北海道のご当地グルメ・名物・郷土料理 道東編(十勝・釧路・知床方面など)
北海道といえばその広大な自然と海に囲まれた地理的な特徴で、ありとあらゆるグルメが存在する場所です。さらに、日本の最北に位置するため、他の地域にはない独自のグルメや食文化があり、その美味しさがまだまだ全国に伝わっていないというものもたくさんあるはず。
今回はそんな北海道の中でも、十勝、釧路、知床といった道東方面のグルメや名物、郷土料理をピックアップして紹介します。
【道東】北海道のご当地グルメ・B級グルメ
まず気になるのが最近のグルメーブームの中でも注目されている、ご当地グルメやB急グルメではないでしょうか。地の利を活かした道東ならではのグルメには、どんなものがあるのでしょうか。
十勝清水牛とろ丼
牛トロ丼という名前は北海道以外では馴染みがないかもしれません。牛トロ丼というのは牛トロフレークを温かいご飯に乗せた丼です。
十勝スロウフードという北海道の企業が販売する牛トロフレークは、十勝平野で育った牛肉を衛生的に加工した牛肉加工食品。凍ったままのフレークを熱々のご飯にかけて食べるのが基本です。
炉端焼き
炉端焼きの文化は全国的にも広がっていますが、このスタイルが確立されたのは北海道の釧路だと言われています。
囲炉裏などを使って肉や魚、野菜を焼いて熱々のまま食べるというのが炉端焼きの楽しみ方です。定番メニューはホッケ、ホタテ、アワビなどですが、鹿や豚肉も人気メニュー。大きな囲炉裏で料理人が焼いてくれるお店や、各テーブルにある小さな囲炉裏で焼くのかを好みに合わせて選べます。お店によっては「掘返べら」と呼ばれる大きなしゃもじでお客様に運ぶところも。
釧路ラーメン
北海道の三大ラーメンといえば札幌、函館、旭川ですが、それに続く四番目の北海道ご当地ラーメンと言われているのがこの釧路ラーメンです。
細ちじれ麺を使った醤油ラーメンがこの釧路ラーメンの特徴。
横浜から伝えられた支那そばを、昭和の屋台で釧路ならではの味付けで漁師たちのためにアレンジされたと伝えられています。
昆布、鶏ガラ、野菜、豚骨など、スープのベースにそれぞれのお店の特徴が活かされているため、自分好みのお店を見つける楽しみもあります。
スパカツ
スパカツはミートソーススパゲッティの上にトンカツを乗せた、釧路のソウルフードとも言えるご当地グルメ。熱々に熱した鉄板の上に太めの麺と大きなトンカツが乗り、ボリューム満点のスパゲティ。もちろんカツ+スパゲティが名前の由来です。
鉄板で少し焦げ目になった面の香ばしさも人気の秘密。いま時の料理というよりはどこか昭和の香りが残るレトロなテイストも話題となっています。
【道東】北海道の名物!
北海道にはあらゆる地域に名物がありますが、そんな北海道名物の中で同等にフォーカスして、おすすめのものをご紹介していきます。
北見の焼肉(北見市)
北海道の中でも人口あたりの焼肉店の数が一番多いのが、北見。北見市は北海道東部に位置する、人口12万人のオホーツク県最大の都市です。市内に焼肉店が70軒ほどあり、その人気が伺えます。
北見ならではの焼き肉ということで名物となっているのが「牛サガリ」と呼ばれる部位で、これは牛の横隔膜です。その他、豚ホルモンも名物となっています。
かつて「と畜場」があっただけに肉の新鮮さが特徴のため、下味をつけずに焼くのが北見流です。
知床鶏(斜里町)
地鶏の産地として有名な知床の「知床鶏」。北海道特産の小麦や海藻粉末といった植物性飼料で育てるため、鶏特有のクセが少なく、透明感ある肉色や脂肪など見た目にもキレイです。
地元での人気はもちろんのこと、全国的に流通されているブランド鶏となっています。
行者ニンニク(釧路市 阿寒湖)
行者ニンニクとは普段見かけるニンニクとは異なり、ネギのような見た目を持つ北海道特産の山菜です。
