ゲスト さん

さくらんぼの旬はいつ?人気品種と食べ頃を徹底解説

さくらんぼの旬はいつ?人気品種と食べ頃を徹底解説の画像

赤いハート型の果実が対になって実るさくらんぼ。見た目の可愛らしさもさることながら、上品な味わいから多くの人に愛されている果物です。そんなさくらんぼの旬の時期をご存知でしょうか。

傷みやすく、出荷したものはなるべく早く食べることが良いといわれるさくらんぼを美味しく味わうためには、旬についてよく知っておく必要があります。

この記事では、さくらんぼの旬の時期を詳しく紹介します。産地や品種による旬の違いやブランドさくらんぼの特徴についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • さくらんぼの最大産地は山形県
  • さくらんぼの旬は5月から7月
  • 産地や品種によって旬の時期が違う
  • さくらんぼは追熟しないので旬に食べるのが一番美味しい
  • 北海道ご当地ラーメン
  • スープカレー特集

初夏を知らせる季節のフルーツさくらんぼ

初夏を知らせる季節のフルーツさくらんぼ

赤い小さな身が対になる姿が可愛らしく、爽やかな甘みを感じさせてくれるさくらんぼ。初夏を代表するフルーツのひとつで、贈答品としても選ばれる果物です。

バラ科サクラ属に分類されるさくらんぼは「桜坊(さくらんぼう)」または「桜桃(おうとう)」とも呼ばれ、果樹である実桜(ミザクラ)にのみ生ります。観賞用とされる一般的な桜(ソメイヨシノなど)は、受粉をしにくい品種です。そのため、観賞用の桜の樹には、さくらんぼのような食用できる果実は実りません。

古くからヨーロッパで食用とされていたさくらんぼですが、日本には明治時代の初期に海外から持ち込まれ、北海道で栽培されたのが始まりだと言われています。果肉の赤い赤肉種と果肉の白い白肉種に分けられ、生食はもちろんジャムやシロップ漬けなど加工品としても食べられています。

国内最大産地は山形県

さくらんぼの主な生産地
※参考:農林水産省|作況調査(果樹)令和6年産
都道府県 出荷量
山形県 7,390t
北海道 1,130t
山梨県 434t

農林水産省の調べによると、令和6年度のさくらんぼの全国出荷量は10,000tと報告されています。うち、7割は山形県から出荷されています。その他、北海道、山梨県と続きますが、山形県の出荷量が全国シェアのほとんどを占めているのが現状です。

寒冷な気候を好むさくらんぼは、北海道を中心に東北エリアで盛んに栽培されています。

さくらんぼの旬の時期

さくらんぼの旬の時期

さくらんぼの旬は、一般的に5月半ばから7月頃と言われています。2月の終わりから4月上旬にかけて美しい桜の花を咲かせ、5月の中旬から下旬にかけて徐々に赤い艶やかな実をつけることが多いでしょう。

しかし、旬の時期は栽培方法や生産地、品種によって多少異なります。さくらんぼの旬についてさらに詳しくみていきましょう。

栽培方法によって旬の時期は違う

さくらんぼは主に「ハウス栽培」と「露地栽培」の2つの方法で栽培されます。栽培方法によっても、さくらんぼの旬の時期は異なります。

ハウス栽培

ビニールハウスなどで気候を調整しながら栽培するハウス栽培では、4月半ばから5月下旬にかけて美味しい旬のさくらんぼが収穫できます。

ハウス栽培でも、加温するかしないかによってさくらんぼの収穫時期が異なるのが特徴です。暖房によって気温をコントロールする加温栽培の場合は、4月半ば頃から収穫がはじまり、贈答用などの目的で出荷されることが多いです。

また、加温せずにビニールハウスで栽培する無加温栽培のさくらんぼは主に5月下旬頃から収穫が始まります。

露地栽培

露地(ろじ)栽培とは、自然の土を使って栽培する方法です。果実に雨が当たらないようテントなどで雨除けを設けることはありますが、基本的には自然の気候のなかで栽培します。

国内のさくらんぼの大半は路地栽培されており、5月下旬から7月にかけて旬を迎えます。

品種によっても旬の時期は違う

品種によっても旬の時期は違う

さくらんぼは、品種によっても旬の時期が異なります。品種は大きく分けて「早生種」「中生種」「晩生種」の3つに分けられます。

早生種

早生(わせ)種とは、短い栽培期間で収穫できる品種を指します。早生種は実付きが良いものが多く、たくさん収穫できることが多いです。一方、味は中生種や晩生種に劣ることがあります。

