かわいい「おもちゃカボチャ」とは?使い道や育て方、食べられるのかを解説
ハロウィンのシーズンに見かけることが多くなる「おもちゃカボチャ」。小さくかわいい見た目が特徴的で、見ているだけでもハロウィンや秋の雰囲気を感じられます。ジャック・オー・ランタンに加工して楽しむことも可能です。
また、おもちゃカボチャは自宅で簡単に栽培することもでき、春に種まきをすれば夏にはグリーンカーテンとしての使い道もあります。こちらの記事ではおもちゃカボチャの使い道や飾り方、育て方、おもちゃカボチャの種類について紹介します。
この記事でわかること
- おもちゃカボチャは装飾用の小さいカボチャ
- ディスプレイやグリーンカーテンにも使用できる
- おもちゃカボチャは食べられない
- ミニカボチャは食べても飾ってもOK
- おもちゃカボチャは1個約300~500円
おもちゃカボチャとは?観賞用で飾り付けにピッタリ
おもちゃカボチャとは、「ペポカボチャ」とも呼ばれる小さな観賞用のカボチャのことです。幅広い種類があり、黄色やオレンジ、グリーン、白色などのほか、ボコボコした形やツルツルの形などさまざまです。
見た目がかわいいので、秋になると多くのお店で飾り付けられます。おもちゃカボチャは観賞用なので食べられませんが、食べられる小さな「ミニカボチャ」も観賞用としておもちゃカボチャと言われることがあります。また、おもちゃカボチャには「変化・広大」といった花言葉があり、秋の収穫祭を祝うハロウィンの飾りにピッタリです。
おもちゃカボチャの使い道
おもちゃカボチャには以下のような使い道があります。
おもちゃカボチャの使い道
- グリーンカーテンに使用する
- ディスプレイに使用する
- フリマサービスなどで販売する
おもちゃカボチャは自宅やお店に飾り付けるのが主な使い道です。しかし、おもちゃカボチャを種から自分で栽培すればグリーンカーテンなどの使い道もあります。それぞれの使い道を詳しく紹介します。
グリーンカーテンに使用する
おもちゃカボチャは、グリーンカーテンにするのが使い道のひとつです。観賞用ですが、普通のカボチャと同じように一から栽培することができ、つるを伸ばして育ちます。自宅でおもちゃカボチャを栽培すればグリーンカーテンにでき、天然の日除けを作ることが可能です。
一般的にグリーンカーテンに用いられるアサガオやゴーヤよりも葉の数は少ないですが、一枚一枚の葉が大きいのでしっかりグリーンカーテンの役割を果たしてくれます。おもちゃカボチャのカラフルな実がなる姿を見るだけでも楽しめます。
ディスプレイに使用する
ディスプレイや部屋のインテリアなど、飾り付けとして使用するのがおもちゃカボチャの一般的な使い道です。特にハロウィンの時期は多くのお店でディスプレイとして、小物やドライフラワーなどと一緒に飾り付けられます。また、おもちゃカボチャは硬く、非常に日持ちするので長い期間飾って楽しむことができます。ディスプレイにおもちゃカボチャを使用すれば、ハロウィン気分がさらに盛り上がるでしょう。
フリマサービスなどで販売する
栽培したおもちゃカボチャをフリマサービスなどで販売することもできます。ハロウィンが近づくにつれておもちゃカボチャの需要が高まるので、売れる可能性は高いです。使わなくなったものを売るほか、販売用におもちゃカボチャを栽培するのも選択肢のひとつです。
おもちゃカボチャの飾り方
おもちゃカボチャの飾り方は自由です。一個だけでもかわいいですが、さまざまな種類のおもちゃカボチャを用意すればするほど飾り付けの幅も広げることが可能です。形や色味がかわいいものは、靴箱の上などに飾ると玄関を秋っぽい雰囲気を演出できます。
おもちゃカボチャにジャック・オー・ランタン風のデコレーションをすれば、小さなハロウィンのインテリアになります。調理場やテーブルの上、小物入れの中、窓枠などどこに飾ってもおしゃれです。
おもちゃカボチャを使ったハロウィンの楽しみ方
ハロウィンのシーズンはおもちゃカボチャを使って楽しみましょう。おもちゃカボチャは秋の時期に花屋で売られることが多くなります。一つひとつ個性が違うので、色や形など見て直感でかわいいと思えるものを選んでみてください。変わった色・形ものを飾って楽しむのもよいですが、普通のカボチャのような色・形のおもちゃカボチャを使ってジャック・オー・ランタンを作るのもおすすめです。
カボチャの底を丸くカットして中身を取り除き、ジャック・オー・ランタンの顔を下書きして彫刻刀などで切り取れば、小さなジャック・オー・ランタンを簡単に作ることができます。空洞にキャンドルを灯せば、少し不気味な雰囲気のかわいいインテリアの完成です。作るときも子どものころにやった図画工作の気分を味わえるので、ハロウィンの時期はぜひおもちゃカボチャでジャック・オー・ランタンを作ってみてください。
おもちゃカボチャの種の取り方・加工方法
ジャック・オー・ランタンを作る場合など、おもちゃカボチャを加工するためには中の種やワタを取る必要があります。準備するものはおもちゃカボチャ・油性ペン・果物ナイフ・カッター・スプーンです。
おもちゃカボチャの加工手順
- カボチャの底(またはへた部分)を丸く線を引く
- 線に沿ってナイフでくり抜く
- スプーンを使ってワタと種を取る
- ジャック・オー・ランタンの顔を下書き
- 下書きに沿ってカッターで切り取り、完成!
