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なぜ「枝豆」はビールによく合うの?枝豆に関する知られざる“豆”知識をご紹介♪

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枝豆は、暑い夏はもちろん、一年を通してビールのお供に欠かせない食材です。手軽でおいしいおつまみの代表である枝豆ですが、実は健康や美容に優れた効果が期待できる栄養が詰まっていることをご存知でしょうか?

この記事では、枝豆が持つ意外な栄養素やその効果を解説。栄養を効率的に摂取できるおすすめの食べ方や保存方法、おいしい枝豆の見分け方も詳しくご紹介します。

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枝豆のキホン

枝豆

スーパーやコンビニなどで気軽に手に入れることができる枝豆。そのままではもちろん、枝豆ご飯や和え物、枝豆スープなどにしてもおいしいですよね。そんな身近な食材である枝豆ですが、意外と知らないことが多いかもしれません。
まずは枝豆の基本知識からご紹介します。

枝豆と大豆、もやしは同じ仲間!

枝豆と大豆、もやしは同じ仲間

枝豆と大豆はもともとは同じ種子からできている仲間であることをご存知でしょうか。 大豆が若く未成熟の時期に収穫されたものが「枝豆」、完熟させて茶色く乾いたものが「大豆」です。そして、大豆の種子が暗所で発芽し、芽が伸びたものが「もやし」なんです。
種子の成長と収穫時期によって、もやし→枝豆→大豆と変化していきます。

しかし近年は多くの種子が品種改良され、枝豆も大豆も専用の品種をそれぞれ栽培することがほとんどです。現在、枝豆専用の品種は400種以上あるとされています。

枝豆は野菜、大豆は豆類

枝豆は野菜、大豆は豆類

枝豆と大豆は同じ「マメ科ダイズ属」ですが、植物分類や栄養学の観点からみると、異なるカテゴリーに分類されます。

枝豆は緑黄色野菜として野菜類に、大豆は豆類に該当します。
また、教育現場などで用いられる「三色食品群」では、大豆は赤(体をつくるもとになる)、枝豆は緑(体の調子を整えるもとになる)と違うグループに分けられています。

枝豆の種類

枝豆

緑色のさやに白い産毛が一般的な枝豆ですが、中には「これも枝豆なの?」という枝豆もあるんですよ。

茶豆

豆がやや茶色い薄皮に包まれている茶豆も、枝豆の一種です。特徴は香りの良さと、強い甘み。豆の味わいを存分に楽しむことができます。

茶豆の中でも、新潟市黒崎地区で作られている「くろさき茶豆」は、代々引き継がれた独自の栽培技術で生産されている高品質ブランド。枝豆界の「魚沼産コシヒカリ」とも呼ばれています。

だだちゃ豆

だだちゃ豆とは、山形県鶴岡市周辺のみで作られている枝豆です。表面に茶色の産毛があり、さやのくびれが深い見た目が特徴的。ひと口食べると、とうもろこしのような独特の香りと甘みが広がります。

ちなみに「だだちゃ」とは、山形県庄内地方の方言で「お父さん」「親父」という意味です。一説によれば「だだちゃ豆」という名前の由来は、ある殿様に庄内地方で採れた枝豆を献上したことから付けられたそうです。あまりに枝豆がおいしかったことから、殿様が「この枝豆は、どこのだだちゃ(親父)の作った豆だ」と口にしたことから「だだちゃ豆」と呼ばれるようになったという説があります。

丹波黒枝豆

丹波黒枝豆は、おせち料理に欠かせない「黒豆」で有名な、丹波黒大豆を熟成途中で収穫した枝豆です。兵庫県丹波市で栽培されています。

実が大きく、うっすらと黒みを帯びた薄皮が特徴。独特のコクと甘みがあり、ほっくりとした豆の食感も楽しむことができます。

北海道は枝豆の国内生産量第1位!

