赤肉メロンとは?青肉メロンと味や栄養価の違いを紹介
鮮やかなオレンジ色の果肉をした「赤肉メロン」。
「赤肉メロン」は、「青肉メロン」と果肉の色が違うだけではなく、味わいや栄養価にも違いがあることをご存知でしょうか。
こちらの記事では、赤肉メロンと青肉メロンの違いや、赤肉メロンの代表的な品種について紹介しています。食べごろのメロンの見分け方・選び方も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 赤肉メロンは抗酸化物質のβカロテンが豊富
- βカロテンは免疫力の強化や肌の老化防止に役立つ
- 赤肉メロンのルピアレッドは糖度が高く日持ちしやすい
- メロンは食べごろになると薄黄色味になりツルが少ししおれる
赤肉メロンとは?読み方や特徴を解説
赤肉(あかにく)メロンは、果肉がオレンジ色をしたメロンを指します。メロンには大きく分けて「赤肉メロン」「青肉メロン」「白肉メロン」の3種類があります。赤肉メロンは果肉の色味のほかに、コクのある味わいに加えて芳醇な香りを感じられることが特徴的です。
さらに、完熟前でもあまり青臭さを感じにくく、果肉が柔らかい品種が多いことも特徴です。赤肉メロンのほうが甘いと思われることが多いですが、赤肉メロンと青肉メロンの糖度に大きな違いはありません。
赤肉メロンと青肉メロンの違い
赤肉メロンと青肉メロンの違いについて、見た目・味わい・栄養価の3つの項目で解説します。
見た目の違い
赤肉メロンと青肉メロンのもっとも大きな違いは、果肉の見た目です。
色が異なる理由は、緑黄色野菜に多く含まれている色素「βカロテン」の量にあります。
赤肉の場合、青肉よりもβカロテンが多く含まれているため果肉が赤く(オレンジ色に)なります。
赤肉メロンは果肉がオレンジ色をしており、青肉メロンは果肉が薄黄色~緑色をしています。
一方で、外側の見た目には赤肉メロンと青肉メロンで大きな違いはありません。通常、メロンは果肉の色や網目の有無などで種類が分けられます。たとえば赤肉メロンも青肉メロンもどちらも網目がある品種であれば、外側は同じような見た目をしています。
味わいの違い
赤肉メロンは、果肉が比較的柔らかく、コクを感じられる甘みと芳醇な香りが特徴です。一方で、青肉メロンはややしっかりとした歯ごたえに加え、さっぱりとした清涼感の甘み・香りが特徴です。
しかし、食べるタイミングや品種、熟成度の違いによって味わいの感じ方が変わります。そのため、収穫してすぐの熟成し切っていない赤肉メロンであれば、果肉の柔らかさやコクを感じにくいかもしれません。また、赤肉メロンは果肉が柔らかい品種が多いため、食べごろの時期が短いという特徴もあります。
栄養価の違い
赤肉メロンに多く含まれるβカロテンは、強力な抗酸化作用をもつ栄養素です。皮膚や粘膜を丈夫にするほか、視力の維持や免疫力の強化などの作用が期待されます。βカロテンはビタミンCの1,000倍もの抗酸化作用をもつとされており、特に紫外線による肌の老化を防止するはたらきがあります。
また、βカロテンは「カロテノイド」とよばれる色素の一種でもあり、赤肉メロンの果肉がオレンジ色をしているのは、カロテノイドによるものです。ただし、βカロテンの含有量以外の栄養素やカロリーは、赤肉メロンと青肉メロンとで大きな違いはありません。メロンに含まれる栄養素やカロリーについて、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
代表的な赤肉メロンの品種
赤肉メロンの代表的な品種には以下があります。
赤肉メロンの品種
- ルピアレッド
- 夕張キング
- クインシーメロン
- レノン
- ティアラ
- R-113
- IKメロン
- 摩周レッド
また、「夕張メロン」や「三笠メロン」「ふらのメロン」などはメロンのブランドのことを指します。たとえば、ふらのメロンには「ルピアレッド」や「ティアラ」「R-113」が当てはまります。
ルピアレッド
ルピアレッドは、表面の網目が細かくて果肉がしっかりしている赤肉メロンです。追熟前はしっかりとした歯ごたえを感じられますが、追熟させると食感が柔らかくなるほか、甘さや香りも強くなることが特徴です。
高温多湿な環境に弱く甘さが低下しやすい品種なので、追熟させるときは温かい場所に置かないように注意しましょう。
また、同じネット系・赤肉メロンの「夕張メロン」と比べて日持ちしやすく、夕張メロンよりも糖度が高くなることがあります。
ルピアレッドの主な産地は北海道と茨城県で、北海道産のものはツルつきで、茨城県のものはツルなしで出荷される傾向にあります。「ふらのメロン」のブランドとして食べられるルピアレッドが有名ですが、富良野のほかにも愛別(あいべつ)・新冠(にいかっぷ)・雷電(らいでん)など北海道の各地で作られている品種です。
夕張キング
夕張キングは、大玉できれいな網目が特徴の赤肉メロンです。マスクメロンと同じようにきれいな網目がぎっしりと入っています。オレンジ色の果肉は柔らかくジューシーな味わいです。糖度が特別高いわけではありませんが、芳醇な香りととろけるような果肉を楽しめます。
北海道の夕張市で栽培されており、「夕張メロン」ブランドの代表的な品種です。もともと、夕張メロンは北海道の夕張市で「スパイシー・カンタロープ」と「アールス・フェボリット」を交配させて誕生しました。