カボチャのへた部分をカットする場合、捨てずにとっておけば中身を取り除いた後に被せることができます。
おもちゃカボチャは食べられる?食用のミニカボチャは食べてもOK
おもちゃカボチャを栽培・購入した人の中には、「食べてもいいのでは?」と気になっている方もいるかと思います。基本的におもちゃカボチャは食べることができません。特にホームセンターや花屋などで購入できるおもちゃカボチャは、きれいな形にするため薬を使って虫・病気を防いでいる可能性もあります。おもちゃカボチャはあくまでも観賞用なので食べないでください。
ただし、おもちゃカボチャのように小さい「ミニカボチャ」は食用なので食べることができます。飾っても楽しいミニカボチャには、「プッチーニ」「朱姫(あけひめ)」「プチホワイト」「バターナッツ」などの種類があります。
おもちゃカボチャの育て方は?栽培時のポイント
おもちゃカボチャは家庭用のプランターでも育てることができます。購入するだけでなく、自分で栽培したものを飾る楽しみ方もあります。おもちゃカボチャの栽培時のポイントは次の4つです。
おもちゃカボチャの育て方
- 種まき後は1~1.5mの間隔で植え付ける
- 定期的に肥料を与える
- 鉢植えで育てるなら支柱を立てる
- ジメジメした時期の病気に気をつける
それぞれのポイントを詳しく紹介します。
種まき後は1~1.5mの間隔で植え付ける
まずはおもちゃカボチャの種をまきます。深さ12cm程度のプランターやポリポットに種をまいたら、種の表面が隠れる程度土を被せます。土の表面が乾かないように水やりを行い、日当たりのいい場所で発芽するまで育てます。種まきの時期は4~5月ごろで、定植するまでの期間は1カ月程度、収穫時期は約半年後の10~11月が目安です。
おもちゃカボチャが発芽して葉が出てきたら、生育のよい元気な苗だけを残して間引きします。草丈が5~6cmになったら、1~1.5cmの間隔で苗を定植します。鉢植えの大きさは8号鉢に一株が目安です。プランターを使用する場合は園芸用培養土を使用し、地植えする場合は有機質が豊富で排水性のいい土を使用します。
定期的に肥料を与える
定植したら定期的に肥料を与えながら、日当たりのいい場所で育てましょう。鉢植え・プランターで育てる場合は土の表面が乾いたらたっぷり水やりしますが、地植えする場合は雨が何日も降らない限り水やりする必要はありません。
よく育つ肥料の与え方は2週間に1回の頻度で液体肥料を与えるほか、1カ月に1回の頻度で化成肥料を与える方法があります。また、はじめに緩効性肥料(かんこうせいひりょう)を与えておけばこまめに肥料を与える必要なく、比較的楽に育てることができます。肥料が切れると葉が黄色くなってつるも伸びなくなるので、切らさないように注意しましょう。
鉢植えで育てるなら支柱を立てる
鉢植え・プランターで育てるなら支柱を立てます。グリーンカーテンにする場合はあんどん仕立てを立てたり、フェンスや支柱に誘引したりしましょう。庭などに地植えするなら、支柱を立てずに地面に這わせても育てることができます。また、苗が大きくなり葉が6~7枚くらい出てきたら摘心しましょう。中心の茎を剪定ハサミなどで数センチカットしてわき芽を発生させます。
できる限り人工授粉を行うことも大切です。虫が自然と受粉を手伝ってくれますが、人の手で人工授粉した方が着果率が高くなります。花びらを取り、雄花をおしべだけにして雌蕊に押しつけて受粉させます
ジメジメした時期の病気に気をつける
梅雨をはじめ、ジメジメした時期は病気にかかりやすいので注意が必要です。特におもちゃカボチャは「うどんこ病」にかかりやすい植物で、うどんこ病になると葉が白くなって生育が悪くなります。うどんこ病が発生すると、すぐに周りに広がるのでできる限り早く発病した葉を取り除いて処分しましょう。うどんこの予防に効く殺菌剤を散布することも大切です。
おもちゃカボチャの主な種類
おもちゃカボチャにはさまざまな種類があり、中でもよく目にする主要な種類は以下の通りです。
