アイスは太ると決めつけないで! 種類や時間帯によって太りにくい食べ方があります
スイーツはダイエットの天敵! でも、ダイエット目的で食事を控えめにしていると、たまには甘いものを食べたくなりますよね。食後は特に。デザートにアイスクリームが食べたいけれど……うーん、アイスは太りそうだなと思っている方はその考えが変わるかもしれません。
甘くておいしいデザートの代表格で確かに太りやすい食べ物ではありますが、アイスには太りにくい選び方や食べ方というのがあります。 本記事では減量中の方にもうれしい、アイスのあれこれをご紹介します。
この記事でわかること
- アイスも食べ過ぎれば太る
- 太りにくいアイスは氷菓
- ダイエット中は濃厚なバニラ味を選ぶと良い
- アイスは18時までに食べる
アイスは太る? 太らない?
ネットやSNSで検索してみると、アイスが太るか太らないか両方の意見が見受けられますが、結論「アイスは太る食べ物」です。アイスに限らずですが、どんな食品も食べ過ぎれば肥満に繋がります。でも「アイスによっては太らない種類がある」というのも事実です。
まずは、アイスが太る理由や仕組みについて理解しましょう。
アイスが太る理由1. 糖質と脂質が多い
お菓子の多くは糖質や脂質が多いものですが、冷たい食べ物は甘みを感じにくいことが大きなポイントです。そのため、アイスには砂糖が多く使われており、高糖質なお菓子になっています。糖質は摂り過ぎると中性脂肪として身体に蓄えられるため、太る原因となってしまいます。
また、乳脂肪分の含有量が高い、濃厚なアイスクリームには脂質が多く含まれており、高カロリーです。たとえば、高脂肪のアイスクリームのカロリーは、100gあたり212kcal。
一般的に、1日に間食から摂ってよいカロリーは200kcalと言われています。高脂肪のアイス100gでそれを越えてしまいますね。ちなみにショートケーキは1個あたり400kcal前後です。
アイスが太る理由2. 吸収が早く、脂肪になりやすい
身体の仕組みとして、食べたものの吸収スピードがゆっくりだとカロリーや糖質がエネルギーに使われるというのがあります。一方で吸収スピードが速ければカロリーやエネルギーに回りきらず、余ったエネルギーが脂肪になってしまいます。
吸収スピードは“分解のされやすさ”と比例しているので、溶けて液体になるアイスは必然的に吸収スピードが速い食べ物というわけです。
アイスが太る理由3. 身体が冷えて代謝量が下がる
アイスを食べると、下がった体温を上げるために脂肪燃焼効果が上がるのでは? と考える方もいるかもしれませんが、アイスで下がる体温程度ではむしろ逆効果と言えます。身体が冷えて体温が1℃下がると、基礎代謝量が12%下がるといわれています。基礎代謝量が下がると痩せにくくなってしまうので、アイスの食べる量や頻度には注意が必要です。
アイスが太る理由4. 暑い日につい食べ過ぎてしまう
アイスを食べたくなるのは暑い季節が多いです。気温が高くなる夏は、冷たいものがおいしく感じられ、暑さをまぎらわせたい気持ちもあってアイスを食べるという方は多いのではないでしょうか。
しかし、暑さを感じるたびに食べていると、これはもちろん過剰摂取です。カロリーや糖質の摂り過ぎにつながってしまうので、食べ過ぎには充分に注意しましょう。
アイスが太らないと言われているのは何故?
