夏バテは食べ物で予防・対策しよう! おすすめの食べ方も紹介
暑い夏に気を付けたい健康トラブルのひとつが夏バテ。食欲がなくなったり、だるさを感じたりして、普段よりも力が出なくなってしまいます。そうならないために気を遣いたいのが食事です。しっかり栄養を摂取することで、暑さに負けない体をつくることができます。この記事では、夏バテに効果的な食事方法に加えて、おすすめの食べ物を予防編・対策編に分けてご紹介します。
- 夏バテにはたんぱく質・ビタミン・ミネラル・クエン酸が効果的
- 暑いからといって冷たい飲みものはNG
- 予防には夏野菜が効果的
- 夏バテになってしまったら豚肉や梅干しを
この記事でわかること
夏バテの原因とは?
夏にだるさを感じたり、食欲がなくなったりする夏バテには、いくつかの原因があります。1つ目の原因は、自律神経の乱れ。暑い室外とクーラーが効いた室内の温度差が自律神経のバランスを崩します。体温調整が上手くいかず、普段よりも活力が失われてしまうのです。
2つ目の原因は、水分やミネラルの不足。気温が高いと汗をかきやすくなり、意識的に水分をとらないと、脱水症状を起こしてしまいます。どちらも活動に欠かせないので、夏バテになりやすくなります。
3つ目の原因は、栄養不足。夏バテになっていなくても、暑さで食欲がなくなることがあります。十分に食事をとらなかったり、食べやすいものばかり食べていたりすると、栄養不足や偏りが起きるのが夏バテの仕組みのひとつです。熱帯夜は眠りにつきにくく、睡眠によって体力を十分に回復できなくなることも、夏バテにつながります。
夏バテを予防・解消するための食事方法
暑さで食欲がなくなって食べなかったり、そうめんばかり食べたりすると、かえって夏バテになりやすくなります。夏バテ予防や解消には、しっかり食べることが大切!上手に食欲を刺激したり、栄養バランスを意識したりして、食事で夏バテを退治しましょう。
栄養をバランスよく摂取する
栄養不足が夏バテの原因と説明しましたが、とにかくたくさん食べればよいというわけではありません。栄養素が偏ってしまうと、不足した栄養が担う働きが弱くなり、不調を感じやすくなります。
例えば、夏に食べたくなるそうめんやそばは、ツルっと食べやすいものの、炭水化物が偏りやすくなるので注意が必要です。炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変えるにはビタミンが必要になるので、ビタミンが足りないと、かえって夏バテになりやすくなります。
この後解説する、夏バテに効果的な栄養を含む食べ物を中心にして、バランスよく食事することが大切です。肉や魚、野菜や果物、海藻、牛乳などを一品ずつ取り入れると、栄養をまんべんなく摂りやすくなります。
よく噛んで食べる
暑さであまり食べたくないときに、食事を早く終わらせようとほとんど噛まずに食べてしまうことがありませんか。よく噛まないと、消化するために胃腸が頑張らなくてはいけず、消化不良などの不調が起きやすくなります。
食欲があまりないときでも、焦らずゆっくりよく噛んで食べましょう。唾液が多く分泌されて、胃腸の消化を助けることができます。
冷たい食べ物を食べすぎない
暑いからといって、そうめんやアイス、かき氷、冷たい飲み物などを摂りすぎるのはNG。体の中も冷えてしまい、特に胃腸に負担がかかってしまいます。冷たいものは暑さをリフレッシュしたいときに適度に摂取するのがおすすめです。
香辛料で食欲アップ
暑さでどうしても食欲が湧いてこないときは、香辛料を使うのがおすすめ。食欲を増進する効果があり、そのまま食べるよりも食が進みやすくなります。唐辛子やラー油、わさび、こしょうなど、香辛料の種類は多いので、好きなものを普段の料理にちょっと加えてみましょう。
とはいえ、香辛料の摂りすぎには注意が必要です。唐辛子などに含まれるカプサイシンは、摂取しすぎると胃腸の粘膜にダメージを与え、下痢を引き起こします。胃腸に負担がかかりやすい夏バテに追い打ちをかけてしまうので、適度な使用がポイントです。
夏バテ対策に効果的な栄養素
夏バテ対策には食事が大事ですが、摂取する栄養素も意識すると、もっと効果的です!積極的に取り入れたい栄養素とその効果・効能をチェックしていきましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、身体のほとんどを構成している栄養素です。筋肉や免疫物質などをつくるだけではなく、脳を働かせる神経細胞の形成にも役割を果たしています。不足していると、疲労回復が遅れてしまい、夏バテになってしまうので、しっかり摂取することが大切です。
たんぱく質は、鶏肉・豚肉やかまぼこ、大豆製品などで摂ることができます。記憶力や集中力の維持にもつながるので、真夏の仕事や家事などを乗り切るためにも重要な栄養です。
ビタミンB1・B2・C