おもちゃカボチャの種類
- ミニパンプキン
- アメリカンゴールド
- 恐竜の卵
- ベイビーブー
- テンコマンド
- オータムウィング
- プッチーニ
- バターナッツ
プッチーニとバターナッツはミニカボチャの名前ですが、おもちゃカボチャと同じように小さくかわいいので飾り付けにも適しています。それぞれのおもちゃカボチャについて詳しく紹介します。
ミニパンプキン
ミニパンプキンは通常のカボチャの形をした小さいおもちゃカボチャです。オレンジ系がほとんどですが、オレンジとグリーンがグラデーションになった色のものもあります。
アメリカンゴールド
アメリカンゴールドはオレンジ系のおもちゃカボチャです。同じおもちゃカボチャ「オータムゴールド」に代わる新しい品種で、見た目はミニパンプキンに似ています。ミニパンプキンよりも凹凸が少なく、ややツルッとした見た目が特徴です。
恐竜の卵
恐竜の卵はグリーン・ホワイト系のおもちゃカボチャです。オレンジ色のおもちゃカボチャに混ざると映えて見える上に、ハロウィンの雰囲気と相性もいいです。恐竜の卵のような見た目なので、男の子がいるご家庭の飾り付けにおすすめします。
ベイビーブー
ベイビーブーは白系のおもちゃカボチャで、「ホワイトパンプキン」とも呼ばれます。直径10cm以上にはならない小さな種類で、ハロウィンの飾り付けには必須です。そのまま飾るだけでなく、白色の表面を自由に塗ってデコレーションするのもおすすめです。
テンコマンド
テンコマンドは一般的なカボチャとは異なる形をしたおもちゃカボチャです。表面に10個程度のデコボコがあり、上から見ると星のような見た目をしています。色もグリーン系やオレンジ系、白系など個体によってさまざまです。
オータムウィング
オータムウィングは白鳥のような形をした縦長のおもちゃカボチャです。オレンジ系やダークグリーン系があり、少し不気味なシルエットがハロウィンの雰囲気をより一層演出してくれます。
プッチーニ
プッチーニ(プッチィーニ)は、薄い黄色にオレンジ色のストライプが特徴的なミニカボチャです。おもちゃカボチャとは違って、飾り付けるだけでなく、食用として食べることもできます。プッチーニの果肉はやや粉質で独特の甘みがあり、電子レンジで加熱するだけでおいしく食べられます。
バターナッツ
バターナッツはひょうたん形をした縦長のカボチャです。長さは20~30cmなので、おもちゃカボチャと比べると大きいですが、変わった見た目なのでディスプレイとしてもおすすめです。また、おもちゃカボチャではないので食べることができます。種周りの果肉は甘みが強く、グラタンやスープ、ポタージュにするとおいしいです。生でも食べられます。
おもちゃカボチャは日持ちする?正しい保存方法
おもちゃカボチャも植物なので時間が経てば腐ってしまいます。保存期間は2~3週間が目安で、長持ちして数ヶ月です。そのため、1年後のハロウィンも同じおもちゃカボチャを使うのは難しいです。しかし、おもちゃカボチャは長持ちしやすいので、何もしなくてもきれいな状態を保ち続けます。傷が入るとその部分から腐りやすくなるので、できる限り傷をつけないこと、購入する際は傷やぶつけた跡がないきれいなおもちゃカボチャを選びましょう。
また、ジャック・オー・ランタンなどに加工した場合は腐りやすいです。加工したおもちゃカボチャの日持ち期間は1週間程度が目安です。できる限り長持ちさせるためには、直射日光や高温多湿を避けましょう。
おもちゃカボチャの値段は?
おもちゃカボチャの値段は種類や大きさにもよりますが、1個あたりおおよそ300~500円程度です。栽培する場合、各種おもちゃカボチャの種は100~300円くらいで購入できます。
まとめ
おもちゃカボチャは装飾用の小さなカボチャのことです。主にハロウィンが近づくにつれて販売されることが多くなり、シーズン時はおもちゃハロウィンを飾るお店も多いです。
おもちゃカボチャは手頃な価格で買えるので、ハロウィンの雰囲気をより一層楽しむためにもぜひ一度飾ってみてはいかがでしょうか。