ニンニクに似た強い香りがするためこのように呼ばれていますが、収穫まで5年以上かかる非常に手間のかかる食材。醤油漬けや天ぷらなどの食べ方が人気です。
阿寒ポーク(釧路市 阿寒湖)
阿寒ポークは阿寒連峰の麓、釧路湿原の周辺にある農場で育てられているブランド豚です。
北海道ならではの広い土地でのびのびと育てられているのが特徴で、腐葉土を使ったミネラルたっぷりの餌を使うことで、クセがなく柔らかな肉質に仕上がります。
摩周そば(弟子屈町)
摩周そばの歴史は、平成2年からと比較的新しい道東の名物ですが、そばの名産地としてすでにしっかりその名が定着しています。さらに生産量が限られているため、幻の蕎麦とも呼ばれることも。
そばの実がまだ青いうちに収穫するため、茹でる前の麺はほんのり緑がかっているのが特徴的です。弟子屈から比較的近い、釧路市内や阿寒の蕎麦店などでも重宝されています。
【道東】北海道でおすすめの銘菓!おいしいお菓子がたくさん
続いて北海道、そして道東ならではの素材を活かしたおすすめの銘菓、スイーツについて見ていきましょう。
六花亭「マルセイバターサンド」は鉄板
北米産小麦粉で作られたビスケットの中に、カリフォルニア産のレーズンとクリームがたっぷり入ったマルセイバターサンドは北海道物産展などでも人気がある道東の銘菓です。
サックリとしたビスケットの食感が何とも言えずおいしい。ひと口かじると、レーズンの香りとバターの風味が口の中いっぱいに広がります。
マルセイバターサンドは、いつ食べてもサクサクとしたビスケットの食感を楽しめるのですが、それは一体なぜなのでしょうか? 実は一年中ビスケットの食感を楽しめるよう、季節ごとにクリームの配合を変え、材料は厳選されたものだけを使用しているから。マルセイバターサンド以外にも、キャラメルやバターケーキ、ビスケットも六花亭の銘菓となっています。
おびひろスイーツ
北海道といえば乳製品! というイメージの人も多いはず。酪農地帯でも道東には、生クリームなどの乳製品をふんだんに使ったスイーツがたくさん存在しています。
特に十勝の乳製品は全国的にも知名度が高く、濃厚で質の良い十勝の乳製品を使ったスイーツ店が帯広市には多く、菓子王国やこれらの総称として『おびひろスイーツ』と呼ばれています。市内では街をあげた企画としてパンフレット付きの引換券を使って市内のスイーツが楽しめるイベントが行われるなど、旅行者でも気軽におびひろスイーツが楽しめます。
【道東】北海道の名産!
では次に、北海道の大自然で生まれた名産品をチェックしていきましょう。
十勝チーズ(帯広市)
全国で販売される北海道チーズのうちの半数を占めるのが、十勝チーズ。平らで広大な十勝平野は湿度が少なく、気温の高低差も少ないためチーズ製造に適した土地です。
そのため、全国展開している大手メーカーでも十勝ブランドのチーズを扱っているため、十勝チーズの名前は全国に行き渡っています。
その一方、チーズ職人も十勝にたくさん集まっていて、それぞれの工房でオリジナルのチーズがたくさん作られているのです。十勝の名産品であるワインに合うチーズや、ピザに使うモッツアレラなど多彩なチーズがこの十勝から生まれています。
十勝豚
北海道道東の広大な土地が育んでいる動物は、牛だけというわけではありません。十勝地方のブランド豚として有名な十勝豚もまた、北海道ならではの土地を生かして放牧され、のびのびと育ったおいしい豚となっています。
十勝豚は脂身が多く、脂のとろけるバラ肉は豚しゃぶに最適な美味しさを誇っているのが特徴です。
十勝ワイン
十勝ワインは1960年からスタートした歴史のあるワイン。1964年には海外のコンペティションで銅賞を受賞した、知名度とともに実績を持つ北海道ならではのワインです。
そのこだわりは「樽」にあり、フランス製オーク材を使用した樽でじっくりと熟成させることで、樽由来の成分や香りをうつし、おいしいワインができあがります。
【道東】北海道の郷土料理!