枝豆畑
順位 都道府県 栽培面積(ha) 出荷量(t) 全国シェア(%)
1位 北海道 1,340 8,490 16
2位 群馬県 1,070 6,220 12
3位 千葉県 746 4,910 9
4位 山形県 1,470 4,320 8
5位 埼玉県 613 4,240 8

参考:農林水産省「令和4年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量

令和4年(2022年)の国内での枝豆収穫量は6万5,200t、出荷量は5万2,200t。そのうち8,490tもの枝豆が北海道で栽培、出荷されています。

特に高い生産量を誇るのが十勝地方。道内で生産される枝豆の9割以上が十勝地方で作られています。中でも十勝地方の中札内村は、枝豆の一大産地です。村内で80戸ほどの農家が枝豆生産に携わっています。

北海道の枝豆の最盛期は8〜9月。ビアガーデンなどのイベントが盛り上がる真夏に旬を迎えます。なお、群馬県産の枝豆の出荷時期は6〜9月、千葉県産は5〜7月と、北海道に比べてやや早めであることが特徴です。

枝豆の栄養と効果

枝豆の栄養

枝豆には、健康や美容効果が期待できる栄養素が詰まっています。ここでは知られざる枝豆の栄養効果をご紹介。
夏に食べることをおすすめする理由や、おつまみにふさわしい枝豆がもつアミノ酸「メチオシン」についても解説します。

枝豆の主な栄養素

枝豆(ゆでたもの)100gに含まれる成分・栄養素は下記表のとおりです。

栄養成分 含有量 大豆(ゆで)
エネルギー 118kcal 163kcal
たんぱく質 11.5g 14.8g
炭水化物 8.9g 8.4g
脂質 6.1g 9.8g
食物繊維 4.6g 8.5g
β‐カロテン 290μg 3μg
ビタミンB1 0.24mg 0.17mg
ビタミンB2 0.13mg 0.08mg
ビタミンC 15mg Tr mg
カリウム 490mg 530mg
マグネシウム 72mg 100mg
2.5mg 2.2mg
亜鉛 1.3mg 1.9mg
葉酸 260μg 41μg

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年_野菜類/えだまめ」より作成
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年_豆類/だいず」より作成

枝豆のカロリーは大豆に比べてやや低め。加えてβカロテンやビタミンC、葉酸など、大豆にはほとんど含まれていない栄養素が豊富であることが特徴です。枝豆に含まれるβカロテンは大豆の約97倍、ビタミンCは約15倍、葉酸は約6倍も含まれています。

枝豆は緑黄色野菜でありながら、豆類の栄養素も併せ持つ「いいとこどり」の食材と言えるでしょう。また、枝豆にはさやがあるため、茹でても栄養価への影響が少ないことも魅力のひとつです。

枝豆に含まれる「メチオニン」は二日酔いや飲み過ぎに効果あり⁈

枝豆とビール

枝豆のたんぱく質に含まれるアミノ酸の一種「メチオニン」には、肝臓機能の働きを助ける作用があります。アルコールの分解を促すことで、アルコールの飲み過ぎや、二日酔いを防止します。

枝豆は、野菜の中でも特にメチオニンの含有量が多いことが特徴です。「ビールと枝豆」という定番の組み合わせは、栄養素の観点からも理にかなっていると言えるでしょう。

夏バテ防止にも!まだまだある枝豆の嬉しい効果

枝豆の栄養効果は、アルコールに関わるものだけではありません。年間通して手に入る枝豆ですが、旬である夏に積極的に食べることで、その栄養効果を実感しやすくなります。

疲労回復

枝豆に含まれるビタミンB1、B2には、体内でたんぱく質や糖質、脂質を分解してエネルギーに変える作用があります。また、ビタミンB1には、疲労物質である乳酸を分解する働きもあります。

枝豆でビタミンB群を補うことで、夏バテの原因である体のだるさや食欲不振、疲労回復に役立ちます。

むくみ解消

夏ならではの悩みで多く挙げられるのが、足や顔のむくみ。夏は水分の摂取量が増え、さらに冷房などで冷やされることにより、体がむくみやすくなります。

そんなむくみの解消が期待できるのが、枝豆です。枝豆に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出し、利尿作用を促す働きがあります。体内の水分量を調整してくれる枝豆は、まさに夏にぴったりの食材と言えるでしょう。

