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きたあかりってどんなじゃがいも?特徴・味・向いている料理を紹介

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メークインや男爵イモなど、じゃがいもにはさまざまな品種があります。なかでも黄金色の果肉と豊かな風味、濃厚な甘みをもつじゃがいも「きたあかり」をご存知でしょうか。

この記事では、きたあかりがどのようなじゃがいもの品種なのか詳しく解説します。特徴やおすすめの料理なども紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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ホクホク美味しい「きたあかり」ってどんなじゃがいも?

ホクホク美味しい「きたあかり」ってどんなじゃがいも?

きたあかりは数あるじゃがいもの品種のなかのひとつです。北海道で品種改良され、1987年に登録されたきたあかりは「北海道の明るい未来」をもたらすことを願って命名されたと言われています。

最初に、きたあかりがどのような経緯で生まれたのか、栽培の歴史を紹介します。

北海道のじゃがいも農家を救った救世主

北海道のじゃがいも農家

開拓時代から広大な土地を活用してじゃがいもの生産を行ってきた北海道のじゃがいも農家ですが、1972年に日本で初めてジャガイモシストセンチュウという線虫が発見されました。

線虫による農作物の被害は著しく、爆発的に増加した線虫は北海道全域で猛威を振るいます。じゃがいもの生産量が激減してしまう一方で、1970年に開催された大阪万博で提供されたフライドポテトが全国的なブームを巻き起こし、じゃがいもの需要は高まっていきました。

そこで、線虫に対する耐性を持つ品種として開発されたのが「きたあかり」です。

線虫は農薬による駆除ができず、栄養がとれない状況にして枯死させるしかありません。耐性を持つきたあかりを作付けすることで、線虫はエサを失い枯死していき、北海道のじゃがいも農家は危機を乗り越えました。

予想以上の美味しさできたあかりが一躍人気商品に

線虫被害を抑制するために開発されたきたあかりですが、当初は収穫したきたあかりはでん粉原料として利用する予定でした。しかし、収穫されたきたあかりを調べたところ、食味が優れているという評価を受け、でん粉原料とするのはもったいないのでは?という意見から、通常よりも長い現地試験を経てどのように利用するのか検討されました。

当時、じゃがいもの主流であった男爵イモと見た目で区別できる事や他のじゃがいもに比べてビタミンCが豊富な事が話題になり、ブランディングに成功したきたあかりは一躍人気のじゃがいも品種に仲間入りを果たしたのです。

きたあかりの4つの特徴

きたあかりの4つの特徴

続いては、きたあかりの特徴について紹介します。

特徴1.食感

きたあかりは、ホクホクした粉質の食感が特徴です。これは、でんぷん質が豊富なことが影響しており、加熱調理すると崩れやすい傾向にあります。

粉質の食感を持つため、加熱した後にマッシュすると、非常に滑らかで舌触りがよくなるのもきたあかりならではと言えるでしょう。マッシュポテトやポテトサラダ、スープのように、じゃがいもの甘みやでんぷん質を活かしつつ、滑らかな食感に仕上げたい料理には、きたあかりがぴったりです。

特徴2.味わい

きたあかりは、別名「栗じゃがいも」と呼ばれるほど糖度が高いことでも知られています。もともとでんぷん質で糖度を高めやすいきたあかりですが、CA貯蔵と呼ばれる低温貯蔵方法で保存されたものは、特にでんぷん質が糖化して強い甘みを感じられるようになります。

粉吹き芋やじゃがバターのようなシンプルな調理方法を選ぶと、きたあかり特有の甘みやコクを感じやすいのでおすすめです。

特徴3.果肉の色

たあかりは果肉が鮮やかな黄色をしているのが特徴

じゃがいもと言えば、茶色の薄い皮に白い果肉をイメージする人が多いでしょう。

一方、きたあかりは薄茶色の皮を剥くと、果肉が鮮やかな黄色をしているのが特徴です。同じく粉質のじゃがいもとして知られる男爵いもよりも果肉が黄色く、他のじゃがいもと区別しやすいでしょう。

きたあかりの果肉の色は加熱しても保たれるため、マッシュしても鮮やかな色合いが残り、食卓を華やかにしてくれます。

特徴4.栄養

きたあかり最大の特徴と言えば、じゃがいものなかでも特にビタミンC含有量が多いことが挙げられます。

メークインやとうや、男爵イモに比べてもビタミンC含有量が圧倒的に多く、その値は男爵イモの約1.5倍と言われています。また、カロテンも豊富に含まれているため、栄養をしっかりとりたいという人におすすめです。

きたあかりの旬の時期は?

きたあかりの旬の時期は?

きたあかりの栽培は5月から9月にかけて行われ、新じゃがとして流通するのは9月から10月頃です。新じゃがは、保存期間を経て追熟したじゃがいもに比べて水分量が多く瑞々しい味わいが楽しめます。じゃがいもの持つ風味や香りが際立つため、きたあかり本来の美味しさを十分に味わえるでしょう。

一方、追熟を兼ねて保存されたじゃがいもは、ほぼ通年流通しています。追熟することでコク深い甘みが増すため、甘みを重視したい場合は通常のじゃがいもの方がおすすめです。

他のじゃがいもときたあかりを見分けるポイント

他のじゃがいもときたあかりを見分けるポイント

じゃがいもの品種と言われても、陳列されているとなかなか見分けられないという人もいるでしょう。しかし、きたあかりはメークインや男爵いもなどに比べて見た目の特徴も多いため、比較的見分けやすいじゃがいもと言えます。

