北海道の赤飯は甘納豆を使っている? ピンクで甘くてまるでスイーツ
お祝いの席や運動会など、イベントなどで振舞われることの多い赤飯。もち米と小豆を焚き込み、塩気のきいたモチモチ食感が特徴です。白いお米の中に茶色の小豆が一般的な赤飯ですが、北海道ではピンク色の甘い赤飯が定番。道民に根強く愛されています。
この記事では、北海道の甘い赤飯について徹底解説します。赤い赤飯が生まれたルーツやレシピなども紹介。北海道ならではの赤飯についての情報をお届けします。
この記事のまとめ
- 北海道の赤飯はピンク色で甘納豆入り
- 手軽に赤飯が作れるようにと開発された時短料理
- 山梨でも甘い赤飯が定番
お祝い料理の定番「赤飯」縁起が良いとされる理由
主にお祝いごとなどで振舞われるイメージの強い赤飯ですが、実は食べるタイミングに決まりはありません。葬儀などで振舞われることもあれば、運動会のお弁当に入っていたりもしますよね。
昔から赤い食べ物には、邪気を払う力があると考えられていました。そこで中国大陸から渡ってきた赤米というお米を神様にお供えしていたそうです。赤米は炊くと赤く色づく変わったお米で、これを使い炊き上げたものが赤飯の起源だったという説もあります。
その後、冷めても硬くなりにくいもち米を使うようになり、現在の赤飯が出来上がったんだとか。
厄払いというイメージがらお祝い事に用いられますが、もち米は栄養価が高く代謝が高いため運動会などスポーツをする場でも食べられるようになり、葬儀などでは「悪いことが続きませんように」という意味で赤飯を振舞う地域もあるそうです。
北海道の郷土料理「赤飯」の特徴
もち米と小豆を一緒に炊き上げる赤飯ですが、北海道では全く違った味や見た目のものが定番です。
北海道の赤飯は、甘納豆を入れて炊き上げたものが一般的。甘納豆を入れるので、もちろん味は甘くなります。さらに、食紅を使って色味を付けた北海道の赤飯はピンク色のもち米が色鮮やかに映えるのも特徴的なポイントです。
甘くピンク色の赤飯というだけでも、北海道民以外の人は驚くことでしょう。しかし、北海道の赤飯は炊きあがった甘納豆赤飯に、紅ショウガを添え、ごま塩をふりかけるのが定番です。
一般的な常識を遥かに上回る、北海道の赤飯は一風変っていますが道民のソウルフードとして子どもからお年寄りまで広く愛されています。
山梨でも甘納豆入り赤飯が定番
甘納豆を使った甘い赤飯、実は北海道だけでなく山梨でも古くから食べられているそうです。
山梨では、昔米が貴重とされていました。そこに貴重な砂糖をふんだんに使ったお菓子「小豆ほうとう」を入れて炊き上げて作るのが山梨風の甘い赤飯。客人に最高のおもてなしをしようと振舞われたのが始まりとも言われています。
北海道の甘納豆入り赤飯が生まれた歴史
北海道で甘納豆入り赤飯が広まったのは昭和20年代後半頃と言われています。札幌にある学校法人の創設者、南部明子さんがレシピの開発者として有名です。南部さんは今でいうキャリアウーマン。学校運営と母親業をパワフルにこなす女性でした。
仕事で忙しくても家事や育児に妥協したくない南部さんが、「手軽に子ども達の喜ぶ赤飯を作りたい」と考え出したのが甘納豆入り赤飯です。簡単な調理方法と、甘みが強く子どもウケの良いレシピは一気に人気を博し、北海道全域へと瞬く間に広まっていったそうです。
北海道甘納豆入り赤飯のレシピ
北海道の甘納豆入り赤飯を自宅で再現してみたい、という人は炊飯器で簡単に作ることができますよ。続いては甘納豆入り赤飯のレシピを紹介します。
材料
- もち米 2合
- 白米 1合
- 甘納豆 100g
- 塩 少々
- 食紅 少々
- 紅しょうが 少々
