北海道民が教えるリアルな北海道弁(北海道の方言)

北海道民が教えるリアルな北海道弁(北海道の方言)の画像

2018年9月に、150年周年を迎えた北海道。京都や奈良に比べればまだまだ歴史は浅いのですが、それでも北海道ならではの「北海道弁」がちゃんとあるんです。今回は北海道生まれ、北海道育ちのPREZOスタッフが北海道弁をずらり65個、ご紹介します。

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うるかす

うるかすのイメージ

うるかすは「潤かす」とも書けるそう。漢字にすると少しだけわかりやすくなりますが、「潤う」とはちょっと違うかもしれません。「潤う」は美容関係でいい意味として使われるイメージですが、「うるかす」は水分がよく浸透した、くらいの意味。「心をうるかす」とは使わないんです。

例文①

「お米、うるかしておいてね」

「お米を水に浸しておいてね(お米をといでおいてね)」

例文②

「お風呂に浸かりすぎて指がうるかさった」

「お風呂に浸かりすぎて指がふやふやになった」
*「〜さった」は、自然とそうなった、という北海道弁。後ほど紹介します!

意味(標準語)

 ふやかす、水に浸す

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

わや

「わやくちゃ」と使うことも。状況や状態を表すこともあれば、心の状態を言い表す時にも使います。基本、台無しになった、ダメになったという否定的な意味で使いますが、まれに「すごい」「やばい」的な意味合いで使っているときもあるような…?そう、英語いう「クレイジー!(褒めてる)」が近いかもしれません。

例文①

「風が強かったので、髪がわや」

「風が強かったので、ヘアスタイルがめちゃくちゃになった」

例文②

「それは、わやだね」

「それは(めちゃくちゃで)大変だったね」

意味(標準語)

 めちゃくちゃ

北海道民の使用レベル

 ★★★★☆:よく使う

〜さる

「~さる」のイメージ

意図とは関係なく、自然とそうなってしまう時、ちょっと難しくいうと、物理的に可能な状態を表す時によく使われます。例えば「押ささらないボタン」は「押すことができないボタン」という意味。単純に押せない、というよりは、なぜだか知らないけれど押せない状態にある、というニュアンスです。

「〜さる」は、北海道ならではの考え方を表した表現かもしれません。北海道は自然環境が厳しい中、一から開拓されてきた土地。当時は土地を開拓するにも思い通りにならないことがたくさんあったはず。ですが、過酷な自然環境の中でもあきらめず生きていかねばなりません。
無理にあらがわず、ただその状況を受け入れる、という開拓民の生き方が反映された言葉なのかな、と現代に生きる北海道民は想像しています。とはいえ、便利なのでよく「使わさる」使い勝手のいい言葉ですよ。(ダイエットの時など)

例文①

「このボタン、おささらないわ」」

「このボタン、押せないね」

例文②

「塩辛だとごはんがよく食べらさる」

「塩辛がおかずだと、ごはんがすすむ(意図せずたくさん食べてしまう)」

意味(標準語)

 〜してしまう

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

したっけ

そうしたら、が訛った方言。使う場面によって意味は変わってきます。あいさつの時に使えば「さようなら」になり、会話の途中で使えば接続詞の「そうしたら」の意味に。電話を切るときに「したっけね!」で終わらせることもあります。

例文①

「したっけ、明日ね」

「それじゃあ、また明日ね」

例文②

「したっけ、やっぱり止めておくか」

「それなら、やっぱり止めておこうか」

意味(標準語)

 そうしたら、それなら

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

そだね

「そだね」のイメージ

女子カーリングで活躍した「ロコ・ソラーレ」のメンバーが、試合中に多用していたことで日本中に知られるようになりました。選手たちが発するカワイイ言葉の響きに、思わず使いたくなった人も多いのでは?

