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うどんとそうめんの違い5つ!ひやむぎや似ている麺との違いも紹介

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暖かいつゆを注いで食べたり、ザルにあげて冷たく食べたりするうどん。日本人が愛する麺類のひとつで、うどん好きな人も多いでしょう。一方、夏の定番麺でありお中元など贈答品としても人気のそうめん。

うどんとそうめんは違う麺類であることは分かるけど、明確に何が違うのかを詳しく説明できる人は少ないでしょう。

今回は、そんな知ってそうで知らないうどんとそうめんの違いについて詳しく紹介します。うどんとそうめんの違いについて詳しく知りたい人はぜひ最後までチェックしてみてください。

この記事でわかること

  • うどんとそうめんはJAS規格で太さによって分類される
  • うどんとそうめんは製造方法が違う
  • そうめんとひやむぎの違いは太さと製造方法
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  • スープカレー特集

とっても似ている「うどん」と「そうめん」

和食にはさまざまな麺類がありますが、なかでも特に似ているのがうどんとそうめんです。太さが違うのは一目瞭然ですが、他にも違うところがたくさんあります。

まずは、うどんとそうめん、それぞれの作り方や歴史などを紹介します。

うどんってどんな食べ物?

うどん

うどんは小麦粉を練って作る日本の代表的な麺の一種です。国内の麺類としては最も歴史が古いと言われており、それぞれの地域で独自の進化を遂げたご当地うどんにも多種多様なものがあります。

うどんの材料

一般的なうどんに用いられる材料は以下の3つです。

  • 小麦粉(中力粉)

基本の材料以外にも、その土地によって特別な小麦粉や水を使っていたり、異なる製法で作られたりしているうどんもあります。

うどんの作り方

うどんの作り方は以下のとおりです。

  1. 材料を混ぜる
  2. 寝かせる
  3. 捏ねる(踏む)
  4. 寝かせる
  5. 捏ねる(踏む)
  6. のし(伸ばす)
  7. たたむ
  8. 切る

うどん特有のコシを出すため、生地を袋などに入れて踏むのが一般的な作り方です。一方、踏まずに手でしっかりと捏ねてつくる「手打ちうどん」などもあります。

製造後に乾燥させれば乾麺として長期間保存でき、できたものをすぐに生めんとして食べることも可能です。乾麺と生麺、それぞれに味わいが異なりおなじうどんでも違った味わいや食感を楽しめます。

うどんの歴史

うどんは日本で最も古くから食べられてきた麺類と考えられています。奈良時代に遣唐使により中国から伝わったという説が有力で、当初は現代のような麺の形ではなくワンタンに近いものだったと言われています。

江戸時代には庶民の食文化にも浸透し、現代と同じ麺状のうどんが親しまれていました。

ちなみに、中国から伝わった麺は、日本ではうどんや蕎麦に進化しましたが、シルクロードを通ってヨーロッパに伝わったものはパスタとして進化していったと言われています。

そうめんってどんな食べ物?

そうめん

そうめんは、アジアで食べられている小麦を主原料とした細い麺類で、漢字で「素麺」と表します。基本的には冷たい状態で食べられ、ツルっとした涼やかなのど越しの良さから夏に涼を求めて食べる定番メニューとして親しまれています。

暖かくして食べるものは、同じ麺を使用していても「煮麺(にゅうめん)」と呼ばれるのが一般的です。

そうめんの材料

そうめんの材料は以下の4つです。

  • 小麦粉

そうめんはうどんと作り方が異なり、製造工程のなかで油が使われます。ここで使われる油も産地によってはオリーブオイルやごま油、米油など、さまざまなものがあります。

そうめんの作り方

そうめんの作り方は以下のとおりです。

  1. 材料を混ぜる
  2. 捏ねる
  3. 圧延(圧力を加えながら伸ばす)
  4. 板切り(生地を板状に切り取る)
  5. 油返し(細くしながら油を塗る)
  6. 細目(さらに細くしながら巻き取る)
  7. 掛巻き(2本の棒に8の字に生地をかけていく)
  8. 小引き(生地を引き延ばす)
  9. 大引き(さらに引き延ばす)
  10. ハタ掛け(麺を吊り下げてさらに延ばす)
  11. 乾燥
  12. 小割り(麺をカットする)

うどんと比べると、作業工程の多さが目立ちます。油返しの工程で油を使うため、うどんと比べるとそうめんの方がカロリーが高くなりやすい傾向にあります。シンプルなのでダイエット向き食品と思われがちですが、実はうどんの方が低カロリーなことはあまり知られていません。