夏バテ対策には、ビタミン群が効果的です。中でも、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCは、夏に摂取しておきたいビタミン。ビタミンB1は疲労回復効果があり、豚肉やレバーなどに含まれています。
ビタミンB2は栄養の吸収をサポートしてくれるため、夏バテにつながる栄養不足を防ぐことが可能です。納豆や卵などを積極的に摂るのがおすすめ。ビタミンCは、免疫力向上やストレス緩和などの効果があります。夏バテによるイライラや体調不良を防ぐために、ブロッコリーや果物などからビタミンCを摂取すると良いでしょう。
ミネラル
汗をかきやすい夏は、水分やミネラルが失われがちです。ミネラルは、身体を構成したり、酵素の働きをサポートしたりするなど、たくさんの働きがあります。代謝が上手くできないなど、不足は不調につながるので、水分と一緒にしっかり摂取しましょう。海藻やレバー、納豆などに多く含まれています。
クエン酸
レモンや梅干しなどに含まれているクエン酸は、疲労回復効果があります。疲労の原因になる乳酸の濃度を低くする働きによって、疲労を和らげてくれます。さらに、夏バテ対策に必要なミネラルの吸収を助けてくれるのも嬉しいポイントです。
【予防編】夏バテにならないためのおすすめ食べ物
まずは、夏バテにならないことを一番に考えましょう。暑くなってきたなと思ったら食べたい、予防におすすめの食べ物をご紹介。意識的に購入して、献立に加えてみてくださいね。
トマト
トマトには、ビタミンCやβ-カロテンなどを多く含んでいます。ビタミンCで免疫力や抵抗力を高めることができ、夏バテに負けない体をつくれますよ。β-カロテンは、ビタミンAが不足しているときにビタミンAに変身する栄養素。免疫機能の調整に使われるので、こちらも夏バテ対策に有効です。
赤色の元であるリコピンは、肌荒れやシミ・シワの予防になるので、夏バテを防ぎつつ美肌効果も期待できます。暑くて食欲が湧かないときは、冷やしトマトでさっぱり食べるのがおすすめです。
きゅうり
きゅうりには、水分やミネラルの一種であるカリウムが多く含まれています。食感が良く、さっぱりしているので、暑い夏でも食べやすいのが魅力。汗をかいて失われた水分やミネラルを、漬物やスティック、冷や汁などできゅうりを食べて補給しましょう。たたききゅうりにして、梅干しを合わせれば、より夏バテ対策に効果的です。
レモン
レモンは、ビタミンCやクエン酸を多く含む果物です。疲労回復や免疫力向上に効果的。そのまま食べるのは酸っぱくて難しいので、ドリンクに加えたり、輪切りのはちみつレモンにしたりするのがおすすめです。
かまぼこ
かまぼこはたんぱく質を多く含む食べ物で、健康食品として知られています。高たんぱく質ながらも低カロリーなので、ヘルシーに栄養を摂取できるのが魅力。そのままでもサッと食べられるので、食欲が落ちがちな夏でも、たんぱく質を摂取しやすいです。
【対策編】夏バテになったら食べたいおすすめ食べ物
気を付けていたのに夏バテになってしまっても、心配はありません。必要な栄養素を豊富に含む食べ物を積極的に食べれば、少しずつ体調が戻ってくるはずです。夏バテ対策に効果的な食材をチェックして、今日のメニューから取り入れていきましょう。
豚肉
豚肉は、食品の中でもトップクラスにビタミンB1を含んでいます。疲労回復効果があるビタミンB1を効率よく摂取でき、夏バテからの回復をサポート。エネルギーや身体の源になるビタミンA、D、Eなどの吸収を助ける脂肪も多く、上手に食べれば暑い夏を乗り切る活力を得られます。
うなぎ
うなぎにも、ビタミンB1やビタミンB2など、ビタミン群を豊富に含まれています。ビタミンB2は脂質をエネルギーに変換する働きがあり、夏バテで落ちた体力の回復に効果的です。うなぎはご褒美感があるのも魅力。真夏の贅沢として食欲が湧き、美味しく食べつつ栄養を補給できますよ。
梅干し
梅干しは、ビタミンCとクエン酸を両方含む食べ物です。特にクエン酸は、疲労軽減に効果的なので、夏バテで元気が出ないときに食べると良いでしょう。レモンも同じ栄養を含む食べ物ですが、梅干しは食べやすい点でおすすめ。一粒食べるだけでも効果があるので、食事の際にパクっと食べましょう。
オクラ
オクラのねばねばには、ペクチンやガラクタンといった食物繊維が含まれています。整腸作用があるので、夏バテで胃腸に不調を感じているときに食べるのがおすすめです。サッと茹でて輪切りにしてかつおぶしと醤油で食べたり、味噌汁に入れたりするなど、食べやすい方法で摂取してみましょう。
まとめ
夏バテは食事方法や食材選びで、対策と予防ができます。たんぱく質やビタミン、ミネラル、クエン酸などの効果的な栄養を含む食べ物を積極的に摂取すると、夏バテになりにくく、なってしまっても回復しやすいです。
栄養バランスも大切なので、必要な栄養素をまんべんなく摂るのがポイント。よく噛んだり、冷たいものを抑えめにしたりしつつ、食べ物で夏バテ知らずの日々を過ごしましょう。