似てるけど別モノ!?ミートソースとボロネーゼの違いとは

パスタにはさまざまな種類があります。なかでも、混同されがちなのがミートソーススパゲッティとボロネーゼです。同じような見た目をしているため「これはミートソース?それともボロネーゼ?」と困惑してしまう人もいるかもしれません。
そこで今回は、ミートソーススパゲッティとボロネーゼの違いを分かりやすく解説します。合わせて、それぞれのスパゲッティの豆知識やレシピも紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事でわかること
- ミートソーススパゲッティはアメリカ発祥、ボロネーゼはイタリア発祥のパスタ
- ミートソースはスパゲッティ、ボロネーゼはタリアレッテを使う
- ボロネーゼの正式名称はラグー・アッラ・ボロネーゼ
サクっと分かる!ミートソースとボロネーゼの6つの違い

パスタにはさまざまな種類がありますが、なかにはミートソーススパゲッティとボロネーゼのように見た目がよく似ているメニューもありますよね。違う料理だと認識してはいるものの、何が違うのか明確には知らないという人も多いのではないでしょうか。
最初に、ミートソーススパゲッティとボロネーゼの違いを簡単に紹介します。
違いその1.発祥地が違う
パスタと言えばヨーロッパをイメージする人が多いでしょう。ボロネーゼはイメージ通り、イタリア発祥のパスタです。しかし、ミートソーススパゲティは、アメリカで生まれたパスタだと言われています。
違いその2.味付けが違う
ひき肉を煮込んだソースがよく似ているミートソーススパゲティとボロネーゼですが、食べてみると味付けが違うことに気付くでしょう。
ミートソースはトマトベースで甘みを強く感じる味付けでまとまっているものが多いです。一方、ボロネーゼは赤ワインや香草などを多用するため、風味やコクが強い傾向にあります。ミートソーススパゲティは子どもでも食べやすい味わいですが、ボロネーゼとなると少し苦手な子どももいるかもしれませんね。
違いその3.使用するパスタが違う

イタリア料理では、パスタに合わせてソースを選ぶ傾向があります。そのため、幅広い平麺状のパスタ「タリアレッテ」には広い麺に程よく絡むボロネーゼソースが最適だと考えられ、「タリアレッテを使わないならボロネーゼではない」と言われる程です。
一方、ミートソースはパスタの一種である「スパゲッティ」が使用されることが多く、日本の規格では「1.2mm以上の太さの棒状、または2.5mm未満の太さの管状に成形したもの」をスパゲッティとして扱っています。
違いその4.使用するひき肉が違う
ミートソーススパゲッティ、ボロネーゼともにひき肉を使う料理です。しかし、よく見ると、それぞれの料理に使われるひき肉には違いがあります。ミートソーススパゲッティでは、細かい挽き肉を使うケースが多く、ボロネーゼは粗挽き肉を使うことが多いです。
ミートソーススパゲッティの場合、本場アメリカでは「スパゲッティ&ミートボール」として、ミートボールと共に提供されることが少なくありません。そのため、ミートボールを作る際に余った細かい挽き肉を使うことが多いです。
日本風のミートソーススパゲッティに関してはこれらの理由は当てはまりませんが、スパゲッティを使うのであれば、細かい挽き肉で作ったソースの方が絡みやすいというのも理由のひとつかもしれません。
一方、ボロネーゼは挽き肉を煮込んでソースを作るため、粗挽き肉を使うことで肉の食感を残しやすくしています。
違いその5.トマトの使用量が違う

トマトベースのパスタと言われて名前が上がりやすいミートソーススパゲッティとボロネーゼですが、実はボロネーゼにはそれほどトマトは使いません。
コクを引き出すために使用するものの、メインは粗挽き肉と赤ワイン、香草です。一方、ミートソーススパゲッティはトマトを大量に使って甘みを引き出すため、正真正銘のトマトソース系パスタと言えるでしょう。
違いその6.調理にかかる時間が違う
今でこそ多彩な市販のレトルトパスタソースで手軽にさまざまなパスタが食べられますが、そもそもミートソーススパゲッティとボロネーゼは、調理にかかる時間や工程の多さが全く違います。
ミートソーススパゲッティはトマトジュースやホールトマト缶、トマトケチャップなどをベースに、炒めたひき肉や玉ねぎを加えて手軽に作ることができます。手早く提供できることから喫茶店などのメニューとしても定番化しているパスタです。
一方、ボロネーゼは材料の水分を長時間煮込むことで飛ばし、濃厚でコク深い味わいを作る「煮込み料理」です。調理に時間がかかるため、本場イタリアでも「手の込んだ料理」というイメージがあります。
ミートソーススパゲティとは