例文①

「リビングに飾っているお花、枯れてきたから処分してもいいかな?」
「そだね~」

Aさん「リビングに飾っているお花、枯れてきたから処分してもいいかな?」
Bさん「そうですね」

例文②

「今日の服装は何がいいと思う?」
「そだね、普通にスーツでいいんじゃないかな」

「今日の服装は何がいいと思う?」
「そうだなぁ、普通にスーツでいいんじゃないかな」

意味(標準語)

 そうですね、そうだね、そうだな

北海道民の使用レベル

 ★★★★☆:よく使う

よしかかる

「よっかかる」ともいう。北海道民にとっては、えっこれも方言なの?!レベルです。もう、おじいちゃんおばあちゃんしか使わないよ、という方言もありますが、これは誰でも使っているはず。

例文

「腰が痛いからよしかかる」

「腰が痛いから寄りかかる」

意味(標準語)

 寄りかかる

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

きかない

「言うことを聞かない」から、「きかない」。やんちゃやわんぱくな子どもによく使いますが、元気な子ども、というよりは生意気な子、という感じ。あまり褒め言葉としては使いません。

例文

「この子は相当きかない子だ」

「この子は相当強情な子だ」

意味(標準語)

 やんちゃ、わんぱく、強情

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

青たん

もちろん北海道民でも「青あざ」という時もあるのですが、ニュアンスとしては「青あざ」だとちょっと痛々しく、事故などでできてしまった時に使うことが多いかもしれません。「青たん」は子どもがやんちゃして作ってしまったもの、大人が不注意でちょっとぶつけた時のものなど、おっちょこちょいなニュアンスを含んでいます。

例文

「知らないうちに足に青たんができていた」

「知らないうちに足に青あざができていた」

意味(標準語)

 あざ、青あざ

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

~かい?

語尾につけて、相手の様子をうかがう時などに使うこともあれば、感想を述べる時などにも使います。語尾に「〜かい」がつくと、ちょっとやわらかい言い回しに聞こえますし、道外に出て戻ってきた時、年配の人が使っているのを聞くと北海道に帰ってきたなぁとしみじみ思う言葉です。

例文①

「したっけ、これは別にしとくかい?」

「そしたらこれは別にしておく?」

例文②

「やっぱり、そうかい」

「やっぱり、そうだったんだね」

意味(標準語)

 ~?

北海道民の使用レベル

 ★★★★☆:よく使う

~どうだい?

これも、質問する時などの語尾につけて使います。「い」の部分のイントネーションは下げて、強く発音せず、ちょっと弱めにいうと北海道弁!という感じになりますよ。「〜かい」や「〜だい」が優しく聞こえるのは、「い」の音がやわらかく聞こえるからなのかもしれません。

例文

「今日は調子どうだい?」

「今日の調子はどうですか?」

意味(標準語)

 ~どう?~どうですか?

北海道民の使用レベル

 ★★★★☆:よく使う

手袋をはく

手袋のイメージ

本州の人に「手袋をはく」というと、手袋は「はめる」でしょ、と訂正されたことがある道民、いるのではないでしょうか。でも、北海道で「手袋をはめる」と言うとちょっと気取ってるな、と言う雰囲気になることも。多くの道民は「はく」を使っています。

例文

「ちゃんと手袋はきなさい!」

「ちゃんと手袋をつけなさい!」

意味(標準語)

 手袋をつける、手袋をはめる

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

おやき

全国津々浦々にありつつも、地域ごとに名前が変わる、小麦粉の生地であんこをはさんで焼いた和菓子。北海道では「おやき」と呼びます。北海道だけではなく、青森県、岩手県も「おやき」圏内。寒い季節にアツアツのおやきを食べると最高に温まります。

例文

「おやつにおやき買ってきたよ」

「おやつに今川焼(回転焼き)買ってきたよ」

意味(標準語)

 今川焼、回転焼き

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

ごみを投げる

円盤投げのようにゴミを投げるわけではありません。普通にゴミを捨てに行くことを「ゴミを投げる」と言います。雪かきのことも雪投げというので、ひょっとしたら関係があるのかもしれませんね。ちなみに北海道(地域によりますが)の雪は雪かきの最中にもどんどん積もることがあるので、そんな時は黙々と「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ」の気持ちでひたすらスコップを動かします。

