北海道のとうもろこし(とうきび)の旬の時期や種類、選び方を徹底解説!
甘くて美味しいとうもろこしは、おやつやおかずにも最適。特に子どもから人気の野菜です。そんなとうもろこしですが、さまざまな種類があり地方によって言い方が違うことをご存知ですか?
この記事では北海道にフォーカスしたとうもろこしに関する情報を紹介します。北海道の人気ブランドとうもろこしや、特有の言い方も解説。とうもろこしについて知りたい人は参考にしてみて下さいね。
この記事のまとめ
- 一般的なとうもろこしの旬は6~7月、北海道産とうもろこしの旬は8~9月
- スイートコーンは食用の甘いとうもろこしのこと
- 北海道ではとうもろこしのことをとうきび(とうきみ)という
- とうもろこしは冷凍保存可能
北海道産とうもろこしの旬の時期
北海道産とうもろこしの魅力を最大限に味わいたいのなら、まずは旬の時期を知っておくことが重要です。最初に、北海道産とうもろこしの旬の時期について紹介します。
一般的なとうもろこしの旬は6~7月
とうもろこしは夏野菜に分類されますが、暑さのピークを迎える前に収穫をするのが基本です。暑さのピークを避けて収穫する理由は、あまりに暑すぎると実が完熟し過ぎて、とうもろこし特有のシャキシャキした食感が損なわれてしまうから。また、夏の暑い夜を越えるために糖分を消費し、甘みが損なわれてしまうという理由もあります。
一般的には、とうもろこしは春先に種まきや植え付けをし、6~7月には旬を迎えて収穫します。
北海道産とうもろこしの旬は8~9月
全国的に、とうもろこしの最盛期は6~7月ですが、北海道は平均気温が低く、種まき時期が遅くなるため最盛期が遅い傾向にあります。
北海道のとうもろこしは、8~9月が最も実付きの良い旬の時期です。北海道で採れたての美味しいとうもろこしを食べたいときは、8~9月の時期に訪れてみると良いでしょう。
北海道はとうもろこし生産量日本一
令和4年度の北海道のとうもろこし生産量は78,100tでした。とうもろこしは幅広い地域で栽培されており、全国の生産量は208,800t。つまり、全国に流通しているとうもろこしの約4割が北海道で生産されていることがわかります。
とうもろこしは、日中に日光を浴びて蓄えた糖分やデンプンを夜間に消費します。暑ければ暑いほど、多くの糖分やデンプンを消費するため、一般的に暑さのピークを迎える8月より早く収穫してしまいます。
しかし、北海道は日照時間が長いうえに、寒暖差が激しく夜は適度に気温が下がるのが特徴です。北海道の環境下なら、とうもろこしはひたすら糖分やデンプンを溜め込むため、甘く美味しいとうもろこしが生産されます。
栽培に必要な土地が豊富で、美味しいとうもろこしが育つための環境が揃っている北海道がとうもろこしシェア日本一になるのは、必然とも言えるでしょう。
とうもろこしの種類とは
とうもろこしは昔から食用とされている野菜のひとつです。世界中にさまざまな種類があり、それぞれの性質によって7種に分類されています。
今回は、7種の中でも特に私達の身近にあるとうもろこしの種類について見ていきましょう。
甘味種(スイートコーン)
缶詰のパッケージなどに書かれている「スイートコーン」という言葉。とうもろこしの品種だと思っている人も少なくありませんが、実は甘味種という食用とうもろこしを表す種類の名前なのです。
甘味種(スイートコーン)は特に甘みが強く、日本でも多く栽培・流通しています。
ゴールデンコーン
甘味種(スイートコーン)の中でも粒が黄色のものをゴールデンコーンと呼びます。最も多く流通していて、身近なとうもろこしの種類です。
シルバーコーン
甘味種(スイートコーン)の中でも粒が白色のものをシルバーコーンと呼びます。ゴールデンコーンよりも栽培が難しい品種が多く、あまり流通量は多くありません。
バイカラーコーン
甘味種(スイートコーン)の中でも、黄色と白色の粒が混ざって実るものをバイカラーコーンと言います。シルバーコーンと同じく、ブランド品種として扱われることも多いとうもろこしです。
爆裂種 (ポップコーン)
おやつや映画のお供などに好まれるポップコーン。ポップコーンは爆裂種と呼ばれる種類のとうもろこしから作ることができます。粒が硬いのが特長で、加熱すると弾けて膨らむことからその名前がついたとも言われています
馬歯種 (デントコーン)
