとは異なる成分であり、研究によりさまざまな健康効果が発見されています。
プレバイオティクス
プレバイオティクスは、腸内の善玉菌の餌となる食物繊維のことを言います。コーヒーには、プレバイオティクスが含まれておりビフィズス菌の増殖効果があることが分かっています。
コーヒーに期待できる効果
コーヒーに含まれるポリフェノールやカフェイン、ニコチン酸、プレバイオティクスなどの成分は、それぞれに違った効果・効能が期待できます。
続いては、それぞれの成分から期待できる効果について解説します。
ポリフェノール(クロロゲン酸)に期待できる効果・効能
コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールが含まれています。主にコーヒーの苦味や渋味を作り出している成分で、コーヒー豆には特に多く含まれているそうです。
脂肪燃焼・ダイエット効果
クロロゲン酸には、運動時の脂肪の燃焼を活発にする効果が期待できます。その他、糖質の吸収を緩やかにする効果や内臓脂肪をつきにくくする働きもあると言われています。
クロロゲン酸には血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できるため、ダイエットに最適な飲み物と言えるでしょう。
血流改善(動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞の予防)
クロロゲン酸には血中で血小板が固まってしまう事を防ぐ働きがあります。つまり、血液がドロドロになるのを防ぎ、血流を改善してくれる効果が期待できます。
血流が悪くなることでリスクの高まる病気の予防にも効果が期待できるでしょう。動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高い方はクロロゲン酸を適量摂るのがおすすめです。
美肌効果
クロロゲン酸は、抗酸化作用が強いことで知られています。傷や紫外線などにさらされると、活性酸素が生じることによって組織が傷ついてしまいます。これが、シワやたるみ、シワが起こる原因のひとつです。
抗酸化作用には、シミやしわを抑制する効果が期待できます。コーヒーを1日2杯以上飲む女性は、紫外線による顔のシミが少ないという実験結果も報告されています。
カフェインに期待できる効果・効能
カフェインの効果と言えば「眠気覚まし」が有名です。しかし、カフェインには眠気覚まし以外にもさまざまな効果・効能が期待できます。
覚醒効果(眠気覚まし)
カフェインの効果の代表的なものは覚醒作用です。これは、カフェインが神経を興奮させる物資である「アデノシン」と非常に似ていることで起こる作用と言えます。
コーヒーを飲むことで体内のカフェイン量が増え、神経への興奮作用を持つアデノシンが多く分泌されたと勘違いし、脳や体が興奮状態になって覚醒します。朝にコーヒーを飲むと眠気が冷めてスッキリする気がするのは、カフェインの作用によるものです。
疲労軽減
カフェインには、エネルギーの消費を促す働きがあります。運動前にカフェインを摂取すると、普段よりも多くのエネルギーが消費し運動中の疲労感を軽減する働きがあると期待されています。
どのような運動にも適用される訳ではなく、持久力の求められるスポーツで効果が期待できると言われており、サッカーやテニスなど、長時間走り続ける事が求められるようなスポーツをする場合、コーヒーによる疲労軽減効果があるのではないかと考えられています。
集中力アップ
カフェインの覚醒効果は、集中力を高める働きもあります。勉強や仕事に集中したい時には、カフェイン抽出量の多いエスプレッソなどを飲むのがおすすめです。
むくみ改善
カフェインは、利尿作用があります。体内に余分な水分が溜まる事が原因で起こる「むくみ」も、カフェインの持つ利尿作用で改善する効果が期待できるでしょう。
特に、コーヒーには血流を改善するクロロゲン酸も含まれているため、血流を良くしつつ利尿作用で余分な水分を排出します。むくみの改善に高い効果が期待できる飲み物です。
運動能力アップ
カフェインの興奮作用・集中作用によって、運動能力の向上効果も期待できます。
2022年に、国際スポーツ栄養学会でカフェインによるスポーツパフォーマンス向上効果が科学的に実証されたという発表が行われました。運動する1時間前にカフェインを摂取すると、最も効果的にカフェインによる運動力アップが期待できると言われています。
ニコチン酸に期待できる効果・効能
ニコチン酸には、皮膚や粘膜を健康に保つ働きや善玉菌を増やす働きなどが期待できると言われています。その他、加齢を防ぐ働きも期待されており、免疫の向上や病気の予防などさまざまな効果をもつ成分として注目されています。
心筋梗塞や心臓病の予防にも繋がると言われており、健康で若々しい体を保つために、1日にコーヒ3~4杯に含まれるニコチン酸を摂取するのが望ましいという報告もあります。
プレバイオティクスに期待できる効果・効能
コーヒーに含まれているプレバイオティクスには、腸内の善玉菌の増殖を促す効果が期待できます。腸内の細菌バランスが良くなることで、便秘の改善・肌荒れの改善・免疫力の向上など、さまざまな効果も期待できるでしょう。
コーヒーの香りには効能がある
コーヒーの香りを心地良く感じるという方は多いでしょう。コーヒーの種類によって香りは異なりますが、コーヒーの香りを嗅ぐことで、脳からリラックス効果の高いα波が出ることが確認されています。
一説によると、高級豆「ブルーマウンテン」の香りはα波を分泌する効果が高く、「ブラジルサントス」や「ハワイ・コナ」にはリラックス効果よりも集中力アップの効果が高いとも言われています。
より香りが強く出るのは、浅煎りよりも深煎りなので、コーヒーのアロマ効果を期待するなら深煎りのほうが良いでしょう。
コーヒーの1日あたりの摂取上限量の目安は?