例文

「行く途中に、ゴミ投げお願いね」

「行く途中に、ゴミ捨てお願いね」

意味(標準語)

 ごみを捨てる

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

りんごがぼける

どうやら北海道というより長野県が発祥の言葉のようですが、北海道は移住者が多いので定着したのかもしれません。収穫してから時間が経ち、シャキッとした歯応えがなくなってしまったりんごのことを言います。

例文

「このりんご、もうぼけちゃったね」

「このりんご、もうおいしくなくなっちゃったね」

意味(標準語)

 本来の味ではない、おいしくない状態

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

あずましい

住居や部屋などが落ち着いて心地よい状態の時に使いますが、リラックスした気分の時にも使うことがあります。また、広いという時にも使う場合もあります。色々な場面で使えるので、ぜひ使いこなしてみてください。

例文①

「新しいお店だけど、あずましいねえ」

「新しいお店だけど落ち着くね」

例文②

「疲れて帰ってきたけど、やっとあずましくなった」

「疲れて帰ってきたけど、やっと(心も体も)落ち着いた」

意味(標準語)

 落ち着く、心地よい

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

サビオ

サビオのイメージ

絆創膏のことですが、商品名がそのまま名称になってしまった一例です。その昔、ライオン株式会社が販売していた「サビオ」という商品名の絆創膏が道内シェアNo.1だったから「サビオ」と呼ぶようになったとか。

例文

「怪我したから、サビオちょうだい」

「怪我をしたから、絆創膏ちょうだい」

意味(標準語)

 絆創膏、バンドエイド

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

ちょっきり

これも方言だったの?!と思わず叫んでしまうシリーズ。ちょうど、ぴったりなどの意味です。ひょっとしたら「ちょうど」と「きっかり」が合わさって(これも方言 笑)「ちょっきり」になったのかもしれませんね。

例文

「お釣りが出ないように、ちょっきりの金額で持ってきてね」

「お釣りが出ないように、ぴったりの金額で持ってきてね」

意味(標準語)

 ちょうど、ぴったり、きっかり

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

〜しょや

テレビドラマで北海道弁というと、この「〜しょや」「〜っしょ」がよく出てきますよね。ですが、いかにも北海道弁という感じがするのであまり使わない…という人も。それでも「だから言ったっしょや(だから言ったでしょ)」など思わず言ってしまったような場面で飛び出てくることも。道民にとっては根深い文末表現です。

例文

「もっと塩を入れればいいっしょや」

「もっと塩を入れればいいでしょうが」

意味(標準語)

 ~でしょう

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

したって

でも、だって、という時に使います。ちなみに、札幌駅近くにある複合商業施設「sitatte sapporo(シタッテ サッポロ)」の由来は、「座って(SIT)」と「出逢って(ATTE)」を掛け合わせた造語だそう。方言と掛け合わせた、親しみやすい響きも施設名に選ばれたポイントなのだとか。

例文

「したってさ、どうしてもわからなくて」

「だって、どうしてもわからなくて」

意味(標準語)

 でも、だって

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

たいした

「たいしたもんだ」という意味でももちろん使いますが、「とても」という時にも使います。

例文

「たいした勉強して合格したんだとか」

「とても勉強して合格したんだそう」

例文②

意味(標準語)

 とても、さほど

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

どか雪

ちょっと目を離したすきにびっくらいするくらいの雪が積もっていた…というのは北海道(地域による)ではあるある。岩見沢市は玄関の扉の高さ以上に雪が積もってしまい、自衛隊が出動したことがあるほど。

例文

「どか雪で朝の電車が遅れた」

「たくさんの降雪で朝の電車が遅れた」

意味(標準語)

 ひと晩の内にたくさん雪が降り積もること

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

なして

質問する時に使う「なして」。「なぜ」と「どうして」が合体し、さらに省略されて生まれたのが「なして」だとも言われています。北海道方言漫才があったら「なんでやねん」の代わりに一番頻出しそうですね。