栽培から収穫までの期間が短いため、自然災害などの影響を受け難く安定して収穫、供給できるのが特徴です。

早生種のさくらんぼは、5月下旬から6月初旬に旬を迎えるものが多いです。

早生種の代表的なさくらんぼに、紅さやか、日の出、シャンボレーなどが挙げられます。

中生種

中生(なかて)種とは、早生種と晩成種の中間にあたる品種を指します。早生種のような栽培スピードと実付きの良さに加え、晩生種の安定した品質を持ち合わせるバランスのよさが特徴です。

中生種のさくらんぼは、6月中旬から6月下旬に旬を迎えるものが多いです。

中生種の代表的なさくらんぼに、佐藤錦があります。ブランドさくらんぼとしても知名度が高い佐藤錦は、中生種です。その他にも、高砂や紅真珠も中生種に分類されます。

晩生種

晩生(おくて)種とは、栽培から収穫までの期間が長くかかる品種を指します。栽培期間や栽培コストが多くかかるものの、実が大きく育ち味も良くなりやすいのが晩生種の特徴です。

晩生種のさくらんぼは、7月上旬から7月中旬頃に収穫時期を迎えるものが多いです。

晩生種の代表的なさくらんぼに、紅秀峰などが挙げられます。

栽培地域によるさくらんぼの旬の違い

栽培地域によるさくらんぼの旬の違い

さくらんぼは、栽培されている地域によっても旬の時期が異なります。栽培している土地の気候に合わせて開花や結実をするため、産地によっても旬の季節が違うことを覚えておきましょう。

山形県産のさくらんぼ

さくらんぼ栽培に適した気候を持つ国内最大産地の山形県。ブランドさくらんぼを多く出荷しており、特に糖度の高いさくらんぼが収穫できます。

山形県産さくらんぼの出荷量が最も多くなるのは6月です。母の日用のギフトなどはハウス栽培されているものが多い傾向にあります。

北海道産のさくらんぼ

春先でも寒冷な気候が続く北海道では、さくらんぼの旬を迎えるのがやや遅めになります。主に6月下旬から7月にかけて出荷量が多くなり、さくらんぼ狩りは7月でも十分に楽しめるでしょう。

山梨県産のさくらんぼ

山梨県では、5月の下旬にさくらんぼのピークを迎えます。さくらんぼは暑さに弱いため気温が上がる前に収穫してしまうのが一般的です。さくらんぼ狩りに関しても6月末頃で終了している農園が多いため、体験したい人は早めに足を運んでみてください。

さくらんぼ狩りのおすすめの時期

さくらんぼ狩りのおすすめの時期

初夏の味覚狩りとして人気のさくらんぼ狩りは、大人から子供まで楽しめる自然体験です。

主に5月下旬から7月下旬頃がさくらんぼ狩りのピークとされており、さまざまな農園でさくらんぼ狩りが楽しめます。ハウス栽培を行っている農園のなかには、4月中旬頃からさくらんぼ狩りができる所もあります。

梅雨の時期でもあるため、天気が心配になる方も多いでしょうが、さくらんぼ農園には雨除けのテントを設置していることが多いため、安心して楽しめるでしょう。

【有名ブランドも】さくらんぼの品種7選

さくらんぼは見た目も華やかで上品な味わいから贈答品として扱われることも少なくありません。なかには、ブランド品種として扱われ、高値で取引されるものもあります。

続いては、さくらんぼの品種やそれぞれの特徴を紹介していきましょう。

1.佐藤錦

佐藤錦

佐藤錦は明治時代に山形県で作られた品種で、生産者が「佐藤さん」だったことから「佐藤錦」と名付けられたと言われています。ブランドさくらんぼのなかでも特に知名度が高く「さくらんぼの王様」「赤い宝石」「初夏のルビー」など、さまざまな呼び名を持っていることでも有名です。

酸味と甘みのバランスがよく、柔らかくジューシーな果肉が特徴です。露地栽培の場合は旬が6月中旬から7月頃とされていますが、母の日のプレゼントとしての需要に合わせて、ハウス栽培した佐藤錦が5月上旬に出荷されるケースも珍しくありません。

2.紅さやか

紅さやか

紅さやかは、佐藤錦とセネカを交配して作られる品種で、濃い色合いが特徴的なさくらんぼです。甘みが非常に強く、存在感のある深紅は、一度食べた人を虜にするさくらんぼとも言われています。

6月上旬から収穫が始まりますが、収穫し始めのころは比較的明るい赤色のさくらんぼが多く出回ります。6月下旬にかけて徐々に熟しきった紅色の紅さやかが出回るようになり、暗い赤色になったものが特に美味しいと人気です。

日本で好んで食べられるさくらんぼの多くは、皮が赤くても果肉は白い白肉種ですが、紅さやかは果肉まで赤く染まる赤肉種なのも特徴的と言えます。見た目の鮮やかさからデザートに添えるフルーツとしても選ばれることが多いです。