きたあかりの見た目の特徴

  • 丸みがありやや小さめ
  • 芽の周辺が赤みを帯びている
  • 皮の表面がやや赤っぽく見える
  • 果肉が黄色

特に、色で見分けると他のじゃがいもとも見分けやすくなるでしょう。きたあかりは食べた時の味わいや品質としては良いものの、表皮の粗さなどで見た目はあまりきれいとは言えません。しかし、一度味わえば病みつきになるホクホクの甘さをぜひ味わってみてください。

きたあかりの保存方法

きたあかりの保存方法

購入したきたあかりは、ビニール袋などから出して新聞紙で包み冷暗所に保存しましょう。日の光に当てたり、温度の高い場所に保管すると発芽したり傷んだりしてしまいます。

夏場で室内全体の温度が上がってしまう場合は、新聞紙に包んだ状態で冷蔵庫の野菜室に保管してください。

また、きたあかりは冷凍保存も可能です。冷凍保存する場合は、一度加熱してマッシュポテトにした状態でラップに包み保存するのがよいでしょう。1カ月間保存が可能です。

冷凍したじゃがいもは、水分が膨張してボソボソした食感になってしまいますが、マッシュポテトであれば比較的美味しい状態で保存できます。解凍したマッシュポテトは、サラダやコロッケ、スープなどに使うのがおすすめです。

きたあかりを美味しく味わうおすすめレシピ

最後に、きたあかりを美味しく味わうことができるおすすめレシピを紹介します。ホクホクで甘いきたあかりを存分に堪能してみてください。

【レンジで簡単】じゃがバター

じゃがバター

新じゃがのきたあかりが手に入ったなら、絶対に食べて欲しいのがじゃがバターです。レンジで簡単に調理できるので、お子様のおやつにもぴったり。栄養豊富なおやつになりますよ。

材料

材料は以下のとおりです。

  • きたあかり
  • バター
  • 塩コショウ

無塩バターを使う場合は塩コショウ、加塩バターを使う場合はコショウのみ、もしくは何もかけなくてもOKです。

作り方

作り方は以下のとおりです。

  1. きたあかりを良く洗う
  2. 皮ごと濡れたキッチンぺーパーで包み、さらにラップで包む
  3. 600w5分加熱する
  4. 竹串を指してみて中心まで加熱できていたら適当な大きさにカットする(加熱が足りない場合は、ラップを包み直して600w1分追加する)
  5. バターと塩コショウをかけて完成

濡れたキッチンペーパーで包むことで、きたあかりのホクホク食感を活かす蒸し焼きのように加熱できます。アルミホイルで包めば魚焼きグリルやオーブントースターでも調理可能です。時間はかかりますが、ガス火で加熱した香ばしさを味わいたい方は魚焼きグリルやオーブントースターを使う方法がおすすめです。

【洋食店の味】本格マッシュポテト

マッシュポテト

洋食店でメイン料理に添えられたマッシュポテトのような味わいを家庭でも。きたあかりで作れば滑らかで甘い味わいが楽しめるマッシュポテトに仕上がります。乳製品を多く使うので、保存には適さないため注意してください。(冷凍保存の場合は乳製品不使用で作るのがおすすめです)

材料

材料は以下のとおりです。

  • きたあかり
  • バター
  • 牛乳

バターは無塩バターで作る方が濃厚な風味を味わえます。また、香りづけにはお好みでドライハーブを使うのがおすすめです。

作り方

作り方は以下の通りです。

  1. きたあかりを皮ごと蒸す
  2. 中心部まで加熱したら皮を剥き、潰す
  3. 潰したきたあかりを鍋に入れてバターを加え、水分が飛び、かたまりになるまで弱火で加熱する
  4. 温めた牛乳を少しずつ加えて練る
  5. 塩で味を調えて完成

メイン料理の添え物としては勿体ない、メインで食べたくなる美味しいマッシュポテトが作れます。フランスパンなどに塗って軽く焼いて食べても美味しいですよ。

【夏バテ解消にもぴったり】ビシソワーズ

ビシソワーズ

じゃがいもを使った冷製スープ、ビシソワーズは口当たりがよく大人から子供まで幅広い年代に好まれるスープです。

材料

材料は以下のとおりです。

  • きたあかり
  • 玉ねぎ
  • 牛乳
  • バター
  • コンソメ

彩を良くするために、ドライパセリを散らすとお店で出てくるビシソワーズのように仕上がりますよ。

作り方

作り方は以下のとおりです。

  1. きたあかりの皮を剥き、5mm幅にスライスする
  2. 玉ねぎも薄切りにスライスする
  3. バターで炒める
  4. 水、牛乳、コンソメを加えて、きたあかりが柔らかくなるまで煮る
  5. ミキサーにかける
  6. ひと煮立ちさせた後、火を止めて粗熱をとり、冷蔵庫で冷やして完成

ミキサーやブレンダーを使えば、裏ごし無しで手軽に滑らかな口当たりのビジソワーズが作れます。ミキサーやブレンダーを使わない場合、きたあかりは蒸したものを裏ごしし、玉ねぎはすり下ろしたものを使うのがおすすめです。

まとめ

今回は、ホクホクで美味しいきたあかりについて紹介しました。栗じゃがいもと呼ばれるほど、風味豊かな味わいが楽しめるきたあかりは、じゃがいもそのものの味を楽しむ粉吹き芋やじゃがバターにおすすめです。また、甘さを活かしたポテトサラダやコロッケ、スープなども美味しく食べられます。ぜひきたあかりの魅力を活かした食べ方を楽しんでみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!