例文①

「なして先に宿題やらなかったの?」

「なんで先に宿題をやらなかったの?」

例文②

「なしてさ」

「どうしてなの?」

意味(標準語)

 なんで、どうして

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

なんも

英語で言うと「ノープロブレム」にあたる「なんも」。大丈夫、問題ないという時によく使われます。これも開拓時代、過酷な環境で助け合いが当たり前だった開拓民の間でよく使われていたのではと想像しています。大変なのはお互い様、助けられたことを負担に思ってほしくないという思いを込めてサラッと「なんもだ」と返すのは、ちょっとかっこいいなと思いませんか。

例文①

「昨日は手伝ってくれてありがとうね」
「なんもだ」(「なんもなんも」)

「昨日は手伝ってくれてありがとうね」
「どうってことないよ」

例文②

「安売りセールに行ったらなんも残ってなかったさ」

「安売りセールに行ったら何も残ってなかった」

意味(標準語)

 大丈夫、何も

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ちょす

主に子どもに言う時に使うことが多い「ちょす」。単純に触るというよりは、いじる、いたずらするという意味合いが強いです。

例文

「ちょしたらダメって言ったっしょ!」

「触ったらダメって言ったでしょ!」

意味(標準語)

 触る

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ごみステーション

ゴミステーションのイメージ

ゴミ捨て場のこと。ただし、ごみステーションは北海道だけではなく他の地域でも使われているようです。札幌市に住んでいると、ごみステーションに「キツネ注意」の看板が出ていることも。なんと、ゴミをあさりにキタキツネが来てしまうので(本当です)、時間通りにゴミを出しましょう、という注意書きの看板です。どんなに可愛くても、キタキツネはエキノコックス(寄生虫)がいるので触ってはいけませんよ。

例文

「ごみステーションにゴミ投げといて」

「ゴミ捨て場にゴミ捨ててきて」

意味(標準語)

 ごみ捨て場

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

こわい

急に「あ〜こわい」と言われてもおびえないでください。おばけや何かがいるわけではなく、体が疲れて辛い時、だるい時に使う言葉です。

例文

「この坂、こわいわ」

「この坂、急すぎて疲れるよ」

意味(標準語)

 だるい、辛い

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ばくる

交換する、の意味。語源は牛馬の売買・仲介を業とする人を表す「博労(ばくろう)」という言葉からきているそう。子どもが使うこともありますし、大人も使う時があります。

例文

「このチョコとそのグミ、ばくりっこしよ」

「このチョコとそのグミ、交換しようよ」

意味(標準語)

 交換する

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

はんかくさい

子どもが大人に怒られている時によく聞く言葉。ふざけてばかりでいうことを聞かないとき、真面目にちゃんとやらない時などに「はんかくさい!」と怒られてしまいます。けして「くさい」わけではありません。

例文

「はんかくさいことしてないで、さっさと寝なさい」

「バカなことしてないで、早く寝なさい」

意味(標準語)

 ばかげた、まぬけな

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど、あまり使わない

みったくない

身だしなみがちゃんとしていない、洋服が汚れている、料理の盛り付けがめちゃくちゃ、などいろんな場面に使う否定語です。見た目が悪い時や体裁が悪いと感じる時に出てくるようです。

例文

「鼻たらして、みったくない」

「鼻水がたれているよ、みっともない」

意味(標準語)

 みっともない、哀れな

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ナンバン

唐辛子という意味ですが、赤く乾燥したものだけではなく、青唐辛子も含めて「ナンバン」。北海道にはあちこちに農産物直売所があり、季節になると青唐辛子が10本ぐらい袋に詰められて売られていたりします。

例文

「(食事中に)ナンバン取って〜」

「七味唐辛子取って」

意味(標準語)