- ごま塩 少々
作り方
まずはもち米と白米を洗って30分程水に浸けておきます。甘納豆はざるに入れて手早く洗い、周りの砂糖を軽く落としておきましょう。甘めにしたい場合は、洗わないまま入れても問題ありません。
水に浸けた米と、塩・食紅を炊飯器に入れて、おこわ3合の目盛りよりも少な目に水を入れましょう。食紅は少量の水で溶いて好みの色合いにし炊飯器に入れます。後は自動炊飯でOK。
炊きあがった後、蒸らす時に甘納豆を入れます。最後にごま塩、紅しょうがをトッピングして完成です。
美味しく作るポイント
お餅を作る時はもち米を2時間以上水につけますが、赤飯を作る時は30分程度で炊き始めましょう。あまり水を吸わせ過ぎると、仕上がりが水っぽくべちゃっとした食感になってしまいます。
また、甘納豆を洗う場合は水流で軽く流すようにします。甘納豆は潰れやすいため、力を加えず優しく砂糖を落としましょう。
北海道風赤飯を作るならこれ!おすすめのもち米
北海道風の赤飯を作るなら、材料も北海道産にこだわってみるのがおすすめ。赤飯に重要なもち米も北海道産のものを使うと、さらに美味しく仕上がります。
【もち米】はくちょうもち
北海道で人気のブランドもち米「はくちょうもち」。冷めても硬くなりにくく、もちもちの食感が赤飯にぴったりのもち米です。
【もち米】きたゆきもち
もち米の粘り気は冷めると失われがち。しかし、きたゆきもちは冷めても粘りと弾力が長持ちします。真っ白に炊き上がるきたゆきもちで北海道流赤飯を作れば、鮮やかな桃色に仕上がりますよ。米自体の甘みも強く、おこわの完納評価で味の良さが評価されたブランドもち米です。
【もち米】ヒヨクモチ
炊き上げても粒が立ち、もちもち食感と米本来の甘みを味わえるとして人気ヒヨクモチも、北海道で広く生産されているもち米ブランドです。冷めても硬くなりにくく、赤飯にぴったりですよ。
北海道の赤飯に使われる甘納豆の種類
北海道の赤飯を作るなら、黒豆に使う豆の種類にもこだわってみてはいかがでしょう。豆の種類が違うだけで、甘納豆の味わいや風味も違ってきます。自分好みの甘納豆を使うのが、赤飯を美味しく作るコツですよ。
小豆
北海道産の小豆で作られた甘納豆は、子どもから大人まで広く親しまれる定番の味。小さな小豆の粒にギュッと濃縮された旨味が甘さと共に広がります。
大納言
小豆の一種である大納言は光沢のるツヤと豆の持つ甘みが強い品種です。粒も大きく食べ応えがあるので、赤飯に入れるのにおすすめですよ。
大正金時
金時豆はいんげんまめの一種。北海道にはブランド豆である大正金時を使った甘納豆もあります。1粒が2cm程の大粒が特徴で、赤飯に入れても存在感が薄れません。
11月23日はお赤飯の日
日本記念日協会が認定した記録によると、11月23日はお赤飯の日なんだそうです。北海道では、スーパーやコンビニなどでも甘納豆入り赤飯が普通に販売されています。特に、お赤飯の日には多くのスーパー・コンビニで甘納豆入りの赤飯が店頭に並ぶので、タイミングよく北海道に足を運んだ時には買い求めてみてはいかがでしょうか。
自宅で手軽に楽しむならお取り寄せ!
北海道の赤飯に興味があるけど、買いに行けないし作るのは面倒という人はお取り寄せがおすすめです。近年、真空パックや冷凍などで出来たての甘納豆入り赤飯を通販で販売しているお店も多くあります。
自宅で手軽に本場の味を楽しむことができますよ。
まとめ
一般的に知られているものとは全く違う北海道の赤飯。最初は驚くかもしれませんが、見た目に華やかで優しい甘みが特徴の甘納豆入り赤飯は一度食べるとやみつきになります。
ぜひ一度、北海道民が熱愛する甘納豆入りの赤飯を味わってみて下さいね。