そうめんの歴史

うどんと同じく奈良時代に遣唐使によって伝わったものが起源と考えられており、室町時代に「うどん」と「そうめん」が違う麺類として分類されるようになったという説があります。室町時代に作られたそうめんと現代のそうめんは殆ど製造方法も同じで、うどんに比べて手間がかかることから古くから高級品や贈答品として扱われてきました。

うどんとそうめんの5つの違い

うどん

続いては、うどんとそうめんのさまざまな違いについて見ていきましょう。

【うどんとそうめんの違い その1】成分

うどん(ゆで) そうめん(ゆで)
エネルギー 95kcal 119kcal
たんぱく質 2.6g 3.5g
炭水化物 21.6g 25.5g
脂質 0.4g 0.6g
ナトリウム 120mg 130mg

原材料がほとんど同じであるうどんとそうめんですが、含まれる栄養成分には若干違いがあります。カロリーや炭水化物の含有量においてそうめんの方が多くなっているのは、製造過程で油を使っている点が理由に挙げられるでしょう。

ダイエット目的で麺を食べるなら、そうめんよりもうどんの方がよさそうですね。

【うどんとそうめんの違い その2】形の違い

うどんもそうめんも形に対して規定がある訳ではないため、製品によってさまざまです。特にうどんは、平麺や太麺、細麺など種類が多く、それぞれに断面も異なります。

これらの前提をふまえたうえで、うどんは麺の断面が四角い形をしているものが多い傾向にあり、素麺は丸い断面のものが多い傾向にあります。

【うどんとそうめんの違い その3】味の違い

そうめん

うどんとそうめんを食べ比べた時、うどんの方が甘く感じやすいと言われています。これは、麺が細ければ細いほど、茹でる時にデンプンが流出しやすいことが原因と考えられています。

つまり、うどんであっても細いものは甘みを感じにくく、太いものは甘みを感じやすいと言えるでしょう。

うどんとそうめんを同じ味付けで食べても違う味に感じるのは、麺に含まれるデンプン由来の甘みによる違いです。

【うどんとそうめんの違い その4】太さの違い

JAS(日本農林規格)では、乾めんの品質表示において以下のように定められています。

  • 麺の太さの直径が1.3mm未満のもの→そうめん
  • 麺の太さの直径が1.7mm以上のもの→うどん

ただし、これらの規格は機械式で作られた乾麺にのみ当てはまります。手延べそうめんの場合は1.7mm未満であればそうめんとして表示が可能です。

【うどんとそうめんの違い その5】製造方法の違い

とても似ている2つの麺ですが製造方法は全く違います。

一般的に、うどんは細いものであっても生地を薄く延ばして折りたたみ刃物でカットして作ることが多いでしょう。一方、素麺は生地を延ばして徐々に細く長くしていく手延べ製法がほとんどです。

うどんのつゆとそうめんのつゆは何が違うの?

めんつゆ

うどんとそうめん、それぞれを食べる際に用いるつゆにも違いがあります。

うどんのつゆの方が味がしっかりしていることが多い

うどん用のつゆは、そうめんのつゆに比べて味がしっかりしているものが多いです。うどんの方が太いため、つゆの味がしっかりと麺に絡むように調整されています。

地域にもよりますが、そうめんのつゆに比べて出汁をしっかりととり、醤油などで濃いめの味付けをすることが多いです。

そうめんのつゆはストレートタイプが多い

太い麺にしっかりと味が絡むよう濃い目に作られることの多いうどんのつゆに対して、細いそうめんは味が絡みやすいため、つゆはさっぱりとした味付けにされていることが多いです。

市販されているつゆでも、そうめん専用のつゆはストレートタイプが多く、希釈せずに食べられるものが多いでしょう。そうめんは細く味が絡みやすいため、つゆを濃くしてしまうとしょっぱく感じてしまうことがあります。

うどんとそうめん以外にも似ている麺がたくさんある

うどんとそうめんの違いについては分かりましたが、よくよく考えるとうどんやそうめんに似ている麺は他にも沢山ありますよね。うどんやそうめんによく似ている麺類についても違いを紹介します。

ひやむぎ

ひやむぎ

ひやむぎはそうめんとよく似た麺類です。原材料はそうめんと同じで、製造工程もほぼ同じと言えるでしょう。しかし、以下の点がそうめんと異なります。

太さ

JASでは、そうめんとひやむぎを以下のように分類しています。

  • 麺の太さの直径が1.3mm未満のもの→そうめん
  • 麺の太さの直径が1.3mm以上1.7mm未満のもの→ひやむぎ

つまり、ひやむぎの方がそうめんよりも太いということです。ただし、JAS規格は機械製造されたものにのみ当てはめられるため、手延べ製法で作られた場合は、そうめん、ひやむぎ共に1.7mm未満であればよいとされています。