 唐辛子

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

かっちゃく

ひっかく、などの北海道弁。北海道の七夕では「ローソクだせ」が行われていました(今も地域によってはあるかもしれません)。ハロウィンのように子どもたちが歌を歌いながら近所の各家庭をまわってお菓子をもらいに行く行事なのですが、その歌に「ローソクだ〜せ〜だ〜せ〜よ〜 出さないとかっちゃくぞ」という歌詞が出てきます。ちなみに北海道の七夕は7月7日ではなく8月7日ですよ。

例文

「猫にかっちゃかれた〜」

「猫に引っかかれた」

意味(標準語)

 かきむしる、爪で引っ掻く

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

なまら

強調するときに使う「なまら」。とても・すごくと訳すのは間違いではないのですが、一昔前に何にでも「超」をつけていたことがありましたよね(超ムカつく、など)。今は「めっちゃ」「めちゃくちゃ」を使うと思いますが、そういった感情の盛り上がりを表現している方言なのです。

例文

「なんまらおいしい!」

「ものすごくおいしい!」

意味(標準語)

 とても、すごく

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

てんをきる

「てんをきる」のイメージ

トランプや花札を束にし、手の上できることを、北海道では「てんをきる」と言います。わざわざ「トランプ混ぜて」と言わなくてもいいので便利。テレビゲームやスマホがここまでポピュラーになる前は、お正月やお盆など親戚が集まる際にはトランプくらいしか遊ぶものがなく、大人も子どももまじって楽しんでいました。

例文

「ババ抜きするからてん切って!」

「ババ抜きするからトランプ混ぜて!」

意味(標準語)

 (トランプや花札を)混ぜる・シャッフルする

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

かすべ

全国的には「エイ」と呼ばれる魚のこと。エイは鮮度が落ちると強いアンモニア臭を放つため、煮ても焼いても食べられない「かす」にしかならない魚だから、というのが「かすべ」の由来なのだそう。鮮度が落ちやすい、繊細な魚なのです。

例文

「かすべの煮付け、鍋に入ってるよ」

「エイの煮付け、鍋に入ってるよ」

意味(標準語)

 エイ

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ガス

今日、ガスってない?と聞かれても驚かないで。ガスが充満しているわけではありません。濃い霧がかかっている時に使うのが「ガス」。特に海霧の霧を指すことが多いのですが、山道を走っていても「ガスが出てきた」と言ったりします。北海道ではたまに昼間でも一寸先が見えないくらい霧に覆われることがあるので、ドライブする人は注意。濃霧注意報など、道路情報のラジオをチェックしながらドライブを楽しんでくださいね。

例文

「今日はガスがひどいね」

「今日は霧がたくさん出ているね」

意味(標準語)

 霧

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

だべさ

THE・北海道な方言「だべさ」。年配の方は今でもよく使います。「~だべ」「~だべさ」「~べさ」「~だべや」「~べや」「~べか」など色々なパターンもあり。「〜だべ?」と「?」を付ければ「〜だろう?」という問いかけとして使えます。

例文①

「外はすごいどか雪だべさ」

「外はすごい大雪だよ」

例文②

「だからいったべさ、やめとけって」

「だからいっただろう、やめておけって」

意味(標準語)

 だよ、だろ

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

いっちょまえ(いっちょまい)

全国的にもいっちょうまえは使われていますが、北海道では「いっちょまえ」や「いっちょまい」とさらに短くなります。褒める時にも使いますが、子どもを叱るときは「生意気だ」というニュアンスが出てきます。

例文①

「しばらく会わないうちに、いっちょまえになって」

「しばらく会わないうちに立派に(一人前に)なって」

例文②

「いっちょまえな口聞くんでない!」

「生意気なこと言うんじゃない!」

意味(標準語)

 一人前

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

おっかない

稚内(わっかない)とはぜんぜん関係ありません。こわい、恐ろしいの意味で使われます。

例文①

「すぐ裏の山に熊が出たんだって。おっかないねぇ」

「すぐ裏の山に熊が出たんだって。恐ろしいねぇ」

例文②

「今日はしばれてて、おっかない道だったよ」

「今日は凍えるように寒くて、(アイスバーンで)怖い道だったよ」

意味(標準語)