簡単にミートソーススパゲッティとボロネーゼの違いを知ったところで、さらにそれぞれのパスタについて掘り下げていきましょう。ミートソーススパゲティと言えば、大人から子供まで幅広い年代に人気のパスタです。挽き肉や玉ねぎをトマトベースで味付けした甘しょっぱさが好まれ、お子さまランチの定番ともいえるでしょう。
ミートソースのルーツはアメリカ
ミートソースは、アメリカ発祥の料理と言われています。そもそも、イタリア発祥のボロネーゼをアメリカ人好みに変化させていったなかで生まれたという説もあり、日本のミートソースもアメリカ発祥のものとほとんど同じです。
日本で好まれるミートソースはトマトケチャップなどを多く使い、挽き肉と共に煮込んで甘みと酸味のバランスを保った仕上がりが多い傾向にあります。一方、本場アメリカではトマトをじっくりと煮込み、ミートボールを添えて食べる「スパゲッティ&ミートボール」の方がポピュラーです。
イタリアにミートソースはない?
パスタの本場とも言われるイタリア。しかし、イタリアではミートソーススパゲッティは一般的ではありません。そもそも「スパゲッティ」とは、日本のJAS規格で「1.2mm以上の太さの棒状、または2.5mm未満の太さの管状に成形したもの」と定義されており、イタリアでも「細いパスタ」という認識です。
イタリアではパスタに合わせてソースを選ぶため、スパゲッティはオイル系の味付けで食べることが多いと言われています。スパゲッティにミートソースを合わせることが殆どないため、イタリアでミートソーススパゲティが食べられることはあまりないようです。
ボロネーゼとは

ボロネーゼはイタリアボローニャ地方に伝わる料理です。ひき肉を赤ワインなどで煮込んだラグーソースと平たいパスタであるタリアレッテを合わせたスパゲティで、爽やかな香味野菜の香りと濃厚な肉の旨味が味わえるパスタとして人気を集めています。
ラグーはミートソースのルーツ
ラグーとは「煮込む」という意味で、魚や肉など煮込んで作るソース全般に当てはまる料理名です。ボロネーゼ用のラグーをヒントにミートソースが生まれたとも言われています。
主にパスタソースとして使われる煮込みソースをラグーと呼ぶことが多いそうで、イタリア料理やフランス料理などで「ラグー風」という名前がついている場合、ミートソースやそれに似た味付けをされているソースが提供されることが多いと言われています。
ボロネーゼの正式名称は「ラグー・アッラ・ボロネーゼ」
実は、ボロネーゼの正式名称は「ラグー・アッラ・ボロネーゼ(Ragu alla Bolognese)」ということは日本ではあまり知られていません。「ボローニャ風のラグー」という意味です。
ボローニャの富裕層がラグーでパスタを作らせたことが、ボロネーゼの起源と言われています。イタリアのボローニャ地方は国内でも特に食文化が栄える美食の町とも言われており、ラグーで作った新たなパスタは多くの人を虜にし、瞬く間にその名を広めていきました。
ミートソーススパゲッティのB級グルメも