製造方法

そうめんとひやむぎは製造方法もほぼ同じですが、ひやむぎは手延べ製法でも最終的に刃物で麺をカットして仕上げるものがほとんどです。生地を刃物でカットするため、断面はうどんのように四角い形になります。

材料も太さもほとんど同じそうめんとひやむぎを見分けるため、ひやむぎには着色料などを混ぜて色を付けた麺を混ぜておくことが多いです。

ただし、最近は見映えのよさからさまざまな色に着色されたそうめんも多くみられるようになってきました。

稲庭うどん

稲庭うどん

稲庭うどんは、秋田県の郷土料理で日本三大うどんのひとつです。そうめんのように2本の木を用いて伸ばし、稲庭そうめんと呼ばれることもあります。

うどんのようなコシとそうめんのような細さが特徴的なうどんです。製造に大変な手間がかかることから高級品として扱われ、現在も贈答品として高い人気があります。

そうめんとは材料が違う

稲庭うどんは、そうめんと同じく掛巻きで延ばしていきますが、油を使いません。そのため、原材料でみればうどんの方が近いでしょう。油を使っていないため、カロリーも抑えられています。

うどんとは製造方法が違う

稲庭うどんは手延べ製法で作られており、一般的なうどんに比べると細いのが特徴です。うどんのように捏ねた生地を十分に寝かせたあと、そうめんのように2本の木に生地を8の字に絡めます。

手綯りと呼ばれる製法で作られるため、製造方法はそうめんの方が似ているでしょう。

五島うどん

五島うどん

五島うどんは長崎県五島列島の郷土料理です。細麺でコシが強く、稲庭うどんと同じく日本三大うどんとして親しまれています。

五島うどんは椿油を使う

五島うどんは手延べ製法で製造する際に椿油を使うのが特徴です。生地に椿油を練り込むことで、独特な食感を味わうことができます。

一般的なうどんよりも製造に時間がかかる

一般的に、うどんは2日かけて製造しますが、五島うどんは地域ブランド品として認定を受けるために乾燥工程を通常よりも長くとるのが特徴です。製造に3日間を要するため、一般的なうどんに比べると製造に時間がかかります。

離乳食にするならうどん・そうめんどっちがいいの?

離乳食

うどんやそうめんは、手軽に調理できることから赤ちゃんの離乳食に用いられることもあります。原材料もほとんど同じことから「どっちを使う方がいいんだろう?」と思う方も少なくありません。

もぐもぐの練習をしたい時には「うどん」がおすすめ

離乳食中期などで、もぐもぐやかみかみの練習をしたい時にはうどんがおすすめです。通常より長く煮込むことで、柔らかくなりやすく、短くカットすれば赤ちゃんがもぐもぐしやすく安全に食べられるでしょう。

生めん、ゆで麺などを使うと、さらに柔らかく煮込みやすく、離乳食を作る時間を短縮できます。

そうめんは離乳食後期以降がおすすめ

細くて食べやすいそうめんは、一見すると離乳食に向いているように見えます。しかし、製造過程で油を使用しているため、赤ちゃんの未発達な消化器官において負担になる可能性があるでしょう。

そうめんを使うのは、離乳食後期以降がおすすめです。

乾麺の場合は塩分に要注意

うどん、そうめん共に乾麺の場合は茹で汁に多くの塩分が流出します。茹でたうどんをそのまま離乳食にしてしまうと、赤ちゃんにとっては塩分過多になってしまうかもしれません。

うどん、そうめんともに乾麺を茹でて離乳食にする場合は、一度よく洗って塩分を洗い流してから離乳食に加えてください。

まとめ

今回はうどんとそうめんの違いについて紹介しました。うどんとそうめんは原材料こそほぼ同じですが、製造方法に大きな違いがあることが分かりましたね。

また、そうめんとよく似たひやむぎや、うどんの仲間なのにそうめんに近い製造方法で作られる稲庭うどん、五島うどんなど、似ている麺にはさまざまなものがあります。

それぞれに違いがあるからこそ、違った美味しさが楽しめるため、ぜひとも違いを感じながらうどんやそうめんを味わってみてくださいね。

PREZO編集部
PREZO編集部
美味しいものに目がない。食べ歩きやお取り寄せ大好きなPREZOのスタッフが、地域の魅力や商品にまつわるストーリー、北海道の豆知識など、とっておきの情報を発信!