 恐い、恐ろしい

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

しゃっこい(ひゃっこい)

「冷やっこい」がなまって「しゃっこい」になったのでは?とも言われています。寒い時には「しばれる」を使い、「今日はしゃっこいね」とは言いません。

例文①

「川の水はまだまだしゃっこいねぇ」

「川の水はまだまだ冷たいねぇ」

例文②

「(アイスを食べて)しゃっこっ」

「冷たっ」

意味(標準語)

 冷たい

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

けっぱる

けっぱるのイメージ

応援する時には「けっぱれ!」になります。札幌出身者はあまり使わないかもしれません。函館など、浜言葉が強い地域で多く使われているようです。

例文

「明日の100メートル走、けっぱれよ!」

「明日の100メートル走、がんばれよ!」

意味(標準語)

 頑張る

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

まかす

「任す」ではなく、こぼすと言う意味。まかすんでないよ!と言われたら、こぼさないように注意しなさいよ!と言う意味になります。

例文

「袋が破けてて、お米を全部まかしちゃった」

「袋が破けていたので、お米を全てこぼしてしまった」

意味(標準語)

 (飲み物を)こぼす、散らかす

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

いたましい

悲しい事件などがあるとニュースで「痛ましい」と言いますが、北海道弁では「もったいない」と言う意味になります。

例文

「いたましいけど、あめってるから捨てようか」

「もったいないけど、腐っているから捨てようか」

意味(標準語)

 もったいない

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

いずい(いづい)

主観的な感じ方を伝える方言です。心地が悪かったりしっくりこない時に使います。例えば新調したスーツの肩周りが詰まっていて着心地が悪いと「ちょっと肩まわりがいずい」という表現になります。いずい原因がわからなくてもソワソワして落ち着かないと「なんかいずい」と言ったり、便利な言葉です。

例文

「歯がいずい」

「歯が痛い(治療した歯の噛み合わせが落ち着かない)(歯に何か挟まっている感じで落ち着かない)」

意味(標準語)

 しっくりこない、心地が悪い、痛い

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

つっぺ

つっぺのイメージ

栓のことですが、主に鼻にティッシュなどを詰めて鼻血や鼻水が出ないように詰める詰め物のことを言います。広島県でつっぺは「損得なし」、山口県では「引き分け」と言う意味になるのだそう。

例文

「鼻血出てるよ!つっぺしな!」

「鼻血が出てるよ!ティッシュつめな!」

意味(標準語)

 栓、鼻地を抑えるために詰め込むティッシュ

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

おっちゃんこ

「座る」の別の言い方です。「食べる」を「もぐもぐする」と言い換えるようなイメージです。「ちゃんとおっちゃんこできてえらいね」という風に使い、大人に対してはあまり使わないかもしれません。(親から子どもに対しては何歳になっても使う場合があります。)

例文

「ちゃんとおっちゃんこしないと落ちるよ!」

「ちゃんと座らないと(椅子から)落ちるよ!」

意味(標準語)

 座る、腰掛ける

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

じょっぴんかる

じょっぴんかるのイメージ

「じょっぴんかる」は鍵をかけることを意味します。さすがに現代で使っている人はあまり見かけませんが、「鍵をかる」はたまに使っている人もいます。

例文

「じょっぴんかったか、ちゃんと確かめてきて」

「鍵をかけたか、ちゃんと確かめてきて」

意味(標準語)

 鍵をかける、鍵を閉める

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

番茶

番茶という言葉自体は全国各地で使われていますが、北海道では茶色いほうじ茶のことを指します。そもそも番茶は色で決まっているのではありません。お茶の木の成長し硬くなった葉を使った茶葉が番茶と呼ばれています。地方によって製法が異なるため、煎茶のような緑色の葉や、ほうじ茶のように焙じて作った茶色の葉があるのだそう。京都は「京番茶」でほうじ茶色となり、「番茶」といえば北海道と同じほうじ茶を指すことになります。