コーンスターチの原料となる馬歯種という品種もあります。でんぷん質が豊富で、馬の歯のような形をしているのが特長。飼料用などに使われることも多いとうもろこしです。
その他のとうもろこしの種類
その他、害虫に強く栽培しやすいフリントコーンや、最古の種類と言われるフラワーコーン、粒の外側がワックス様になっている脇シーコーン、鑑賞用として栽培されるポッドコーンなどがあります。
主に私達が食べるのは甘味種(スイートコーン)ですが、とうもろこしは世界中にさまざまな種類が存在します。
北海道で人気のブランドとうもろこし8種
北海道はスイートコーンの出荷量全国1位で、全国の出荷量の約半分が北海道産という統計結果(※)も出ています。
そんなとうもろこしの一大産地である北海道では、市場には多く流通しないブランドとうもろこしを生産している農家も少なくありません。
ここでは、北海道で特に人気のブランドとうもろこしについて紹介していきます。
ピュアホワイト
真っ白なとうもろこしとして一躍話題となったピュアホワイト。シルバーコーンの一種で、強い甘みからフルーツとうもろこしと呼ばれることもあります。
糖度は17~18度と最高峰の甘さを持ち、現地で採れたての物ならそれ以上になることもあるようです。
あまいんです
あまいんですも、糖度が高いことで有名なブランドとうもろこしです。シャキシャキとした硬めの食感が特長で、サラダのように食べられるとうもろこしとして人気を集めています。
ピーターコーン
目にも鮮やかなバイカラーコーン品種のピーターコーン。粒皮が薄く柔らかいのが特長で、食べやすく瑞々しい甘みを放ちます。茹でても蒸しても焼いても美味しいですが、採れたてなら生で食べてみるのがおすすめです。
ゆめのコーン
ゆめのコーンは、粒が大きく食べ応えがあることで人気のバイカラーコーン品種です。鮮度が落ちにくいため、採れたての美味しい状態が長く続くのも特徴のひとつ。とうもろこし本来の甘さを味わいたい人のおすすめです。
ゴールドラッシュ
果実のような甘く豊潤な香りが特長的なゴールドラッシュ。甘みも強く、香りに負けず劣らず果物並みの糖度を誇るため、舌と鼻で爽やかな味わいを楽しめます。ゆめのコーンと同じく鮮度が落ちにくい所も好まれるポイントです。
カクテル
とうもろこしを食べるなら、先端まで実のびっしり詰まったものを選びたいですよね。そんな人におすすめなのが、カクテルというバイカラーコーン品種のとうもろこしです。甘みもさることながら、大きな粒が先端までしっかり実りやすいのがポイント。ボリューミーなとうもろこしです。
味来(みらい)
やや小ぶりながらも、甘みの強さから「ミラクルスウィートコーン」と呼ばれることもある味来(みらい)も北海道の人気ブランドとうもろこしです。人気があるものの、栽培が難しいため流通量が少なく、希少価値のあるレアとうもろこしと言えます。
サニーショコラ
滑らかな舌触りと優しい甘みが特長的なサニーショコラ。クリーミーながらも、くどくなくスープにもおすすめのブランドとうもろこしです。サニーショコラも味来(みらい)と同じく栽培が難しく、流通量も多くありません。北海道でも店頭に並んだ際には、売り切れ必至の人気品種です。
美味しいとうもろこしを選ぶ5つのポイント
店頭に並んだとうもろこしを選ぶ時「どれが一番美味しいのかな」と悩むこともありますよね。美味しいとうもろこしを選びたい時は、以下で紹介する5つのポイントに注目してみて下さい。
- ひげが多いものを選ぶ
- ひげが黒い(褐色)のものを選ぶ
- ひげの根元がしっとりしているものを選ぶ
- 皮付きのものを選ぶ
- 切り口が白いものを選ぶ
それぞれの理由についても詳しく紹介します。
ポイント1.ひげが多いものを選ぶ
とうもろこしのひげは雌しべが伸びたものです。そのため、ひげ1本につき1つ実がつきます。とうもろこしは、ひげの数と実の数が揃っているため、店頭でとうもろこしを選ぶ際にはなるべく多くのひげが付いているものを選びましょう。
ポイント2.ひげが黒(褐色)のものを選ぶ
とうもろこしは、実が熟すとヒゲが黒や茶褐色に変色します。そのため、店頭でとうもろこしを購入する場合は、ヒゲが黒や茶褐色になっているものを選ぶようにしましょう。白いツヤツヤしたヒゲのとうもろこしは、未熟なことが多いです。
ポイント3.ヒゲの根元がしっとりしているものを選ぶ