懐かしい味が人気の郷土料理も、北海道ならではの土地と歴史を感じさせるものがたくさんあります。
ルイベ
ルイベという名前は北海道ファンでなければ耳馴染みがないかもしれません。ルイベは酒やマスのみを冷凍してそのまま食べる、北海道の郷土料理。石狩市、函館市、釧路市といった道東の沿岸部の郷土料理で、アイヌ民族発祥の料理と言われています。
北海道といえばサケですから、そんな土地に馴染みのある食材を、北海道ならではの食べ方で楽しむこのルイベこそ、北海道の郷土料理としてぜひ推しておきたい一品です。生の刺身とは異なる食感で、口の中で徐々に溶けていく味わいは独特。普通の刺身と同じようにわさび醤油で食べるのが基本ですが、レモンや大根おろしで味付けしたり、凍ったまま少しだけ炙って食べるのも最近では流行っているようです。
てっぽう汁(てっぽうじる)
道東でカニを入れた味噌汁のことをてっぽう汁と呼び、古くから根室地方の漁師の料理として知られています。
てっぽう汁の語源は、カニの足を突いて食べる様子が、鉄砲に球を詰めているのと似ているからということで、これもまた北海道らしい例えと言えるでしょう。
鉄砲汁で使われるカニは主に花咲ガニ。しかし実はこの花咲ガニはヤドカリの仲間に近く、収穫期間が短いため非常に貴重な食材なのです。もちろんこの花咲ガニ以外に毛ガニやタラバガニ、ズワイガニが使われることもあります。味噌汁の具はこの花咲ガニの他に長ネギや豆腐が使われるようです。
べこ餅(べこもち)
べこもちは北海道では昔から愛されてきた和菓子で、白と黒の2色で木の葉の模様がついているのが特徴のお餅です。白の部分は普通のお餅で、黒の部分が黒砂糖を入れて彩色したお餅になっていますが、最近では黒一色のものもべこもちと呼ばれることも。
べこ餅の起源は東北の山形園にある郷土料理「くじら餅」が北海道に渡った際にアレンジされ、今のベコもちの形になっているという説があります。5月の端午の節句に食べるという習慣がありますが、最近ではスーパーなどで通年にわたって販売されているのが特徴。北海道ではこのべこ餅の木型を自宅に持っているという家庭も多いようです。
ししゃもの甘露煮(ししゃものかんろに)
北海道の名産品の一つであるししゃもは、一般の家庭ではほとんどが焼いて食べられているのではないでしょうか。しかし北海道ならではの郷土料理として、ししやもの甘露煮というものがあります。
こちらは名前の通りししゃもを甘露煮にしたもので、北海道以外ではなかなか見かける機会はないかもしれません。甘露煮に使われるししゃもは、最近ではししゃも自体の流通量が減っているため、カラフトししゃもが使われることが多いようです。素焼きにしたししゃもを鍋で煮詰めてから砂糖、みりん、醤油を入れてさらに煮込むこのししゃもの甘露煮も、一度は試してみたい北海道の郷土料理といえるでしょう。
三平汁(さんぺいじる)
三平汁は道内全域で郷土料理として愛されている煮込む料理です。塩漬けにしたサケやニシン、ニンジンや大根などの野菜を、昆布ダシで煮込みます。北海道では冬の定番の料理で、家庭によって味付けや具材が異なることも。
名前の由来は三平という名前の漁師の過程で作られていたという説があり、すでに200年以上も愛されている、歴史のある料理といって良いでしょう。
ザンギ
ザンギとは北海道で唐揚げを呼ぶ名前ですが、最近では全国のチェーン店などでも食べられますので、ご存知の方も多いかもしれません。通常の唐揚げと違い、味が濃いのがザンギの特徴です。揚げる前に醤油ベースの濃い味の甘辛ダレに漬けてから作られます。漬けるタレは醤油の他に卵、酒、生姜、ニンニクなどのバリエーションもあり、家庭やお店によってそれぞれの味が楽しめるのも、ザンギならではです。
その起源は昭和30年ごろに釧路市の鶏料理店が、一羽を丸々をぶつ切りにして唐揚げにしていたのが始まりと言われ、道東の郷土料理といっても良いでしょう。
まとめ
このように北海道の中でも道東にはたくさんの名物やグルメ、郷土料理がたくさん揃っています。
現地を訪れた際に試してみても良いでしょうし、今時であれば通販などでも道東ならではの食べ物を入手できますから、気になるものがあるのならぜひ試してみてはいかがでしょうか。