むくみ

老化防止、美肌効果

枝豆に含まれる「イソフラボン」は、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」と似た働きをしてくれる栄養素です。イソフラボンはポリフェノールの一種。枝豆をはじめとする大豆製品に多く含まれています。

イソフラボンには乱れがちなホルモンバランスを整え、ストレスを緩和させる働きがあります。さらに老化現象を防ぎ、肌や髪などのツヤをキープし、シミやたるみを防ぐ美肌効果も期待できます。女性に嬉しい効果が詰まった栄養素です。

おいしさと栄養を逃がさない!枝豆のおすすめの食べ方と保存方法

老若男女問わず嬉しい栄養効果が詰まっている枝豆。塩ゆでが定番ですが、少し工夫をするだけで、枝豆の栄養を効率的に摂れちゃいます!

定番の塩茹で枝豆は、蒸し焼きや電子レンジで!

枝豆の塩茹で

枝豆の調理法といえば「塩茹で」。程よい塩加減につい手が伸びてしまいますよね。

ついたっぷりの水で茹でてしまいがちですが、枝豆がもつビタミンなどの栄養素は水溶性。栄養をできるだけ逃さず調理するためには、水を使わず調理することがポイントです。
そこでおすすめしたいのが「蒸し焼き」。枝豆をフライパンに並べ、コップ1杯程度の水を入れて蓋をします。その後5〜10分ほど蒸し焼きにすれば完成!短時間でおいしく、かつ栄養が逃げにくいおすすめの調理法です。

また、枝豆は電子レンジで茹でることも可能です。洗って塩もみした枝豆を耐熱ボウルにいれ、ふんわりとラップをかけ、500〜600Wの電子レンジで5分ほど加熱すればOK。手軽においしい塩茹で枝豆が出来上がります。

ちなみに枝豆の薄皮には、食物繊維が豊富に含まれているため、剥かずにそのまま食べることをおすすめします。

枝豆は鮮度が命!すぐに冷凍で栄養そのまま!

冷凍枝豆

枝豆のおいしさや栄養は収穫直後がピーク。時間が経つにつれて甘みが落ち、豆も痩せていくため、生の枝豆を手に入れた場合はその日のうちに茹でてしまうことをおすすめします。

茹でた枝豆は冷凍保存が可能です。かために茹でて水気を切り、さや付きのまま小分けにして、保存用袋などに入れて冷凍します。保存期間の目安は1か月です。

食べるときは自然解凍か電子レンジで解凍しましょう。

おいしい枝豆の見分け方

新鮮な枝豆

枝豆はなんといっても鮮度が大切!枝付きの枝豆は新鮮なことが多いため、見かけたらゲットすることをおすすめします。

また、枝豆を選ぶ時には「さや」にも注目してみましょう。さやの緑色が鮮やかで産毛が濃く、表面がピンと張っているものが鮮度の良い証拠。均等に豆が入っているかもチェックしましょう。さやが黄色いものは成長しすぎているのでご注意を。

さらに枝豆の「くびれ」にも注目です。ふっくらとした寸胴型の枝豆より、くびれのある若い枝豆の方が甘みがあり食べ頃です。

まとめ

身近なおつまみである枝豆。二日酔いや飲み過ぎ防止といった、お酒好きな人にとって嬉しい効果だけなく、疲労回復や美容効果も期待できる万能食材です。

北海道産の新鮮な枝豆とともに、ぜひ今夜は乾杯してみてはいかがでしょうか?

writerprof_honma
本間 幸乃
ライター
北海道浦河町生まれ、札幌育ち。北海道の生産者・事業者にまつわるストーリー、食やカルチャー情報など「暮らしがちょっと豊かになる」記事を執筆中。好きな六花亭のおやつは『霜だたみ』。