3.紅秀峰

紅秀峰

佐藤錦に並ぶブランドさくらんぼとして人気の紅秀峰。パリッとした固めの果肉と濃厚な甘みが人気を呼び、初夏の手土産や早めのお中元としても買い求められています。

佐藤錦よりも少し遅れて旬を迎えるため、6月下旬から7月初旬にかけて甘く熟した紅秀峰が味わえます。また、紅秀峰は旬の時期が短いことでも知られているので、味わいたい方は購入時期についてよく調べてみた方がよいでしょう。

4.紅てまり

2000年に登録された紅てまりは、宝石のような鮮やかな赤色と大粒でずっしりとした存在感が魅力のさくらんぼです。甘さと酸味のバランスがよく、甘い味わいを楽しみたい人にもさっぱりした酸味を味わいたい人にも好まれます。

生産量が少ないため、希少品として扱われることもあり、農家によっては数量限定で出荷していることも珍しくありません。

旬の時期はやや遅めの7月上旬です。

5.高砂

高砂はアメリカ、オハイオ州で作られた品種で明治時代に日本に持ち込まれました。小粒で濃い赤色が特徴です。果肉は柔らかく果汁が多く、ジューシーなさくらんぼが好きな方にぴったりでしょう。

ただし、やや酸味が強いため、コンポートやシロップ漬けとして食べられることも多いです。

6.ナポレオン

ナポレオンは17世紀頃からヨーロッパで広く栽培されてきた長い歴史を持つさくらんぼです。明治時代に日本にさくらんぼが持ち込まれた際、さまざまな地域でナポレオンが栽培されたと言われています。

張りがあり大粒の実と光沢のある艶やかな色合いが美しいさくらんぼとして、スイーツ作りに使われることも多いです。糖度も高くジューシーな味わいを楽しめるため、そのまま食べても美味しく味わえます。

7.アメリカンチェリー

アメリカンチェリー

アメリカンチェリーは、名前のとおりアメリカ原産のさくらんぼです。日本のさくらんぼと同じくセイヨウミザクラに実ります。

大粒で黒っぽい赤色が特徴的で、その見た目から「ダークチェリー」と呼ばれることも少なくありません。実は甘みが強く酸味は少ない傾向にあります。それでも、そのままアメリカンチェリーを食べるイメージがないという人も多いのではないでしょうか。

アメリカンチェリーは、そのみずみずしさや甘さを活かしてジュースやゼリー、コンポートなど加工されることが多いからです。

美味しいさくらんぼの選び方

美味しいさくらんぼの選び方

さくらんぼを選ぶ時には、なるべく美味しいものを選べるよう以下の点をチェックしてみてください。

  • 旬の時期に購入する
  • 色がムラなく赤く色付いているものを選ぶ
  • 枝の部分が太くて緑色のものを選ぶ
  • 皮にツヤと張りがある
  • 傷のないものを選ぶ

さくらんぼは熟してから収穫するため旬の時期に出回っているものは、どれも比較的美味しく食べられます。しかし、品種や産地によって旬の時期が多少ことなるため、それぞれの旬をチェックしておく必要があるでしょう。

また、太陽をしっかりと浴びて糖度が増したさくらんぼはムラなく赤く色付くのが特徴です。特にヘタの部分の色が薄くなっていないかよくチェックしてみてください。

さくらんぼの枝の部分を「ステム」と呼びますが、このステムが鮮やかな緑色をしており、なおかつ太いものは栄養を十分に吸収した品質の高いサクランボであると言えます。お店で購入する以外にも、さくらんぼ狩りなどでさくらんぼを選ぶ際の参考にしてみてください。

さくらんぼの上手な保存方法

さくらんぼの上手な保存方法

さくらんぼは熟してから収穫する果物であるため、基本的には購入後なるべく早く食べるのがおすすめです。また、温度変化に弱いため冷蔵庫などで保存すると風味を損なってしまうため注意しましょう。

購入したさくらんぼは、容器から出してザルなどに入れ、室内の日に当たらず風通しの良い場所に常温で保存するのがよいでしょう。

しっかり冷えたさくらんぼを味わいたい場合には、食べる1時間前に冷蔵庫に入れて冷やすのがおすすめです。

まとめ

さくらんぼの旬について紹介してきました。見た目が可愛らしく色鮮やかなさくらんぼは、品種や産地によって5月頃から順に旬を迎えていきます。お店で購入する際には、生産地や品種をチェックして旬の時期を迎えているものを選びましょう。ぜひ今回紹介した美味しいさくらんぼの選び方や保存方法を参考に、旬の絶品さくらんぼを味わってみてください。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!