意外と知られていない「ひきわり納豆」の隠れた事実とは?
大豆の種類や粒の大きさが違うものなど、色々な種類の納豆が売り場に並んでいます。その種類のひとつに「ひきわり納豆」がありますが、他と何が違うのかご存知でしょうか?
この記事では、ひきわり納豆の特徴や使い方について解説します。自宅で簡単に作れる“即席ひきわり納豆”についても紹介しているので、チェックしてみてください。
納豆の種類
日本の伝統的な食品のひとつに納豆があります。クセのある香りや食感をしているものの、栄養豊富で保存にも優れており、古くから親しまれている食品です。
納豆には粒の大きさや豆の種類によってさまざまな種類があることをご存知でしょうか。
種類 | 特徴 |
---|---|
大粒 | 大きめの大豆で作られた納豆。大豆の風味や味わいを感じやすい |
中粒 | 中くらいの大きさの大豆で作られた納豆。大豆の味わいと程よい食べやすさ、粘りの出やすさを持っている |
小粒 | 小さい大豆で作られた納豆。口当たりがよく食べやすい。粘りが出やすく納豆の味わいを感じやすい |
その他にも、皮が緑色をしている青大豆や皮の黒色をしている黒豆を使った納豆など、原料となる大豆の種類によっても異なる風味や味わいを楽しめます。
ひきわり納豆ってどんな納豆?
多くの人は、ひきわりを「普通の納豆を刻んだもの」と思っていることでしょう。
ひきわり納豆は、ただ刻んでいるわけではなく、臼で大豆を砕き、皮を取り除いたあとに納豆菌を加えて発酵させたものです。通常の糸引き納豆は、大豆の皮がついたまま納豆菌を加えて発酵させるので、ひきわり納豆とは作る工程が大きく異なります。
ひきわり納豆の歴史
納豆は二千年以上前から食べられてきたと言われており、平安時代の書物にも納豆についての記載があります。もともと、煮大豆を藁に包んで運んでいた所腐って糸を引いてしまったものが納豆の起源と言われています。
ひきわり納豆は残り物から生まれた?
ひきわり納豆は、納豆を作るために備蓄していた大豆の残りかすから生まれたという説があります。大豆を保存していると、途中で割れてしまったものなどが奥底に溜まってしまうことが頻繁にあったようです。
それらの割れた大豆を捨てるのは勿体ないという事で、割れた大豆で納豆を作ったのがひきわり納豆のルーツだと言われています。
昔は納豆汁にして食べるのが一般的だった
今でこそご飯のお供として食べられている納豆ですが、昔は味噌汁などに入れて食べることが多かったと言われています。
大豆は古くから煮物などにして食べられていました。そのため、大豆から作られた納豆も加熱して食べられていたのだと考えられます。少なくとも江戸時代以前は、納豆は汁物にして食べるのが一般的だったという説があります。
ひきわり納豆と普通の納豆(糸引き納豆)はどっちが健康に効果的?
私達が普段食べている納豆は、正式名称を糸引き納豆と言います。
ひきわり納豆と糸引き納豆では、同じ大豆から作っていても栄養価が異なります。糸引き納豆と比較して骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐビタミンKが約1.5倍多く含まれています。その理由としては、ひきわり納豆の方が納豆菌が付着する表面性が大きいためです。
また、ビタミンK以外にも認知症を予防する「スペルミジン」という成分が豊富に含まれていることが判明しました。スペルミジンは、脳細胞の寿命を伸ばし認知症を予防してくれる働きがあります。
このように、ひきわり納豆は糸引き納豆と比較して栄養価が高い食品といえるでしょう。
ひきわり納豆を効果的に食べるポイント
健康に効果が期待できるひきわり納豆ですが、より効果的に食事に取り入れるなら以下のポイントを意識してみてください。
毎日食べる
納豆は毎日食べるのが良いと言われています。ひきわり納豆に含まれるビタミンKやナットウキナーゼなどの栄養を毎日週間的に摂取することで、体を健康的な状態に保ち病気を未然に防いでくれる効果が期待できるでしょう。
納豆には充分な食物繊維も含まれており、血糖値を下げる効果も期待できます。