例文

「番茶におやきが揃うとあずましいねぇ」

「番茶(ほうじ茶)と今川焼を一緒にいただくと気持ちが安らぐねぇ」

意味(標準語)

 ほうじ茶

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

キンキ

北海道でも高級魚にあたる「キンキ」は、正式名称でいうと「キチジ」。道東地域では「めんめ」と呼ばれることも。

例文

「キンキのいいのが入ったから、今日は鍋にしよう」

「身振りのいいキチジが手に入ったから、今日は鍋にしよう

意味(標準語)

 キチジ

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

たち

鱈の白子のことを北海道では「たち」といいます。「たちポン」は生、または軽く湯通ししたたちをポン酢で食べる料理。居酒屋で見かけたらぜひ食べてみてください。冬という季節が待ち遠しくなる味わいですよ。

例文

「そろそろたちの季節だね」

「そろそろ鱈の白子の季節だね」

意味(標準語)

 鱈の白子

北海道民の使用レベル

 ★★★★★:みんな使う

だら銭、じゃら銭

小銭のことを指しますが、あまり丁寧な言葉には聞こえないので、最近はめっきり聞かなくなりました。

例文

「だら銭足りなくてジュース買えなかった」

「小銭が足りなくてジュースが買えなかった」

意味(標準語)

 小銭

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

しばれる

しばれるのイメージ

単に寒いという時ではなく、ぐんと冷え込む、特に寒い時に使う「しばれる」。ちなみに、吹雪の日よりも晴天の日の方が遮るものがなく、真っ直ぐに冷気が降りてくるので刺すような痛みをともなう寒さとなります。そんな時はまさに「しばれる」日になります。水道管凍結に注意のCMが流れる日、それも「しばれる」日です。

例文

「今日はしばれるから早く帰っておいで」

「今日は寒くなるから早く帰っておいで」

意味(標準語)

 寒い、凍える

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

ゆるくない

ズボンがゆるい、という物理的な意味合いの「ゆるい」ではなく、体力的・気持ち的に大変できつい、つらい時に「ゆるくない」を使います。ですが、つらくない時(心地いい時)に「ゆるい」とは言いません。これも想像なのですが、昔から大変なことが多すぎた開拓民の土地・北海道では毎日が「つらく」「きつい」もので、それを言葉にするのグッとこらえて、「ゆるくない」と遠回しに言ってたのではないでしょうか。

例文

「お金を稼ぐっていうのは、ゆるくないねぇ」

「お金を稼ぐっていうのは、大変な(つらい)ことだよねぇ」

意味(標準語)

 きつい、つらい

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

~すれ

〜しなさい、しろ、という語尾が北海道弁では「〜すれ」になります。また「寝なさい」も「寝れ」と短い言葉になります。

例文

「もたもたしてないで、早く準備すれ」

「もたもたしてないで、早く準備しなさい」

意味(標準語)

 〜しろ

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

はっちゃきこく(はっちゃきになる)

いつもよりテンションが上がって張り切る時に使う言葉。でも子どもに対して使うときは悪ふざけをした時、おてんばな時にたしなめるために使います。

例文①

「はっちゃきこいて働いて、やっと車が買えた」

「一生懸命働いて、やっと車が買えた」

例文②

「なにはっちゃきこいてんの」

「なに張り切っちゃってんの(静かにしなさい)」

意味(標準語)

 張り切る、一生懸命になる、夢中になる

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

ドンパ

東京でいうと「タメ」と同じ意味合いの言葉。同期、同学年。ご高齢の方からは逆にあまり聞かないので、方言の中でも若者言葉なのかもしれません。

例文

「田中の妹、おまえとドンパだってよ」

「田中の妹、おまえと同い年(同学年)だってよ」

意味(標準語)

 同期、同年齢、同学年

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

ぼっこ

人によりますが、方言だと知らずに使っている北海道民もそれなりにいるはず、の「ぼっこ」。ミトン型の手袋のことも「ぼっこ手袋」と呼びます。木の棒とミトン型の手袋、なんとなく似ていなくもない…?