抗酸化作用や脂肪燃焼効果、集中力アップなどの効果が期待できるコーヒーですが飲み好きには注意が必要です。
欧州食品安全機関(EFSA)によると、成人が摂取しても体に影響がないとみられる1日あたりのカフェインの最大摂取量は1日400mg(70kg換算/体重1kgあたり5.7mg)とされています。コーヒー1杯(150mL)あたりのカフェイン量をおよそ80mgとすると、コーヒーは1日3~5杯くらいまでと決めておくのがおすすめです。
コーヒーを効果的に飲む方法
カフェインの覚醒作用は、摂取してから20~30分後から平均4時間ほどです。
コーヒーを飲むタイミングとして朝と昼がおすすめです。
朝にコーヒーを1杯飲むことで体の覚醒やお通じの改善に効果が期待できます。
続いて昼のランチ時間にコーヒーを1杯飲むことで、血糖値上昇を抑え、脂肪燃焼効果も期待できるでしょう。
次に、午後の時間帯で眠気や疲労を感じやすい3時頃にコーヒーを1杯飲むのがおすすめです。
休日や仕事帰りのジムを日課としている方であれば、運動を始める30分~1時間ほど前にコーヒーを飲んでおくと、脂肪燃焼効率と運動のパフォーマンスがあがります。
コーヒーを飲む時に気を付けるポイント
さまざまな健康効果・美容効果が期待できるコーヒーですが、飲みすぎることで起こるデメリットにも注意が必要です。コーヒーを飲む時には、以下のポイントに注意してください。
カフェインの過剰摂取に気を付ける
カフェインの過剰摂取によって、めまい、興奮、心拍数の増加、震え、不安、不眠などの症状が見られることがあります。これは、カフェインによって中枢神経が刺激され過ぎてしまうことで起こる症状です。
その他、消化器が強い刺激を感じて胃痛、吐き気、下痢、嘔吐などの症状が現れるケースも報告されています。
カフェインはコーヒーだけでなく紅茶やお茶、エナジードリンクや栄養ドリンクなど、さまざまな飲料・食品に含まれるため、知らず知らずの内に過剰摂取してしまっていることもあります。
その他の飲み物から摂るカフェイン量とコーヒーから摂るカフェイン量を把握し、過剰摂取に気を付けましょう。
砂糖の過剰摂取に気を付ける
コーヒーに砂糖を加えて飲むという人は、糖分の過剰摂取にも注意が必要です。健康効果やダイエット効果などを期待してコーヒーを飲む人の場合、砂糖の過剰摂取によって望む効果が期待できなくなってしまうこともあるでしょう。
どうしてもコーヒーを飲む際に甘味が必要な場合は、カロリーカットタイプの砂糖や濃厚でコク深いはちみつなどを少量代用するのもおすすめです。
妊娠中・授乳中は控える
妊娠中の胎児には、カフェインの過剰摂取によって悪影響を受ける可能性があると考えられています。妊娠中は1日200mg程度まで、カフェイン摂取量を抑えた方がよいでしょう。
授乳中も母乳からカフェインが移行した際の悪影響を考え、同様に控えることが推奨されています。
一方で、カフェインに毒性がある訳ではないため、完全に断たないといけない訳ではないという事も覚えておきましょう。過剰摂取にならなければ、コーヒー1~2杯分程度のカフェインであれば摂取しても問題ないと言われています。
就寝時刻の4~6時間以内は控える
仕事に集中したい時には助かる覚醒作用も、眠る前には逆効果になってしまうこともあります。
カフェインの感受性は人により異なるため一概には言えませんが、寝る前に飲むことで入眠までの時間が長くかかったり、睡眠が浅くなったりする恐れがあります。
カフェインの覚醒作用は4~6時間ほど続くので、コーヒーを飲むのは眠る4~6時間前までにしておいたほうがよいでしょう。
まとめ
コーヒーに含まれるポリフェノール、カフェイン、ニコチン酸、プレバイオティクスなどの成分には、さまざまな健康効果や美容効果を期待できることが分かりました。ぜひ、今回紹介した効果的に飲む方法や気を付けるポイントを参考に、コーヒーを飲んでみてください。