アイスは太る(太りやすい)食べ物である理由が分かりましたが、ではなぜ、太らないという考え方もあるのでしょうか。ここでは、アイスが太らないと捉えられている理由を解説します。
理由1. アイスは炭水化物が少ない
アイスが太らないと考えらている理由のひとつは、炭水化物が少ないことです。
炭水化物を多く摂ってしまうと太ってしまうのはみなさんご存じの通りですね。炭水化物は体内で糖質に変わり、糖質を摂取すると血糖値が上がります。血糖値が上がりすぎると体にとっては良くないので、私たちの体は糖質を脂肪に変えて体の中に蓄えようとします。これが太ってしまう仕組みです。
炭水化物が少ないアイスならば……と思うかもしれませんが、アイスは甘い食べ物です。炭水化物から作られるものではなくとも、結局、糖質を摂取していることに変わりはありません。また、濃厚なアイスクリームであれば脂肪分も多く含まれているため、糖質+脂肪のセットを摂取してしまうことになるのです。
理由2. アイスは冷たい食べ物だから
もうひとつ、アイスが太らないのではと言われる理由があります。
それは、アイスの冷たさ。ひんやりとしたアイスを食べることで体が冷え、下がった体温を上げるために体内で脂肪が燃えるので、相殺されるのではないかというわずかな希望(?)ですが……確かに体が冷えると脂肪燃焼効果が上がりますが、残念ながら、アイスを食べて得られるその効果は微々たるもので、アイスのカロリーを相殺できるほどの効果は見込めません。
パイやケーキに比べれば、アイスのほうが太りにくいかも、という相対的な話であって、アイス自体が太らないスイーツというわけではないのです。
アイスのカロリーと糖質量【種類別比較】
含まれている乳成分の量によって、アイスは以下の4種類に分類されています。
アイスの種類
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
- 氷菓
この中で乳脂肪分がもっとも多いのはアイスクリームです。乳固形分が15%以上で、うち乳脂肪分が8%以上含まれています。
アイスミルクは乳固形分が10%以上、うち乳脂肪分が3%以上と、乳固形分と乳脂肪分ともにアイスクリームより少なくなります。乳固形分3%以上がラクトアイスで、3%未満のものは「氷菓」と呼ばれます。
次に各成分を比較してみましょう。
アイスクリームの成分比較 | ||||
---|---|---|---|---|
種類 | カロリー | 糖質量 | 乳固形分 | 乳脂肪分 |
アイスクリーム | 170kcal | 17.8g | 15%以上 | 8%以上 |
アイスミルク | 134kcal | 19.1g | 10%以上15%未満 | 3%以上8%未満 |
ラクトアイス | 179kcal | 19.1g | 3%以上10%未満 | 規格なし |
氷菓 | 50kcal | 13.2g | 3%未満 | 規格なし |
ソフトクリーム | 146kcal | 20.1g | - | - |
ラクトアイスには、植物性油脂(植物油)が使われることが多く、乳脂肪分の成分規格はありません。ソフトクリームは製品温度-5~-7℃の冷菓商品で、-18℃が適温のその他のアイスに比べて柔らかいのが特徴です。乳固形成分や乳脂肪分については決まりがないので、商品ごとにカロリーは異なります。
乳脂肪分の多さが必ずしもカロリーと直結することではなく、植物性油脂を使うラクトアイスのほうがカロリーが高くなることも多いです。
アイスのパッケージには、これらの種別が必ず記載されているので、市販のアイスを購入するときに、ぜひチェックしてみてくださいね。
太りにくいアイスは氷菓!
アイスは脂肪も糖質もある、食べ過ぎれば太ってしまうお菓子のひとつですが、きちんと種類を選ぶと、太りにくいものもあります。冷たくて甘くておいしいアイス、食べずにいられないものなら太りにくいものを選びたいですね! そんな時は氷菓を選ぶようにしましょう。
氷菓はカロリーが少ない
前項の表にもあるように、カロリーが低いのは何と言っても「氷菓」です。乳固形分・乳脂肪分がほとんど含まれていないため、カロリーが低くなっています。もちろん、商品によってはその甘さに応じて糖分は含まれているので、成分表示はチェックしてみてください。
氷菓にはどんなものがある?
氷菓の代表的なものはかき氷系です。
カップタイプのものやバータイプのものなどいろいろありますが、ザクザクした食感の、果汁と氷を感じるものが「氷菓」です。ミルク味のものも、乳固形分が含まれていなければ「氷菓」と表記されます。
かき氷タイプより柔らかな食感のシャーベットも「氷菓」です。シャーベットのなめらかな口当たりは、牛乳や卵白、ゼラチンによって生まれるもので、主原料は果汁です。生クリームや牛乳などの乳製品を主原料とするアイスクリームやアイスミルクとは製法・成分が違うため、シャーベットは「氷菓」に分類されます。
ダイエット中に選ぶべきアイスとは?