例文①

「ぼっこさ取って」

「(その)棒を取って」

例文②

「私のぼっこ手袋、どこに仕舞ったんだろ?」

「私のミトン手袋、どこに仕舞ったんだろ?」

意味(標準語)

 棒

北海道民の使用レベル

 ★★★☆☆:たまに使う

げっぱ

テストの成績やかけっこの順位、いろんなものに使えます。

例文

「げっぱにだけはなりたくない」

「最下位だけにはなりたくない」

意味(標準語)

 最下位、ビリ

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う

あめる

食べ物が腐ったり傷んだりした時に使います。具体的にいうと臭いがしだして色も変色し始め、糸を引く状態。あめってしまったら、もう食べてはいけません。

例文

「炊飯器のごはん、もうあめっちゃってる」

「炊飯器のごはん、もう傷んじゃってる」

意味(標準語)

 腐る、傷む

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

ぶす色

内出血した後、青黒いような、紫のような色に変色することを「ぶす色」になると言います。附子(ぶす)(トリカブト)の花の色のことを指す、という辞書もあり、色が似ていることからそう呼ばれるようになったのかもしれません。

例文

「ぶつけた二の腕がぶす色になってきた」

「ぶつけた二の腕が内出血してきた」

意味(標準語)

 内出血した皮膚の色

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う

おだつ

子どもが興奮して収まりがきかない、ふざけ倒していうことを聞かない状態のことを「おだつ」と言います。子ども自身、興奮して自分で自分をコントロールできない状態なので、親はおだつ前に注意しようと頑張ります。

例文

「おだつのやめな!」

「ふざけるのはやめなさい!」

意味(標準語)

 ふざける、興奮する

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

こっこ

魚の卵によく使いますが、動物の子どもにも使います。北海道の方言て、ちょっとかわいらしい発音がいくつかありますが、「こっこ」は小ささ、かわいらしさをよく表した言葉ではないでしょうか。

例文①

「このシシャモ、こっこがついてる!」

「このシシャモ、卵がついてる!」

例文②

「うちの猫に、こっこができてさ」

「うちの猫に、子どもが生まれたんだ」

意味(標準語)

 魚の卵、動物の子ども

北海道民の使用レベル

 ★★☆☆☆:知ってるけど使わない

もちょこい

これもかわいい北海道弁シリーズ。くすぐったいとき、くすぐられた時に使います。

例文

「もちょこいから足触らないで」

「くすぐったいから足に触らないで」

意味(標準語)

 くすぐったい

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う

おここ

おここのイメージ

漬物のことを指す「おここ」。標準語で漬物のことを「香の物」というので、この音の響きから変形したのかもしれません。

例文

「お弁当に入ってるおここが好き」

「お弁当に入っている漬物が好き」

意味(標準語)

 漬物

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う

むくれる

ふくれる、ふくれっつらをする、いじける、すねる 。子どもだけじゃなく、大人も時にはむくれる時だってありますよね。でも、いじける、というようりむくれる、といった方がちょっとかわいらしく聞こえませんか。

例文

「むくれてないでこっち来なさい」

「すねてないでこっちに来なさい」

意味(標準語)

 すねる

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う

へなまずるい

「ずるい」の最上級。許せないようなずるいことをした時に言います。

例文

「へなまずるいことばっかりして!」

「ずるくて卑怯なことばかりして!」

意味(標準語)

 ずるい、腹立たしいずるさ。

北海道民の使用レベル

 ★☆☆☆☆:ご年配の方(先輩道民)は使う


いかがでしたか?北海道はほぼ標準語だと思っている道民は割と多いのです。ですが、ちょっとした言葉の違いや、特にイントネーションが違う、と標準語の人に指摘されることがあります。北海道民の発音する「幼稚園」はイントネーションが違うらしいですよ。

今回は憶測や想像も含めてご紹介してしまいましたが、北海道に生まれ、そこそこ長く住んでいる人間の感じる「生の北海道弁」解説ということで楽しんでいただけたら幸いです。皆さんの北海道愛がより深まりますように。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!