毎日食事に取り入れることで、血糖値の上昇を防ぎナットウキナーゼによる血栓予防効果なども期待できます。カルシウムも充分含まれているので、子どもや年配の方にも毎日納豆を食べるのがおすすめです。
乳酸菌と組み合わせて食べる
納豆は乳酸菌を含む食品と一緒に摂ることで、健康に期待できる効果がアップすると言われています。
- 腸内環境が良くなる
- 免疫力がアップする
- アレルギーが抑制される
- 歯周病予防ができる
- 口腔内フローラが抑えられる
特に納豆と相性が良く乳酸菌を含む食品のひとつにキムチがあります。キムチと納豆を混ぜて食べると美味しく健康効果のアップも期待できるでしょう。
“即席ひきわり納豆”の作り方
ご自宅で、糸引き納豆からひきわり納豆にするには包丁やフードプロセッサーなどで、糸引き納豆を細かく刻む方法があります。糸引き納豆を細かく刻むことで、ひきわり納豆の口当たりと食感を再現できます。
ひきわり納豆の美味しい食べ方
ひきわり納豆は、ご飯にかける以外にもさまざまな料理に加えることで、より美味しく楽しめます。
鶏ひき肉とひきわり納豆のふんわり焼き
鶏ひき肉に、ひきわり納豆を加えることでふわふわとした食感が生まれます。納豆が苦手な子供でも食べやすいので、試してみる価値あり!
材料(大人3人分) | 分量 |
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鶏ひき肉 | 150g |
ひきわり納豆 | 2パック |
青ネギ | お好みの量 |
とうもろこし | 1/3カップ |
★小麦粉 | 大さじ4 |
★卵 | 1個 |
★しょうゆ | 小さじ1 |
★塩 | 少々 |
★こしょう | 少々 |
油 | 大さじ1 |
【簡単な作り方の解説】
- 青ネギをみじん切りにする
- ボウルに鶏ひき肉・ひきわり納豆・青ネギ・とうもろこし・★のついた材料を全て加えてまとまるまで混ぜる
- フライパンに油をひき熱したら、小さじ山盛り1杯くらいのタネを丸く落として焼く
- 両面がこんがりきつね色になるまで焼いたら完成(蓋はしなくてもOK)
梅肉とひきわり納豆の冷奴
副菜の定番冷奴に、さっぱりとした梅肉とひきわり納豆をのせれば豆腐のうまみが引き立ちます。
材料(大人1人分) | 分量 |
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ひきわり納豆 | 1パック |
梅干し | 1個 |
豆腐 | 1丁 |
しょうゆ | 少々 |
刻みネギ | 大さじ1 |
刻みのり | 少々 |
【簡単な作り方の解説】
- 梅干しは種をとり、包丁で果肉をたたいてペースト状にする
- ボウルに納豆とペースト状にした梅肉・しょうゆを加えて混ぜ合わせる
- 豆腐を器に盛りつけて、先ほど混ぜ合わせた納豆の梅肉和えをのせる
- 最後に刻みネギ・のりを添えて完成
ひきわりビビンバ
ビビンバは、たくさんの野菜がとれるので栄養満点。ひきわり納豆を加えることで、美味しさと栄養もプラスされます。
材料(大人1人分) | 分量 |
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ひきわり納豆 | 1パック |
ほうれん草 | 4/1束 |
もやし | ひとつかみ |
にんじん | 4/1個 |
ゼンマイ | 30g |
ごはん | 茶碗1杯 |
ごま油 | 少々 |
塩 | 少々 |
コチュジャン | 少々 |
【簡単な作り方の解説】
- ひきわり納豆は、付属のたれを入れてよく混ぜておく
- ほうれん草、もやし、にんじん、ぜんまいは食べやすい大きさに切り、それぞれ下ゆでしてごま油・塩で和えておく
- ごはんに2.を盛り付け、ひきわり納豆をたっぷりかけて完成(お好みでコチュジャンを加えるのも◎)
まとめ
ここまで、ひきわり納豆の特徴や美味しい食べ方について紹介しました。ひきわり納豆は、糸引き納豆を刻んだものではなく、大豆を臼で挽き砕いてから発酵させたものです。また、皮も取り除いているので食べやすく、栄養価も高いのが特徴。
納豆を選ぶ際には、味や好みだけではなく、食べやすさや栄養価の違いも意識して選んでみてください。