ダイエット中に甘いものは禁止! わかってはいても、ちょっとだけ食べたい! その分、ご飯を減らしてでも食べたい! そう思い詰めちゃう人に、ちょっとだけ……。
ポイント1. 濃厚なアイスクリームを選ぶ
これ、意外かもしれません。もちろん、基本的には低カロリー・低糖質の氷菓を選んでください。
ただ、ダイエット中にどうしても食べたいという時は、氷菓では物足りないことも多いかと思います。そんな時は、栄養価のわりに高カロリーなアイスミルク、ラクトアイスではなく、栄養豊富で乳脂肪分も多いアイスクリームを選びましょう。濃厚なので満足感があり、少量でも満たされます。
また、乳脂肪に含まれる短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸という成分は、エネルギーとして消費されやすく、体脂肪になりにくい脂質であるという特徴があります。肉類や揚げ物などから摂取する脂肪に比べると太りにくいと言えるでしょう。
ポイント2. 糖質オフ・糖質ゼロに注意する
ちなみに、糖質オフ、糖質ゼロなどとされる商品は人工甘味料が使われていることが多いです。
人工甘味料はカロリーや糖質はゼロですが、“太るホルモン”とも言われるインスリンを分泌させることで、太りやすくなってしまうという研究結果もあります。なのでこれも、原材料表示のチェックが必要です。
ポイント2. バニラ味のアイスを選ぶ
アイスクリームを食べるなら、バニラ味を選ぶのがおすすめです。バニラには「バニリン」という成分が含まれており、これには食欲を抑えたり、脂肪の蓄積を抑えたりする効果があります。また、イライラを予防する効果もあり、ダイエット中のちょっとしたご褒美にぴったり。
バニラだけではちょっと物足りないという人は、食物繊維が豊富なドライフルーツを入れるとダイエット中の便秘解消にも効果的です。
【豆知識】アイスクリームがもたらす嬉しい効果
ダイエット中は食事を制限することが多く、イライラしたり、頭がボーっとしたりしますよね。これは、栄養不足や脂肪分を制限しすぎることが原因の1つ。もちろん、好きなものを食べられないというストレスも加わっています。
そこでアイスクリームを食べると脳の働きが活発になり、イライラを抑制する効果があるそうです。甘いものを食べたというご褒美感もストレス緩和に繋がります。また、アイスクリームには空腹感を抑える効果も期待されています。
ダイエット中は肉や揚げ物などの脂肪分を控えるかと思いますが、脂肪分を控えすぎると、その反動でかえって食欲が増してしまうことがあります。
脂肪分はカロリーが高いので太りやすくなってしまうのは事実ですが、少量の脂肪分を摂ることで空腹を感じにくくなる効果があるのです。そのため、食事では揚げ物を控え、その代わり、乳脂肪分の多いアイスクリームを適度に食べて、上手に空腹を抑えましょう。
アイスで体を冷やして代謝が上がるのではという説もありますが、アイスで下がった体温を上げるために使われるカロリーはほんの少しです。残念ながらその説には期待できないので、くれぐれも食べ過ぎには要注意です。
アイスを食べても太りにくい量と時間
濃厚なアイスクリームはダイエットに効果的ですが、食べ過ぎればもちろん太ります。そのため、食べる量と時間に十分に気をつけましょう。
1日に食べてもいいアイスの量は最大120g
1日に食べるアイスクリームの量は、80~120gに抑えましょう。カップアイスの中でも少し小さめのものですね。この大きさのカップアイスは濃厚で高級感のあるアイスクリームが多いので、少量でも満足できそうです。1製品あたりの量が多いものは小分けにして食べるようにしましょう。
アイスを食べるなら18時までにする
食べる時間は朝から18時くらいまでならOKです。この時間帯は食べた物を消費しやすいので、太りにくいタイミングといえます。遅い時間になるほど脂肪が蓄積しやすくなってしまうので、できるだけ早い時間に食べるようにしましょう。
食べたくなるのは夕食の後やお風呂の後かもしれませんが、そこはグッと我慢です!
アイスを食べ過ぎるとどこが太るの?
体につく脂肪は、皮下脂肪、内臓脂肪、異所性脂肪に分けられますが、性別や体質によってつく場所が違ってきます。
例えば、男性は内臓脂肪がつきやすく、内臓の配置を維持する役割をもつことから、特にお腹のなかでも腸の周辺につきやすいのが特徴です。また、女性は皮下脂肪として全身にまんべんなく脂肪がつきやすいです。
これは授乳期の蓄えとしてと言われていますが、授乳していない状況でも変わりません。アイスを食べた場合でも、こういった太り方が予想できます。
ちなみに、皮下脂肪にも内臓脂肪にもなれなかった脂肪を「異所性脂肪」と言います。骨格筋などの筋肉や、本来であれば蓄積されにくい部位に蓄積されてしまいます。体の深いところにあるので、外からは見えにくいですが、健康リスクが高いものです。
まとめ
「アイスは太りにくい」説、残念ながら、無制限に食べられるというわけではないようです。ただし、種類と時間を選び、量を控えればダイエット中でも時々は食べていいようなので、そこは嬉しいですね。
ちなみに北海道では真冬にアイスをよく食べるという俗説がありますが、これは本当です。北海道は真冬でも室内は春夏のように暖かいので、冷たいものが食べたくなるんです。ストーブやヒーターで充分に暖まっている室内で食べるアイスはおいしいですよ!