新鮮なとうもろこしのヒゲは瑞々しくしっとりとしています。ヒゲの根元部分に触れてみて、しっとりしているものは新鮮な証。フレッシュな甘さが味わえます。
反対に、ヒゲの根元がカサカサのものは収穫してから時間が経ち、新鮮さが損なわれている可能性があるため避けた方がよいでしょう。
ポイント4.皮付きのものを選ぶ
とうもろこしは、とても乾燥しやすく水分が損なわれると一気に味が落ちてしまいます。そのため、皮は鮮度を保つ上で重要な部分です。皮付きとそうでないものがある場合は、皮付きのとうもろこしを選ぶのがおすすめです。
ポイント5.切り口が白いものを選ぶ
BBQ用のとうもろこしなど、既にカットされているとうもろこしを選ぶ時には切り口に注目してみてください。鮮度が高いとうもろこしの切り口は白色、一方、鮮度が落ちてしまったものは黄色っぽくなっています。
とうもろこしは鮮度が落ちると甘みを失ってしまうため、なるべく切り口の白い新鮮で甘いとうもろこしを選びましょう。
とうもろこしの美味しい食べ方
とうもろこしは、茹で、焼き、蒸しなどさまざまな調理方法で食べることができます。今回は、北海道産とうもろこしを食べる際に特におすすめな食べ方を紹介していきます。
茹でる
とうもろこしの甘みを引きだしジューシーさを味わいたい方には茹でて食べるのがおすすめです。とうもろこしを茹でる際には深めのフライパンを使うと、しっかり水に浸して加熱できます。
とうもろこしが浸る位の水を入れ、水1Lに対しておおよそ小さじ1杯の塩を加えて茹でましょう。茹で時間を調整することでさまざまな、食感や味わいが楽しめます。
シャキシャキ食感を楽しみたい場合の茹で時間
とうもろこしのシャキシャキ食感を楽しみたい人は、お湯が沸騰してからとうもろこしを入れ、3~5分を目安に加熱してください。
やや硬めの茹で加減なので、一粒一粒が際立ちシャキシャキした食感を楽しめます。粒を外してサラダなどにする際も、こちらの茹で加減がおすすめです。
瑞々しさを味わいたい場合の茹で時間
とうもろこしの瑞々しい旨味を楽しみたい人は、水の状態からとうもろこしを入れて火にかけ、沸騰後5分を目安に加熱してください。
一粒一粒がふっくらとし、ジューシーながらもトウモロコシ特有の歯ごたえが楽しめます。新鮮なものほど、甘みが際立ちますよ。
ねっとりした甘みと香りを楽しみたい場合の茹で時間
とうもろこし特有の濃い甘みと香りを楽しみたい人は、水の状態からとうもろこしを入れて沸騰後約15分を目安に加熱してみてください。
やや柔らかめにはなりますが、甘みが引き立ちトロっとした旨味も感じられます。香りも引き立つので、コーンポタージュなどに調理する際も、こちらの茹で時間がおすすめです。
蒸す
手軽にとうもろこしを食べたい場合は、電子レンジで蒸す方法もおすすめです。
とうもろこしの薄皮を1~2枚残し、ラップで隙間なく包み500w5分を目安に加熱してください。とうもろこしの持つ水分で蒸され、ホクホクした食感に仕上がります。茹でるのと違い塩なども使わないため、とうもろこしが新鮮なほど自然な甘みが感じられますよ。
焼く
とうもろこしは焼くとこんがりした風味とシャキシャキした食感を楽しめます。フライパンや魚焼きグリルなどでも焼けますが、一番のおすすめは BBQなどで炭火焼きにすることです。
とうもろこしの薄皮を1~2枚残し、炭火の上に敷いた網の上でじっくり時間をかけて焼きましょう。とうもろこしをジューシーに味わいたい方は、皮のついたままアルミホイルで包み炭火に直接投げ入れてもOKです。
じっくり火を通したとうもろこしは、甘みが際立ち香ばしい香りが食欲をそそる最高のごちそうになりますよ。
知ってると便利!とうもろこしの実を綺麗に外す方法
とうもろこしはそのままかじりつくのも良いですが、場合によっては粒を綺麗に外して使いたい時もありますよね。
炊き込みご飯やサラダ、天ぷらなどを作る時にも、粒を綺麗に外したとうもろこしが使いやすくておすすめです。
包丁で削ぎ落すのも良いですが、それだと実が切れてしまう上に、根本が残って何だか勿体ないと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、お箸を使ったとうもろこしの外し方です。
先が細くなった丸いお箸を用意します。(菜箸などではない、普通のお箸がおすすめ)