アメリカにルーツを持つミートソーススパゲッティですが、日本で広まる際に日本人好みの味付けに変えられ、本場の味とは違うと感じる点も多いでしょう。また、日本全国に広まる過程でさまざまな料理にアレンジされているものも多く、北海道には「スパカツ」という名前でB級グルメとして支持されている料理もあります。
ミートソーススパゲッティにトンカツやカツレツがのったスパカツは、釧路発祥のご当地グルメです。ボリューミーで食べ応え抜群のスパカツは、たくさん食べたい育ち盛りの学生さんやスパゲッティだけでは物足りなく感じる人に人気のB級グルメとして愛されています。
ミートソーススパゲッティのB級グルメも
アメリカにルーツを持つミートソーススパゲッティですが、日本で広まる際に日本人好みの味付けに変えられ、本場の味とは違うと感じる点も多いでしょう。また、日本全国に広まる過程でさまざまな料理にアレンジされているものも多く、北海道には「スパカツ」という名前でB級グルメとして支持されている料理もあります。
ミートソーススパゲッティにトンカツやカツレツがのったスパカツは、釧路発祥のご当地グルメです。ボリューミーで食べ応え抜群のスパカツは、たくさん食べたい育ち盛りの学生さんやスパゲッティだけでは物足りなく感じる人に人気のB級グルメとして愛されています。
美味しいミートソーススパゲッティの作り方

家庭にある材料で手軽に作れるミートソーススパゲッティのレシピを紹介します。子どもの食事や休日のランチなどに、パパっと作ってみてはいかがでしょうか。
材料
ミートソーススパゲッティの材料は以下のとおりです。
- 合い挽き肉
- 玉ねぎ
- にんにく
- バター
- 塩
- こしょう
- 無塩トマトジュース
- スパゲッティ
無塩トマトジュースはホールトマト缶などでも代用可能です。手軽に作りたい場合は、トマトケチャップでも作ることができます。また、甘みが強い子ども向けに作りたい場合は砂糖やピザ用ミックスチーズなどを加えて酸味を抑えるとよいでしょう。
作り方
ミートソーススパゲッティの作り方は以下のとおりです。
- 微塵切りにしたにんにくと玉ねぎをバターで炒める
- 玉ねぎがきつね色になったら合いびき肉を加えて炒める
- 無塩トマトジュースを加えて煮詰め、塩・こしょうで味を整える
- パスタを茹で、ミートソースをかけたら完成
子供向けの味わいにしたい場合は、塩以外にも砂糖やチーズなどで酸味を抑えるように味を整えてみてください。トマトの青みのある風味が苦手な場合は、ウスターソースなどでも風味を消してコクを増すことができます。
仕上げにパセリを添えると彩りがよくなります。
美味しいボロネーゼの作り方

手軽に作れるミートソーススパゲッティと違い、手間をかけて作るボロネーゼはお客さんを迎える料理としてもおすすめです。
材料
ボロネーゼの材料は以下のとおりです。
- 合い挽き肉(粗挽き)
- 玉ねぎ
- にんにく
- ナツメグ
- ホールトマト缶
- 赤ワイン
- バター
- 塩
- ブラックペッパー
- オリーブオイル
- 粉チーズ
- タリアレッテ
オレガノを入れることで香りや風味が高まりますが、バジルやタイムなどでも代用できます。フレッシュハーブよりも乾燥ハーブは香りが高いですが、煮込む際に加えるならフレッシュハーブがおすすめです。
粉チーズは、本場イタリアではパルミジャーノレッジャーノチーズを使うことが多いですが、ご家庭で作る場合にはパルメザンチーズなどでも問題ありません。
作り方
ボロネーゼの作り方は以下のとおりです。
- 挽き肉にオレガノを加えて軽く捏ねておく
- 玉ねぎを微塵切りにしてオリーブオイルで炒める
- 玉ねぎがキツネ色になったら、ニンニクを包丁の腹で潰して挽き肉と共に加える
- ホールトマト缶、赤ワイン、バターを入れて水分が飛ぶまで煮詰める
- 塩とブラックペッパーで味を整える
- 茹でたタリアレッテと絡めて仕上げ用のオリーブオイルをかける
- 粉チーズを全体に振りかけて完成
煮詰める際には焦げ付かないよう注意しましょう。
まとめ
ミートソースパゲッティとボロネーゼの違いについて紹介してきました。それぞれ全く違うパスタであることをご理解いただけたでしょうか。
使用しているパスタの種類が違う点が見分けるポイントになります。「これってミートソーススパゲッティ?ボロネーゼ?」と思った時には、パスタの種類をチェックしてみてください。