北海道という寒冷な地での栽培は困難を極めましたが、生産者の努力によって現在のおいしい夕張キングが作られるようになったと言われています。今では、北海道を代表するフルーツとして国内でも有名で、味や価格などでマスクメロンと並ぶ高級な品種となりました。
クインシーメロン
クインシーメロンは、βカロテンが豊富な赤肉メロンです。果肉は厚く緻密で、サーモンピンクの美しい色をしています。強い甘みとジューシーさが特徴で、独特の風味があります。旬は4月下旬から7月中旬で、糖度は15~17度と高く果汁が多いです。
1989年にヨーロッパ系赤肉メロン「ボレロ」と「アールス夏系7号」を交配し、「スーパタチブ」や「新宝玉×ふかみどり」との交配を経て育成された品種です。名前は「Queen(女王)」と「Healthy(健康)」を組み合わせたもので、βカロテンを多く含むことから名付けられました。食べごろは甘い香りがし、お尻に弾力があるかどうかで判断することができます。
レノン
レノンは、網目が太いことが特徴の赤肉メロンです。厚みのある果肉で、柔らかすぎない程度の歯ごたえを感じられます。
香りは控えめではあるものの、食べごろになると香りが強まり、しっかりとした甘みを楽しめます。主に茨城県で栽培されている、比較的新しい品種のメロンです。
ティアラ
ティアラは、ふらのメロンのひとつにも数えられる赤肉メロンです。薄めの皮に肉厚な果肉が特徴で、芳醇な甘さとジューシーな味わいを楽しめます。比較的しっかりとした果肉で糖度も高く、食べごろになるとリキュールのような甘い香りが出てきて、甘みも強くなります。
また、丸い形をして網目も均一なので美しい見た目をしており、収穫後は日持ちしやすいので贈り物としても人気の品種です。
R-113
R-113は、ティアラと同様に「ふらのメロン」でも取り扱いのある赤肉メロンです。細かく密度が高い網目をしているほか、独特の香りと強い甘みが特徴で食べ応えがあります。
熟成させると柔らかくなり、とろけるような食感を楽しめます。熟成には時間がかかるので、日中の気温差が激しい時期は、あらかじめ熟成するタイミングを決めたうえで収穫されることが多いです。
IKメロン
IKメロンは、北海道三笠市で生産される赤肉種メロンのブランドで、「三笠メロン」ともよばれます。生産者の「小林勇」により誕生した品種で、生産者のイニシャルからIKメロンと名付けられました。
柔らかめの果肉はジューシーで、とろけるような食感と甘い風味・香りが特徴です。また、早春系・春系・夏系・盛夏系の4種類があり、それぞれ味わいや日持ちしやすさに違いがあります。
摩周レッド
摩周(ましゅう)レッドは、香り高くて強い甘さが特徴です。果肉はみずみずしくなめらかな口当たりを楽しめます。摩周湖(ましゅうこ)がある弟子屈町で栽培されており、主に川上郡周辺の直売所や農協などでしか流通していないことが特徴です。
摩周メロンは一般市場への流通がなく、町内のみで完売してしまうので、手にすることが少ない「幻のメロン」とも言われています。
赤肉メロンの旬の時期はいつ?
赤肉メロンの旬の時期は、品種や生産地により異なります。特にネット系赤肉メロンは4月下旬~7月中旬が旬とされていますが、北海道のメロンの旬は主に夏になります。
夕張メロンは例年5月下旬に初セリが行われ、6月~8月にかけて市場に流通します。ふらのメロンやらいでんメロンは、10月ごろまで楽しめることが多いです。初夏から秋にかけてさまざまな品種のメロンが店頭に並ぶので、いくつか食べ比べするのもおすすめです。
赤肉メロンの主な産地は?北海道・茨城県・熊本県が中心
メロンの主な産地は北海道・茨城県・熊本県の3地域です。いずれの地域でも赤肉メロンは栽培されており、北海道は「夕張キング」、茨城県は「なだろうレッド」、熊本県は「クインシーメロン」がそれぞれ有名です。なだろうレッドはカロテン臭が少なくクセのない味わいという特徴があります。
また、3地域で共通しているのが水はけのいい土壌と昼夜の寒暖差です。メロン栽培に適した条件が整っているので、多くのメロンが生産されています。
食べごろのメロンの見分け方
食べごろのメロンは、果皮が全体的に薄黄色味のような色あいで、ツルが少ししおれてきたものです。収穫されたばかりのメロンは全体的にみずみずしく青みがかっているので、7日~10日ほど常温で保存して追熟させることが大切です。
食べごろまで2日~3日前になると、やや青みが取れてツルも少し折れてきます。
メロンのおいしい冷やし方
メロンが食べごろになったら、食べる前に2時間~3時間冷やしておくのがおすすめです。冷やす際は逆さまにして冷蔵庫で保存しましょう。
メロンは上部のツルから甘みが伝わって底の部分に糖分がたまるので、底部分がやわらかくなったらツルを切って逆さまにして保存すると、甘みが均一になっておいしく食べられます。
まとめ
果肉がオレンジ色の赤肉メロンは、コクのある味わいと芳醇な香りが特徴です。青肉メロンと比べてβカロテンが多く含まれているので、抗酸化作用による視力の維持や免疫力の強化、紫外線による肌の老化防止などが期待できます。
赤肉メロンにはさまざまな品種があるので、ぜひ北海道の赤肉メロンを食べ比べてみてください。