とうもろこしの下の方から粒が付いている根本に向けて芯を抉るようにして箸を差し込みます。5cm程差し込んだら、テコのように箸を起こしてみて下さい。5cm分のとうもろこしの実がポロポロ落ちます。
この要領で1列全てを外した後は、簡単です。隣の列に親指をピッタリと添えて、空いているスペース側に倒しましょう。ポロポロと面白いくらい簡単に、とうもろこしの実を外すことができますよ。
とうもろこしの保存方法
とうもろこしはとても鮮度が落ちやすい野菜です。鮮度を保ったまま保存したい場合や長期間保存したい場合は、適切な方法で保存しましょう。
生のまま保存する場合
生のままとうもろこしを保存する場合は、冷蔵庫の野菜室で保存します。この際、とうもろこしを横向きに寝かしてしまわないよう注意しましょう。
とうもろこしは、寝かしてしまうと起き上がろうとしてでんぷんや糖分などのエネルギーを使ってしまいます。そのため、なるべく生えている時と同じように立てて保存し、鮮度を保つようにしてください。
生のとうもろこしは、なるべく早く食べ切るか冷凍保存するのがおすすめです。
冷凍保存する場合
冷凍保存する場合は、一度茹でたものをラップで包み冷凍保存用袋に入れて保存しましょう。
茹でたとうもろこしから実を外して粒の状態で冷凍保存しておくと、使い勝手がよくて便利です。冷凍保存したとうもろこしは約2ヶ月保存可能です。
地域で違うとうもろこしの呼び方
とうもろこしはイネ科トウモロコシ属の植物で、漢字で書くと「玉蜀黍」。一般的に和名であるとうもろこしと呼ばれていますが、地域によっては全く違う言い方で呼ばれています。
とうもろこしの生産量が多い北海道では「とうきび」と呼ばれ、さらに北海道の中でも場所によって言い方に差があり、函館を中心とする道南では「とうきみ」と呼び、さらに短くして「きび」「きみ」等の言い方をするケースも。
お店の前に「茹できみあります」や「茹できび販売中」などの看板があるお店では、茹でたとうもろこしが売られています。
北海道で旬のとうもろこしを食べられる場所は?
とうもろこしの旬の時期に北海道を訪れる機会があるなら、ぜひとも絶品とうもろこしを味わってみてください。
道内でも特に生産が盛んな地域や美味しいとうもろこしを食べられるスポットをチェックしておけば、旬のとうもろこしを味わえるかもしれませんよ。
十勝平野や富良野周辺にとうもろこしの名産地が集中
美味しいとうもろこしを栽培するために必要な朝晩の寒暖差ですが、寒ければよいという訳ではありません。とうもろこしに最も適した寒暖差は10度と言われており、その条件を満たす道内の代表的な地域が十勝平野です。
道内とうもろこし生産量1位の芽室町やとうもろこしの名産地として知られる帯広市、士幌町なども十勝平野に位置しています。
そのほか、富良野市や美瑛町もとうもろこし生産が有名なため、これらの名産地ではとうもろこしの収穫体験や収穫したてのとうもろこしを味わえるスポットが多くあります。
本場北海道の旬のとうもろこしを味わいたい方は、これらの地域に足を運んでみるのがおすすめです。
札幌・大通公園名物の「とうきびワゴン」
札幌の大通公園には、例年4月下旬から10月上旬まで焼きとうもろこしなどを屋台で販売する「とうきびワゴン」が登場し、大通公園の風物詩として親しまれています。
ゆでとうきびや焼きとうきびなどが500円程で販売されており、特に夏場は大通公園にあるベンチで青空の下とうきびを頬張っている人を多々見かけることも。大通公園を通るたびに醤油で焼いた香ばしい匂いに食欲をそそられます。
営業などに関する情報はとうきびワゴンのTwitterアカウントをチェック!とうきびワゴンの公式キャラクター「きびっち」がとてもかわいく、魅力をたくさん発信しております。
まとめ
とうもろこしの種類や、北海道での言い方、人気のブランドとうもろこし、調理・保存方法などについて紹介してきました。
とうもろこしを一番美味しく食べるには、何よりも鮮度が大切です。北海道に訪れた際には、現地で採れたてのとうもろこしを味わってみて下さい。
北海道に足を運べないという場合は、お取り寄せがおすすめです。鮮度の高い内に保存処理されたとうもろこしは、瑞々しい状態でお届けされるので、本場の味を楽しむことができますよ。
ぜひ、甘くてジューシーな絶品とうもろこしを満喫してくださいね。